「TICAD30周年記念イベント」岸田総理ビデオメッセージ

更新日:令和5年8月28日 総理の指示・談話など

 御列席の皆様、1993年、TICAD(アフリカ開発会議)は、アフリカの開発をテーマとした国際会議として、ここ東京で産声を上げました。それから30年がたち、本日こうして、皆様と共に、TICAD30周年を記念するイベントを開催できることを心からうれしく思います。
 冷戦終結後、アフリカ開発の重要性をいち早く訴え、国際社会のアフリカへの関心を高めたのが日本であり、TICADでした。そして、TICADが打ち出した重要な開発哲学が、アフリカ開発における「アフリカ自身のオーナーシップ」と「国際社会のパートナーシップ」です。この考えは、アフリカ諸国の支持を集め、国際社会にも浸透し、定着しました。
 日本は、過去30年間の長きにわたり、アフリカの成長を推進するとのコミットメントを、アフリカに寄り添いながら具体化してきました。私がTICAD8で、日本はアフリカと「共に成長するパートナー」でありたい、と述べたのも、こうした取組を更に一歩前進させるためであります。3年間で官民総額300億ドル規模の資金投入を行うことなどを始め、公約を着実に実施していきます。
 激動する国際情勢の中、アフリカは、パンデミック後も続く経済の停滞、ウクライナ情勢による食料・エネルギー価格の高騰、不透明・不公正な開発金融による影響など、様々な課題に直面しており、紛争・テロにも苦しんでいます。その一方で、国際社会におけるアフリカの重要性や発言力は、年とともにますます高まってきています。このような状況を踏まえ、私は、G7広島サミットの直前に、アフリカの東西南北の主要国を訪問し、各国が直面する様々な課題に耳を傾け、その成果をサミットでの真剣な議論につなげました。
 本日お集まりの皆様、こうした時代の変化を踏まえ、これからのTICADはどうあるべきでしょうか。30周年というこの節目の機会に、TICADのこれまでの歩みと今後の展望について、活発な意見交換が行われ、皆様の知恵と経験、そして熱気が、日本とアフリカの将来を担う若者たちへのメッセージとなり、2025年に横浜で開催予定のTICAD9を始め、今後のアフリカの発展と安全につながることを心より祈念いたします。
 御清聴ありがとうございました。

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