日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議 総理夫妻主催晩餐会

更新日:令和5年12月16日 総理の一日

 令和5年12月16日、岸田総理は、迎賓館赤坂離宮で日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議 総理夫妻主催晩餐(ばんさん)会を開催しました。

 総理は、冒頭の挨拶で次のように述べました。

「御列席の皆様、日ASEAN(東南アジア諸国連合)友好協力50周年特別首脳会議を明日に控え、こうして皆様をお迎えできますこと、大変光栄に思っております。
 ASEANの皆様方は、多様性の中で一体性を大切にし、大きく成長し、共同体を構築し、そしてインド太平洋に関する独自のビジョンを作成され、推進してこられました。私はこうした努力に対して、心から敬意を表し申し上げたいと思いますし、あわせて、このASEANの歴史に日本がアジアの一員として寄り添うことができたこと、この幸運を心からうれしく思っております。私は11年前に日本の外務大臣に就任して、今日まで延べ32回ASEAN各国を訪問してきました。そして、50年前から、紆余曲折(うよきょくせつ)を経ながら、互いに高め合ってきた先人の積み重ねに感謝し、そして、そのたまものである今日の密接な関係を肌に感じてきました。
 本日は、その礎を土台として、次の50年に向けた新たなステージに深化させるべく、三つの点について具体的なアクションを示したいと思います。
 一つは、日本とASEANの関係の核心は、何と言ってもお互いの信頼です。その信頼を裏打ちするのは、苦難なときも、一貫して共に歩んできた歴史の重みだと思います。こうした心と心のつながりを、次の世代にしっかりとつなげていきたいと思っています。
 そしてそのため、今後10年間で一千万人以上が受益する包括的な人的交流プログラム、次世代共創パートナーシップを新たに立ち上げ、また、若いビジネスリーダーなどの、双方向の交流を更に推進していきたいと思っています。
 そして二つ目は、一か国では解決困難な複合的危機の時代において、日本とASEANが、互いにその強みを持ち寄り、強固な信頼関係の下で、解決策を見いだす。お互いの活力を相互に還流させて更なる活力を生む強い経済をつくり、幅広い中間層が夢をつかめる、こうした社会さらには経済、これを共創するパートナーとして、共に成長したいと思います。
 そのために、連結性の強化、またアジア・ゼロエミッション共同体構想を含む気候変動対策、さらには中小企業・スタートアップ支援を重点に置く官民の連携、こうした取組を進めてまいります。オファー型協力などのODA(政府開発援助)の新しい取組も活用して、民間の投資を一層後押ししていきたいと思います。
 そして、ASEANが世界の中心的な自動車生産、そして輸出ハブであり続けるための戦略を協力して策定・実施する、日ASEAN次世代自動車産業共創イニシアティブを立ち上げます。
 そして三つ目として、日本とASEANが変わらず追い求めてきたものは平和と繁栄です。より良い経済・社会が共創され、広がることで、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序がより確固たるものとなります。インド太平洋地域の平和と繁栄、そして、人間の尊厳が守られる世界を共に創ってまいりましょう。
 そのために、ヒロシマ・アクション・プランに基づく核軍縮・不拡散、また法制度整備支援を含む司法分野の協力、女性・平和・安全保障、サイバーセキュリティ、防衛交流・協力、政府安全保障能力強化支援、こうした取組を進めていきたいと思います。
 私は、こうした確信をもって、明日の会議に臨みたいと思います。是非、ここに集まった友人同士、後世に残る未来のビジョンをこの世の中に示してまいりましょう。
 そして、堅い話はここまでといたしまして、今日これから、是非おいしい料理を味わっていただき、そして楽しいひとときをお過ごしいただきたいと思います。それでは、皆様方の健康、そして御多幸、日本とASEANのこの友情が未来に向けて更に発展することを祈念して、杯を上げたいと思います。」

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