第11回高校生ビジネスプラン・グランプリ 岸田総理ビデオメッセージ

更新日:令和6年1月9日 総理の指示・談話など

 皆さんこんにちは。内閣総理大臣の岸田文雄です。日本政策金融公庫主催第11回「高校生ビジネスプラン・グランプリ」最終審査会の開催に当たり、一言、御挨拶申し上げます。
 私は内閣総理大臣として、新しい経済社会政策の理念である「新しい資本主義」の実現に取り組んでいます。私たちは、近年、新型コロナ、世界的な物価高騰、地球温暖化の加速、少子高齢化の進行など数十年に一度の難しい課題に次々と直面しています。同時に生成AI(人工知能)を始めとする技術の進歩とその普及も著しく、我々を取り巻く環境は急速に変化しています。こうした社会課題を成長のエンジンに変えていくことで、課題の解決と成長を同時に実現する。変化をチャンスに変えてつかみ取っていく鍵となるイノベーションを生み出すに当たっては、一人一人が「アントレプレナーシップ」を発揮することが重要です。
 「アントレプレナーシップ」とは、急速な社会環境の変化を受容し、新たな価値を生み出していく精神を言いますが、理想と現実のギャップから課題を認識し、課題の真の原因を突き止め、解決策と新たな価値を見つけ出し、これを実現するために仲間の力も借りながら行動する。これこそが「アントレプレナーシップ」習得のプロセスであり、正に、この「高校生ビジネスプラン・グランプリ」への参加を通じて皆さんが経験した取組そのものであります。そして「アントレプレナーシップ」を習得した皆さんが、必ずや将来の日本の経済社会を牽引(けんいん)していくと確信しています。
 このグランプリの主催者である日本政策金融公庫の融資や経営サポートを受けて上場を果たした企業は、この30年余りで約900社、上場企業全体の約3割に上っています。令和4年に上場した企業では約6割にも上っています。
 こうしたスタートアップへの支援を通じ、若い皆さんが自由な発想でいろいろなことにチャレンジし、新しい技術やイノベーションが社会実装される、わくわくするような未来、力強く成長する経済、そして安心して暮らせる社会を、皆さんと共に築いていきたいと思います。
 この「高校生ビジネスプラン・グランプリ」は、「創造力、無限大」のキャッチフレーズの下、課題を発見する力、若者が自ら未来を切り開く力を養うことを目的としており、本日開催される、この最終審査会は、ファイナリストとして登壇する10組の皆さんを始め、このグランプリに参加した全ての皆さんにとっての未来、そして日本の未来に向けて歩み出すスタート地点となることでしょう。
 結びとなりますが、皆さんの健闘と白熱した審査会を期待するとともに、この「高校生ビジネスプラン・グランプリ」が、次世代の「アントレプレナーシップ」の普及の場として、今後もますます発展することを祈念して、私からのメッセージとさせていただきます。皆さん、悔いのないよう、精一杯頑張ってください。