「21世紀日本の構想」懇談会

総理と若者との対話集会の模様

1999年11月15日
内閣総理大臣官邸大ホール

【河合座長】 皆さんこんばんは。これから「21世紀日本の構想」懇談会の「総理と若者との対話集会」を開催いたします。本日は懇談会にご提言をいただいた中から、18歳より20歳代後半の方々18名をここにお招きしております。

 それでは、まず小渕総理から、本日の若者との対話集会に期待することを含めて、ごあいさつをお願いいたします。

【小渕総理】 こんばんは。ようこそ官邸に出掛けていただきまして、本当にありがとうございました。

 今、新しい官邸を建て替えているところですから、皆さんがここに入るときには新しい建物になっているだろうと思います。これは、歴史のある官邸で、この建物の中には、二・二六事件など昭和のいろいろな事件が収まっているわけです。今日は全国各地から若い皆さんにお出掛けいただきましたので、率直な話ができればと思います。

 私が総理大臣になりまして、2000年、21世紀までやれるかどうかわからぬとしても、やはりミレニアムという、普通のセンチュリーじゃなくて千年紀の始まりになるという時代に、日本の国と世界に対してどういう責任を負っていくべきかということを考えました。そこで、日本のあるべき姿を考えておられる先生方にお集まりいただき、「21世紀日本の構想」懇談会という会をつくって、考えを取りまとめていただいているんです。しかし、社会経験を考えると、どうしてもメンバーは50歳以上の方が多い。そこで、是非若い方々と率直な意見交換をしながら、この懇談会の中にも若い方々のご意見を取り入れることができればと思い、この会を開催することになりました。

 来世紀の前半期は皆さんの人生にとって一番大切な、そして生涯を通じてもいろいろな目的に挑戦できるすばらしい時を迎えるんだろうと思います。是非日ごろ考えていること、そして将来のことをお話いただければと思います。そして、今日の会合がお互いにとって意義あることになれば望ましいと思っています。

【河合座長】 ありがとうございました。本日は、懇談会幹事の日本国際交流センターの山本さんにもご出席いただいております。

 それではまず、本日御参加いただいた方々に簡単に自己紹介をお願いします。

(この後、後掲リストの各参加者から自己紹介)

 では、これから皆さんの御意見を伺いながら対話を始めたいと思います。

 皆さんの御意見の中で一番多かったのは教育に関することでしたので、まず、教育のことに焦点を当てて話を進めたいと思います。私が指名をしますので、簡潔に意見を述べていただくということで、それでは、春宮さんからお願いします。

【春宮】 まず初めに、こういう機会を与えていただいた総理に感謝したいと思います。それと同時に、何で今までこういう機会がなかったのか、僕には非常に不思議でしようがありません。

 よく若者は教育あるいは国政に関して全く関心がないと言われますけれども、そんなことはないと思います。現にこれだけいっぱいの方が参加し、選抜の段階ではもっと多くの方が参加したわけですから、まだ関心はいっぱいあると思うんです。では、そういう人たちの層をもっと広げるにはどうしたらいいか。それについて、僕が思ったことを述べたいと思います。

 何が必要かというと、僕は、学生がもっと国政に参与する機会を持つべきではないかと考えています。学生が政治家になるとかではなくて、例えば企業でもやってますインターンシップを政府でも行うとか、あるいは司法の場に参加する機会を与えるとか、あるいは立法の国会に受け入れる枠を設けるとか、そういうふうなことを是非やっていただいて、もっと我々に発言したり実行する機会を設けていただきたい。そして、できればこういう機会を今後も継続していただきたいなと思います。

【小渕総理】 全くそのとおりです。自分で選挙に出るとか、選挙活動をするということだけでない、政治への参画ということを是非大いにやっていただきたいと思います。

 最近はインターネットが非常に普及し、僕が総理になってから今までで、官邸には既に4,000万ぐらいのアクセスをいただいています。そういう形でもどんどん参加してもらいたいと思います。

【河合座長】 それでは次に、高校生の方ですが、田中さんお願いします。

【田中】 私が考えたのは、教育改革についてなんです。今、OA入試とかが行われるようになりましたけれども、結局、入試の戦争というのは変わっていないし、入試制度は学力低下を促すことにもなっていると思うんです。入試のため、塾などの学校外の学習力に頼っているところがあり、それは結局、親の経済力とか教育方針というものにすごくかかわってきてしまいます。それに、試験で本当に入りたい学科に入れない人がいる。また、学力低下なども言われている。そういうのを全部解決してしまわない限り、幾らOA入試とか、そういう方式を考えても解決できていないというのが私の意見です。

【河合座長】 入試の問題は大きいですね。次は、美術館に勤めておられます岡山さん。岡山県から来られた岡山さんで、覚えやすいですね。

【岡山】 私は、美術館で美術館教育という部門に携っております。今、いろいろ学級崩壊ですとか、教育の問題が言われていますけれども、私は、子どもたちの考える力が弱まっているのではないかなと感じておりまして、その中で、美術館教育というものが何か一端を担うことができるのではないかと考えております。

 美術館教育自体がまだ十分に一般に普及していないかとも思うんですけれども、まず美術というものを伝える、美術の観賞の手法を伝える、そういったことが一時的にはあるかと思いますが、さらに、美術を通して何かを伝えることができるのではないかなと考えております。それは心をはぐくむといいますか、作品の中に例えば海の様子がかかれていたときに、波の音は聞こえる?と子どもたちに尋ねます。実際の音は聞こえないです。でも、聞こえない音を聞こうとする、見えない動きを見ようとする。そういったことが相手の心を思いやること、また、それが何に由来しているのかを作品の中から探り出そうとする、観察力、洞察力といったものにつながるのではないかと考えております。

【河合座長】 それでは、保護司・教員をしておられます江藤さん、お願いします。

【江藤】 現在、高齢化の一方で少子化が言われています。子どもの数は減って行っている。しかし、不登校といったように、学校に行けない子どもたちが文部省の発表だけでも13万人以上、高校を中退してしまう人が11万2千人以上いるんですね。そういう子どもたちにこれから高齢社会を背負ってもらおう。とすると、やはりおのずと無理があると思うんです。田中さんみたいにしっかりした高校生の方もいらっしゃるんですが、普通に制服を着て通っている人もいつ明日そうなるかわからない。中退したりというように一度失敗したら、敗者復活のようなものが認められない。

 まさに教育にこそ規制緩和をした方がいいんだと僕は思うんです。例えばチャーター・スクールの問題だとか、やはり流動性を教育に持たせたり、学ぶ機会を多様化するということは大変急務だと思っています。

【河合座長】 総理は、いかがですか。

【小渕総理】 先ほど新しい世紀に入るというお話をしたのですが、教育は百年の大計ということを言いますね。ですから、この時代の切替え時期を、日本の教育というものを考え直すいい機会ととらえていくべきじゃないかという気がしているんです。

 21世紀に向けては日本の教育が課題。戦後の教育もすばらしかったとは思いますが、問題が全くなかったかということになれば、議論の分かれるところだと思うんです。そういう意味で、是非この機会に教育を根本的に改革すべきじゃないか。

 前の内閣の橋本総理も教育改革を6大改革の一つとして取り上げていたんですけれども、実態的にどうするかについては、私自身もこれからいろいろな方のお話も聞き、戦後の教育をレビューしながら、新しい次世紀にかけてどういうことをしていくか考えていきたい。教育のことは、それぞれの個人の問題でもあると同時に国の問題でもあるんじゃないかと考えております。

 教育の問題としては、1つは家庭教育、それから学校教育、社会人の教育、それから日本では取り上げられないと思うけれども、欧米先進国の中では宗教教育というものもある。かねて言われてきたことだけれども、家庭教育でなすべきことが学校教育でもなされず、人間としての基本的な教育を会社で行わざるを得ない。やはり、もともとをたどれば家庭の教育に問題があるんじゃないか、社会でやるのは生涯教育でなければならないんじゃないかということです。

 生涯教育をどうするか。地域とどう連携するか。家族との関係をどうするか。そして、いわゆる公と個、国と個人の関係。これらが今までと違った姿になっていかなきゃならないんじゃないか。これらを総括的に、今ご指摘いただいた入試の問題とかいろいろ具体的な問題も当然取り上げながら、教育改革ということで取り組まなきゃならない。教育という問題については、日本だけではなくて、先進国が一様の悩みとして考えている。この前ケルンで開かれたG8のサミットでも、教育問題が取り上げられました。ご指摘をいただいたような諸点の中で改善していくものは、是非やっていきたいと思っています。

【河合座長】 教育のこともまだまだありますが、少し話題を広げまして、日常の暮らしとか、あるいは社会生活などについての意見を伺っていきたいと思います。暮らしという点では、まず初めに主婦であります田村さんからお願いします。

【田村】 今回は、子どもを持つ主婦の立場から実感を述べさせていただきたいと思います。

 一つは町のバリアフリー化です。核家族化が進んだ現在、子どもを人に預けることができないので、私は今どこへ行くにも子どもを一緒に連れて行くんですが、いざベビーカーに乗せて町に出てみても、段差や階段などがまだまだ多くて非常に疲れてしまうんです。これはベビーカーを押す者のみならず、体の不自由な方、ご老人にとってはまだまだ冷酷で深刻な問題なのではないでしょうか。ですから、そういった方々の視点から、もっと早急に町のバリアフリー化を推し進めてほしいと思っております。

 もう一つは住宅の問題です。私は27年間九州に住んでおりまして、昨年主人の転勤で東京へ移り住んできたのですが、家賃の高さに非常に驚いております。というのも、この不況で主人の給料は低いままで、家を買うにも将来的不安があって買えないですし、普通に家を借りようと思っても家賃が高くて、家賃補助のある都営住宅なども数回応募しているんですが、倍率が数十倍ということでなかなか当選しません。これは、私たちのような境遇の方たちがそれだけ多いということなのではないでしょうか。ですから、もっと私たちのように所得の少ない者でも安心して簡単に手に入る住宅をたくさん造ってほしいと思っております。

【河合座長】 次は、大学生の方ですが、中島さんお願いします。

【中島】 私はこの間、就職氷河期と言われる時代に就職活動を経験した者なんですけれども、その中で、今後女性が妻として、母として、また嫁としての役割を果たしつつ、自己実現できるような職、キャリアをずっと維持していきたいと考えた場合、今の社会環境では少し無理なのではないかと考えました。

 その中で日本人が、特に女性を主眼としているんですけれども、より長期的なスパンで自律的な生き方ができる社会環境整備の一環として、資格制度の多様化を充実していただきたいと考えています。資格というのは、本来ほかの人ができないことができるという信用を付与するものですから、単純にその資格を増やせばいい、多様化すればいいということではないと思うんですけれども、少なくとも高齢者とか女性が人生のライフステージに再挑戦したり、復職したいと考えた場合に、そのパスポートを与えるという意味で資格制度を充実させていきたいと考えています。

【河合座長】 次は山アさんにお願いします。山アさんは、現在リハビリ中ということで、そういう体験も含めてお願いします。

【山ア】 私は、網膜色素変性症という目の病気で中途で視覚障害者になったんですが、見てのとおり体は丈夫ですので、献血もすれば、杖を持った私が電車に乗って年配の人に席を譲ることもあります。そうすると、周りの若者は気まずそうな顔をして下を向いているんです。人というのは誰しも人の役に立てることがあって、それをしていけば、大概のことは世の中みんなでフォローし合えると私は思うんです。日本人ひとりひとりは完璧じゃなくて、へこんだ部分があるかもしれないけれども、それを周りの人がさりげなく埋め合わせることによって、国民全体、日本全体で見れば、非常に力のある頼もしい国になるんじゃないかと思います。

 例えば、小学校、中学校でボランティアとか福祉みたいな活動を通して、若いうちから社会にちょっと参加するようなことが頻繁に行われていけば、若者を中心にしてさりげない支え合いができるような日本になっていくのではないかと思います。

 もう一つ、今後もしかしたらと希望を持っているんですけれども、私の病気が21世紀には治るかもしれません。しかし残念ながら、また新たな病気が生まれて、新たな障害者が生まれて、結果として、21世紀もすべての病気、すべての障害者がなくなる世の中というのは不可能じゃないかと、私は思います。でも、すべての病気がなくならなくても、障害が障害でなくなる世の中にはできるんじゃないでしょうか。リハビリテーションという言葉があります。病院に行ったときに、「あなたの病気は治りません。もうお引き取りください」で済んじゃうんじゃなくて、「あなたの病気は現在のところ医学では治らないけれども、こういう情報がある。ノウハウがある。こんな訓練をすれば大抵のことはまたできるようになりますよ」と、そこまでフォローしてくれるようなリハビリテーションが日本全国に充実していけば、それこそ病気が治る治らない、障害があるなしにかかわらず、誰でも安心して生活できる世の中になるんじゃないでしょうか。

 でも、そうは言っても、やはり私にはできないということが生まれてくると思います。ただ、そのときにも、この一言があればすべては解決すると思うんです。「何か私に手伝えることはありますか?」。周りからさりげない支え合いの言葉があれば、誰にとっても安心できる、また世界にとっても誇らしい日本になるのではないかと私は思います。

【河合座長】 さりげないボランティアと言ったらいいんでしょうか、非常に意味のあるご発言だと思います。それでは、看護婦さんの佐藤さんお願いいたします。

【佐藤】 私は、病院において介護に携る人間として2点述べたいと思います。

 一つは、介護における意識づけの重要性です。現代は、本当にいつ誰に被介護者、あるいは介護を与える側になる可能性があってもおかしくない世界ですが、「もしかするといつかは私かもしれない」という考えはあっても、実際にそのときにどうするか、どう対処すればいいのかという考えまで及んでいないという現状があります。けれども、実際には、介護の必要性というのはある日突然やってくる、降り懸かってくるものだということからして、常日頃から介護ということに目を向けて、情報を得て、知識を得て、というような意識づけが重要だと思います。

 二つ目は、核家族化が進み、ご老人の単身世帯も多くなっている中で、今さまざまな情報にあふれていますが、実際にサービスを得るには、情報を得てそれをコーディネートしていくパワーが必要ということです。ご老人だとか、周りに目を向けるパワーの少ない方にとっては、今の情報の在り方では情報はかなり得にくく、利用しにくい点があるのではないかと思います。そういう点を改めてこそ、すべての人々に平等に介護が行き渡るのではないかという考えを持っております。

【河合座長】 皆さん率直で、しかも簡潔で、よく気持ちが伝わってきますが、総理のお考えはいかがですか。

【小渕総理】 本当に率直な、実務に携りながらの考え方をお話いただいて、大変ありがたいと思っています。

 まずバリアフリー化の問題をお話いただきました。今度初めて八代英太さんという身体障害の方が大臣になられたんですが、残念ながら、官邸には入れないんです。明日、ワヒド大統領がインドネシアから見えられるんですけれども、御本人は目がほとんど見えない。それから、奥さんは車いすで、明日の昼に御招待しているんだけれども、官邸の食堂まで下りられないんです。バリアフリーについては、そもそもこの政治の中心の館がなっていないということは大変残念で、これから改善するところです。

 町の中でも、身体に障害のある方々が普通の方と全く同じように生活のできるようなバリアフリーの制度をどんどん取り入れ、公共事業なども相当集中的にやらなければならないんですが、残念ながら、日本はこの点で相当遅れているという気がします。

 それから住宅の問題。人間にとって不可欠な衣食住の中で、衣と食については、私の感じでは、日本は世界で最高位に近いと思います。値段は別です。しかし、住は一番遅れている。人間生活の24時間を考えても、少なくとも3分の1を超える時間を家で生活している。最近では、「イ」は医療の「医」、「ショク」は職業の「職」、「ジュウ」は住宅の「住」ということですから、住宅政策には一層努力していかなければならぬと思います。

 それから、資格制度の話をされました。最近では、学歴ではなくて、むしろいろいろな資格を持っている人の方が安心感をもって、いろいろな仕事に挑戦できるようになっている。この点で、資格制度は非常に大切な問題ではないかと思っています。

 それから、山アさんの大変なご苦労の中でのお話を聞いていて、非常に感激しました。是非そういうお気持ちを持って生活していただきたいと思います。実は、今日、東京の中学2年生の論文に対して内閣総理大臣賞を出したんです。この中学生は視覚障害と肢体不自由の2つの障害を持っている。しかし、いろいろ考えたら、自分の教科書等の点訳には多額の点訳費がかかっている。国も、都も、また区もいろいろお金を出している。したがって、多くの税金を使わせてもらっているということを非常に強く感じている。それで、将来は自立の証として所得税を払うことに喜びを感じるようになりたい、というのがこの中学生の作文の問題意識なんです。障害を持っておられる方々が自立していく過程では、もちろんお手伝いをしなければならぬと思いますけれども、やはり「じりつ」というのは、自ら立つということと、自ら律するということがあるんだろうと思います。そういう意味で、今のお話を聞きながら、山アさんにも是非頑張っていただきたいなという気がいたします。

 それから介護の問題、佐藤さんは実際に自ら御努力されている。言うまでもないですが、21世紀はますます少子高齢化になりますね。大体2007年くらいには日本の人口はピークになって、あとは減少していく。そうなりますと、高齢者が増える。また、その方々に対する介護をどうするか。「老老介護」というお年寄りがお年寄りの面倒をみなければならぬというような時代に入りつつある。また、残念ですけれども、家族で面倒を見る方々もどうも3分の1は若干憎しみを持っているということです。しかし、介護については、お互いが助け合うということが、21世紀の新しいシステムと同時に、日本人の気持ちに定着してくれば、必ず成功するんじゃないかと思っております。

【河合座長】 介護の話は既に出てきましたが、少子高齢化社会を迎える日本にとって福祉、医療といった非常に身近な問題が大切になってきています。そして、個人であるけれども何か公のことをやっていかなければならない、その個と公の関係をどう持っていくのか、つまり社会に対してどう関わっていくかという観点からお話を伺いたいと思います。会社員の小西さん、お願いいたします。

【小西】 最近景気が着実に底を打って回復しつつあるという話があるんですが、どうもまだ我々一般人の方ではそう感じられない。これは、まだ底の方に漠然とした不安があるんじゃないかと私は考えています。

 というのも、例えば減税措置ですとか、地域振興券とかがありますが、それに際して当然借金、国債とかが増えているということを、やはりどこかでみんな感じている。特別減税に際しても、何兆円も国債が増えたとか、国債を国の関係予算で買うようにしようとか、そういう悪い話ばかりは聞こえてくる。我々は10年後、20年後になりますと、一番税金を払う世代になる。今はすごく楽らしい。でも、もしかしたら、今楽な分が、将来、思いっきり我々に降り懸かってくるということがあるんじゃないだろうか、と感じている。

 年金なんか、20年ぐらい前の福祉元年という政策でどうもよくなったらしいけれども、その代わり、どうも我々の年金は40年後ぐらいに出ないんじゃないだろうか。私の周りには年金をもらえないだろうと思っている人は幾らもいますし、国鉄の借金なんかも増える一方で、どうもなくならないだろう。これはいつか我々が払わなければならない。今、楽をしている分の負担がいつ我々に来てしまうのか。今はこれで借金がすごく増えてしまうけれども、今こういうふうに楽にすることによって将来はこういうふうに現状が維持できるんだよとか、将来こういうふうになるんだから今の借金は我慢しておけと、そういうわかりやすい話を示していただければ我々の不安感もなくなる。安心して、景気は底を打ったんだ、減税されたんだ、それでは買物でもしようかなという気になるかなと思います。

【河合座長】 次は、大学生の黒澤さんお願いいたします。

【黒澤】 僕は、これから政府としての課題は社会保障ではないかと思います。

 そこで、やはり財政問題があると思います。財政問題で重要な観点としては、社会の変化による世代間格差という問題があるのではないか。価値観が大分世代によって違ってきている部分も多くあると思いますので、抜本的な税制改革が重要なんじゃないか。小さな部分での改革だけではなく、税制度そのものを変えていかなければならないのではないかと考えております。

 財政赤字自体があることは悪いとは思っていません。むしろ財政赤字をすることが、次の世代に有効であれば、僕自身はそれに対する責務を負う必要が自分にあると思っていますので、たとえ税金そのものが高くなることに対しては余り心配はしておりません。

 ただ、その中で税金がどういう使われ方をしているのかがやはり明らかではないので、そこでのチェック・アンド・バランスをどうつくっていくかが重要な課題ではないかと考えております。

【河合座長】 続きまして大学生の坂野さんお願いします。

【坂野】 先ほどから非常にすばらしいご意見ばかりでびっくりしているんですけれども、今までの政治というのはどちらかというと、こういう意識の高い方や有識者とかエリートのものという感覚が強かったと思うんです。しかし、20代の若者の選挙の投票率なんかを見てもわかるように、どんどん若者の中では二極化が進んでいると思うんです。一方では非常に関心があっていろいろなことをやっているんだけれども、もう片方は全然そんな関心がない。それで、実はこちらの関心がない方が大多数なわけなんです。ですから、そういう人たちにとって政治を身近にしていくとか、行政を身近にしていくということが第一だと思うんです。

 こういった対話集会なんかももっと開くべきだと思うんですけれども、そういった中でスーツを着込んでびしっと決めるのではなくて、例えばここに大きなこたつを持ってきて、総理がお父さん役になって、そういった中で親近感を持たせることが大事だと思うんです。それに、テレビとかもどんどん活用していくべきだと思うし、一人一人の国民ともっと話をしてほしいと私は思います。そういうことによって、自分の声もちゃんと届いているんだなということが実感できる。そうすると、日本についてももっと未来が見えてくるのではないかなと私は思います。

【河合座長】 それでは、沖縄の仲嶺さんお願いします。

【仲嶺】 21世紀という時代は国際化の時代と言われていますが、この国際化の時代に対して私はひとつ提言したいことがあります。これはアイデンティティーという問題です。ここで私の言うアイデンティティーとは、ある像に自分を重ね合わせる、帰属させる、私は何人だ、私はどこの人だ、私は何々に属しているということです。

 私は沖縄から来ました。「沖縄問題」とよく言われるんですけれども、そこではお互いに意見を出すときに発揮するアイデンティティーのバランスが悪いと思います。今、地域の時代と言われていて、沖縄がメディアを通して非常に意見が言いやすくなりました。その点はうれしいんですけれども、私個人としては、アイデンティティーを発揮する余り、日本の国に参加しているということを忘れがちじゃないかという反省点が実はあるんです。

 アイデンティティーには利点と欠点、つまり、ある枠内を結び付けるのにはとても効果的だけれども、同時に枠外のものを排他しようとする働きがあるように私は思います。地域が意見を言うときに国に対してものすごく攻撃的になりがちなんですけれども、相手の方もやはりいろいろ考えているんだよと考慮してあげる姿勢が抜けがちになっているんじゃないか。これは決して日本人特有の欠点というわけではないんですけれども、アジアの国とつき合うときに、是非日本は、世界のリーダーとしてアイデンティティーの問題を考慮するようにできないだろうかと私は考えています。

【河合座長】 大学生の小池さん、お願いいたします。

【小池】 21世紀を迎えるに当たって、多分、地域はもっともっと魅力的になっていくと思いますし、21世紀は分権化社会の時代だと思うんです。その中で、私のような学生でも地域社会で活躍する可能性を持っているんだということを申し上げたいと思います。

 私は今、大学4年生ですが、勉強を続けながら地域社会へずっと溶け込んでこれたと思っています。入学してすぐ仲間とともにサークルをつくって、市長や議員になりたい立候補者の方々をお招きして公開討論会を開いたり、地域の提言をまとめてシンポジウムを開いたりとか、そういう活動をしてきました。全国各地で、こんな形に限らず、たくさんの学生が地域参加を果たしています。私はこういう学生を「学生市民」という言葉で呼びたいんです。学生市民は地域社会の人々とつき合うことによって公共心を養うことができますし、地域社会の人々にとっても学生の若い力が活性化の原動力の一つとなり得る。ですから、私はこの学生市民を21世紀の学生像として総理にも知っていただいて、そして総理が若いころにお持ちだった坂本龍馬のような志を是非全国の若者に伝えていただいて、地域参加のすばらしさを訴えていただければなと思います。

【河合座長】 国とか公ということでいろいろな御意見がありましたが、総理いかがでしょうか。

【小渕総理】 非常に参考になりました。

 基本的に財政は、中国の格言で言うように「入るを量って出ずるを制す」が原則なんですね。ただ、単年度でそれができるかという問題がある。財政赤字についても認識が様々で、心配だという人と心配でないという人がいる。ですから、所得税や法人税を下げるということに関しても、色々意見の分かれるところなんです。日本だけで生きていけるというんだったら日本独特の税制でもいい。しかし、今はグローバル化し、お金は為替原則自由で、どこでも飛んでいかれる。ですから、やはり日本で生活してもらうためには、余りほかの国との税制格差は設けないようにする。そのために、私は法人税も所得税も下げました。

 では、それに代わる税制をどうするかとなると、ヨーロッパ諸国は、日本で言う消費税、付加価値税、VATですね。これが大体20%から25%になっている。日本では、それを今の5%でいく。ではどうするか。企業は今ちょっとダウンしていますけれども必ず蘇生していく。それから、新しいベンチャーも興きてくる。現に、日本でも大きな電気メーカーに匹敵するような資産価値を持つ人まで出てきている。そういうことを進めて、いろいろと税が払えるような状況をつくるというのが今の状況です。財政赤字が将来不安を与えるというのはそのとおりですが、不安を持たないためには、日本人も新しい業を興こして、世界中の国に負けないような新しい産業をやっていくということができればと思っています。

 それから、身近な問題として政治が取り上げられるべきというお話を坂野さんからいただきました。全くそのとおりで、一生懸命私自身は心掛けているつもりです。デモクラシーでは、何と言ってもメディアを通じて国民の皆さんに真意を伝えることが大事だと思います。

 学生市民という言葉は、私は初めて聞きました。戦後は地方は貧しく、都市には仕事があったということで、みんな東京や大阪に出てきた。そういう時代に比べて今は、相当平均化して、Uターンも、Jターンもある。みんな大都会に集まらなければならないということではなく、選択によって、便利さにあこがれて大都会にくるのも、また自然の豊かな地方に自ら生活の場を置くのもいい。所得の面では格差はありますが、地方のよさというものを認識しつつあるのではないか。学校に今おられる人たちも、地域社会の中で市民として是非頑張っていただければという気がします。

 それからアイデンティティーの問題。確かにこれは重要な問題で、やはり一つのアイデンティティーというものがあってまとまりがつくんだろうと思います。世界がグローバル化してきましたから、いい意味で国際化というのは非常に必要なことだけれども、同時に、日本人あるいは沖縄の人は沖縄県民としてのアイデンティティーを持たないと、やはりいけないんじゃないか。言葉は何ヵ国語もできるけれども、日本について語れと言ったら何も語れないでは、必ずしも評価されるとは言い難い。アイデンティティーは非常に重要なことだと思いますので、それを確立しながら個をしっかり持ち、全体の中で生きていくということができればいいなと思いました。

【河合座長】 まだお話いただいていない方があるんで、話題をうんと広げますので、テーマにとらわれずに自分のお考えをおっしゃってください。大学生の林さん、お願いします。

【林】 今日は七五三で、総理にとっては大分懐しい思い出だと思われますが、教育の中でも今、高校生の7割、中学生の5割、小学生の3割が学校の教育内容についていけないということを耳にしました。このことへの対策の一環として、これから教育内容が削減されるということを伺いました。そのこと自体は、いわゆる落ちこぼれを減らしていくという意味で非常に評価できることだと私は思います。

 ただ、例えば算数に関して申し上げますと、3けたの掛け算をなくしたり、4けた以上の足し算をなくしたりという安易な削減だけで算数自体が簡単になるとは思いませんし、むしろ総合的な理解というものが難しくなるのではないかということを私は心配しています。個人的には中学校、高校時代、数学が苦手だったのでうれしいような気もするんですけれども、でも、ややこしい計算とか難問を通じて総合的な思考能力というものは深まると思いますので、これから教育改革をされるに当たって、すべての子どもたちの知的好奇心に対応した、かつ論理思考能力を高められるような改革を望みたいと思います。

【河合座長】 次に、大学生の進藤さんお願いします。

【進藤】 生きる力とか、新しい学力観とかというのが学習指導要領などで取り上げられていましたけれども、今までの人たちとは違った能力を育成して、それを身につけた人たちがこれからの社会の主役になっていくんだと思うんです。そこで、今までの私たちの考え方では計れない能力を持った人たちが活躍するのであれば、その人たちの能力を正当に評価するために、これまでとは違った価値意識というのを私たちがこれからつくっていかなければならないんじゃないかと思います。

【河合座長】 では、中小企業を経営しておられる山納さんお願いします。

【山納】 私は、自分で電気工事と水道工事とリフォームの会社をやっていて、毎日いろいろな人の家に行って、毎日違う人に出会って、違う人と話すわけなんですが、本当にいろいろな意見が聞けるんですね。

 それで一番思ったのが、やはりおじいちゃんおばあちゃんが一番世の中に不満を持っているんです。今、バリアフリーと騒がれていますけれども、うちもバリアフリーのリフォームをやって手すりを付けたり、段差をなくしたり、スロープを付けたりして快適にして、その家の人たちに本当に喜ばれてすごくやりがいがあるんです。でも、一歩外に出るといつもと変わらない危険なところがある。坂道があって階段がある。

 先ほど主婦の方もおっしゃいましたけれども、ベビーカーを持っている人というのは、実際に行動範囲がすごく狭くなってしまうんです。バスに乗るにも、必ず歩道橋を渡ったり、地下を通ったり、段差のあるところ、横断歩道を渡っていかなくちゃならない。それは車いすの方もそうだし、足の不自由な方もみんなそうです。エレベーターに関しても、アメリカでは、ボタンの位置が全部統一されていて、左側が奇数で右側が偶数で、その下には点字が必ずあって、身障者用の車いすのマークの付いた低いところにボタンがある。ところが、日本というところは見事なほど全部ばらばらなんです。

 それに、ヨーロッパとかアメリカでは、街づくりをするときに広場を基につくっていく。ですから、おじいちゃんおばあちゃんが外に出て、あるいは子どもたちとか妊婦さんとかが外に出て遊んだり対話したりする、レクリエーションの場があるわけなんです。そのために結構、足腰が衰えないんです。日本の家の段差とかを私みたいな会社で全部直してしまうと、すごく便利になるし、安全になるんですけれども、危ないところが家にないということでどんどん体力が落ちていきますので、すり足になってしまったり、段差を上るのが昔よりも苦手になってしまうんです。やはり外に出て楽しめるレクリエーションができる場所とか、広い安全な歩道、子どもを家に一人で置いてきてもどこか遊びに行っておいでと言って勤めに出て行けるような街づくり、手すりがあって、花がいっぱい咲いているとか、公園も平らで段差がなくてみんな楽しく散歩ができるような、そういう場所をつくっていただきたいんです。

 それと、私みたいなこういう意見があったとしても、誰に言っていいか分からないのも問題です。例えば、町長さんに電話していいんだか、それとも国会議員の知り合いに手紙を書いたらいいんだか、どうしたらそれが採用されるかが全然わからないんです。いつも政治家か一部の行政の関係者、都市計画課とか建設課とか、そういう一部の人だけで決まっちゃうような気がするんです。街づくりとか国づくりを研究している段階で、私たちの意見とか、おじいちゃんや子どもたちの意見が伝わるようなシステムにしていただきたいと思います。

【河合座長】 まだお待ちかねの方もおられます。会社員の高島さん、お願いいたします。

【高島】 今日はありがとうございます。ずっと待ち続けていて、緊張しっ放しで疲れてしまいました。小渕総理は、いいことは何でもやるという日本で初めての総理と思っておりますので、是非今日のアイデアをすぐに実行していただきたいなと思っています。

 私は今、20代の学生やサラリーマンと一緒に、日本ブランド勉強会という活動をしています。なぜこういう活動を始めたかと申しますと、私たち若者は日本のこととか、日本人のこととか、結構すごく好きなんです。でも、日本人であることに自信を持っているかというと実はそうでもなくて、特に欧米の人たちに対して逆にコンプレックスを持っていたりして、日本人であることに自信を持っていると答える人は1984年ぐらいをピークに年々下がっていっているのが現状です。

 どうしてこういうことが起きているのかと考えてみると、そもそも私たち日本人に、日本人としての強みが何かがよくわからない。私たち自身がよくわかっていないから、周りの国がそれをわかるはずもない。日本の国としてのブランドが確立していない。国のブランドがない、ここが問題ではないかと感じています。アイデンティティーの確立をできるまで待っているというのも非常に重要だと思うんですが、中からできるのではなくて、ブランドの戦略を考えて何かキーワード、例えばイギリスは今「クール・ブリタニカ」という活動をしていますけれども、何かキーワードを決めて、日本のブランドを早急に確立していただきたいと思っています。

 このブランドを実行していく上ですぐにやっていただきたいことを3つ考えてきたんです。1つ目はまず日本の国のIR。これは企業のIRと全く同じですが、財務諸表も含め、日本の現状あるいはパフォーマンスを外に説明していく。2つ目は、英語を学ぶのにだったら何でも使える国際振興券のようなものの発行。英会話教室でも、それから外国旅行に行くのでも、何でも英語に触れるのであれば使えるという振興券を発行する。3つ目は、日本に世界の本場を招致するということです。サッカーで言えばブラジルとか、ハイテクと言えばシリコンバレーみたいなものが考えられます。また、これから間違いなく大きくなると言われている環境ビジネスの本場を日本に招致することができれば、これから5年後、10年後、非常に私たちは自信を持って生きていけるのではないか。

 私たち若者がこれから生きていく上でワクワクできるような、勇気を持って自信を持って生きていけるような日本の国のブランドを是非早急に構築していただきたいと思います。できればその過程で、私たち若者の意見を取り入れながら一緒に作業をさせていただきたいというのが本日のご提案です。

【河合座長】 最後になりましてお待ちかねですが、川森さんお願いいたします。

【川森】 私は、市場と国家の在り方というちょっと大きな大風呂敷を広げてみようと思います。

 そもそも市場経済というのは、いわゆる見えざる手が働いて、それぞれの利己的な振舞いが全体の幸せを最大にするという、つまり自然に任せておけばいい、政府の出番はないなんて言われたりするわけです。

 でも、ここには非常に注意をしなければならないのは、うまく自然に働くというのにはある前提があるんですね。完全競争という前提です。しかし、最近の傾向を見ていますと、マイクロソフトの問題ではありませんけれども、結構その独占というものが増えてきている。とにかく21世紀は、独占に気を付けなければならないと思うんです。

 そういうときにこそ、私は政府の役割が重要になってくると思います。市場をうまく機能させるための条件を整えるような役割が政府には求められるんじゃないか。安易に短絡的に市場と政府を対立するようなものとしてとらえたりするのではなく、21世紀の国家は、市場を生かしていくことを目指していくといいのではないかと思います。

【河合座長】 いろいろな御意見でしたが、総理いかがですか。

【小渕総理】 最後の方からコメントするなら、市場経済というものを自然に任せたら、それこそ際限なく弱肉強食の社会になっているわけですから、それをコントロールするという手法として政府の役割というものがあるんだろうと思います。ただ、難しいのは、余り制約して自ら努力するという気持ちを失わせてもいけない。そのバランスが非常に大事なんだろうと思うんです。どの程度のところに目盛りを置きながらバランスを取るかが、最終的には政府に与えられた役割であり、近代国家の一つの姿だと思います。

 それから、山納さんからいろいろバリアフリーの問題のお話がありました。まだ日本では公共物に対してのバリアフリーが非常に遅れていて、残念だと思います。堺屋太一さんが、広場はあるけれども、その周辺はほとんど人が歩いてもつまらないという意味で「歩いて暮らせる街づくり」というのを提唱していますので、この内閣としては、一つのテーマとして取り入れていきたいと思っております。

 それから、今「21世紀日本の構想」懇談会でまとめていただいているんですが、公と個の話。戦後の日本では、赤紙一つで徴兵されたということもあって、公ということは言わば悪、お上、政府。個というのは、どちらかというとそういう権力に強制されるという感じがにあったと思うんです。21世紀は、この公、パブリックというものと個というものが、縦の関係ではなくて横の関係にならなければいけないんじゃないか。公というものは本当は市民がつくり上げるものだと。

 J・F・ケネディーが大統領に就任したときの有名な就任演説の中に、「国が自分たちに何をしてくれるかを問う前に、自分が国に何ができるかということを問うべきだ」という有名なフレーズがあります。政府とか国とかに頼っていけばいいんだということになると、ますます個は小さなものになってくる。

 日本の社会保障や介護制度では、世界で初めてボランティアとか、そういうものが相当の役割を果たしていく。ドイツでは、自宅介護の大きな役割を担っているのは徴兵忌避者で、13万人ぐらいが、兵役に就くんだったらむしろ介護のお手伝いをしたらどうかという形でやっています。日本はそういう制度になっていませんから、そのことに期待することもできません。それならばボランティアみたいな形でやっていく。それは税でやるか、保険でやるか。また、国がどこまでできるかということについて、今いろいろ議論が分かれているところです。しかし、これが本当に成功すれば、世界の中で珍しい国になり得るんだと、私は考えております。

 それから、ブランドの話もありました。すばらしい考えだと思います。英語の話、これも一つのアイデアで、確かに国際語としてインターネットを考えてみても英語というものがいかに大きな地位を占めているかがわかります。労働、雇用、教育におけるバウチャー制度というものもいろいろ考えていますので、こういう問題も取り上げていかなきゃならないという気がしています。

【河合座長】 みなさん1回しか発言していただいていないので残念なんですが、時間がきました。私としましては、皆さんが非常にユニークな自分の意見を短い時間で言ってくださって非常にうれしく思いました。総理に、今日の対話の感想を最後にお願いいたします。

【小渕総理】 冒頭申し上げましたように21世紀、次の世紀の担い手は皆さんですから、皆さんは、それぞれの道で是非とも頑張っていただきたい。皆さんがそれぞれ自分の考え方を持っておられ、大いに安心させていただきました。

 先ほどどこへ意見を出すべきかという話がありましたが、どうぞ小渕恵三あてに、手紙でもいただければと思います。せっかく皆さんとここで知り合いになったわけです。どうぞ遠慮なくご連絡下さい。皆さん、今後とも、自らの道を堂々と自信を持って歩んで行っていただきたいと思います。

【河合座長】 どうもありがとうございました。総理のお考えを皆さんも直接にお聞きして、知り合いになったとまで言われたんですから、そういう気持ちを持ってお帰りくださったらありがたいと思います。今お聞きした御意見は、我々の懇談会の方にも反映させていただきたいと思っております。

 本日はどうもありがとうございました。


総理と若者との対話集会
参加者
江藤 賢一(えとう・けんいち)東京、教員・保護司
岡山 万里(おかやま・まり)岡山、美術館勤務
川森 智彦(かわもり・ともひこ)三重(東京在住)、大学生
黒澤 善行(くろさわ・よしゆき)愛知(京都在住)、大学生
小池 純司(こいけ・じゅんじ)岐阜(神奈川在住)、大学生
小西 一幸(こにし・かずゆき)神奈川、会社員
坂野 真理(さかの・まり)東京、大学生
佐藤 貴子(さとう・たかこ)東京、看護婦
山納 敏之(さんのう・としゆき)栃木、自営業
進藤 尊信(しんどう・たかのぶ)秋田、大学生
島 宏平(たかしま・こうへい)東京、会社員
田中 里美(たなか・さとみ)京都、高校生
田村 由希子(たむら・ゆきこ)福岡(東京在住)、主婦
中島 理恵(なかじま・りえ)東京、大学生
仲嶺 真輝(なかみね・しんき)沖縄、会社員
春宮 淳一(はるみや・じゅんいち)東京、大学生
林 美保(はやし・みほ)千葉、大学生
山ア 康興(やまざき・やすのり)東京、学生
(計18名)