首相官邸  
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日・独共同記者会見


平成19年8月29日

日・独共同記者会見の写真

【安倍総理冒頭発言】

 まず、メルケル首相の訪日を心から歓迎申し上げたいと思います。本年、3回目の首脳会談になるわけでありますが、それは日独間の関係が極めて密接になっている、緊密になっていることの象徴ではないかと思います。この夏、メルケル首相はG8の議長国としてサミットを成功させました。我が国は、来年、北海道洞爺湖サミットを開催いたします。そういう意味におきましては、議長国の引き継ぎをする関係にあるわけでありまして、そういう関係としても今後よく連携をしていきたい。そしてまた国際的な課題にも、ともに取り組んでいきたいと考えています。その考えで、両国は一致をいたしました。

 会談では、私からテロとの戦いについて、インド洋での海上自衛隊の給油活動が、ドイツ等の各国による海上阻止活動の重要な基盤となっていることを踏まえて、野党の理解も得てテロ特措法を是非延長したいと考えているという趣旨について説明をいたしました。

 これに対して、メルケル首相より、ドイツとしても日本が貢献を続ける意志を有しているということを評価する旨の発言がございました。また、国連での協力や来年の北海道洞爺湖サミットの重要なテーマである気候変動・エネルギーについて、有意義な意見交換を行うことができました。

 気候変動・エネルギーにつきましては、すべての主要排出国が参加する、実効的な枠組みづくりに向けて協力をしていくことで一致をいたしました。また、エネルギー安全保障やエネルギー効率向上のための途上国への支援について、意見の交換を行いました。

 国連での協力については、安保理改革の実現に向けて、引き続き緊密に協力をしていくことで一致をいたしました。

 この後の夕食会におきましては、引き続き国際情勢について意見交換を行う予定であります。

 私からは、以上でございます。

【メルケル首相冒頭発言】

 ありがとうございます。まず、私といたしましては、非常に温かいおもてなしをいただきましたことに、心から御礼を申し上げたいと思います。安倍総理のお話にありましたように、2回にわたって御訪独いただきました。私は、ドイツの首相としては訪日は初めてでありますが、もう10年も前に京都議定書の審議のために訪日したことがございます。今回も京都を訪問できることを大変楽しみにしております。

 二国間の関係に関しまして申し上げますと、非常に友好的な関係であります。密接な協力を展開しています。経済成長を私たちは達成しつつあるわけでありまして、その背景の下で、どのように、さまざまな面において、文化面も含めて交流を緊密化することができるかということを考えています。

 ハノーバー見本市において、日本が参加してくださるということを、総理とも話をいたしました。さまざまな新しい前向きなポジティブな刺激が生まれてくることを確信しております。日本製品が欧州においてよりよく知られるためにも、非常に重要な機会ではないかと考えています。

 また、来年の洞爺湖サミットにおいて、議長国としての仕事を引き継いでくださるわけでもあります。日本におけるG8サミットの主要テーマの一つは、やはり温暖化防止政策であると思います。テクノロジー面においてもエネルギーを節約するための方策が提起されることを期待しています。

 また、非常に緊密な調整を続けることによって、6月までのプロセスを円滑に進めていきたい。その面でも協力していきたい。そして気候変動対策の面で、大きな進展が見られることを期待しています。また、エネルギー相の会合なども予定しています。

 今の総理のお話にもありましたように、国連の安保理改革においても協力していきたいと考えています。

 また、アフガニスタンへの貢献についても、今、会談において取り上げました。日本の給油活動などの貢献が、ドイツの船舶にとっても非常に大きな支援になっているわけであります。ドイツにおいては、アフガニスタンについての決定を今後下していかなければならないわけでありますが、やはりテロに対して譲歩しては決してならないと考えています。そして、アフガニスタンの人々に対して未来への展望を提示しなければならない。自らの安全保障のためにも進展を勝ち取っていかなければならないと考えています。この点で大きな意見の一致を見ています。

 日独関係を見ますと、さまざまな面から非常に重要な二国間関係であると位置づけています。友好的な関係でもあります。

 第2には、役割分担をしながら、それぞれ自分の分野で責任を担いながら世界平和に貢献していくことができると考えています。夕食会のときにも、そのことについて討議を深めたいと思っています。

【質疑応答】

【質問】
 両首脳にお伺いします。日本もドイツもテロとの戦いで、インド洋に艦船を派遣しておりますけれども、両首脳の間で、先ほどテロ対策特別措置法の延長問題については意見交換をされたと伺いました。自衛隊の撤退を余儀なくされた場合、ドイツ軍の活動にも影響が出るかと思いますけれども、両首脳のお考えをお伺いしたいと思います。

 それから、メルケル首相にお伺いします。民主党の小沢一郎代表とも会談される予定と伺っておりますけれども、どのような話し合いをされるのでしょうか。

【安倍総理】
 冒頭でもお答えをいたしましたように、海上自衛隊が行っている給油活動が海上阻止行動の要になっている重要な活動であります。海上阻止行動を行っていくためにも、この海上自衛隊の給油活動が継続をされることが国際社会において期待をされています。

 そして、メルケル首相からも、日本がこの活動を継続していくという意思を持っているということに対して評価をする旨の発言がございました。野党の皆様にも御理解をいただいて、是非とも国際社会が期待をしている、必要としているこの活動を続けていきたいと考えています。

【メルケル首相】
 私ももう一度強調したいと思いますのは、日本のこの国際的なテロとの戦いにおける貢献を注視しているということを申し上げたいと思います。状況はかなり困難なものではありますが、このような状況においてこそ国際社会としてテロに屈するつもりはないということを明確にすることが重要であると考えます。

 小沢党首との会談におきましても、独日二国間の関係についても話し合いたいと思いますが、国際問題についてもお話ししたいと考えています。それから、G8議長国としての仕事についてもお話ししたいと思います。野党におかれましても、ドイツにおいて私がどのような考えを持っているかということを知っていただきたいと考えています。共通点について模索したいと思います。

【質問】
 メルケル首相に伺いたいんですが、アフガニスタンに関してでありますが、韓国人の人質が釈放されるということでありますが、ドイツはこの事態を踏まえてアフガニスタン政策に変更が何らかの形であるんでしょうか。

 それから、安倍総理に伺いたいことは、今、日経の平均が更に下落をいたしました。この金融不安の問題についてどういうふうにお考えでしょうか。これは不況の前触れなんでしょうか。

【メルケル首相】
 ドイツ連邦共和国といたしましては、人質の釈放に全力を尽くしています。そして、あらゆる努力を惜しまない所存であります。しかしながら、韓国人の人質の釈放という事実は、今、緊急事態についての対処をドイツで練っているところでありますが、それに対して大きな影響があるとは考えていません。一刻も早く釈放を勝ち取るということだけです。

【安倍総理】
 まず、日本の経済の基調は力強い回復基調にあると考えています。また、株価の動向について首相である私が意見を述べるべきではないと思いますが、さまざまな経済指標を注視していかなければならないと思います。

 また、国際社会において関係当局同士、あるいは日銀、そして、また、海外の機関との情報の交換等を緊密に行っていく必要があると考えています。

【質問】
 両首脳にお伺いいたします。両首脳が来年の北海道洞爺湖サミットに向けて協力を確認した温室効果ガスの削減問題についてなんですが、具体的な目標設定の段になると、米国とEUの間で摩擦が生じる可能性が指摘されていますが、ポスト京都議定書の新しい枠組みづくりに向けて、そうしたあつれきを乗り越えていくために、両国はどういった役割を果たしていくべきだと考えているか、まずお伺いします。

 また、メルケル首相は訪日の前に中国を訪れておりますが、中国の環境問題と人権問題についてどういうお考えをお持ちか。国際社会としてどういった対応を取るべきとお考えか、お聞かせください。

【安倍総理】
 まず、気候変動問題についてお話をいたしますと、この気候変動問題はすべての国々が、国際社会がまさに一致団結をして、それぞれの国が責任を果たしていかなければならない、取り組んでいかなければならない課題であると思います。その中におきまして、2013年以降の枠組みづくりについては、それぞれの国の能力と責任に応じた強力な取組みができるよう、いわゆる柔軟で多様性に富んだ枠組みづくりをしていかなければいけない。こういう私の考え方についてメルケル首相に対して申し上げたわけでありますが、同意をいただいたのではないかと思います。

 大切なことは、それぞれの国が、すべての国々が責任を持っているという認識の上に立って話し合っていくことであろうと思います。

 いずれにせよ、主要な排出国が入る、米国、インド、中国等の主要排出国が入る枠組みをつくっていく必要があると思います。

【メルケル首相】
 日本は、ハイリゲンダムのG8サミットにおいて、こういう立場をお取りになりました。つまり、2050年までに50%削減すべきであるという立場であります。

 クールアース50という日本の提案、イニシアティブに基づいているわけであります。これは非常に重要なイニシアティブでありました。これがあったからこそ、ハイリゲンダムで成果を勝ち取ることができました。IPCCの知見を前向きにとらえる。そして、数量的な目標を掲げることができたわけであります。

 もちろん、米国及びEUとの間で意見の違いはあります。また、日独間にも幾分の違いはあるわけでありますが、しかし、大きな進展が見られました。やはり気候変動についての責任を全当事者が負うということであります。そして、2009年までに2013年以降の枠組みをつくろうというアプローチであります。国際的なプロセスでありますから、この先まだかなりハードな交渉が見込まれます。これはハイリゲンダム以前もそうでありましたし、また、来年の日本におけるG8サミットまでにも準備は進められます。

 ヨーロッパだけでは、G8の立場ということを構成することはできないわけでありますから、日本も重要な役割を果たしていただくことになると思います。

 今回の会談は、そういう意味でも非常に重要であります。緊密な連携を取り合おうということであります。

 中国のことも御質問いただいたわけでありますが、御理解いただきたいと思います。言うべきことは、すべて中国で言いました。御容赦いただきたいんですが、東京では、まず、独日関係についてお話しするということで御容赦いただければと思います。

【質問】
 遠藤農相ですが、本日、EUと日本との間の自由貿易協定を提案されました。これについて質問させていただきたいと思います。

 この協定、日本側から提案が出たわけでありますが、具体的な日程もある程度念頭に置いていらっしゃるんでしょうか、そのような協定がもし実現するとすれば、どのような分野において、関税の削減を考えていらっしゃるんでしょうか。農産物に関しても日本とEUの間で、関税撤廃の方向に向かうんでしょうか。

 この質問は両首脳にお願いしたいと思います。特に安倍首相に伺いたいのは、具体的なプロジェクトが日本側であるのかどうかということであります。大臣がこの点について発言を既になさっているわけでありますから、それからドイツ側のそれについての、農産物に関する日本との自由貿易というのは考えられるのかどうかということを伺いたいと思います。韓国の方が一歩先行していると思います。日本はASEAN等に関しては、もう話を進めていらっしゃると思います。

【メルケル首相】
 全般的なことのみを申し上げたいと思います。本日の会談のテーマではなかったわけでありますから、WTOプロセスに関しても良好な協力関係を維持しています。ドーハ・ラウンドを終結させようという趣旨であります。金融不安の枠組みの中ではブラジル、EUも加わった、米国も更に加わった形で話を進めようとしています。

 日程ということに関しましては、いろんな刺激が出てくるということであると思います。

 農業補助金の問題が一方にはあります。それから工業製品の関税の問題が他方にはあります。利害は非常に複雑であります。

 二国間の協定ということを勿論考えられるとは思いますが、まずは多国間でWTOのレベルで進展を勝ち取るべきであると思います。

【安倍総理】
 日本は、人口が減少していくという社会に突入をしていきますが、その中で私はイノベーションとオープンな姿勢が大切である。日本が成長していくためには、イノベーションとオープンな姿勢が大切であると申し上げています。

 その中におきまして、WTOの体制、これはまさに日本だけではなくて、世界にとって、途上国にとっても大切な体制だろうと思います。その中におきましても、日独は、今、十分な連携を取っています。

 また、日本、アジアの国々とEPAを締結しています。今後、さまざまな日本とEUとのEPAの可能性も含めて、さまざまな研究をしていかなければいけない、検討をしていかなければいけないと思います。



【関連リンク】
  日・独首脳会談 -安倍総理の動き-