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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成25年6月3日TICAD V「共同記者会見」

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【安倍総理冒頭発言】

 皆さん、第5回のTICADが、熱気のうちに終わろうとしています。私が今度教わったこと、それは、成長はアフリカにあり、伸びるアフリカに投資すべきは今ということです。
 何十人という指導者の方々と連続してお会いしました。私はそれで、かえって元気になった気がしています。アフリカの指導者は、自信に満ちています。夢見る力に溢れています。自信、そして夢を見る力、日本が取り戻さなければならないものは、アフリカにあります。日本は、だからこそ、アフリカとの関係を太く、深くしなければなりません。アフリカと一緒に日本は自信を取り戻す、夢見る力を取り戻すのです。
 国民の皆様に強く訴えます。私たちの心の地図にあるアフリカの色を、明るい希望の色に、今こそ一斉に塗りかえてください。21世紀の半ばにかけ、アフリカは間違いなく成長の中心になります。そこに今、投資しないで、いつ投資するのでしょうか。今、投資しないで、私たちは、子や孫のため、成長の種をしっかりまいたと胸を張ることができるでしょうか。
 繰り返します。成長はアフリカにあり、伸びるアフリカに投資すべきは今。
 TICAD Vに参加いただいた首脳の皆様には、この日本の思いをアフリカ大陸に暮らす10億人の人々に届けていただきたいと思います。TICAD Vでは、「強固で持続可能な経済」、「包摂的で強靭な社会」、「平和と安定」をつくりあげるさまざまな方法、アイデアを議論しました。TICADが考える成長は、ただの数字で語れません。確かな平和を土台とし、恩恵が広く、深く人々に行き渡るものを成長と呼びます。内から湧き出る力によって、自律的に続くものを私たちは質の高い成長と呼び、今度のTICADでは、まさにそういう成長を、アフリカと日本が手に手をとって求めていこうと確かめ合ったのです。
 議論の成果として、先ほどの閉会式では「横浜宣言2013」と「横浜行動計画2013-2017」が満場一致で採択されました。今回、私が表明した最大3.2兆円の協力を含むアフリカ支援策に対しては、あらゆる方面から非常に高い評価をいただきました。自助と自律、成長の重視、日本の支援の思想は、期待と信頼に迎えられました。日本は、約束を守る国です。言ったことは必ず実行します。そのことを示すためにも、私自身、なるべく早くアフリカに行きたいと思っています。
 TICAD Vの成功に尽力された内外全ての皆様の労をねぎらいますとともに、心からの御礼を申し上げます。
 ありがとうございました。

【ハイレマリアム・エチオピア首相冒頭発言】

 過去3日間の会議が終わり、いくつかの課題が提起された。それらは、アフリカと日本の双方にとり、非常に重要なものである。会議期間中、さまざまな議題が話し合われ、非常に有益なものであった。議論を通じて、日本とアフリカが協力すべき優先分野が特定された。会議全体を通して、日アフリカ関係は更に深化・強化すべきとの認識が共有され、TICADの枠組みは今後も更に強化されることになる。
 優先分野の1つであるインフラ整備に関し、日本が関与し、日本の民間投資が果たす役割の重要性が確認された。日本政府が、TICAD Vで掲げた対アフリカODA倍増の着実な履行やその他の支援にアフリカは大いに感謝している。そして、更なる日本からの投資が雇用を創出し、付加価値の高い生産と技術移転をもたらすことの重要性を指摘したい。また、新たなるフォローアップメカニズムによって、横浜宣言及び横浜行動計画の内容が実施されることを願っている。この場をお借りして、日本政府に感謝申し上げる。特に、安倍総理には、そのリーダーシップに感謝申し上げる。安倍総理から提案されたABE Initiative (African Business Education Initiative)が、アフリカの若者の能力強化につながるものと期待している。最後に、安倍首相には、ぜひアフリカを訪問していただきたい。

【質疑応答】

(毎日新聞・影山記者)
 安倍総理にお尋ねします。アフリカにおける中国の政治経済両面での影響力が大きい中、どのように資源、インフラ面で日本企業の投資を進め、日本の存在感を増していくお考えでしょうか。また、総理は平和と安定への取り組みも強調されましたが、ことしの夏、マリで国連PKOが発足します。今後のアフリカでのPKOについてはどう協力していくお考えでしょうか。
 また、会議ではアフリカ側からTICADのアフリカ開催の要請や、5年に1度ではなく、2~3年に1度開くべきだという意見も出ていました。次回TICADは中国の開くアフリカ会合と重なる可能性もありますが、今後のTICADのあり方についてお考えをお聞かせ下さい。

(安倍総理)
 TICADの期間中、私は約40の首脳会談を行いました。どの首脳からも異口同音に日本の支援に対する評価をいただきました。そして、ある首脳は多くの企業がアフリカに投資をしているが、しかし、日本の企業だけが職場に倫理を持ち込んだとおっしゃっておられた。そういう意味においては、日本の支援あるいは日本企業の投資の仕方は、高い評価をいただいていると思います。
 日本はアフリカのインフラ整備、そして人材育成の支援を約束しました。同時にアフリカによる自由で安全な投資環境整備への努力を呼びかけたわけであり、アフリカの自助・自立の精神を尊重しながら、人づくりに重きを置いた日本の長年の支援、ビジネスは評価されていますから、これをさらに今後とも続けていきたい、拡大をしていきたいと思いますし、官民一体となってアフリカを支援していきたい。win-winの関係をつくっていくことが、まさにこの姿勢が私は評価をされているのだろう。つまり、これから民間の企業がどんどん投資をしていく。そして、それはアフリカの成長を促す投資になっていく。こういう日本の姿勢をこれからも堅持をしていきたいと思います。
 また、アフリカの平和と安定はアフリカの成長、民生の安定にも極めて重要だと思います。アフリカを含めたPKO活動、引き続き積極的に貢献をしていく考えであります。
 今般、自衛隊の活動地域拡大を決定した南スーダンでのPKO活動の貢献を通じて、アフリカの平和と安定、そして繁栄に貢献をしていきたいと考えています。
 そして、次のTICAD Vについて、さまざまな意見があるのは承知をしておりますが、日本で開催することの利点は、特に今回は多くの企業にも参加をしていただいたきましたが、そうした個別の企業と出会える場が、日本であればより多く提供できますし、実際に多くの企業を訪問したり、あるいは現場に行く。多くの責任者と話ができるというチャンスがあるのだろうと思いますが、いずれにせよ日本とアフリカ、ひいては国際社会にとって最もいい形になるよう、アフリカの皆様あるいは共催者とよく議論をして、次のTICADがよりよい形となるようにしていきたいと思っております。

(The Day紙・アデドジャ記者)
 TICADの中核テーマは、アフリカの経済成長に関連したものだと思うが、現在の世界経済は、先進国がハイテク技術で牽引している。日本がその例だと思う。日本は、アフリカが世界経済のキープレイヤーになるよう、アフリカに対して日本の技術を移転する計画はあるのか。

(安倍総理)
 今回のTICAD Vは、アフリカン・フェアなどを通じて、日本が誇る技術力の一端を紹介しました。また、改善や農業技術、母子保健などといった日本の誇る知恵やノウハウがあります。こういうものをアフリカに伝えていきたいと思います。先端技術の観点から言えば、例えば日本式の地デジが既にボツワナで採用されています。ほかに数カ国が導入を検討していることは、極めて喜ばしいことだと思っています。いずれにせよ、日本は官民が協力してこうした技術をアフリカとともに働く中で、手に手をとって伝えていきたい。そして、日本の技術をアフリカの成長に生かしていきたいと思っています。

(日本テレビ・渡邊記者)
 安倍総理にお伺いさせていただきます。
 今回、アフリカを官民を挙げて投資支援するという経済学を打ち出されたと思うんですが、それに関連して経済全般について質問致します。
 まず、1万5000円を突破していた株価が1万3000円台に急落し、アベノミクスへの不安の声も一部で出ておりますけれども、今回、この株価急落をどう受けとめていらっしゃるか。また、今後どういう対応をとるべきとお考えかについて伺います。
 また、それに関連してアベノミクス第3の矢として、成長戦略を次々に打ち出していらっしゃいますけれども、さらに農業や医療面をはじめとした大胆な規制緩和や構造改革を求める意見が国内外から挙がっています。安倍総理は、こういった声にどう対応すべきと考えていらっしゃいますでしょうか。また、先日、中国がTPPの参加を検討する意向を表明したことにつきまして、安倍総理のお考えをお聞かせ下さい。中国が実際に正式に交渉に参加した場合、どう対応されるかというのもあわせてお答えいただければと思います。

(安倍総理)
 市場の今後の動きについては注視をしてまいりますが、マーケットの動きについて一々総理大臣としてはコメントしないほうがいいと思います。先般、日本銀行の黒田総裁が、内外経済の変調をうかがわせる指標は出ていない、日本経済は順調に回復への道筋をたどっているというコメントを出されています。また、実態経済について言えば、昨年の7-9にマイナス3.5%、成長率がマイナスになっていたが、今年の1-3月は個人消費が大きく改善をして、プラス3.5%になりました。まさにマイナスからプラスに転じたんですね。4月には、雇用、消費あるいは生産、全ての数字が改善をしています。そういう意味においては、確実に我々の政策は実を上げつつある、もっと我々は自信を持ったほうがいいだろうと思います。まさに次元の違う大胆な金融政策を行っている中において、市場がまだそれになれていないという人もいます。日本銀行が市場と対話を進めていく中において、徐々に落ち着いていくのではないかと期待しています。
 また、今回、このTICAD Vにあわせて来日されましたコロンビア大学のサックス教授や、ノーベル経済学賞を受賞されたスティグリッツ教授とお話をする機会がございましたが、お二人とも安倍政権の経済政策は正しい方向に向かっていると評価していただきましたし、昨日、会談したキム世界銀行総裁からも全面的な支持をいただいたわけでございます。今後も、強い意志を持って、今、進めている政策をしっかりと前に進めていきたいと思います。
 そこで、3本目の矢である規制改革についても質問がございましたが、規制改革こそ成長戦略の1丁目1番地だと認識しています。
 TPP交渉参加を決定したときもそうであったように、私はひるむことなくやるべきことはやっていきたいと思います。
 国際先端テストや国家戦略特区の手法も使いながら、岩盤に立ち向かっていく決意です。
 世界との大競争時代で、これだけやれば十分という安住の地はないわけであり、新たなアイディアが出れば、そういう提言があれば、次々とそうしたものを取り上げていきたいと考えています。
 TPPについて、中国の参加についての質問ですが、TPPは開かれた協定であり、いかなる国においても、TPPの要求する高い水準を満たす用意がある上で、正式に参加表明する場合には、TPP参加国がこれを判断することになると思います。
 まだ日本は、TPPに正式に参加をしておりませんので、今、コメントする立場にはないと思います。

(AFP通信・ルイルリー東京支局長)
 日本は、アフリカの協力において、確かに多くのことを約束し、実行している。例えば、無償資金協力、円借款ほか様々な形を通じて、アフリカ大陸が発展・安定し、治安面でも紛争地域が安定するために活動している。
 しかし、日本もアフリカに対して支援をしている全ての他の国と同じように、慈善でこういうことでやっているのではないと思う。道徳的なあるいは政治的な満足感だけではなく、例えば、2020年東京オリンピック開催への支持、アフリカ市場のシェア拡大、天然資源(石油や天然ガスなど)の確保等、アフリカから何か具体的な見返りを期待しているのではないか。TICAD Vの間に、そのような話を石油や天然ガスが豊富に埋蔵されている国の指導者との間でしたのではないか。

(安倍総理)
 日本が目指しているもの、また、このTICADのテーマは、まさに日本とアフリカがともに成長していくということであり、まさに、日本とアフリカの互恵的な関係をつくっていくということです。TICADのテーマも躍動するアフリカと手を携えてということです。
 日本は、例えばただ天然資源だけを日本に持ち込むというようなことはしません。産業の発展が同時に起こり、雇用をつくり、アフリカの人々を豊かにする。それもともに目指していきたいと思います。
 同時に、もちろん日本の企業はアフリカに投資をする、そういう状況をつくってもらえるように環境の整備もしていただけるように努力をしていきますが、投資によって、今、申し上げましたように、雇用をつくり、アフリカの人々の生活を豊かにし、そして、それは平和と安定にも資するのだろうと、このように思うわけで、そして、それは短期的なものではなくて、長期的に長い視野、スパンを持って、ともにWin-Winの関係をつくっていく、これが基本になければならない、これが日本の基本的な姿勢であります。

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