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安倍内閣総理大臣記者会見(安倍改造内閣発足後) 政府インターネットテレビ


平成19年8月27日

記者会見を行う安倍総理の写真

【安倍総理冒頭発言】

 先月の参議院選挙の結果は、大変厳しいものでありました。国民のこの厳しい声を真摯に受け止め、美しい国づくり、新しい国づくりを、そして改革を再スタートさせるために、本日、内閣の改造を行いました。そして、党の新しい執行部体制をつくったところでございます。

 昨年の9月に総理に就任して以来、国づくりに取り組んで、全力を尽くしてまいりました。しかしながら、その間の閣僚の不適切な発言、政治と金の問題、また、年金の記録問題等、そうした問題によって、国民の政治あるいは行政に対する信頼が失われてしまいました。

 この失われた信頼を再び政治に、そして、行政に取り戻すために、新しい内閣のメンバーによって全力を尽くし、成果を上げていきたい。そう決意をいたしておるところでございます。また、さきの参議院選挙の結果は、中央と地方に存在する格差の問題。もっと政治はその格差に配慮すべき。それが参議院選挙の結果、私どもが受け止めた教訓でございます。

 この11か月間進めてまいりました新経済成長戦略で、景気は、経済は確実に回復をしているわけでございますが、まだまだ実感できない。あるいはまだまだ将来に夢が持てないという地域も存在する。それは事実であります。私も地方に遊説で出かけて、何とか子どもの就職を地元でできるようにしてもらいたいという声も伺いました。

 そうした声にも私たちは丁寧に耳を傾け、謙虚に受け止め、政策で対応をしていかねばならないと思います。

 今回の改造人事におきましては、地方の知事を経験した増田さんに総務大臣として参加をしていただきました。新しい内閣において、地域が活力を回復するように全力を尽くしていきたいと考えておりますし、また新しい内閣のメンバーはどんどん地域に足を運んで、直接地方の地域の皆さんの声に耳を傾けなければならないと思います。何を求めているのか、自分自身でその声に耳を傾けながら、それをきめ細かく政策に反映させていくことが大切であろうと思います。

勿論、改革については続行していかなければなりません。人口が減少していく中、あるいは経済がグローバル化していく中、改革を行っていかなければ、残念ながら日本はやっていくことができなくなってしまう。私たちは、将来の世代に対して責任を持っています。そのための改革は厳しくとも続行していく、進めていく決意であります。これは私の不変の決意であり、信念でもあります。

 同時に、この改革に伴う痛みに対して、私たちはしっかりとその痛みをわかっている。この痛みに対応しようとしているんだ。このメッセージを出していかなければいけませんし、どうすればこの痛みを和らげることができるか。今まで以上に、そのことに私たちは力を尽くしていかなければならないと考えております。

 そういう中におきまして、私たちは改革を進めながらも、そしてまた同時に経済を成長させながらも、勿論この経済を成長させていく、新経済成長戦略を進めていかなければ、それによって生まれてくる果実、その果実を地域に、地方に、痛みを感じている人たちに配当していくことはできないわけでございまして、そういう意味におきまして、新経済成長戦略はしっかりと進めていくと同時に、それによって得た成果を、そうした痛みに耐えている人たちに、痛みを感じている人たちへと、その精神でこれから改革を進め、そして新経済成長戦略を進めていく考えでございます。

 外交におきましては、主張する外交を展開をしてまいりました。今後とも、我々は国際社会から期待されている国際社会に対する国際貢献を果たしながら、地域や世界の平和と安全のためにその責任を果たしていかなければならないと思います。

 こうした内政、外交、更にさまざまな課題もありましたが、そうしたものに対応していく。今回、適材適所、強力な布陣をつくった。私は、今、改造を終えて、そう考えております。

 今後、参議院におきましては、大変厳しい与野党が逆転した状況にはありますが、今後、我々は堂々と国民の前で、皆様の前で議論を展開しながら、主張すべき点は主張しながら、民主党、野党の声にも耳を傾け、建設的な議論を行っていかなければいけない。その方針でこの国会に臨んでいく考えでございます。

 与党、野党とも、国民に対して責任を持っています。国民のための建設的な議論を行っていく考えであります。

 私からは、以上であります。

【質疑応答】

【質問】
 今回の改造で総理は、与謝野さんを官房長官に、あるいは舛添さんを厚生労働大臣にと起用されました。

 今回、この内閣で何を最優先課題として取り組まれるおつもりでしょうか。また、首相は続投の際に、今おっしゃったように、反省すべきは反省すると述べられましたけれども、その中で、戦後レジームからの脱却の方針はどう位置づけられるのでしょうか。これは今後とも継続するのか、それとも、あるいは多少見直しを加えていくのか。

【安倍総理】
 今回、与謝野さんに官房長官に就任をしていただきました。与謝野さんは、長い政治経験を持ち、そして、さまざまな重職を担ってこられた方であります。調整能力に優れた方でもあります。国会が大変厳しい状況でありますから、その優れた調整能力、また政治的な経験、行政能力を発揮していただきたいと期待しています。

 また、舛添さんは政治家になる際に、そもそもライフワークとして、自分は社会福祉政策に取り組んでいきたいと、そうおっしゃっていた。更には医療問題に大変詳しい知識を持っておられます。また、年金に対する造詣も深い方であります。また、国民に対して、わかりやすく説明のできる方でございますので、そういう能力を生かしてもらいたいと思います。

 参議院選挙の結果を受けまして、政治資金、政治と金の問題の透明性を高めていく努力をしていかなければいけないと思います。透明性を高めていくために、私も努力をしていきたい。国民の皆様から信頼される政治、そのための政治資金規正法の改正に取り組んでいかなければならないと思います。

 そして、年金の記録問題の解決。これも当然最重要であります。

 また、今まで進めてきた教育の再生にも今後とも取り組んでまいります。

 また、経済は力強く回復をしておりますので、経済について成長していくように、新経済成長戦略も進めていきたいと思います。

 そして、また戦後レジームは、戦後つくられた仕組みを原点にさかのぼって見直しをしていく。教育の再生もそうですし、また公務員制度もそうです。この方針には変わりはございません。

【質問】
 先ほど総理は参議院は与野党を逆転し、大変厳しい状況という認識を示されました。次の国会の焦点になりますテロ特措法ですけれども、民主党の小沢代表は延長に反対する姿勢を崩していません。この難題をどのように乗り越えていくおつもりでしょうか。

 それと政治と金の問題なんですけれども、今回の改造に当たって、総理はこの政治と金の問題をどのぐらい重視して人選を進めたのでしょうか。また、閣僚に再びこの問題が発覚した場合、どのように対処していくおつもりでしょうか。

【安倍総理】
 まずテロ特措法についてでありますが、テロ特措法は9.11テロ、日本人の24人の尊い命も失われた事件になりました。テロとの戦いは、全世界が、国際社会が一丸となってこのテロとの戦いを進めています。その中で、日本も重要な貢献を果たしていますし、日本の貢献が期待をされています。そのためのテロ特措法ですので、民主党の皆様にも野党の皆様にも御理解いただけるように、努力をしていきたいと思います。当然この国会における重要法案でございます。

 そして、また政治とお金の問題は、透明性を高めていく努力をしなければいけない。閣僚においては、何か指摘されれば説明をしなければならない。十分な説明ができなければ、去っていただくという覚悟で閣僚になっていただいております。

【質問】
 総理は、前内閣ではたびたび任命責任を問われる出来事が相次ぎましたが、今回、新しい内閣を発足させるに当たりまして、人材登用の在り方というのを反省を基にどのように反映されたのか。具体的には、閣僚の顔ぶれを見ますと派閥の領袖クラスの方が多く見受けられる一方で、首相補佐官は5人の方が2人になっている。もともと官邸主導を目指されて発足した補佐官が減らされたということは、総理の人事登用について今後どういうふうな意味をもたらすのか。その辺についてお伺いしたいと思います。

【安倍総理】
 今回の内閣をつくるに当たりましては、政策を実行していく、実行力に力点を置きました。その中で適材適所ということで人事を行ったわけであります。その中で経験を積んだ方々、いわゆるベテランと言われる方々や、あるいは今までさまざまな役職を歴任された方々が入るという結果になったということではないかと思います。

 そして、また補佐官制度でございますが、この補佐官制度は官邸において政治主導で政治を行っていく、いわゆる官主導から政治主導に変えていくという考え方の下に5人の政治家の方々に入っていただきました。そして、いろいろ、私は成果を上げていただいたと思っています。そういう中で、一通り役割を終えた方々もおられます。

 拉致問題は、まだ残っている、解決をしなければいけない問題でありますし、その意味において、拉致担当の補佐官はそのまま留任をしていただきました。また、教育再生については、この12月に教育再生会議で最終的な答申が出る。まさに教育再生はスタートしたばかり、そして、これからだんだん成果が出てくるというところでございますので、山谷さんにも留任をしてもらったということでございます。

 この政治主導を進めていく上においては、いろんな試みに挑戦していかないと、なかなか政治主導というのは実現をしないと思います。

【質問】
 今日、党や内閣の要職に起用した派閥の会長の方々は安倍総理よりも当選回数の多いベテランの方が多くて、なかなか個性も豊かな方が多いんですけれども、今後、党と内閣をどのように束ねていくか、どのようにリーダーシップを発揮していくのかということと、あと、内閣と党との関係、連携というのをこれからどうしようとされているのか、聞かせてください。

【安倍総理】
 私は、当選5回で総理に就任したという立場でございます。当然、私より当選回数が多い方も多くなる。むしろ、そういう方が多くなるというのは、ある意味では当然なんだろう、やむを得ないというところもあると思います。

 また、個性が豊かということでは、政治家はみんな個性が豊かな方ばかりでございますから、その中で経験を積んだ方々に多く入っていただきまして、また、私より当選回数が上の方々がたくさんおられますが、しかし、その中で私たちはこの選挙の結果を真摯に受け止め、同時に改革は進めていく。そして、成長戦略は進めていく。この路線に賛同していただく方々に加わっていただきました。当然、一丸となってそうした課題に取り組んでいくことができると思います。

【質問】
 逆に、留任された方についてお聞きしたいんですが、人心一新とおっしゃっていましたけれども、伊吹大臣を始め何人か留任されておられますけれども、これはこれまでのこの方たちの所掌されていた政策路線をそのまま踏襲していかれるということなんでしょうか。

 それで、重ねてお聞きしますが、先ほど民主党とも話をしていきたいというふうにお話をされていたと思うんですが、教育改革ですとか公務員制度改革、民主党とこれまであつれきのあった政策についても話し合う余地があるとお考えでしょうか。

【安倍総理】
 この国会、衆議院では与党が多数を持ち、参議院では野党が持っている。しかし、与党も野党もお互いに国民に対して責任を持っている。そういう同じ立場だと思います。そういう観点から、これから建設的な議論をお互いにしなければならないと思います。

 教育の再生、公務員制度改革。この教育を再生していこう、教育を改革していこう。また、公務員制度を変えていこう。戦後でき上がってきた公務員制度の仕組みを変えていこうということについては、恐らく与野党ともに思いは1つなんだろうと思います。その変え方がどうかということではないかと思います。そこのところは、互いに責任を持つ立場として議論をしていけば必ず建設的な議論はできるのではないかと思います。



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