アジア・太平洋水サミット及び各国首脳との会談等

更新日:令和4年4月23日 総理の一日

 令和4年4月23日、天皇皇后両陛下のオンラインによる御臨席の下、岸田総理は、熊本県熊本市で開催された第4回アジア・太平洋水サミットに出席しました。

 開会式では、天皇陛下がおことばを述べられ、続いて、総理が挨拶を行いました。午後には、総理は、首脳級会合に出席しスピーチを行い、続いて、ツバルのカウセア・ナタノ首相との会談、カンボジア王国のフン・セン首相との会談及び署名式、ラオス人民民主共和国のパンカム・ヴィパヴァン首相との会談及び署名式を行った後、アジア・太平洋水サミット及び各国首脳との会談等について会見を行いました。その後、総理はフン・セン首相との夕食会を行いました。

 総理は、開会式の挨拶で次のように述べました。

「内閣総理大臣の岸田文雄でございます。本日、天皇皇后両陛下のオンラインでの御臨席を賜り、そして、各国大統領・首相閣下、御列席の皆様に御参加いただいて、水の魅力にあふれる熊本でアジア・太平洋水サミットが開催されますことを、開催国政府を代表して、心から歓迎申し上げます。
 ここ熊本は、阿蘇(あそ)山の地下水に恵まれた土地でありますが、3,300億円の被害と69名の死者・行方不明者を出した2020年7月の豪雨を始め、これまでに多くの豪雨災害を経験してきました。さらに、2016年には大きな震災にも見舞われました。こうした自然災害に対し、地域・国を挙げて復旧・復興を進めるとともに、防災・強靭化(きょうじんか)の取組を強化しています。明日、私自身、豪雨の被災地、人吉に赴き、復旧・復興の状況を視察することとしています。世界的に新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、この熊本で、海外からもお迎えして、水サミットを開催できますことを大変うれしく思います。
 今からおよそ130年前、熊本の地で生まれ、医学を学んだ北里柴三郎(しばさぶろう)は、世界の脅威であったペスト菌を発見するなど、感染症との闘いに力を尽くし、人類の未来に光を灯しました。今日(こんにち)、我々は新型コロナとの闘いを通じて、改めて、世界各国が連帯して人類の共通の脅威を克服し、共に発展していく重要性を強く認識しました。このサミットに集結した私たちが、共に質の高い社会を作り上げていくために、人類の生存のために不可欠な水をめぐる社会課題について話し合えることは、大変有意義であると考えます。新型コロナによるパンデミックの中で、綺麗(きれい)で安全に処理された水を手洗いなどに当たり前のように利用できる有り難さを実感しています。
 気候変動の影響は、激甚な水害の頻発、渇水などアジア・太平洋地域を始めとして、全世界で社会課題として顕在化しています。水は、貧困、公衆衛生、食糧、環境、エネルギー、平和と安全保障など、様々な社会課題と密接な関係があります。
 これら全ての水をめぐる社会課題に責任を有するのは誰でしょうか。その答えは我々、各国の首脳です。水を治める者は国を治める、という古くからの言葉があります。今や水を治めることは、地球規模の社会課題を解決することに大きく貢献します。日本では、2007年の第1回水サミットを受けて、内閣総理大臣をトップとする水循環政策本部を設置し、水循環政策を強力に進めています。ここに集う我々は、このサミットを契機として、一致団結して、レジリエントで、そして持続可能な開発を促進するために、水問題への取組をけん引する責務があります。
 そして、この水サミットを第1回からけん引してこられた本サミットの議長、森喜朗元内閣総理大臣のリーダーシップに、改めて深く敬意を表し申し上げます。私自身、2000年にオランダ、ハーグで開催された第2回世界水フォーラムに、当時、建設政務次官として参加するなど、世界の水問題の解決に積極的に取り組んでまいりました。今回、開催国の総理大臣として本サミットに臨むに当たり、アジア太平洋地域における水問題の解決に向けた行動を、より一層加速させる使命を強く感じています。本サミットでの議論と成果は、アジア太平洋地域のみにとどまるものではなく、世界の水問題や、防災、気候変動に関する今後の議論に対しても、大きな力と知恵を与えるものと確信しています。今こそ、この熊本から、アジア太平洋地域の叡智(えいち)と決意を結集し、世界の水問題の解決に向け、大きく踏み出す好機と考えます。
 結びに、本サミットの開催に御尽力された主催者を始めとする皆様に対し、深く敬意を表し、私の御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。」

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