世界海上保安機関長官級会合

更新日:令和5年10月30日 総理の一日

 令和5年10月30日、岸田総理は、都内で開催された第3回世界海上保安機関長官級会合に係るウェルカムレセプションに出席しました。

 総理は、挨拶で次のように述べました。

「内閣総理大臣の岸田文雄です。各国の海上保安機関の皆様方に、改めまして、日本にお越しいただきましたこと、心から歓迎申し上げます。
 新型コロナウイルスというパンデミックを超えて、4年ぶりにこうして皆様方が一堂に会する機会を持たれました。今回の会合はパンデミックを克服した、こうした意味もある大変意義深いものであると思っております。ホスト国の首相として大変光栄にも思うところです。
 そして今、国際社会は、協調と分断が複雑に絡み合う、誠に難しい時代に入っていると感じています。
 地政学的な競争、また気候変動を始めとする地球規模の課題、また国際的なテロや犯罪の脅威、こうしたものが顕在化しています。科学技術の発展は、国家、社会、個人のレベルで、大きな影響を与えています。我々は、大変大きな変化に直面していると感じています。
 こういった時代に、私たちは、どのように行動すべきなのでしょうか。
 それは、世界の人々が、それぞれの歴史的・文化的多様性を尊重しながら、力による一方的な現状変更ではなく、対話によって課題を解決していく、こうした道を求めていくということなのだと思います。
 これは大変シンプルな考え方ですが、しかし、こうした多くの人々が共感する力強い考え方、これを我々は共有することが今求められているのではないかと考えています。
 今回の世界海上保安機関長官級会合、これは正に、海上保安分野における各国のリーダーが集まり、対話を通じて、共通の価値感を分かち合う、こうした重要な機会であると思っています。
 この会合において、対話によって課題解決の道を求める、そして国々の結束が一層固く結ばれる、こうしたことを確信しております。
 このような考え方に基づき、日本では、アジア諸国の海上保安機関職員を1年間招へいする修士課程である、海上保安政策プログラム、これを実施しております。友好の固い絆(きずな)で結ばれた修了生が母国に帰国する際に、私も面会させていただき、エールを送らせていただきました。海上保安分野での一層の対話と友好が促進されることを心から期待しております。
 海は、古来より交易、交流を通じて、人と人をつなぎ、そして豊かな恵み、これを与えてくれました。海は人類の繁栄・発展の礎です。
 先人から受け継いだ豊かな海を未来に向かって守り抜く。そして、次の世代にしっかり引き継いでいく。私たちの世代は、その使命を果たしていかなければなりません。
 海が、法の支配の下、自由で開かれた秩序を維持することは、我々人類に共通する利益であり、その先頭に立つのが、ここにいらっしゃる、海上保安機関の皆様です。
 皆様方のたゆまぬ努力と、そして献身的な貢献に心から敬意を表するとともに、皆様方の活躍によって、世界中の海の平和と、そして繁栄がもたらされ続けることを、心から願っております。
 今日のこのレセプションに続いて、明日、そして明後日、2日間にわたって議論が予定されていると承知しております。皆様のこうした対話、そして議論が大きな成果につながりますこと、そしてそのことが世界の平和と繁栄につながりますこと、心から祈念して御挨拶といたします。」

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