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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成27年11月22日内外記者会見

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【冒頭発言】
 G20サミット、APEC、そして東アジアサミット。この1週間余り、主要な国々のリーダーたちが集まり、世界経済の持続的な成長のために、そして国際社会が直面する様々な課題について、真剣な議論を行いました。
 世界経済の減速が懸念される昨今、最大のテーマは、「経済の成長」であります。私からは、アベノミクス第二ステージ、とりわけ「一億総活躍」と「TPP」の2点について、重点的に訴えました。
 世界経済の不透明感が増す中で、いかに持続的な成長を確保するか。新興国も含め、すべての国が、現在、同じ「壁」に突き当たっています。
 今こそ、若者もお年寄りも、女性も男性も、障害や難病のある方も、さらには、一度失敗した方も、誰にでもチャンスあふれる社会を創っていかなければなりません。斬新なアイデアとワザを持つ中小・小規模企業も、成長のエンジンです。その力を、グローバルな舞台で、もっと活かす発想も必要です。
 あらゆる人が、その経験や能力を、思う存分発揮し、活躍することができれば、成長を阻んできた「壁」を打ち砕くことができる。経済の成長力を、確実に、押し上げることができるはずです。今年のG20とAPECでは、その点が、主要なテーマとなりました。
 ですから、私たちの「一億総活躍」という新しい考え方には、多くの国々から、注目が集まりました。持続的な成長への道筋を示す「究極の成長戦略」であることを、改めて確認できたと思います。
 そして、「一億総活躍」社会を早期に実現するために、いかなる困難な課題にも立ち向かっていく。その決意を新たにいたしました。
 今回の会議では、日本の、高い省エネ効率、国民皆保険、防災の知恵などにも、大きな関心が集まりました。持続的な成長のためには、地震や台風などの災害に強いインフラや、環境への負担の少ない省エネ社会を構築していくことも必要です。こうした成長の「質」を確保していかなければなりません。
 サービスから知的財産に至るまで、幅広い分野で、品質の高さが正しく評価される、公正なルールが共有される。TPPは、21世紀の新たな経済ルールをつくる営みであり、先般、大筋合意したTPPに対しては、APECなどの場で、台湾、フィリピン、タイ、韓国、インドネシアといった国や地域から、将来の参加に向けた強い関心が示されました。TPPは、まさに「国家百年の計」であります。
 TPP交渉参加国との首脳会談では、協定の早期署名・発効に向けて、それぞれがリーダーシップを発揮していくことで、一致いたしました。
 我が国としても、署名後できるだけ早く国会の承認を頂く努力をするとともに、TPP協定を広めていく取組にも、力を注いでまいります。
 そして、TPPの効果を、経済の再生や、地方創生に直結させていく。国民の皆様の不安な気持ちに寄り添いながら、その不安を払拭するべく、効果的な政策大綱をとりまとめ、実行してまいります。
 そして、今回、世界中の主要な国々のリーダーたちが集まる、この貴重な機会を利用して、多くの国々と首脳会談を行いました。
 オーストラリアのターンブル首相、カナダのトルドー首相とは、初めての首脳会談を行い、経済から安全保障に至るまで、幅広い分野において意見交換を行いました。
 12回目の会談となった、ロシアのプーチン大統領とは、平和条約の締結を目指し、あらゆる機会を見つけて対話を継続していくことで一致いたしました。イギリスのキャメロン首相、ドイツのメルケル首相とは、6月のエルマウ・サミット以来の再会を果たすことができました。
 インドのモディ首相、そして、トルコのエルドアン大統領、サウジアラビアのサルマン国王、さらには、ASEANの友人たちとも、率直に会談を行うことができました。
 アメリカのオバマ大統領とは、盤石な日米同盟の下、両国が、基本的価値を共有する国々と連携を進めながら、地域や世界の平和と繁栄のために、協力を更に強めていくことで一致をいたしました。そして、両国が共有する価値である「法の支配」の重要性を、改めて、世界に向けて発信しました。
 国際法を遵守する。世界のどこであっても、航行の自由や上空飛行の自由は守られなければなりません。いかなる紛争も、力の行使や威嚇ではなく、国際法に従って、平和的・外交的に解決するべきであります。
 東アジアサミットでは、南シナ海の情勢を中心に、まさしくこの点が主要テーマとなりました。その結果、海の平和と安全を守り、航行の自由を確保するため、各国が国際法に基づいて責任を持って行動し、緊張関係を生み出す行動を厳に慎むことで強いコンセンサスが得られた。そう考えています。
 共通のルールの上に、関係国が対話を重ねることによって、相互の信頼を培っていくことができると考えます。
 国家と国家の間には、常に、様々な課題があります。時には、意見が対立することもあります。
 しかし、テロは、断じて許すことはできない、その点においては、意見の違いはまったくありませんでした。
 G20サミットが開かれたトルコを訪問中に、パリでテロが発生しました。先日は、テロによって、ロシアの旅客機が爆破されました。今年は、日本人も犠牲となりました。中国を始め他の国々の人々も、テロの犠牲となっています。
 たくさんの市民の命を無残に奪う卑劣なテロは、平和と繁栄を願う、私たち人類の普遍的な価値に対する、明確な挑戦であります。
 日本も、アメリカも、ロシアも、中国も、中東の国々も、国際社会全体が、「テロとの闘い」に、しっかりと手を携えていく。G20サミットにおいても、APEC、東アジアサミットにおいても、その明確なメッセージを、国際社会が一致して、発信することができました。
 テロと対峙していく、国際社会の団結を、しっかり示すことができた。そのような国際会議となった、と考えています。
 「来週また、パリで会おう。」
 多くの首脳たちと、そう約束しました。気候変動もまた、人類共通の課題であります。COP21では、国際社会全体で取り組むべき、しっかりとした対策の取りまとめを目指したい、と考えています。
 最後となりましたが、心温まる歓迎をしていただいた、マレーシアの皆様に対しまして、心から感謝・御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 私からは、以上であります。


【質疑応答】
(NHK 原記者)
 中国の海洋進出について伺います。境界線に争いがある地域・海域に構造物を作るという意味において、南シナ海と東シナ海の状況は大差がないと思うんですけれども、総理は、法の支配、航行の自由の重要性を訴えて、中国の動向に懸念を示されてきましたけれども、一連の会議でASEAN諸国を含む多くの国に日本の主張は理解されたと考えますでしょうか。また、総理は、先の日米首脳会談で、南シナ海での自衛隊の活動について、日本の安全保障環境に与える影響を注視しつつ検討するという考えを示されましたけれども、東シナ海の状況も含めて、中国の動向をどのように抑止していこうというお考えでしょうか。

(安倍総理)
 中国の周辺海域における海洋活動の活発化は、我が国を含む地域、そして国際社会共通の懸念事項であり、我が国としても注視しています。
 我が国としては、これまで一貫して、「海における法の支配の三原則」を訴えてきています。
 第一に、国際法に基づいた主張をなすべし
 第二に、力や威圧を用いない
 第三に、紛争は平和的に解決すべし
 この3つの原則は、ASEANを含む多くの国から賛同を得ています。東アジアサミットでは、こうした原則を再確認し、力強いメッセージを打ち出すことができたと考えています。
 東シナ海における一方的な現状変更の試みに対しては、引き続き、毅然かつ冷静に対処していきます。資源開発問題についても、今月、日中首脳会談で一致したとおり、「2008年6月合意」に基づく協議を早期に再開し、同合意を早期に実施するよう引き続き求めていきます。
 南シナ海においては、我が国は、能力構築支援や日米共同訓練を行うなど、地域の安定化に資する活動に取り組んできたところであり、これからも進めてまいります。
 他方、現時点で、自衛隊は南シナ海において常時継続的な警戒監視活動は行っておらず、具体的な計画も有していません。
 なお、米国の「航行の自由」作戦について、我が国はこれを支持していますが、一方、これはあくまで米国が独自に行っているものであります。一部に誤解があるようでありますが、自衛隊の活動とは別のものであり、我が国がこれに参加することはありません。
 我が国としては、これまでも累次申し上げてきておりますとおり、南シナ海情勢が我が国の安全保障に与える影響を注視しつつ、様々な選択肢を念頭に置きながら、十分な検討を行っていきたいと考えています。これは、国会も始め、様々な機会に累次申し上げてきているとおりであります。
 いずれにせよ、開かれた自由で平和な海を守るためには、国際社会が連携していくことが重要であり、自衛隊の活動に関して、具体的な計画は今のところないということであります。

(ベルマナ モハマド記者)
 日本は経済大国の一つであり、ASEANと強固なつながりを築いている。しかしながら非関税障壁が未だ残っていると言われている。例えば自動車部品やコメなどは日本への市場進出が難しいと言われるが、総理の見解を伺いたい。また、TPPにより、日本はASEANやマレーシアに市場を開放していく用意があるのか。

(安倍総理)
 ASEAN地域の経済発展に伴い、日本とASEANの経済的相互依存関係は深化の一途をたどっています。私の就任の翌年には、ASEAN10か国をすべて訪問いたしました。今日までで、各国首脳と計64回のバイ会談を行っています。日本政府は、自動車部品について関税も非関税障壁も課しておらず、ASEAN諸国から問題を提起されたことはありません。
 日本とASEANのAJCEP(包括的経済連携協定)では、その他の品目でも多数の関税を撤廃するなど日本市場の更なる開放に努めています。
 農林水産品分野については、TPP協定によって農林水産品分野における自由化を進めつつ、また、国内では攻めの農業に向けた取組を行うなど、できる限りの努力を行ってきています。
 TPPでは関税の削減・撤廃だけではなく、サービス、投資等幅広い分野で自由化が進められます。TPP参加国であるマレーシアにとっても、日本を含むTPP域内市場で製品、サービスを含むあらゆる分野でビジネスチャンスが広がっていくと思います。

(時事通信 石垣記者)
 パリのテロ事件を受け、総理は、今回の一連の会合で、テロ対策を国際社会と連携して行うことを確認しました。国際社会と連携してどのようなテロ対策を打ち出していくか。また、国内では、来年の伊勢志摩サミットに向け、どのような対策をとっていくのか。国内テロ対策との関連では、共謀罪を新設すべきだという声が与党内に出ていますが、どのようにお考えでしょうか。

(安倍総理)
 まず、テロで犠牲になられた方々に対しまして、改めて心から哀悼の意を表したいと思います。非道卑劣なテロ行為を、断固非難いたします。今回の一連の会議においては、G20で、テロに関する特別声明が出され、そしてAPEC首脳宣言でも国際社会が結束してテロと闘う必要性が強調されました。我が国は、国際社会と連携して、国際テロを封じ込めるための対策に全力を尽くしていきます。
 各国の法執行機関の能力向上支援、テロリストの資金源対策、テロの根源にある過激主義を生み出さない社会の構築支援、これも大変大切なことだと考えています。そういった複眼的な取組を通じ、テロの未然防止に積極的に取り組んでいきます。
 我が国は、来年に伊勢志摩サミットを控えており、テロ対策を一層、充実強化していきます。とりわけ、国際社会と連携した情報収集の強化が喫緊の課題です。そのため、情報収集のための新たなチーム「国際テロ情報収集ユニット」を、来月上旬にも設置をいたします。また、水際対策や重要施設の警戒警備等の対策を更に強力に推進します。必要な体制・装備の整備を急ぐことはもとよりでありますが、テロの未然防止のため、できる対策はすべて講じてまいります。
 なお、今御指摘がございました「組織的な犯罪の共謀罪」についてでありますが、政府としては、重要な課題と認識しておりますが、これまでの国会審議等において不安や懸念などが示されていることを踏まえ、その在り方を慎重に検討しているところであります。

(ブルームバーグ ディビット・トゥイード記者)
 本日はアベノミクスについてのパンフレットを持ってきた。日本経済の指標をみるとこのメッセージと矛盾していると思う。つまり日本経済が縮小しているということである。2四半期連続でマイナス成長となっている。8月9月と物価が下落している。経済の目標をGDP600兆円とされているわけだが、いつその目標をどうやって達成できると考えているのか。

(安倍総理)
 まず我々が政権を取ってからこの3年間の大きな流れを見ていただきたいと思います。アベノミクス「三本の矢」の政策によって、15年続いたデフレについては、デフレ脱却まであと一息というところまで来ました。名目GDPは、28兆円増えました。そして500兆円を超えた。雇用は110万人以上増えました。有効求人倍率は23年ぶりの高い水準になっています。企業収益は過去最高です。TPPの大筋合意を始め、コーポレートガバナンス、女性活躍、農協・医療の改革、電力改革など、成長戦略も着実に実施しています。
 確かに今御指摘があったように、7-9月期の実質GDPは全体としてマイナス成長でありますが、しかし指標をよく見ていきますと、例えば自動車の在庫の減少が主な要因なのです。在庫が減少するとGDPの指標においては実はマイナスになるのです。ですから、我々は、これは今後に向けて良い傾向が出てきていると考えています。実質賃金の改善を受け、個人消費もプラスです。緩やかな回復基調は続いていましたが、景気をしっかりと下支えをしていかなければなりません。
 このため、企業収益を賃金や設備投資に結びつけていく。また、「GDP600兆円」を実現するための緊急対策などを内容とする補正予算を編成します。帰国後、指示したいと考えます。さらに、法人実効税率の引下げなど、成長戦略も引き続き強力に進めていきます。あわせて、少子高齢化等の構造的課題にも取り組み、「一億総活躍」を実現することで、強い経済を創り出してまいります。
 この600兆円の達成については、我々が既に申し上げているとおり、2020年頃を目標に進めていきたいと考えています。

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