G7首脳会合等についての会見

更新日:令和4年3月24日 総理の演説・記者会見など

(G7首脳会合等について)

 まず、今回の対面でのG7首脳会合は、ロシアの暴挙を決して許さず、G7が主導して国際社会の秩序を守り抜くという強い決意を確認する大変有意義な会合となったと思います。G7首脳会合では、私から、ロシアによる平和条約交渉中断宣言にひるむことなく、今後とも断固とした対応を取っていくこと。また、ロシアによる大量破壊兵器の使用の可能性を深刻に懸念しており、核兵器は当然のことであり、また生物・化学兵器の使用も決してあってはならないということを強調いたしました。また、私から、我が国の対露追加制裁措置、そしてウクライナ及び周辺国への追加の1億ドル緊急人道支援、保健・医療分野の人的貢献の検討、避難民受入れ促進のための追加措置などの取組を紹介するとともに、先般のインド、カンボジア訪問の成果を含め、アジアを代表してG7に参加する日本の第三国への働き掛けについても説明し、高い評価を得たところです。
 そして、このG7首脳会合と併せてバイ会談を行いました。短時間の滞在ではありますが、米国のバイデン大統領、そしてEU(欧州連合)、英国、ポーランド、NATO(北大西洋条約機構)、カナダ、こうした国々と会談を重ねて、それぞれの首脳と膝を突き合わせて率直な意見交換を行い、ウクライナ情勢について強力な対露制裁、そしてウクライナ及び周辺国への支援、こうしたものを含めて、緊密に連携していくことを確認いたしました。
 また、本日の北朝鮮による弾道ミサイルの発射についても、私から、そのような行為を強く非難するとともに、北朝鮮の核・ミサイル開発問題にG7として連携して対処していくこと、これも確認いたしました。
 今回の危機において、G7は非常に効果的に対応しています。我が国は、G7の来年の議長国として、本年の議長国ドイツを始め、各国と緊密に連携しながら、ロシアの侵略に対する国際的な取組をリードしていきたいと思います。
 そして、質問としてバイデン大統領とのやり取りについてありましたが、バイデン大統領と短時間ではありましたが、協議を行い、ロシアによるウクライナ侵略への対応、そして、今朝の新型ICBM(大陸間弾道ミサイル)と思われる弾道ミサイルの発射を含む北朝鮮への対応について、日米で緊密に連携していくことを確認いたしました。また、日米同盟の一層の強化について、日米間の連携を確認した、こうした内容となりました。

(ロシアへの新たな制裁やウクライナや周辺国への支援策等について)

 まず、最初の追加の制裁、あるいは新たな支援についてですが、まず制裁については、第1に、今後ロシアの最恵国待遇の撤回のための法改正案を今国会提出に向け、準備を進めるということ。第2に、輸出禁止対象に81の軍事関連団体を追加するということ。第3に、多くのオリガルヒや、その家族等を制裁対象に追加するということ。第4に、ぜいたく品の輸出禁止措置を来週初めに導入するということ。第5に、デジタル資産を用いたロシアの制裁回避に対応するため、金融面での制裁の実効性を更に強化するための法改正案も今国会提出に向け、準備を進めるということ。本日のG7首脳会合などの場で、我が国がこれらの追加の制裁措置を行っていくことを説明し、高く評価された次第です。
 一方、ウクライナ及び周辺国に対する支援ですが、これまで表明した1億ドルの人道支援に加え、追加で1億ドルの緊急人道支援を行うことを表明いたしました。また、周辺国に滞在する避難民支援のため、物資協力や医療・保健等の分野での人的貢献、これを検討しているということについて説明いたしました。さらに、日本への避難民受入れ支援を進めるための取組も進めてまいります。ポーランドにウクライナ避難民支援チームを設けます。また、古川法務大臣を総理特使として近くポーランドに派遣し、避難民受入れを促進いたします。こうした取組をポーランドのモラヴィエツキ首相に説明し、先方から日本の貢献を高く評価するとの発言がありました。今後とも困難に直面するウクライナの方々を支えるため、できる限りの支援を行ってまいります。
 そして、抜け道の話ですが、G7首脳会合において私からは、国際社会が結束して厳しい対露制裁措置を講ずる中、ロシアへの支援や、制裁のバックフィルはあってはならないということを指摘いたしました。G7首脳間で制裁の回避や迂回(うかい)、バックフィルを行わないことについて、引き続きG7で緊密に連携して、各国への働き掛けを続けていくことも一致いたしました。その点を成果文書でも確認したところです。

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