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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成25年5月30日ESRI国際コンファレンス歓迎レセプション安倍内閣総理大臣スピーチ

※スマートフォン等で動画をご覧いただけない場合にはパソコンでご覧下さい。

 本日は、世界中から著名な経済学者の皆さんにお集まりいただき、日本を代表して、心より歓迎の意を表したいと思います。

 また、冒頭、このようにご挨拶の時間をいただいたことを、心より感謝申し上げたいと思います。

 まず、最初に、一つの言葉から、今日のスピーチを始めたいと思います。

 「人間は、何も創造しない。ただ発見するだけだ。」

 これは、スペインの偉大な建築家、アントニ・ガウディの言葉です。

 一度総理をやめてからの7年間、私は、日本を歩き、世界を歩いて、たくさんの人々の話を聞いてまいりました。

 今、日本は、何をなすべきか。その答えは、すぐに「発見」することができました。20年間もの長きにわたって続いてきたデフレからの脱却です。

 そのために、私は、「次元の違う」政策を掲げてきました。いわゆる「三本の矢」であります。大胆な金融緩和、機動的な財政政策、そして、民間投資を喚起する成長戦略です。

 これらは、何かを人為的に「創造」しようとするような、奇を衒った政策でしょうか?私は、そうは思いません。

 ここにいらっしゃる方々をはじめ、多くの見識ある学者の皆さんが、昔から提唱していた「デフレ脱却の処方箋」を、私がただ「発見」しただけに過ぎない。そう思います。

 しかし、当初、私の掲げた政策は、メディアからも、異端のごとく扱われてきました。とりわけ金融政策については、リスクを強調する論調ばかりでありました。

 かくのごとく、デフレは、日本の隅々にいたるまでこびりつき、人々の自信を失わせてしまっていたわけです。

 このところの東京証券取引所での株価の乱高下についても、見識ある皆さんであれば、日々の金融的な現象に過ぎず、重要なことは実体経済が好転しているかどうかである、とお考えのことでしょう。

 しかし、日本は、アベノミクスのリスクが顕在化したとバッシングする論調もあります。まぁ、以前に比べれば、大分減ってきたと思うのですが。これは、私が、バッシングに慣れてきたせいかもしれません。慣れていくというのは政界においては、大変、大切な資質だと思います。

 いずれにせよ、こうした悲観的論調も、日本の自信喪失がいかに深かったかの証左であると思います。

 今、人々が「自信」を取り戻すためにも、政策責任者である私が、リスクを恐れず、果敢に行動しなければなりません。その思いで、「三本の矢」を力強く射こんでまいりました。
 その成果は、実体経済の好転という形で、しっかりとあがりつつあります。消費は、上向きつつあり、企業業績も改善しています。投資の先行指標である機械受注も大幅に伸びています。今年1-3月期のGDP成長率は、年率3.5%成長となりました。

 昨日、OECDが日本の成長見通しを上方修正したというニュースを聞きました。国際的にもアベノミクスの成果が認知されたのは、大変うれしいことです。

 「日本はまだまだ成長できる」

 金融政策と財政政策の組み合わせによって、日本は、ようやく自信を取り戻しつつあると言っていいでしょう。

 世界第三位の経済大国である日本の復活。これは、間違いなく、世界経済が復活するための原動力となる、こう確信しています。

 世界経済の真ん中で、日本経済が存在感を示すべきであり、経済大国である日本にはその責任があると私は考えます。

 「Japan is back.」今、この場所で、改めて、皆さんにそう申し上げたいと思います。

 この言葉通り、日本が再び世界の真ん中に躍り出るために、何をなすべきか。いよいよ、三本目の矢である「成長戦略」の出番です。

 ここで再び「発見」できることがあります。日本が世界に誇る、たくさんのアセットです。

 まず、「Made in JAPAN」は、世界的にも高品質と信頼の代名詞です。製品だけではありません。システムのオペレーションも完璧です。たとえば、東京の地下鉄は、遅れることなく時間通りにやってきます。

 それから、「Cool JAPAN」。今日は、外国からたくさんの方々がお越しになっていますが、もしお時間があれば、日本の伝統や文化にふれていただきたい。温泉も楽しんでいただきたい。日本には素晴らしいものがたくさんあります。

 さらに、本物の日本の寿司は、いかがでしょうか。寿司には、日本のおいしいお米がぴったりです。飲み物は、冷たい日本酒があいます。食文化は、世界に誇る「システム」なんです。

 すべてを語る時間がないので、ここでお許しいただきたいのですが、これだけのアセットを持つ日本が、成長できないはずはありません。

 今やるべきことは、3つです。これらのアセットを、十二分に活かし切るという「チャレンジ」、海外に広く発信するという「オープン」、そして、さらに磨きをかけるという「イノベーション」。

 これが、私の成長戦略です。

 あとは、20年間でこびりついた「萎縮」と「自信喪失」を取り除くだけです。これもやはり、私が、リスクを恐れずに、日本国民をひっぱって、果敢に「行動」するほかに道はありません。

 「行動」なくして、「成長」なし。私の、成長戦略全体を貫く、プリンシプルです。

 私は、いかなる改革についても、ひるむことなく決断し、すみやかに「行動」に移します。

 TPPへの交渉参加は、何年にもわたって国内で議論されてきました。まさに国論を二分してきました。しかし、もう議論は十分です。行動あるのみ。私は、政権について、約3か月で決定を下し、まもなく交渉に参加します。

 今後、成長が見込まれるエネルギーや医療といった分野でも、制度改革を大胆に進めています。発送電分離を含む電力システム改革は、民間のイノベーションを鼓舞することでしょう。

 今、一度申し上げます。「行動」なくして、「成長」なし。

 日本は、必ずや改革を成し遂げ、世界経済のエンジンとなることをお約束したいと思います。

 さて、最後に「発見」すべきは、世界経済の現状です。

 自信喪失は、日本だけではありません。リーマンショック以後のアメリカ経済、ヨーロッパ経済も、深い自信喪失の谷に落ち込んでいたように思います。

 金融資本主義が、世界を翻弄してきた。そのことを認識し、資本主義の原点を再び「発見」すべきときだと考えます。

 私は、日本が「瑞穂の国」であることを誇りとしてきました。

  古来、朝早く起きて、汗を流して田畑を耕し、水を分かち合いながら、五穀豊穣を祈る伝統。春に種をまいて秋に収穫を行う農村の成り立ち。

 そこには、短期的な「投機」に走るのではなく、四季のサイクルにあわせながら、長期的な「投資」を重んじる経済があります。

 目先の利益だけで動くマネーゲームではなく、実体経済を成長させた果実を、頑張った人たちが分かち合う。そうした資本主義の原点を、再び「発見」し、立ち戻るべきではないでしょうか。

 未完の世界遺産、サグラダ・ファミリア。ここで、最後にガウディが遺したと言われる言葉をご紹介して、このスピーチを終わりたいと思います。

 「明日は、もっとよいものを造ろう。」という言葉です。

 世界経済は、人類のためにイノベーションを続けている、と私は信じます。いや、私たちの力で、イノベーションを起こさねばなりません。

 皆さん、自信と誇りを取り戻す時です。この場所から、共に、歩みを進めていきましょう。力強い世界経済の成長と、人類の未来のために。

 ご清聴ありがとうございました。

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