本文へ移動

首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
言語選択
English
中文
表示選択
PC
モバイル
文字サイズの変更
中
大

平成25年3月11日内閣総理大臣東日本大震災二周年記者会見

動画が再生できない方はこちら(首相官邸チャンネルYouTube)

【安倍総理冒頭発言】

 あの東日本大震災から、2度目の3月11日を迎えました。
 3月11日は、大震災で犠牲となった皆様に祈りを捧げる日です。大震災によって愛する御家族を失った皆様に慎んで哀悼の誠を捧げます。また、今なお行方のわからない方々の御家族を始め、被災された全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。

 昨年12月の総理就任以来、私は、毎月、被災地を訪問してまいりました。2年を経た今でも、多くの皆様が仮設住宅での暮らしを強いられています。「いつまでこんな生活が続くのか?」先が見えないことへの不安の声を被災地で何度も耳にいたしました。福島では、多くの方々が今も福島第一原発事故の被害に苦しんでいます。子供たちは屋外で十分に遊ぶこともできません。被災地の厳しい現実から目を背けることはできません。東日本大震災は、今もまだ現在進行形の出来事であります。

 一方で、被災地の皆さんは、懸命に今を生きておられます。仮設住宅の厳しい生活の中にあっても、互いに声をかけ合って、励まし合っている皆さん。一部ではありますが、復興住宅の建設も進み出しました。被災した工場を再び立ち上げた方もいらっしゃいます。その光は、いまだかすかなものかもしれません。しかし、被災者の皆さんの力によって、被災地には希望の光が確実に生まれつつあります。この光を更に力強く、確かなものとしてまいります。全ては実行あるのみです。その鍵は現場主義です。

 工場を訪れて私が強く感じたのは、被災者の皆さんが先の見えない不安を抱えておられることです。いつまでにどれぐらい復興が進むのか見えるようにして、被災者お一人お一人が生活再建に取り組める環境を整えなければなりません。

 住宅再建と復興まちづくりについて、市町村の中の各地区ごとにいつまでに何戸入居可能となるのかなど、具体的な目標を記載した「住まいの復興工程表」を取りまとめ、公表いたしました。今後、四半期ごとにきめ細かく更新してまいります。

 現場で不足をしているのは、「人」です。日本中からプロを集めることが復興を加速させる近道です。復興事業を担う自治体のマンパワーを増強するため、行政の経験者を積極的に活用します。高台移転の遅れには、土地買収や埋蔵文化財調査などの問題がありますが、これも専門家を投入して、加速させてまいります。

 現場では、手続が障害となっています。農地の買取りなど、手続の一つ一つが高台移転の遅れにつながっています。復興は時間勝負です。平時では当然の手続であっても、現場の状況に即して復興第一で見直しを行います。既に農地の買取りについては簡素化を実現しました。今後、高台移転を加速できるよう、手続を大胆に簡素化していきます。これからも課題が明らかになるたびに、行政の縦割りを排して一つ一つきめ細かく手続の見直しを進めてまいります。

 福島では、復興の第一歩となる避難指示区域の見直しも着実に進んでいます。4月1日までに葛尾村、富岡町、浪江町で新たに区域見直しが行われます。これにより更に約3万人の方々が、ふるさとの御自宅に自由に通うことができるようになります。

 先般、ふるさとを取り戻すための「早期帰還・定住プラン」を取りまとめました。復興が遅れていた浜通り地方でも、先月、相馬市の仮設焼却炉が稼働するなど、がれき処理が始まりました。目に見える動きが出てきました。立ち入り可能となった地域については、除染や電気、水道などのインフラ復旧を進め、ふるさとに1日も早く戻っていただけるよう、環境を整えていきます。

 さらに、今年夏ごろを目途に、いつまでに道路や水道が復旧し、医療・福祉の体制が整い、住めるようになるかなど、早期帰還に向けた具体的な道筋を明らかにしていきます。

 復興という言葉だけを叫んでも何も変わりません。安倍内閣は現場主義を徹底し、一つ一つ実行を進めることで皆さんが実感できる復興を進めてまいります。

 3月11日は希望を生み出す日でなければなりません。「来年の3月11日にはもっと復興が進み、暮らしが良くなる」と被災地の皆さんが思えるような、そんな日であらねばならないと私は考えています。また、必ずそうしてまいります。そして、被災地の皆さんが希望を胸に、復興への歩みを力強く進めることが、2年前に犠牲となったたくさんの方々の気持ちにもかなうものであると信じます。

 最後に、国民の皆様に申し上げたいと思います。

 寄付でも、東北産品の購入でも何でも結構です。一人一人が東北の復興のために、それぞれの持ち場でできることに力を尽くしていこうではありませんか。そのことが東北に希望を生み出す道であると確信をしています。希望にあふれる新たな東北をともにつくり上げてまいりましょう。

 私からは以上であります。

 

【質疑応答】

(内閣広報官) 
 それでは、質疑に移ります。どうぞ。

(記者) 
 東京新聞・中日新聞の古田と申します。
 総理から今、復興に関して、特に復興の面では一番遅れている住宅再建、特に高台移転についても今後、手続の見直し等を進めるというお話がありました。
 総理のおっしゃるとおり、先が見えないことというのが被災者の皆さんにとっては一番の不安のもとだと思います。それだけに高台移転がいつまでに完了させられるのかということについては、見直しを進めた上でどの程度の時期というのを見ていらっしゃるのかというのと、福島でも避難区域の見直し等を今政府が進めていらっしゃるということですけれども、こちらも帰還を希望していらっしゃる避難されている住民の方々が、希望すれば全員が戻ってふるさとで生活がしっかりできるという時期は一体いつになるのかということに関しては、総理は今どのように思っていらっしゃるのでしょうか。

(安倍総理) 
 今まで何回か被災地に足を運んで、被災者の方々から出る要望、第1番目の要望というのは、とにかくいつになったら元の生活に戻れるのか、まずはいつになったら仮設住宅から出られるのかということです。今までの最大の課題、問題点は、その工程を示してこなかったということなんですね。その先が見えなければ、やっぱり人間みんな不安ですから、今回そうした不安を払拭するために、3月7日に市町村別の地区ごとでの住まいの復興工程表を公表いたしました。例えば災害公営住宅については、平成27年度までに岩手県ではおおむね9割、大体5,100戸、そして宮城県ではおおむね7割、大体1万1,200戸ぐらいを整備する見通しであります。福島では、まだ整備すべき全体戸数が明確になっていないために何割ということは申し上げられませんが、おおむね2,900戸整備する予定であります。
 仮設住宅等にお住まいの方々に将来の生活再建への見通しと希望を持っていただきたいと思っております。今後、四半期ごとに更新を予定をしております。現在、お示しできていない地区についても、具体像を明らかにできるように取り組んでいきたいと思います。

(内閣広報官) 
 それでは、次の方、どうぞ。

(記者) 
 共同通信の高橋です。
 総理は除染についても加速するという方針を打ち出しています。ただ、汚染土壌を保管する中間貯蔵施設の設置が遅れているのが現状です。設置場所の選定とか汚染土壌の搬入をしたものが完了する時期についてどのように見通しを持っていらっしゃるかお聞かせください。あわせて、中間貯蔵施設が中間的なものではなくて、なし崩し的に最終処分地になってしまうのではないかという不安、懸念も地元では出ています。こういう不安の声に総理としてどのようにお応えになるかということもあわせて伺いたいと思います。
 また、総理は施政方針演説で若者たちが希望に胸を膨らませることができる東北をつくり上げると、このように約束されていますけれども、政府の代表的な施策について具体的に示してください。

(安倍総理) 
 まず、中間貯蔵施設についてでありますが、中間貯蔵施設については、地元の御意見を具体的にお聞きしながら、現地調査を着実に実施をしていきたいと考えています。現地調査は3月から5月末までに実施予定でありまして、現時点では下見を開始をしたところであります。現地調査の結果を踏まえて、安全性に十分配慮した施設の具体的な内容をお示しをしながら、27年1月から汚染土壌の搬入を開始できるように施設の設置についての地元の御理解を得ていきたいと考えています。ただいまお話のあった、なし崩し的に最終処分になりかねないという地元の御懸念に対しても真摯に説明をしていく考えであります。
 そしてまた今後の具体策についてでありますが、将来的に日本経済を牽引していくことのできるような産業の振興を図っていきたいと考えています。例えば福島沖では、世界初の本格的な浮体式洋上風力発電所の技術開発や実証を行っていきたいと思っています。そしてまた、福島県に医療機器の研究開発や安全対策、事業化を支援する拠点を整備をしていく考えであります。
 このように、いわば将来に向けて、産業競争力会議でも議論されていますが、まさに日本の課題を解決をして、そしてそれは世界にも展開できるような分野の産業を東北で育てていきたいと考えています。

(内閣広報官) 
 それでは、次の方、どうぞ。

(記者) 
 NHKの原と申します。よろしくお願いします。
 使用済み核燃料の処理について伺います。
 安倍総理は施政方針演説で、安全が確認された原子力発電所については稼動していくという考えを示されましたけれども、六ヶ所村の再処理工場ではトラブルが相次いでいまして、今のところ、再処理事業の開始の見通しは立っていません。また、高レベルの放射性廃棄物の処理の仕方をめぐっても明確な方針が定まっていないように見えます。
 今後、使用済み核燃料の処理について、どのように進めていくお考えなのか、お聞かせください。

(安倍総理) 
 まず、高レベル放射性廃棄物の最終処分については、現在も処分地選定調査に着手できていないという状況であります。処分地選定に向けた取組の強化について、国が責任を持って検討をしていく考えであります。
 また、使用済み燃料への対応は、世界共通の課題であります。もんじゅや六ヶ所再処理施設など、我が国は世界でも高い核燃料サイクル技術を有していることから、世界各国との連携を図りながら、引き続き取り組んでいく考えであります。

(内閣広報官) 
 予定の時間を大分過ぎておりますので、最後の質問とさせていただきます。
 それでは、ソーブルさん、どうぞ。

(記者) 
 フィナンシャル・タイムズのソーブルといいます。
 被災地の復興のためには、日本経済全体の活性化が必要だと総理は以前からおっしゃっていると思いますけれども、その関連で金融政策について一つお伺いしたいのですが、大胆な金融緩和によってデフレからインフレに切り替える必要があるということだと思いますけれども、総理が想像している大胆な金融緩和に伴うリスクについて教えていただきたいのですが、リスクがあるとすれば、それは具体的にどのようなものがあるのか。そして、どれぐらい大きいものなのか、教えていただきたい、お願いします。

(安倍総理) 
 我が国は、これまで十数年デフレが続いてきました。そして、50兆円ともいわれる莫大な所得が失われたのです。歴代の政権では、財政出動等を行ってきましたが、こびりついたデフレマインドを変えることはできませんでした。
 先進国でこれぐらいデフレが続いているのは、日本だけと言っていいでしょう。この状況を変えて、より一層日本がもっと世界に貢献していくことができる国に変えていくためには、今のこの状況を変えなければならないという中において、これまでとは次元の違う政策と日銀の新しい体制で取り組んでいくことになったわけであります。
 もちろん、物価や長期金利等の動向については、きちんと目くばせをしていかなければなりませんが、例えばハイパーインフレということが言われていますが、これは考えられないと言ってもいいと思います。2%は物価安定目標ですから、2%を超えていけば、この2%の中に収れんしていくように、当然日本銀行も政策を進めていく。これは当然なのだろうと思います。
 また、3本の矢によって企業の収益機会を増やして、雇用や所得の拡大を実現をしていく考えであります。そのことによって賃金を上昇していくという考え方をとっております。もちろん財政健全化についてもしっかりと取り組みながら、国の信認を確保していきたいと考えています。
 また、エネルギー価格の上昇についてでありますが、北米からのシェールガス輸入の実現など、供給源を多角化をしていくことによって、輸入コストを下げていく努力をしていきたいと考えております。

(内閣広報官) 
 それでは、以上をもちまして、総理会見を終わります。
 どうもありがとうございました。

ページの先頭へ戻る

内閣官房内閣広報室
〒100-8968 東京都千代田区永田町1-6-1

Copyright © Cabinet Public Relations Office, Cabinet Secretariat. All Rights Reserved.