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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成26年11月11日内外記者会見

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【冒頭発言】
 私は、総理就任以来、地球儀を俯瞰する視点で、様々な国に足を運んでまいりました。その節目となる50カ国目として、今回、中国を訪問いたしました。
 8年前も、総理に就任して最初に、ここ北京を訪れました。首脳同士が、日本と中国の未来について、率直に語り合い、戦略的互恵関係を築いていくことで合意しました。そして昨日、習近平国家主席とも、その原則を確認いたしました。
 日本と中国は、互いが互いを必要としている。いわば、切っても切れない関係であります。
 その意味で、長く、日中の首脳会談が行われなかったことは、大変残念でありました。しかし、今回、私と習近平国家主席との首脳会談が実現し、日中関係の改善に向けて、大きな一歩を踏み出すことができたと考えております。
 近年、緊張状態が生じている東シナ海では、偶発的な衝突を予防するため、海上連絡メカニズムの構築を進めていくことで一致しました。
 このところ小笠原諸島周辺で違法操業を続ける中国サンゴ船の問題など、先般の外相会談で取り上げた個別の問題について、私から、前向きな対応を求めました。
 国境を接する国同士、様々な課題が生じる。これは、世界中どこでも同じことであります。だからこそ、対話を積み重ねていく。いかなる課題であっても、首脳同士が率直に話し合うことで、解決策を見出していくことができると、私は信じております。
 地域と国際社会の平和と安定に責任を持つ日中両国が、戦略的互恵関係の原点に立ち戻って、協力関係をさらに発展させていく。その強いメッセージを、世界に向けて発信することができたと考えています。
 世界中が注目している、最も高い経済成長を遂げ、最も「将来の可能性」に満ち溢れた地域。それは、「アジア太平洋地域」であります。
 TPPについて、一年ぶりに首脳会合を行いました。最終局面にあるTPP交渉を、政治的リーダーシップによって、しっかりと早期に妥結させていく。その明確な意思を共有できたことで、いよいよ出口が見えてまいりました。
 さらに、TPPの先には、より大きなマーケットを創り上げる、アジア太平洋全体の経済統合、すなわちFTAAPの実現が、視野に入ってきました。今回のAPECでは、その実現のためのロードマップをとりまとめることができました。
 我が国が主導して、オーストラリアやアメリカ、ASEAN諸国と共に、APECを発足させたのは、25年前のことであります。その後、アジア金融危機やリーマンショックなど、様々な困難を乗り越えながらも、APECは、このアジア太平洋に、人やモノ、投資や技術が自由に行き交う、オープンな経済圏を創り上げてきました。
 次の四半世紀も、日本が、中心にあって、この大きな経済統合を牽引していく。その決意であります。
 ロシアのプーチン大統領との首脳会談は、今回で、10回目を数えます。
 日露の二国間関係から、ウクライナをはじめとした国際情勢にいたるまで、率直な会談を行うことができました。
 日本から海を渡った極東では、今、日本とロシアの企業同士が協力して、様々なプロジェクトが実を結びつつあります。エネルギー、農業、医療など経済分野に加えて、文化やスポーツといった幅広い分野で、日露の協力には、無限の可能性が眠っています。
 しかし、戦後70年を迎えようとしている現在においても、日本とロシアとの間では、いまだ平和条約が締結できていない現実があります。
 プーチン大統領の訪日を、来年のベストなタイミングで実現できればと考えており、そのための準備を今後進めてまいります。個人的な信頼関係を基礎に、重層的な協力の幅を広げながら、平和条約締結に向けて粘り強く交渉を続けてまいります。
 さて、このあと、ASEAN各国との首脳会合や、G20サミットなど、国際会議が続きます。
 国際会議は、打ち解けた雰囲気の中で、多くのリーダーたちと個別に語り合うチャンスでもあります。昨夜のAPEC夕食会でも、アメリカのオバマ大統領や、オーストラリアのアボット首相と、旧交を温め、韓国のパク・クネ大統領とも、話をしました。
 このところ弱さを見せている世界経済の動向、エボラ熱への対応、ISIL、いわゆるイスラム国への対応など、世界が直面している課題について、世界の首脳たちと胸襟を開いて話し合い、対応策を論じていきたいと考えています。
 明日、ここ中国を発ち、ミャンマーへと向かいます。昨年12月、東京にお迎えしたASEANのリーダーの皆さんと、再会を果たせることを、本当に楽しみにしています。
 あの時、東京で合意した、経済・インフラ、安全保障、文化など、幅広い分野におけるASEANとのパートナーシップを、一層強化していきたい。実りある会議にしたいと考えております。


【質疑応答】
(NHK 原記者)
 日中関係について伺います。習近平国家主席との初めての日中首脳会談を実現されたわけですけれども、今回の会談をきっかけに、具体的に日中の間にはどのような変化が出てくることを期待されていますでしょうか。また、尖閣諸島をめぐる問題や靖国神社をめぐる問題については、解決に至っていないが、この問題にどのように対応して解決に導いていくお考えでしょうか。さらに今後の日中の政治対話、日中首脳会談の次回の時期などについては、いつが望ましいと考えていらっしゃいますでしょうか。

(安倍総理)
 日中関係においては、残念ながら首脳同士の会談は2年以上行われていませんでした。今回の首脳会談を通じて日中両国が「戦略的互恵関係」の原点に立ち戻り、関係を改善させていくために大きな一歩を踏み出すことができたと考えています。会談の結果を踏まえまして、今後、偶発的な衝突を回避するためのコミュニケーション・チャンネルである「海上連絡メカニズム」を実施していくために、具体的な協議がスタートすることとなります。また、「戦略的互恵関係」の考え方の下、様々な分野で日中の協力関係を発展させていくために、関係当局の間で、さらには閣僚レベル間でも今後対話を積み重ねていきたいと思います。そしてこのような対話の積み重ねの上におのずと次回の首脳レベルの対話が見えてくるのではないかと思います。

(香港フェニックスTV リー・ミャオ東京支局長)
 首脳外交を非常に重視しているが、日中両国関係の改善にも首脳会談が必要であるとおっしゃり、昨日実現しました。感想をお聞きしたい。また、今後、未来に向けて具体的に何をしたらよいか、今後のこのような対話を続けることができるかに関し、総理の見解を。

(安倍総理)
 日本と中国は、地域や世界の平和と繁栄にそれぞれ大きな責任を有しています。世界の多くの国々が日中の関係の改善を期待していると思います。今回の首脳会談において、私から習近平首席に対し、日中両国は、「戦略的互恵関係」の原点に立ち戻って、大局的な観点から日中関係を発展させ、地域や世界の平和と繁栄に向けた両国の責任をともに果たしていきたい。このように伝えました。
APEC首脳会議の合間に数多くの首脳が私のところにやってきて、今回の日中首脳会談が行われたことは、大変喜ばしい。これを契機に日中関係が改善していくことを期待していると異口同音に述べていました。日中両国がこのような国際社会の期待に答えていく責任を有している、私はこのように考えています。
 昨日も習近平主席と首脳会談を行いましたが、習主席は、まさに中国の13億の人々の生活、未来に対して責任を持っているという責任感がひしひしと私の所にも伝わってきました。私も日本の国民の未来に対して責任を持っています。そして、私たちは、日中両国だけではなくて、地域の平和と繁栄に対して責任を持っている。この点においては、お互い認識を一致できているのではないかと、このように強く感じたところであります。

(産経新聞 阿比留記者)
 今回のAPECでは、北方領土問題を抱えるロシアのプーチン大統領との会談、あるいは韓国のパク・クネ大統領との会話、そしてTPP首脳会合など様々な課題に取り組まれたわけですが、それぞれの手応えをもう一度お聞かせください。また、そのような様々な課題が山積している中で永田町では解散風が吹き荒れ始めたが、どのようなタイミングで解散を断行されるお考えでしょうか。お聞かせください。  

(安倍総理)
 日露首脳会談では、プーチン大統領と、平和条約締結問題を含む日露関係から、ウクライナ問題、北朝鮮情勢にいたるまで、率直かつ充実した意見交換を行うことができました。会談の結果、明年の適切な時期のプーチン大統領の訪日実現を目指し、具体的な準備を開始することとなりました。我が国の国益にかなうような形で対露関係を進めていく上で、大変有意義な会談となったと思います。
 全体会合とは別に、私とプーチン大統領と一対一の会談も中では行われたわけでありました。今後の日露関係、平和条約締結交渉と進めていくという考え方、気持ちにおいては一致できたのではないかと思います。
 また 昨晩のAPEC首脳夕食会において、パク・クネ大統領と隣同士になりました。これはK、Jということだろうと思います。席自体も隣同士であると同時に、大変近かったたものでありますから、自然な形で対話が始まりました。そして様々な事項についてお話をしたところでありました。 
 ある意味においては、胸襟を開いて話をすることがお互いにできたのではないかと思います。そして、局長級協議の円滑な前進を促していくことで一致をいたしました。
 TPPはアジア太平洋地域に「一つの経済圏」を作るという歴史上初めての野心的な試みであります。首脳会合では、最終局面にあるTPP交渉を、政治的リーダーシップによって、しっかりと早期に妥結させていくという明確な意思を共有できたことで、いよいよ出口が見えてきたと思います。私も早期妥結に向けて努力をしていく決意であります。
 解散のタイミングについては、私は何ら決めておりません。国内では憶測に基づく報道があると聞いています。それらに答えることはいたしませんが、私自身解散について言及したことはご承知のように一度もございません。

(ブルームバーグ通信社 レイノルズ記者)
 為替レートについて伺います。日銀の金融緩和がドル及び他の通貨に対する円安を引き起こしました。円安を止められないかもしれないとの懸念はあるか。その影響に苦しんでいるところにはどう対応するのか。また、日本の貿易相手国が対抗措置を講ずると懸念しているか。

(安倍総理)
 為替の水準については、総理大臣としては言及いたしません。一般論として、円安方向への動きは輸出企業や海外展開している事業者等にとってはプラスであると思います。そして、もちろん、輸入価格の高騰により影響を受けている中小企業や地方の方々などにはしっかり目配りをしていかなければいけないと思います。必要に応じ、対策を打っていく考えであります。なお、日本銀行による「量的・質的金融緩和」については、G20においても、「デフレを止め、内需を支えることを意図したもの」との認識が確認されています。今般の日本銀行による「量的・質的金融緩和の拡大」も、長年にわたるデフレからの脱却を目的とするものであり、為替を目的としたものではありません。我が国は、為替について、為替レートは市場において決定されるべきであるというG20、G7における合意にコミットしています。この点、各国も同様であると承知をしています。

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