| 平成十一年六月一日 内閣総理大臣挨拶 |
一、本日は、皆様、大変お忙しいところをご出席頂きまして、誠にありがとうございます。この「二十一世紀日本の構想」懇談会第三分科会の第一回会合が開催されるに当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。
二、「二十一世紀日本の構想」懇談会は、有識者の皆様方に二十一世紀のあるべき日本の姿についてご議論いただき、次の世代に引き継ぐべき指針をまとめたいとの考えで、去る三月末に設けたものですが、今般、五つの大きなテーマ別に分科会を設けて、具体的に議論を深めて頂くこととなりました。
三、本日は、その第三分科会の最初の会合が開かれ、「安心とうるおいの生活」についてご議論いただく機会が得られたことをうれしく思っております。私自身、今後ともでき得る限り本会合に参加して、皆様方のご賢察を直接伺い、勉強させて頂きたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
四、私はかねてから、日本のあるべき姿として、「経済的な富」に加え、「品格」あるいは「徳」のある国、物と心のバランスの取れた国家として、他の国から顧みて真に尊敬に価する国として世界のモデルになるよう目指したい、と考えてまいりました。
五、本分科会のテーマであります「安心とうるおいの生活」を国民一人一人が送れるということは、言うまでもなく、国の基本であり、礎であります。今日、国民の多くが長寿を享受できるようになりましたが、その一方で、老後の生活に対する不安感もまた広がっております。二十一世紀の本格的な少子・高齢社会に向けて、いかにして国民が安心して暮らすことのできる、明るく活力ある社会を築き上げていくかは、私どもに課せられた大きな課題であります。また、科学技術の進歩の中で、人と自然との関わりをどう捉えていくのか、更には、人間らしい「生き様」や人間としての「真の幸福」を何に求めるのか、といった根源的な問いが、今日改めて投げかけられているのではないかとも考えております。座長の中村先生はじめ皆様方におかれましては、ご専門の分野やご経験に基づき、幅広い見地から自由で闊達なご議論を行って頂き、二十一世紀を担っていく若い世代のために、指針をまとめて頂きますようお願い申し上げます。
六、ご多忙な各位の貴重なお時間を頂戴いたしますのは恐縮の至りでございますが、お力添えをいただきますよう、重ねてお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。