三海域イニシアティブ首脳会合における岸田総理ビデオメッセージ

更新日:令和5年9月6日 総理の指示・談話など

 ヨハニス・ルーマニア大統領閣下、御参加の皆様、日本国総理大臣の岸田文雄です。
 三海域イニシアティブは、中・東欧及びバルト諸国の連結性の強化を通じて、強く繁栄し、結束した欧州の実現に貢献する重要な取組です。欧州とインド太平洋の安全保障は不可分であるとの認識が広まる中、日本としてもこの取組を強く支持しています。今次首脳会合開催に当たってのルーマニアの指導力に敬意を表します。
 三海域イニシアティブに基づくインフラ整備推進の重要性は、今年3月にヨハニス大統領と私が発表した「日・ルーマニア戦略的パートナーシップ」にもうたわれています。ルーマニアでは、ドナウ川に架かる大型の吊(つ)り橋であるブライラ橋を始めとして、日本の質の高い技術が連結性の強化に貢献しています。ウクライナ産穀物の主要輸出ルートとして大きな役割を果たすルーマニアにおいて、ブライラ橋は、連結性に関する日EU(欧州連合)協力の重要な成果でもあります。
 会議2日目の明日は、この地域での民間アクターの更なる貢献を視野に、多くの日系企業の参加も得て、ビジネスフォーラムが開催されるものと承知しています。日本政府としても、三海域イニシアティブの下での、日本企業の一層の参画を促すべく、積極的に役割を果たしてまいります。
 ウクライナ侵略への同志国間の連携の強化という観点から、今回の首脳会合にウクライナ及びモルドバが招待されたことは時宜にかなったものと考えます。日本は、ウクライナやその近隣国への支援を継続し、一日も早くロシアによるウクライナ侵略を止め、ウクライナに公正かつ永続的な平和を実現すべく取り組んでいきます。
 御清聴ありがとうございました。