独立行政法人会計基準研究会

第四回議事録


1 日時 平成11年6月24日(水)14:00〜16:00
 
2 場所 中央合同庁舎第4号館4階共用特別第3会議室
 
3 出席者 総務政務次官、研究会メンバー5名他
 
4 議題
(1)運営費交付金の処理
(2)施設費等の処理
(3)減価償却
(4)費用概念
(5)資産概念
(6)資本
(7)その他

5 会議経過

(1) 座長の開会宣言及び総務政務次官の挨拶の後、事務局より、資料に基づき、これまでの議論の掘り下げについて説明があり、引き続いて全項目についての審議が行われた。

 まず、交付金や施設費等の処理、減価償却に係る掘り下げについて、ある程度スッキリした形で整理されつつある、独立行政法人の業績をどこで測定するのか、トップマネージメントに預託された仕事について、中期目標、中期計画、年度計画を作成し、その達成度を損益の中で反映するしくみができればよい、交付金をまず負債に計上し、収益化するという流れはよいが、実際に独立行政法人が対応できるのか、これが難しいところである、という意見があった。

 続いて、交付金の処理について、よいやり方であると思うが、進行基準ということで対応できるのか、また一つの問題として、ある年度の交付金を翌年に繰り越すのは負債という形になるが、効率的に仕事を行った結果交付金の残りがでてきた場合についても負債処理なのか、という意見があり、これに対して事務局より、効率的にやって残りがある場合とまだ仕事をやっていない部分についての残りとは分けないといけない、効率的にやった結果の残りについては収益となり、費用が低ければ利益となるだろう、との補足があった。

 また、施設費等の処理についてもこのようなやり方になるのだろう、減価償却についてももともと収益の中に予定されていない部分があるので損益計算書外になるものもあるが、なんらかの情報開示は必要であるので、大くくりの議論としてはこれでよいだろう、組織としてのコストと行政についてのコストを分けるというのもよい、との意見があり、その上で、放送大学についての減価償却はどうなってるのか、独法はSNAベースではどう扱われるのかとの質問があり、放送大学における減価償却の扱いは次回まで調査する、SNAベースについてはまだ議論していないが、法律論としては行政の一部であると事務局より回答があった。

 さらに、国の現金主義と独立行政法人に適用される発生主義とのギャップや財政運営も変えられないというような難しさの中でいろんな意味で骨格は漏らさず検討されている、進行基準をどうしていくかは法人によって違うだろうし、評価委員会や予算要求、会計監査等いろいろ説明しなければならず、客観性も求められるし、簡単では駄目だが複雑すぎてもいけない、注記開示ということも必要である、法人ごとにいろいろあるので、中には現金の流れをきっちり押さえて貸借対照表だけを作るという法人もあるのではないだろうか、との意見があり、座長より企業会計原則を原則とするということはとにかく国民にとってわかりやすくという趣旨であろうとの補足があった。

 会計の役割としては、配当可能利益の測定、業績測定、意思決定の標準等の中の業績測定というところで考えれば、交付金の算定ルールは法人の活動量をベースにすれば分かりやすいが、一つのものですべてを説明するのは難しい、ルールも余剰がでるようなものが望ましい、施設費等の処理については賛成である、まだよくわからないのは、交付金で固定資産を買った場合で負債にあげ、減価償却に対応して収益に振替えるということだが、なぜ負債になるのか、施設費等と違うのは何故かとの質問があり、事務局から受け手として同じだとなると説明しにくいが、そうはいっても購入する財産によって施設費等で出せるものと出せないものがあり、出せるものは事業の基礎となるものだと言えるのではないか、一方交付金については将来にわたってサービスを提供しなければならないから負債と言えなくはないのではないかとの説明があった。これを受けて、他のメンバーより、交付金の基本は渡しきりであり、独法の創意工夫ができるが、施設費等については工夫の余地がなく、工夫してもお金が残らない、国家財政上はそれでよいがそれは国の勘定の話であって、だから独法では資本となる、ということで説明できないか、また交付金で固定資産を買うということについては、すぐに収益にあげないで費用との対応を考えると、すぐに費消されるのではなく、5年なり10年なりにわたる費用とぶつけていく、将来の収益という意味で負債に計上するという考え方をとればスッキリするのではないか、その中でここまで厳格にやるかは別として、創意工夫があれば、例えば10であったものを9で買ったということになれば、その1は剰余金となり、9を交付金の負債とは別の負債に振替えて、償却分の9とともに順次収益にしていくという考え方ではどうか、との議論があった。

 この考え方については、施設費等と交付金とでは出し手の意図によって異なるということで貸方の計上の仕方が異なるという問題と、交付金で固定資産を買った場合独法のサイドの意思決定に基づくものについては収益に計上して減価償却し、国が指定したものについては負債に上げて減価償却ではない減額をしていくということで説明つくかどうかやや割り切れないところがあるとの意見が出され、後者の点については、事務局よりそういう割り切り方ではないと説明があった。

 次に、施設費等は公債発行対象経費であるので、予算総則で上げるということになり、独法が資本金として考える部分に組み込んでいくのだという考え方もできるのではないか、制度が動いていく中での整理ということになる、交付金で購入する固定資産はどれだけのものがあるかということについては、予算編成の中ではネガティブな評価になってくる、その中で土地を買うのもかまわないということになる、との意見が示された。

 また、独立行政法人のタイプによるが、中期計画という5年の中で決着する分、内部に現金が貯まっていく形にはならないだろう、という意見が出された。

 物品の取得価額50万円以上の根拠について質問があり、今の国有財産の重要物品の管理ということで、台帳に載せ国会に報告しているとの回答があり、さらに単位としてはあまり小さくしないほうがよいが、税法に従ってやっている民間との並びの説明も大事であるとの意見が出された。

(2) 座長より、剰余金の処理ということも考えると評価評定をしっかりしないといけないし、そうでないと予算の査定が甘いということになるとの問題提起があり、事務局よりその点は次回以降に議論したい点だが、今回感触だけでもご意見を伺いたいとの問題提起があった。

 最初に、税金の使い方が甘いというような議論は言い方としてしやすいが、逆に「これだけ節約したのだ。」というようなことがわかるような項目があればいいのではないか、という意見が出され、その通りであり、余れば返せ、余れば次に使えというだけではなく、インセンティブという方向につなげていかないといけないという賛成の議論があり、これを受けて事務局から会計の仕組みとしてどこまでビルトインできるのか、できるのなら仕組みの中に入れてしまいたいが、会計の専門家としてどのようにお考えなのかとの問いかけがあった。

 バリューフォーマネーという考え方もあり如何に税金を上手く使ったということが大事であり、独法も行政で財政と切り離せないが、配当みたいなもの、投資とリターンということを考えないといけない、独法は民営化ではないのだから期末等において暗黙の調整が行われるとしたらもったいない、調整するというのも本能的なものだから、事後的にそれが分かるかどうかがポイントであるとの意見が出された。

 次に剰余についてどう扱うかの他、予算についても今までとは違った原則でやれないものかどうか、例えば予算の査定をするときに少々遊びの部分を設けておくような何か工夫はないだろうか、運営の透明性を高めていくことによりインセンティブが働くような仕組みが望ましいとの意見が出され、これを受けて、民間でも赤字になれば批判され、税金が投入されるとなると視線がとても厳しい、財務会計と管理会計は表裏一体で裏には運営というものがあり、予算をとる段階ではこれこれこういう工夫しますということでやっている、余りを取られるというだけではなく、マネジメントを反映する予算というのが必要だとの意見が述べられた。

 さらに、独法の予算要求は主務官庁が行うとのことだが、費目の中に入ってくるのか、別立てなのか、SNAの中で財政構造改革をやろうといったときに、一律10%カットという場合独法も対象となるのか、という点について質問があり、

 独法の予算要求は各省予算の中で「○○独立行政法人運営費交付金」という形になるであろうという事務局の回答があった後、一律カットについて独法はそこまできつくしてもらいたくない、会計基準ではないかもしれないが、一律カットからある程度離れたところにあるのではとの意見が出され、一律カットについては、各省単位ということなので、独法の扱いは各省ごとの判断となる、との指摘があった。

 次に事務局から、特殊法人等におけるゼロ決算について、引当金等の勘定により調整してしまうようなことは防止したいが、どうか、との問題提起があり、民間会社において系列会社の決算を見る場合、安全性の観点から引当金を多めに積んでおこうというような考え方をしている所もあるが、引当金を積みすぎた「超優良会社」というのは行きすぎであり、厳しくみていかないといけないという意見が出され、さらに独法の場合、制度設計の結果にもよるが、退職給与引当金の繰入額によって調整するといっても、未収金を費用にぶつけるので、損益の調整にはならないだろうが、自己収入のある場合はそういうこともあるのではないか、という説明があった。

 現在倒産法の審議会で公法人の破産の議論がされているが、独法はその対象かとの質問があり、事務局よりそのスコープには入っていない、独法は公共的な観点から実施しなければならない業務を行うものであり、解散は法律制定によるとの説明があった。

 進行基準に関して、座長より実態に照らしてどうかとの質問に対し、事務局より、なんらかの簡便法も必要であろう、建設会社の工事進行基準のように目に見えた業務ばかりではないし、場合によっては費用を使っていくにしたがって収益化していくというようなアプローチもあるのだろうとの説明があった。

 最後に要望として、独法化機関の現在の業務の評価、また実際の予算の作られ方を知りたい等の要望がだされ、事務局が今後の議論に向けて検討をすることとなった。さらに中間決算の扱いも考える必要があるとの意見が出された。また、質問に答えて、政府から交付を受ける交付金の交付手続は、現行と同じく、主務官庁を通じて交付されることとなるだろうとの説明があった。

(3) 事務局より、次回の会合について、7月26日(月)午後2時から2時間程度開催することとすること、その他今後の日程の調整が行われ閉会。

以上
(文責中央省庁等改革推進本部事務局)
−速報のため事後修正の可能性あり−


資料

独立行政法人会計基準研究会
第4回会合

これまでの議論の掘り下げ

1.運営費交付金の処理
○運営費交付金の算定はキャッシュフローの算定であることに留意
○運営費交付金は、交付を受けた時にはいったん負債計上し、進行基準的に収益化(具体的な勘定科目や進行基準の運用は更に要検討)
○毎事業年度末において、次期事業年度に対応する部分については、当該負債項目として貸借対照表に表示

2.施設費等の処理
○施設費等は、交付を受けた時にはいったん負債計上し、支払確定の時点で資本金以外の資本項目に振替え(具体的な勘定科目は更に要検討)

3.減価償却
○減価償却は、原則として企業会計原則に則り処理
○ただし、法人の収益によって投下資本が回収されることが予定されていないものとして予め特定された償却資産については、減価償却を損益計算上では行わず、資本調整勘定により貸借対照表に表示(具体的な勘定科目は更に要検討)
○上記資産の特定方法は要検討

4.費用概念
○損益計算に含めない減価償却に係る部分や無償使用のコスト等独立行政法人の費用ではないが、行政としてのコストであるものについても独立行政法人の費用と併せて表示(表示の形式は要検討)

5.資産概念
○有形固定資産として貸借対照表に計上する範囲は、例えば現行の国の物品管理制度を目安(取得価額50万円以上)にしてはどうか。
○評価は取得時の時価

6.資本
○独立行政法人への出資は、資本金として整理
○無償使用時の会計処理は、リース取引の会計処理を応用

7.その他