栃木県訪問についての会見

更新日:令和5年7月21日 総理の演説・記者会見など

(今回の視察の感想及び政策への反映について、並びに全国視察の狙い及び意気込みについて)

 本日ここ、こころみ学園とワイナリー、拝見させていただきました。利用者の方々、そして家族、地域において就労支援に取り組んでいる方、あるいは障害のあるお子さんの御家族など、御意見を聞かせていただく場も持っていただきました。こころみ学園とワイナリーでは、障害をお持ちの皆さんが働く喜びを実感しながら、力を合わせて地域に貢献して、世界のワイン通を唸(うな)らせるほどのワインを生み出している、そういったお話を聞かせていただき、お姿を拝見しまして、感銘を受けた次第です。
 多様性が尊重される社会、意欲のある人が、全ての方が力を発揮できる社会、これを目指していかなければならないと思います。そしてあわせて、お話聞いておりますと、高齢化の問題など、直面している課題にもいろいろ触れていただきました。こうした高齢者の方々、障害のある方々、女性・若者もちろんですが、様々な方に目配りをした政策が求められる、そんなことを感じた次第です。
 そして、今後の政策への反映ですけれど、昨年の臨時国会で、障害者総合支援法等の改正、これが行われました。企業等での障害者の雇用者数、これ着実に増加して20年間で2倍以上になっています。こうした法改正に基づき、より良い働き方が選択できるように、福祉と雇用の連携強化に向けて、そして、生活を末永く支える体制作りに向けて努力をしていきたい、このように思っています。
 また、農福連携ということについても、来年度末に取り組む主体を約7,000まで増やす目標、これを着実に達成してまいりたいと思っています。こころみ学園とワイナリーは、65年前の障害児たちによる開墾の取組から始まった、こういった話を聞きました。最後の越知所長さんの言葉の中に、「年をとることには明日がある」という言葉がありましたが、これを正に実践されておられます。
 こうした取組を後押しするためにも、本年中に、こども大綱を取りまとめることにしておりますが、具体的に支援の強化を進めていきたいと思っています。
 そして、全国視察の意気込みの部分ですが、本年10月で内閣総理大臣就任から2年となります。これまでも多くの声、聞く力、こうしたものを強調して政策を取り組んできましたが、2年の節目を前にして、引き続きこうした政権発足の原点の姿勢、これを大事にしていくためにも、積極的に様々な声や現場の声を聞かせていただこうと、こういったことで、全国視察をこの夏、特に力を入れよう、こういったことで取組を始めます。
 視察及びスケジュールは調整中ですが、こども・子育て、デジタル、あるいは認知症関係の現場、こうしたところを訪問したいと思っていますし、加えて、今般の大雨被害による被災地を訪問し、直接、現状や要望を伺う機会を持つことも予定しているところです。以上です。

(全国視察の第一弾として栃木県を選んだ理由、並びに視察を通しての栃木県及び足利市の印象について)

 まず、今、申し上げたように、この夏は、できる限り全国の皆さんの声を伺いたいと考えていますが、その一環として、今日の視察は、農業と福祉の連携、農福連携の草分け的な事例ということで、こころみ学園、ワイナリーを視察させていただいた、こうしたことであります。
 そして、栃木県と足利市の印象ですが、例えば、栃木県は、54年間連続、生産量日本一のいちごを始めとする農業もありますし、また最近は日本酒も、随分、日本のみならず、国際的に評価されているという話も先ほど聞かせていただきました。こうした農産品においても大きな可能性がある地域だという話、知事さんや市長さんのお話の中からも聞かせていただきましたが、それ以外にも、自動車ですとか航空機といったもの作りもある。さらには、日光や那須といった観光資源もある。こうした様々な可能性や魅力のある県であると思いますし、この足利市には外国人観光客にも人気のある、足利フラワーパークなどの見所もある。こうした様々な魅力のある地域だということを、今日お話を伺う中からも感じた次第です。
 そういった地域において、正に安心して暮らせるために、こうした就労支援ですとか、障害児支援に向けての取組を行っておられる。こうした取組に心から敬意を表したいと思います。是非、こうした素晴らしいところは、全国に横展開する、こういったことも政府として後押しすることができたらなあということを感じております。以上です。

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