政府与党政策懇談会

更新日:令和5年10月26日 総理の一日

 令和5年10月26日、岸田総理は、総理大臣官邸で政府与党政策懇談会に出席しました。

 会議では、経済対策(税制等)について議論が行われました。

 総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

「私がこの会議の前に新藤大臣、鈴木財務大臣、鈴木総務大臣に指示した国民への還元の具体化の方向性について、先ほど代表して鈴木財務大臣から、お手元の資料とともに説明いただきました。
 我が国経済は30年来、続いてきたデフレを脱却できる千載一遇のチャンスを迎えています。しかし、現時点では、賃金上昇が物価高に追いついておらず、放置すれば再びデフレに戻りかねません。千載一遇のチャンスを逃すことなく、デフレ脱却を確実にするためには、賃上げが物価に追いつくまで政府として支えることが肝要です。デフレ脱却のための一時的な措置として、賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和するには、国民の可処分所得を直接的に下支えする所得税・個人住民税の減税が最も望ましいと考えています。過去2年間で所得税・個人住民税の税収が3.5兆円増加する中で、国民負担率の高まりが続いてきたことも踏まえ、この税収増を納税者の皆様にわかりやすく、国民に税の形で直接還元することといたします。具体的には令和6年度税制改正において定額減税をお願いしたいと考えております。その概要を財務大臣から説明いただきましたが、関係大臣及び自民党、公明党の税制調査会長におかれては、先月26日に私が閣議で指示した賃上げ税制の減税制度の強化、戦略分野の国内投資促進や、特許などの所得に関する減税制度の創設などと併せて、この定額減税の検討を深めていただき、令和6年度税制改正として、いずれも年末に成案を得るべく、その方向性を今般の経済対策に盛り込んでいただきたいと思います。
 物価高に最も切実に苦しんでおられるのは、低所得者の方々であり、この方々には物価高対策のための重点支援地方交付金の低所得者世帯支援枠を追加的に拡大し、今回1世帯当たり7万円を追加することで、住民税非課税世帯、一世帯当たり合計10万円を目安に支援を行うことといたします。このことは、今般の経済対策に盛り込むことで迅速に対応いたします。令和6年度税制改正による定額減税とこの住民税非課税世帯への支援は、支援の手法、対象となる所得層、実施タイミングが異なる中、両支援の間におられる方に対しても丁寧に対応いたします。これらの対応について、物価高対策のための重点支援地方交付金による対応を中心に、新藤大臣において与党と協議しつつ検討を深めていただき、令和6年度税制改正と併せて年末に成案を得るべく、その方向性を今般の経済対策に盛り込んでいただきたいと考えています。
 与党税制調査会を含め、しっかりそれぞれの党内で御議論いただくことを前提として、総合経済対策としての取りまとめを11月2日木曜日に行いたいと考えております。なお、児童手当の抜本的拡充の実施が来年10月に予定されています。再来年2月の支払開始とされていたところ、児童手当の支払月を隔月の年6回とする法改正をあわせて行い、拡充後の初回支給を来年12月に前倒ししたいと考えており、このことも今般の総合経済対策に盛り込ませていただきたいと考えています。
 今般、高校生や児童手当制度の現行の所得制限外の子供も含めて、来年6月から一人につき4万円の定額減税を行うことは、実質的に児童手当の抜本的拡充を更に前倒しする効果も持つものであります。今後とも、こども未来戦略方針のスピード感ある実行に努めますが、定額減税の制度設計に当たっては、こうしたことも念頭に置いていただきたいと考えています。
 還元の形で思い切った下支えを行うのと並行して、これまで染みついたデフレマインドからの転換、経済・労働界に強く働きかけてまいります。そのためには、来年の賃上げの動向、これが鍵となります。変化を力に変え、新しい経済ステージへの変革を、歴史的なチャンスをつかめるかどうか。来年の賃上げ水準にかかっている旨、私自身、先頭に立って訴えていきたいと考えております。どうぞ御協力いただきますようお願い申し上げます。」

これまでの総理の一日