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安倍内閣総理大臣記者会見


平成19年9月24日

記者会見を行う安倍総理

【安倍総理冒頭発言】
 13日以降、入院して治療に専念してまいりましたが、思うように体調が回復せず、今まで国民の皆様に御説明をする機会を持てずにおりました。内閣総理大臣の職を辞する前に、どうしても一言、国民の皆様におわびを述べさせていただきたいと考え、不完全ではありますが、本日、このような機会を設けさせていただきました。
 まず、おわびを申し上げたいのは、私の辞意表明が国会冒頭の非常に重要な時期、特に所信表明演説の直後という最悪のタイミングになってしまったことです。このため、国会は停滞し、国政に支障を来し、閣僚を始めとする政府関係者の皆様、与野党関係者の皆様、何より国民の皆様に多大な御迷惑をおかけしたことを改めて深くおわびを申し上げます。
 私は、内閣改造後、最重要課題としてテロ特措法の延長を掲げ、APECなどの場での各国首脳との議論を通じて、我が国の国際貢献に対する期待の高さを痛感し、シドニーでもその決意を申し上げました。しかし、この1か月間、体調は悪化し続け、ついに自らの意思を貫いていくための基礎となる体力に限界を感じるに至りました。もはや、このままでは総理としての責任を全うし続けることはできないと決断し、辞任表明に至りました。
 私、内閣総理大臣は在職中に自らの体調について述べるべきではないと考えておりましたので、あの日の会見ではここ1か月の体調の変化にはあえて言及しませんでしたが、しかし、辞任を決意した最大の要因について触れなかったことで、結果として国民の皆さんに私の真意が正確に伝わらず、非常に申し訳なく思っております。
 総理大臣在職中、多くの国民の方々に温かく、力強く応援していただいたことに感謝申し上げます。皆様の期待に十分お応えできず、申し訳なく、残念に思っております。
 昨日、自民党両院議員総会において選出された福田康夫新総裁に対し、心よりお祝いを申し上げます。私は、明日で内閣総理大臣の職を辞することになりますが、新たな総理の下で国民のための政策が力強く進められるものと信じております。麻生幹事長、与謝野官房長官の2人を始めとする内閣、政府与党の皆様には最後の最後まで私を力強く支えていただいたことに対し深く感謝しております。私も1人の国会議員として、引き続き、今後、力を尽くしていきたいと考えております。

【質疑応答】
(質問)
 まず、今、最大の要因について真意が伝わらなくて非常に申し訳なかったというお話がございましたけれども、一国の総理として、最大の要因を、やはりあの会見で表明されなかったという判断について、今、御自身はどうお考えなのか。また、国民に対してどう思われているのかということを改めてお聞きしたいと思います。
 あと2点、退陣会見で、民主党小沢代表との党首会談が実現しないということを、また、退陣の理由に掲げていらっしゃいましたけれども、もし、会談が実現してインド洋での自衛隊の活動の延長に何かしらの目途が付けば、そのまま総理をお続けになるつもりだったのかどうかをお伺いします。
 あと、3点目は、やはり病状が非常に重いのではないかという見方もございます。臨時代理を置かずにここまで入院生活を送られているわけですけれども、実際、執務に問題はないのかどうなのか。そこら辺の現状もお聞かせください。

(安倍総理)
 まず、初めの質問でありますが、やはり辞任の会見においては最大の要因である健康問題について率直にお話をするべきであった。このように思います。勿論、あのときも申し上げましたように、テロとの戦いを続けていくために全力を挙げていきたいし、その状況が大変困難な状況になった。自分がいることによって、この困難な状況を打開していくことは難しいという中に、私もこのまま健康の状況を込めたわけでありますが、そこはやはり、率直に、はっきりと申し上げるべきであったと思います。
 また、小沢党首との会談でありますが、衆議院は自民党が与党で過半数を制している。他方、参議院は野党が過半数を制していて、民主党が第一党であるという状況の中で、国政を進めていく上においては両党の党首が、適時、会談を行いながら国政を進めていくということが大切ではないかと考えておりました。特に、テロとの戦いのような外交安全保障の問題については、基本的な同じ基盤を共有することも必要ではないだろうか。その観点から、共通点を互いに見つける意味においても、また、信頼関係を構築しながらそういう関係をつくっていくことによって打開できないかという思いで党首会談を申し入れたわけでございますが、その段階では健康上の理由もあり、私は辞任するという決意を固めておりましたが、その上に立って、両党で、この問題については特に関係をつくってもらえないだろうかというお願いをするつもりでございました。
 また、臨時代理についてでございますが、臨時代理については法律にのっとって、職務にどの程度支障を来すかどうかという判断の上に、今回は臨時代理を置かなかったということになりました。

(質問)
 今回の総裁選について何点かお伺いします。
 まず1点目は、今回、麻生前幹事長が総理の辞意を知っていながら結果的に退陣に追い込んだ、あるいは退陣の主導権を握られたという、いわゆるクーデター説が流れていましたけれども、これが総裁選に少なからず影響を与えたと思われますが、まずその事実関係と総理の受止めの方をお伺いしたいと思います。
 また、総裁選では今回、麻生さんと福田さんのどちらに投票されたんでしょうか。
 更に、福田新総裁、新しい自民党執行部について、どういった政権運営を御期待されていますでしょうか。

(安倍総理)
 麻生幹事長には、総裁と幹事長という関係ですから、辞意ということではなくて、最近少し体調が思わしくないという話はしたことがございます。そして、巷間言われているようなクーデター説とか、それは全く違います。そもそもそんな事実は存在しないとはっきり申し上げていいと思います。むしろ、幹事長として、大変この困難な状況の収拾に汗を流していただいたと感謝をしております。
 総裁選につきましては、新たに福田新総裁が誕生したわけでございまして、福田総裁は官房長官として長いキャリアを積んだ方でありまして、非常に安定感のある政策に通じた方でございますので、福田新総裁を中心に党が一丸となって、政府与党で政策の協力に実行してまいりたいと考えています。
 一票についてのお話でございますが、昨日、総裁選は終わったわけでありまして、福田総裁の下に一致結束をしていくことが大切であろうと思います。去っていく前総裁がだれにということは申し上げるべきではないだろうと思います。麻生幹事長にも本当に幹事長としてよく補佐をしていただいたと感謝申し上げたいと思います。

(質問)
 総理は先ほど、一人の国会議員として引き続き力を尽くしていきたいとおっしゃいましたけれども、これから退院されて、福田政権、自民党に、どのような形で政権を支えていかれるとお考えなのかということを具体的に伺いたいのが1つです。
 もう一つは、健康の問題に関連するんですけれども、2年以内に次の総選挙がありますけれども、この選挙には出馬されるということでよろしいんでしょうか。

(安倍総理)
 まず健康を一日も早く回復をしたい。だんだん食事もできるようになってまいりましたので、一日も早く退院できるようにと思っておりますし、明日は、首班指名選挙には行きたいと考えております。
 そして、一国会議員として、今後活動していくことになるわけでありますが、新しい総裁の下、困難な国会状況ではありますが、一員として力を尽くしていきたいと考えています。勿論、選挙についても地元の皆様の御理解をいただき、私もまだ政治家を続けていきたいと考えております。

(慶應義塾大学病院 日比教授)
 これは前にも御説明しましたけれども、入院時というのは非常に心身の疲労の蓄積ということで機能性障害が強くて、それから、外遊中で急性胃腸炎にかかられまして、これが更にこの状態を悪くしたという状況でございまして、食欲の低下がすごく強くて、全身の衰弱も来していらっしゃった状態でございました。
 私たちは、点滴と安静で数日間で入院完了ということで、回復されることもある程度期待しておりましたが、今もお話がありましたように、食欲の回復は一つの健康のバロメーターと考えていただいていいと思いますが、これがなかなか回復していただけませんで、5kg減りました体重というのは、入院12日経つんですが、全く戻っていらっしゃいません。
 ただ、食欲が徐々に改善されておりまして、この状態で徐々に改善されますと、以前の状態に戻るものと思っております。

(質問)
 安倍総理が麻生幹事長にだまされたとか、与謝野官房長官らに主導権を奪われたと述べたということを一部の国会議員が総裁選の最中に流布したようなんですけれども、こういう事実はあったのかなかったのか。もう一度、改めてお伺いしたいと思います。

(安倍総理)
 そういう事実は全くございません。特に今回、突然の辞意表明という形になったわけでありますが、その後の事態の収拾に対して、麻生幹事長も与謝野官房長官も大変よくやっていただいたと本当に感謝をしております。そういう事実は全くございません。



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