時事通信社 新年互礼会

平成31年1月7日
挨拶する安倍総理 挨拶する安倍総理
挨拶する安倍総理

 平成31年1月7日、安倍総理は、都内で開催された時事通信社の新年互礼会に出席しました。

 総理は、挨拶で次のように述べました。

「本年も時事通信のこの新年互礼会、たくさんの皆様御来会の下に、盛大に開催されますことをお慶(よろこ)び申し上げたいと思います。
 ただいま、大室社長と選挙のポスターを撮るような感じで握手をさせていただきました。もし御希望があれば、比例区で頑張っていただきたいというふうに思うところでございます。
 今年は平成最後の年であり、新しい時代の幕開けの年でもありますが、ずっと今日まで大体いいお天気で、気持ちのいいお正月であります。4日の日に、伊勢神宮に参拝をしたんですが、新幹線の車窓からくっきりと富士山も見えまして、何となくいい予感のするような今年の新春でございますが。その後私は地元に帰りまして、地元の新年会に出席をしたんですが、その新年会の会場に行く途中で、くっきりと虹がアーチ形の虹が見えまして、さらにその虹を見ていたら、鹿が2頭、たったったとこう駆ける。こう神のお使いみたいな感じで。今日鹿が出て良かったんだよという話を地元の人にしましたら、もう鹿で迷惑しているんだよ安倍さん、なんて話ででしてね。もっと害獣駆除をしてくれという、せっかく見たのになぁと、こういうふうに思ったのですが。いずれにせよ、今年が1年いい年になればと、このように思っております。伊勢神宮におきましては、正に今年は皇位の継承、そしてG20(金融世界経済に関する首脳会合)サミットが今年日本で初めて開催される。この歴史的な年、日本国の安寧と御皇室の弥栄(いやさか)を祈念したところでございます。
 今年は亥(いのしし)年でございまして、亥年というのは選挙にとっては厳しい年と、こう言われていますね。統一地方選挙と、参議院選挙があるからでございまして、先ほど、今年いい年になるのかなというようなお話をさせていただいたんですが、もうマスコミの報道と大体選挙ばっかりですね。12年前も亥年、安倍政権において残念ながら厳しい結果になったわけでございます。まだあの時は私も若かったなと、こう思うのでございますが、新年の私の挨拶をもう1回読み返してみますと、猪(いのしし)にちなみまして、美しい国に向かってたじろがずに真っすぐに進んでいきます、なんて書いてあるんですね。これ若々しいなと思いますが。しかしですね、猪という動物はよく調べてみますと、そんな単純な動物ではないんですね。この猪突猛進という言葉はあるんですが、50キロのスピードで走っていくんですが、しかし障害物があれば、ひらりと身をかわす。こうしなやかさも持っている。なかなか難しいところにぶつかりそうになれば、ちょっとUターンしながらちゃんと別の道から進んでいくということでございまして、この12年間の違いは、私がそれを学んだということでございまして。今年1年間は、しなやかに、そして寛容な気持ちを持ちながら、謙虚な姿勢で政権運営を行っていきたいとこう考えています。最後の話をしたところで、山口代表の顔が何となく安心したお顔に変化をしていただいたなと、こう思うところでございます。
 この6年間、経済最優先で取り組んできたところでございますが、お陰様で、今いざなぎを超えまして、景気の回復期が戦後最長に並び、それを超えるのではないかと、こう言われております。前の戦後最長は、小泉政権に始まり、安倍政権、そして福田政権、麻生政権まで続きました。私もあの時も、確かに景気回復期間は長く続いたんですが、反省も含めながら今回3本の矢の経済政策を進めてきたところでございますが、前回の回復期と今回の回復期、いろんな違いがあるんですが、1つはまず今回はデフレではないという状況をつくりましたから、名目のGDPについては、前回の6年間の5倍、名目GDPで成長しております。10.9パーセント成長しております。前回2パーセントちょっとだったわけでありますが、5倍の成長を達成したということと、あと雇用が生まれた。前回は確かに100万人生まれているんですが、今回は300万人を超える雇用が生まれているということなんですが。一番の違いは何かと言えば、前回の景気回復は非常に偏りがあったということでございまして、前回の景気回復期を通じて日銀の短観において、プラスの業況判断がなされていたのは、全期間を通してプラスだったのは、関東地域と東海地域だけでありました。例えば北海道や四国は、全期を通じてマイナスでありました。他方、今回の景気回復においては、5年間は全部の地域でプラスになっているということであります。だからこそ、47全ての都道府県で有効求人倍率が1倍を超えたということになったんだろうと、こう思う次第でございます。今年はしっかりと経済の成長を維持していくというよりも、もっともっと強化していきたい。生産性を高め、イノベーションをどんどん起こしていきたいと、こう思う次第でございます。
 また、今年からいよいよTPP11(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)が発効しておりますが、さらには日EU(欧州連合)のEPA(経済連携協定)も発効するわけでございます。程永華(てい・えいか)大使の顔も見えましたが、RSEP(東アジア地域包括的経済連携)も、中国と協力しながら是非合意に至りたいと、こう思っているところでございました。日本は正に自由貿易の騎手としての役割を果たしていきたいし、G20の議長国として、そういう意味で今年のG20は極めて大切なG20になっていくなと、こう思っている次第でございます。
 そこで、選挙でございますが、よくマスコミにおいてダブル選挙をやるんではないかと、こういうことが言われておりますが、これは頭の片隅にもないということは申し上げておきたいと思います。この6年間、ずっと私は同じことを言ってまいりました。でもそうすると、6年間ずっと頭の片隅にもないと言いながら、2回総選挙をやっているではないかと言う人もおりますが、今回は全くどこにもないということは、申し上げておきたい。1年経ちましても、参議院選挙におきましては、堂々と骨太の論争をしながら、政策の論争をしながら、勝利を勝ち得ていきたいと、こう思っている次第でございます。
 今年の国会におきましては、幼児教育無償化を実現するための法案、そして来年の高等教育の無償化を実現するための法案を提出するわけでございまして、正に全世代型への社会保障制度の転換、改革を進めていく礎となる年にしていきたいと思います。
 60年前の亥年は、ちょうど岸政権のときでございまして、ちょうど安保条約の改定交渉が佳境に差し掛かった年でもありますし、また60年前は最低賃金法と国民年金法を成立をさせた社会保障制度の礎をつくった年でもあったわけでございまして、そういう意味では、今年の干支におきましては、是非しっかりと礎を築いていきたいと、こう思っている次第でございます。本年1年間が、皆様にとりまして輝ける年となりますことを御祈念いたしまして、私の御挨拶とさせていただきたいと思います。誠におめでとうございました。ありがとうございました。」

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