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安倍内閣総理大臣記者会見 総理の動き[ビデオ版]

[平成19年度予算成立を受けて]

平成19年3月27日

記者会見の写真

【安倍総理冒頭発言】

 まず初めに、一昨日の能登半島地震によりまして、お亡くなりになられた方の御冥福を衷心よりお祈りをし、そして被災された皆様に対しまして、お見舞いを申し上げます。まだ、大きな余震が続いており、大変不安な中で生活をしておられると、このように思います。将来、果たしてどうなるのかという大変な不安の中におられるんだろうと、このように思います。一日も早く安心して生活できるという状況を我々はつくり出すために、全力を向けてまいります。激甚災害の指定についても、スピード感を持って進めてまいりたいと、このように思うわけでありますし、皆様が本当に安心して生活できるように、全力で取り組んでまいります。

 昨日、平成19年度予算が成立をいたしました。私の内閣として初めての本予算の成立であります。この予算には、財政再建を進めていくという強い意思を込めました。過去最大規模の国債発行の減額を行ったわけでございます。そしてまた、教育の再生、再チャレンジ等、私が力を入れる施策についての予算も入っているわけでございます。

 この国会におきまして、何とか桜が東京で満開になる前には、予算を通過をさせたいと、このように思っていたわけでありますが、何とか年度内に予算が成立をして、官邸の大島桜は既に白い美しい花を咲かしてはいるわけでありますが、円滑なスタートを切ることができてほっとしているところであります。

 春は、新入学や新社会人の方々が夢や希望を持って、それぞれの道に進んでおられることだろうと、このように思います。そしてまたそれと同時に、今年定年を迎えられる方々の中には、いわゆる団塊の世代と言われる方々もたくさんおられると思います。定年を迎えられた方々が更に第二の人生にチャレンジできる、そういう社会をつくっていきたいと、このように思います。

 今後の私の課題でございますが、景気について、やっと改革の果実と言われる景気についてもだんだん実感をしていただける方が増えてきたのではないかと、このように思います。例えばフリーターについても、私が官房長官時代に再チャレンジの目標として、25万人の常用雇用化プランということを申し上げたわけでありますが、18年度だけでも、言わば19万人の方々がフリーターから常用雇用化されたわけでございます。当初、この目標も大変難しいと言われていたわけでありますが、目標に向かって着実に進んでいるわけであります。こうしたいわば動きを更に本格的なものにしていきたいと、こう考えています。

 また、今年に入りましてから、新潟や香川や岡山、地方に足を運んでまいりました。まだまだ厳しい地域もありますが、しかし、地域のいわば良さを生かして、工夫をして、何とか地域を再生していこうという方々の意欲に触れまして、私も大変心強く思ったわけでありますし、そういう方々の意欲に是非とも応えていかなければいけないと思います。

 4月から、頑張る地方の応援プログラムも開始します。そしてまた、この国会におきましては、9本の地域再生のための法律も提出をしているわけでございまして、地域の方が意欲を持って独自に、そして自らアイデアを出しながら地域再生のために頑張っていく。そして、それを国が支援していくという新しい地域の再生、活性化に取り組んでいきたいと考えています。

 また、この国会におきまして、6本の労働法制について法律を出しています。働く皆さんがそれぞれ生きがいを持って、未来に夢を持って、希望を持って働くことができるという日本にしていきたいと思います。

 パートの方々のやる気を引き出すためにも、今国会でパート労働法の改正を行います。

 また、職務や働き方に応じた、正社員との均衡待遇を確保していく考えであります。

 また、最低賃金を引き上げて、言わば生活保護とのバランスにおいて、この最低賃金を引き上げていかなければいけない。そして更には中小企業で働く方々も含めて、生産性を上げていくことによって、更にこの最低賃金を引き上げていきたいと、こう考えているところでございます。

 また、格差を固定化させないための再チャレンジ支援については、総額1,720 億円、施策にして237 の施策によって、この再チャレンジが可能な社会をつくってまいります。

 教育の再生でありますが、教育再生会議において精力的な御議論をいただき、案をとりまとめていただきました。その案にのっとって、この国会に3本の教育再生関連の法律を提出をいたします。教育の格差があっては絶対にならない。これはまさに教育の場に格差があれば、格差の再生産になってしまうわけであります。すべての子どもたちに、高い水準の学力と高い規範を身に付ける機会を私たちは保障していかなければならない、学ぶ機会を保障していかなければならない。この考え方の下に公教育を再生をしていく考えであります。

 どんな家庭の事情があっても、すべての子どもたちが高い水準の学力と規範を身に付ける機会ができる、これこそが、まさに私の教育再生の大きな目標の1つであります。

 教員の質を高めるための免許制の導入、ゆとり教育の見直し、そして、いじめ問題などに対し、最終的に国が責任を果たすための体制整備などを軸とした教育関連3法案をこの国会に提出をする予定でございます。

 4月の中旬には温家宝総理が訪日の予定でございます。昨年訪中をいたしまして、日中関係をまさに戦略的互恵関係を構築していく、そういう関係にしていくということを申し上げました。この温家宝総理の訪日を機に戦略的互恵関係の構築に向けて、更に一歩前進させていきたいと、このように考えているところでございます。

 新政権が発足をいたしまして、6か月が経過をしたわけでございます。離陸においては大変多くのエネルギーを必要とするわけでありますが、何とか離陸することができたと、このように思います。そして、これから巡航速度に移り、成果を上げながら更に音速を突破して突き進んでいく、そういう気持ちで仕事に打ち込んでいきたいと思っております。

 私からは、以上であります。

【質疑応答】

【質問】
 2007年度予算の成立を受けまして、まだ重要法案の審議は続くと思いますけれども、夏の参議院選挙に向けて与野党ともに、今まで以上に力が入っていくと思います。そこで、参議院選挙についてお伺いいたします。

 自民党総裁としての安倍総理にお聞きしますけれども、自民党としての目標議席は何議席か。それと連立与党として、非改選の議席を含めて、過半数を維持できなければ、安倍総理の退陣は避けられないとこういった見方が与党内にもありますけれども、いかがでしょうか。

【安倍総理】
 夏の参議院選挙は、まだ私は大変気の早い話だなと思います。4月には統一地方選挙、そしてまた参議院の補欠選挙があります。まず、その選挙に全力を傾けていかなければいけないと、このように思います。

 そして、勿論、夏の参議院選挙、これは大切な、重要な選挙であります。自由民主党の総裁としてはすべての闘いに勝ち抜いていく、この気持ちで取り組んでいかなければならない、こう思います。

 選挙の戦略、戦術については、党の執行部に任せてありますが、私はこの国会を通して、私が抱えている政策をしっかりと着実に実行していくこと。そしてまた、国民の皆様に何を目指しているか、わかりやすく御説明をし、そして、実績をつくっていくことによって、参議院選挙で勝てる状況をつくっていく。国民の皆様にわかりやすく、私たちが何を目指しているかを示すことが大切だろうと、このように思います。

【質問】
 この予算審議では、松岡農水大臣の光熱水費ですとか、事務所費の問題が焦点になりました。

 これに関連して公明党の太田代表は、先に政治資金規正法の改正について、総理と一致したと表明されました。総理御自身は政治資金規正法のどの部分を改正され、そして、今、国会での成立を目指すのかどうかをお聞かせください。

 また、松岡大臣の答弁について、国民や与党内からも不十分だという批判が強かったわけですけれども、総理は一貫して法律に基づいて報告をされていると擁護される姿勢をお示しになっていましたが、ある意味、批判の強い松岡大臣の答弁を擁護されてきたということで、世の中のモラル・ハザードに結び付くのではないかというふうに私も思うんですけれども、この点について、総理は一貫してそのように説明されてきたことについては、じくじたる思いというのを抱いてこられなかったのかどうか、その点についても伺いたいと思います。

【安倍総理】
 事務所費の問題を含めまして、政治資金の在り方の問題、光熱費の問題も含めるかもしれません。政治資金の問題、かつては入りの問題が議論されてきたところでありますが、この出の、支出の問題について議論がなされたわけでございます。

 この問題については、きっちりと国民の皆様から信頼される仕組み、透明性の観点からも信頼される仕組みをルールとしていかにつくっていくかということが大切であろうと思います。

 今回、こうした問題について、国民の皆様から厳しい御指摘があります。やはりルールをしっかりとつくって、そのルールにみんなが納得をして守っていくことが大切であろうと、このように思います。そのためのルールづくりをしなければなりません。その際、政治資金規正法の改正が必要であれば、改正も視野に入れて議論をするように指示をいたしています。

 また、松岡大臣は言わば光熱費について法令にのっとって、これは報告をしている。このように私は本人から聞いているところでございまして、今後、言わばルールとして、今までのルールでよかったのかどうかという議論を深めていき、そして、新たな制度はどうあるべきかということをお示しをしていかなければならないと思います。

【質問】
 総理の発言にもあったように、中国の温家宝首相が訪日されます。北朝鮮の核や拉致の問題の解決でも中国との連携は欠かせないと思いますが、停滞している6か国協議にどう対応するかも含めて、久々の中国首脳の訪日をこれからの外交戦略の中でどう位置づけていくのでしょうか。

【安倍総理】
 昨年、私が中国を訪問いたしまして、両国関係を戦略的互恵関係にしていくということで一致したわけであります。戦略的な互恵を図れることができる分野の一つが、北朝鮮の問題であると思います。この地域を平和で安定な地域にする、北朝鮮の非核化を図っていく、そして、北朝鮮の問題を解決していくということが、これは拉致問題も含めますが、両国にとっての利益につながっていくわけであります。

 私の訪中以来、大変、この拉致問題の解決におきましても、日中関係においては緊密な連絡・連携が図られています。先般の六者会合においても、日中で情報交換をしながら協力して合意に達した。このようにも思うわけでございます。

 今回、温家宝総理が来日をされます。この互恵関係を進めていく分野では、国際場裏での協力、日本の安全保障理事国入りもそうであります。この安保理の常任理事国入りについても中国の支持を得るべく、我々も努力をしていきたいと、このように思います。

 そしてまた、環境やエネルギーの分野、日本が中国に協力をしていくべき分野でもあろうと思います。こういう分野について、幅広く意見を交換していきたいと思います。

 また、日中間でこうした意見の交換をしながら、協力をしていくことが地域の平和や繁栄、安定につながっていく、このようにも思います。中国側もまさにそのように考えているんだろうと、こう思うわけでございます。

 また、今後とも、更に拉致問題を含めた六者会合においての問題の解決に向けて、更に協力を強めていきたいと思います。

【質問】
 公務員制度改革について伺います。

 政府案の中には、人材バンクの職員が出身省庁の職員の再就職あっせんをすることを禁止するという項目があると思いますが、この点に関しては、自民党や各役所の中になお根強い異論があります。総理としては、機能する人材バンクとおっしゃっていますけれども、機能させるために、こうした党側の主張にある程度配慮をされるお考えなのか、それともそこは譲れない一線であるのか、この点について伺います。

【安倍総理】
 私は、予算や権限を背景とした押しつけ的なあっせんは根絶をしなければならない。このように申し上げたわけであります。

 今、申し上げました押しつけ的なあっせん、国民の目から見て、そう映るものはやはり私は根絶をしなければならないと、このように思います。

 そして、それと同時に、機能していく人材バンクをつくっていかなければならない。それができなければ、結果として、こうしたあっせんは根絶もできないと思います。

 私の申し上げた基本原則にのっとって、制度設計を綿密にしてもらいたいと思います。

【質問】
 先ほども質問が出ましたが、松岡大臣の問題だけではなくて、柳澤大臣の失言問題もこれまでの国会での大きなテーマとなりました。国民は依然として厳しい批判の声があると思うんですけれども、そうした声を踏まえて、自民党内にも内閣改造を行って人心を一新すべきだといった声があると思いますけれども、総理はどのようにお考えでしょうか。

【安倍総理】
 その人心一新とは、いわゆる内閣改造だと、このように思いますが、現在、私は全く考えていません。

【質問】
 先ほどの中国と関連するのですが、先日、胡錦涛国家主席が総理に改めて、また訪中を招請されたと思いますが、現時点で中国訪問について、御自身はどうお考えになっているかということと、中国内で歴史問題に関する批判というのがいまだにありますけれども、靖国神社参拝について、この時点で改めてお考えをお聞かせください。

【安倍総理】
 まず、靖国神社の参拝については、今まで申し上げてきたとおりでございます。国のために戦った方々に対する尊崇の念は今後も持ち続けていきたいと、このように思います。

 そしてまたこの参拝自体が外交問題化するという現実がある以上、参拝するかしないかは、申し上げるつもりはございません。

 また、この日中関係を更に発展させていくためにも、両国の首脳がお互いの国を頻繁に訪問するということは、当然これはプラスだろうと、このように思います。ですから、私も昨年、中国を訪問し、そして今年、温家宝総理が来日をされます。今後、スケジュール等を見ながら、私の訪中については検討をしていきたいと、このように思います。

【質問】
 先ほどの内閣改造の関連なんですが、小泉前総理は政権の初期のころに、一内閣一閣僚がふさわしいというふうにおっしゃっていましたけれども、この点については、総理はいかがお考えでしょうか。

【安倍総理】
 私はそういうことは今まで申し上げてはいないわけでありまして、その時々に必要とされる人材を活用していきたいと思います。