独立行政法人会計基準研究会

独立行政法人会計基準研究会

第六回議事録


1 日時  平成11年8月24日(水)14:00〜16:00
 
2 場所  中央合同庁舎第4号館4階共用特別第3会議室
 
3 出席者 総務政務次官、研究会メンバー5名 他
 
4 議題  (1)「これまでの整理」について

5 会議経過

(1)座長の開会宣言及び総務政務次官の挨拶の後、事務局より、資料に基づき、これまでの整理について説明があり、引き続いて審議が行われた。

 まず、交付金の扱いについて最終年度の繰越しは認めない、すべて収益化という方法であると、最終年度の損益計算はいろいなものが混ざってくる、最終年度において経営努力に純化したものといろいろなものとを区分する必要があるという意見が出され、事務局より、確かに最終年度はその年度だけでなく、中期計画全体のものがあるので、分けなければいけないという議論はわかるが、毎年度の経営努力も難しい問題であり、果たしてできるかという意見が述べられた。これに対し、特別損益みたいな形で表示するという方向ではないか、という議論があった。またそれに限らず最終年度のペンディング項目はいろいろあるが、最終年度はどのような意味があるのかということについて議論してはいかがかという提案があった。事務局から、交付金の繰越しとの関係でどう位置付けるかの問題でもある、交付金は渡し切りという形で交付され、中期計画期間内では繰越しは可能であるが、これは無期限ということでもなく、中期計画期間において一回締めるという性格のものではないかという議論と、逆に完全に締めるというものではないだろうという議論とがあって、まだ整理されていない事柄である、今言えるのは中期計画期間内は持ち越せるが、中期計画終了をもって一応締めるのが基本的な考え方であるということ、また寄附金についてはもともと単年度で縛るものではなく、中期計画というもので締めるものではないだろう、との説明があった。

 これに対し、最終年度についての評価をどうとらえるかが重要であり、中期計画をコアにおいてどう評価するかが基本で、その上に立つと最終年度で調整されてしまい、効率性の評価が難しくなる、単年度に割りすぎると全体としての評価が難しくなるという意見があり、これに対して調整しにくい仕組みが必要であるという意見が出された。

 進行基準の具体化については、効率性を重視するとトータルの会計の他、中味すなわち部門別、プロジェクト別にブレークダウンしないといけないが、進行基準は管理会計的なものとのからみを考えていかないと独立行政法人の趣旨に合わないのではないか、残っているから全部収益とするというような単純な議論ではないと思うが、実務的な対応可能性とのバランスを取っていくような配慮は必要であろうという意見が出され、その関連で進行基準は具体的イメージが湧かない、企業では会社全体での進行基準というのはあまりなく、かなりブレークダウンしたもので初めて進行基準が可能になるというのが普通で単に3段階で評価していけばいいというものではない、事例的なものを用いながらの議論がある段階から必要なのではないか、また、交付金で余ったらどうなるか、どのぐらい偏差があるのが通常なのか等についての知識を持った上で考えていかないといけないのではないかという意見が出された。

 更に、運営費交付金という勘定について財政面からのコントロールしていくということになるが、進行基準を取ると、事業別にやっていかなくてはならないため、かなり今の予算制度でやっていることと違うことになりどう対応するかを時間軸の中で考えていかないといけない、また管理の単位というものも重要で交付金という一本で独法は使えるが、その中で細かく分けて会計していくとなると、実際の裁量が働かなくなる可能性もあるので、管理の単位が重要であるという指摘がなされた。これを受けて事務局から、組織の中の管理としてどれだけやるかという話で、自主的にどこまで管理していくかが出発点であり、進行基準については、本質は内部の管理の問題であって、これをこう管理せよということを外部から言うとおかしくなる、何らかの参考になる実務的な何らかの基準の具体化があれば幸いだと考えていると回答があった。

 何も管理会計的なものがないと従来通りの交付金の額となるのかという質問があり、事務局から完全にパラレルではない、交付金も何らかの算定ルールはあるが、費用項目は完全に同じではない、例外は別の会計からお金が入って区分経理が制度的に予定されているケースであるとの説明があった。さらに、独立行政法人は効率的に交付金を使って事務事業を行い、適切に評価されてインセンティブが働くようなところにメリットがあり、そういうものにしないといけないという意見が述べられた。

 経営努力の表れとしての損益を計算しないといけないが、それが必ずしも当期利益とは一致しないというのが今のシステムであり、経営努力の立証はどこがやるのか、独法なのか、評価委員会なのか、という質問があり、事務局から現時点では、利益あるところに挙証責任があるという考えに従って、独法側が説明して外部の者がオーソライズするのではないか、という回答があった。これに対して、独法でも自分で収入あるところなど、収入は入ってくる先によって明確に分かれるが、費用を割っていくのは難しい、一番よくわかっている独法からこうなんだという説明がないとわからないという意見が述べられた。また病院とか学校は民間があるので尺度がありコストの配分も分かりやすいかもしれないが、博物館や規模が小さい独法など分けられるのか、果たして分けることに意味があるのかという指摘があり、ある程度簡便法も必要なのではないかという意見が出された。独法に企業会計原則導入の背景には、自ら進んで経営体としてやっていくようにしようこということがあるのではないか、役所も独法も中期計画作成の時に進行基準のような考え方を入れておく、結果評価も自らもしていくということが必要なのではないか、という考え方が示された。

 さらに、どういう評価をするのかという点は、業態によって違う、説明責任のためには独法の側で自分たちの業務を適切に表現するのはこれこれだということをやってもらった方がお互いにとっていい、また進行基準については管理可能かどうかの議論があるが、民間である場合の管理可能と独法である場合の管理可能は違うのではないか、というのは独法はあくまでも行政の中の法人として位置づけられており、行政目的が予め与えられている、会計的に管理可能かどうかの他に、中期計画の中で管理可能なのか不能なのか分けないといけないのではないか、そうでないときちんとした関係を保てないのではないか、という意見が示され、事務局からも、独法は裁量があるといっても実施部門で政策まで入ってこないという意味で独法の評価は政策の部分まで入ってこない、それをうまく表現できる財務諸表ということで意見の集約としたい、との発言があった。

 さらに残る本省の総定員は10年で1割削減という目標があるが、独法についてはそれを別の法人として、年間いくらか効率化していくべきではないか、それを評価しやすいような会計にしていくべきではないか、従って成果がでればインセンティブで半分は使ってもいいということにし、半分は効率化ということではないかという見解が示され、これに対して、独法については経営体として政策目的に合うならば場合によっては人を増やすこともあるのではないか、人を減らすというのはなく、経営体としてみて一律に削減がいいのかという問題がある、要は機械的に考えるのではなく、弾力性に特徴があるのではないか、そのため一律削減は掲げてないのではないか、という意見があった。

(2)続いて座長より、寄附金、施設費等について、元に戻ってもいいので議論して欲しい旨の発言があり、まず、寄附金以外の外部資金と運営費交付金との関係は如何との質問があり、事務局からは外部資金は運営費交付金と分けて議論していく必要があるが、ここでは寄附金というものが典型的にどう整理するか難しいからここで議論したいということであるとの説明があった。さらに寄附金を外部資金の典型的例として取り上げるのか、との質問があり、事務局から外部資金は企業会計的な整理で問題が少ないと思われる反面、寄附金は企業会計とは異なった取扱いが必要なのではないかという趣旨であるとの説明があった。

 寄附金について使途を定めない場合、その時結果的に剰余金が発生した時経営努力の認定を行うということになろうが、当期利益が出ない場合は穴埋めになるのかという質問があり、事務局からは寄附金をもらった場合業務に使用する場合計画性をもって欲しいということを制度的に入れたいということであり、結果的にご指摘のような場合よい智慧があればお願いしたいと回答があった。これに対して交付金と同じような進行基準を考えるのかという質問があり、事務局から交付金と全く同じような計画であるというわけではないが、何らかの形での計画は必要なのではないかとの説明があった。

 さらに、例えば中期計画の最終年度に外部より向こう5年間に渡って研究をお願いしたいということで外部資金を受けた場合どうなるのかとの質問があり、事務局から今のようなケースでは、まずそれが寄附にあたるのかどうかという議論があり、それは自己収入であり、ここで想定している寄附とは違うものなのではないか、と回答があり、これに対し、では自己収入となったときの処理はどうなるのか教えて欲しいと重ねて質問があった。そこで事務局より、まだ詰め切れていないところであるが、交付金とは違う処理すなわち中期計画の期間を超えて使用できるという余地を認めるという場合なのではないか、と説明があった。

 同じく寄附金について、中期計画に寄附金の使用見通しのようなものを定めるのかとの質問があり、定めるという方法もあろうが、事前に縛ってしまうのも酷という面もあり、実態がどうなっているかを踏まえる必要があるとの回答があった。そこで、美術館、博物館の当局として文部省からのオブザーバー出席者に意見を聴いたところ、寄附者の意向は最大限尊重したいと考える、文部省としては寄附金と運営費交付金をプールして、中期計画をまたいで美術品購入等に使用することができないかとも考えている、との回答があった。これに関連して、現在、地方公共団体から国の機関に対する寄附は禁じられているが、独立行政法人についてはどうなるのか、また寄附金の使途の特定性をどの程度考えるべきかとの質問があり、独立行政法人については、今後政令で定める一定の独立行政法人については寄附が原則として禁じられることになっているとの回答があった。

 以上の財産関係の議論に関連して、国からの財産の移転については、出資することになるのか、あるいは譲与となるのかとの質問があり、事務局から、大まかな方向としては土地などは出資であり物品のようなものは譲与であろう、中間的なものは取扱いを検討中だが特殊法人の事例では出資としている例も見られるとの回答があった。関連して、資産の引き継ぎと別に、例えば国立病院など、赤字の引き継ぎはどのように扱われるのか、このような債務や義務の引き継ぎについても各法人に共通するものとして議論すべきものがあるのではないかという質問があり、事務局から、現在独立行政法人の立案作業をしているものの中に国立病院は含まれておらず、累積債務の承継については将来の検討課題である、このようなものの扱いについては、各法人に共通する会計ルールを対象として議論している本研究会の議論とは別に論じてもらうことになるのではないか、いずれにしても、債務をどのように承継させるかという政策判断を待って議論すべき問題で、承継されると決まった債務の扱いについて企業会計と異なる扱いにすべきものがあるかということを改めて議論することになるのではないか、との回答があった。

(3)引き続き座長より、減価償却、行政コスト、損益計算や利益処分についての意見を求める発言があり議論が行われた。まず、損益計算においては将来発生が予想されるコストとして引当金の問題を議論する必要があるのではないか、との意見があり、確かに退職給与引当金の問題もあり、これについてはむしろ大きな独立項目として今後議論する必要があろうとの回答があった。続いて、いろいろと検討項目があるが、これらを通して説明できるようマクロ的に見る必要があるとの意見があった。さらに、基本的にはサービス提供能力を如何に維持させるかという観点から資本が決まり、損益計算は法人の運営状況を政策評価やその他の行政コストとは別の形で表していくことが必要なのだろうとの意見があった。また、行政コスト表示については、民間とのイコールフッティングの観点からだけ問題となるというのであれば、民間企業の中にも自己資本比率が極めて高く資金の調達コストを考えないで済むような企業も存在するので、わざわざ表示する必要はないのではないか、管理可能性という議論についても、果たして本当にこれらの区分が付けられるかについては疑問があるとの意見があった。さらに、損失の補填における経営努力による積立金とよらない積立金との優先順位については政策をここで議論することになるのか質問があり、事務局から、政策としてというより会計からみて何らかの原則があるかを今後議論する必要があるのではないか、との回答があった。

 続いて、交付金や施設費等について補助金適正化法の適用関係はどうなるのか、また、補助金適正化法から来る制約はここでいう管理可能性に影響するのかとの質問があり、事務局から、施設費等には補助金適正化法の適用があることになる、同法の適用の有無が管理可能性に影響するとは想定していなかったが、今後議論してみるべきかもしれない、いずれにせよ、管理可能性という用語が誤用されないようにしていく必要があるだろうとの回答があった。

 最後に、企業会計の例外となるようなものが色々と出てくるだろうが注記の方法など見る人にわかりやすいようになるよう努力してほしいという意見、また、進行基準については観念論が先行している感があるので、モデル材料などを踏まえて実践的な議論を行ってみたいとの要望があった。

(4)事務局より、次回の会合は9月20日(月)午後3時から2時間程度開催すること、議題として、中間整理を引き続き議論することが伝えられ、閉会した。

以 上
(文責 中央省庁等改革推進本部事務局)
−速報のため事後修正の可能性あり−

(資料) これまでの整理