独立行政法人会計基準研究会

独立行政法人会計基準研究会

第七回議事録

1.日 時
平成11年9月20日(月)15:00〜17:00

2.場 所
中央合同庁舎第4号館4階共用特別第3会議室

3.出席者
総務庁長官、総務政務次官、研究会メンバー5名 他

4.議 題
中間的論点整理について

5.会議経過

(1)座長の開会宣言の後、総務政務次官及び総務庁長官から挨拶があった。 引き続き、事務局から、独立行政法人会計基準の中間的論点整理について、資料に沿って説明があり、議論が行われた。

 まず、企業会計もこれから変わっていくので、それを意識して進めるべきである、また、企業会計では資産評価などの局面で複数の会計処理方法からの選択が認められているものがあるが、独立行政法人についてはこのような多様性は認めるべきでないのではないか、さらに、会計基準の設定の後には監査の基準について議論することが必要である、また、案にある「セグメント情報の開示」という表現は連結決算を想起させ誤解を招くのではないか、との意見があった。これに対して事務局から、企業会計の変革を見据えて議論を行うべきであるのは同感である、複数の会計処理方法の選択肢を許容するか、また監査基準をどうするかについては全体の骨格を整理した後で議論したい、「セグメント情報の開示」という表現は、複数の業務を実施する法人については法定区分経理の他にも業務ごとに解りやすい会計情報を提供すべきという意味で用いている、との説明があった。また、資料の「9.減価償却の会計処理」の文章中に、償却資産の「減耗」という表現があるが、物理的に減ずるわけではないので「減価」とすべきではないかとの指摘があり、修正することとなった。

 続いて、複数の会計処理方法の選択の問題については、企業会計でも選択の幅を絞り込む方向にあり、また独立行政法人はこれからスタートする制度であることを考えると、なるべく多様性を認めない方向で考えるべきである、また、運営状況を表すのに各年度の損益計算書だけで十分か、各財務諸表がそれぞれ何を表示するものなのか目的を明確化することも今後検討していく必要がある、との意見があった。

 次いで、独立行政法人は営利企業ではないので収益を上げることが目的にはならないとはいえ、コスト管理は必要不可欠であるし、法人がアカウンタビリティを果たす上でも費用と効果を説明しなくてはならないので、管理会計が極めて重要となるだろう、また、独立行政法人の自己収入の位置付けについては、費用があって、これを賄う財源として自己収入と運営費交付金があるという考え方だと思うが、それでよいのかどうか今後議論したい、との意見があった。

 次に、独立行政法人が将来統合されたり出資関係が変わったりする可能性を考えれば、セグメント情報の開示という考え方は重要だろう、事後チェックの重要性については言うまでもないが、事後評価の上でも会計情報の重要性は極めて大きく、法人自身の責任となる領域とそうでない領域をしっかり分けて考えることが会計基準についても重要だろう、会計処理方法の多様性の議論についてはなるべく統一するべきである、行政コストの測定という観点は重要であり、国の予算制度の中に埋没している法人関係コストを掘り出して開示することも納税者に対する説明という点から不可欠であり、当初から制度化しておくことが肝要である、との意見があった。

(2)座長からの更に意見を求める旨の発言を受けて、独立行政法人の監査基準が必要であるという先の意見に関して、民間企業の会計監査とは監査方法もかなり異なるので、やはり監査基準の設定が必要だろう、米国ではイエローブックという公的部門の監査基準があるが、日本ではこのようなものがまだ存在しないので重要な課題として認識しているとの意見があった。次いで、今回の中間的論点整理については、これを公表すると多方面から意見が出てくるだろうから、このような外部からの意見についても取り上げて議論できるようにして欲しいとの要望があった。

 さらに、今後は各法人の具体的な会計処理を想定した踏み込んだ議論が必要となるので、そのような中味に即した議論ができるようお願いしたいとの意見があり、独立行政法人の個別法が決まれば各法人の外形が固まってくるので具体的な議論に踏み込みやすくなるだろうとの同意意見があった。これを受けて事務局から、個別法の立案作業の結果、資産の使用形態や区分経理などについては夏の時点より検討がかなり進んでいるが、反面、資金の流れなどではまだまだ未確定の要素があるので、その状況を見極めながら具体論を議論できるような場を設けていきたいとの説明があった。

(3)座長から、各省からのオブザーバーにも意見を求める発言があり、最初に通商産業省のオブザーバーから、問題事項だと思っていることについては概ね取り上げられている、他方、透明化についてやましいところはないが、独立行政法人化して全体としてコストが上がるのはいかがなものかということもあり、実施する側のコストについても配慮をいただきたい、との意見が述べられた。

 続いて文部省のオブザーバーから、今回の論点整理は全体の流れがわかりやすくなって有益である、セグメント情報の開示の考え方も確かにその通りであるが、現場では会計の専門家がいるというわけではないので、会計担当者にとってもわかりやすいものとなるようお願いしたい、とのコメントがあった。

 次いで、事務局から、監査基準や管理会計についてはどれくらい議論が必要かとの問いかけがあり、これに対し、監査については会計士サイドで対応していかなければならない領域かもしれないが、事務局などと十分に摺り合わせて議論していきたい、管理会計については個々の法人の事情に応じて設定すべきであろうが、個々の法人の受託責任と説明責任を全うするためには管理会計手法開発のための予算要求なども今後必要となるのではないか、との意見があった。

(4)事務局から、資料の文章の具体的な表現振りに関する修文意見も含め、全体について再度意見を求めたところ、資料中の「3.損益計算の考え方」の中に、独立行政法人が「通常の運営を行った場合」という表現があるが、これでは不明確であるので、「中期計画に沿って通常の運営を行った場合」などの表現の方が親切なのではないかとの意見があり、修正することになった。次に、郵政公社の設立に向けての会計制度の議論や職員の簿記研修などはどれくらい進んでいるのか教えて欲しいとの質問があり、事務局から、郵政公社の議論は平成15年が目標であるのでまだ進んでいないと想像している、この研究会は基準自体を議論する場であるが、職員研修などについては今後も委員の知恵も拝借しながら進めて行きたいとの説明があった。関連して、座長から、新会計基準の導入に当たり、各委員では具体的な対応コストがどれくらいかかると予想しているのかという問いかけがあり、委員からは、各種の会計処理ソフトなども普及しているので工夫のしどころである、大企業では従業員の2パーセント程度が会計要員であるが、独立行政法人の場合には従前でも会計要員はいるので対応は可能なのではないか、との意見があった。続いて、近年、公会計基準や地方公共団体の外部監査についての議論が活発だが、監査基準について会計士サイドではどのような対応をしているのかとの質問があり、これに対し委員から、公認会計士協会では内部の公会計委員会で公的部門に汎用性のある監査基準を作成すべく現在体制を準備しているところであり、独立行政法人など個別応用的なものについても、会計基準が固まれば一般企業の監査基準との相違も考慮しながら対応を考えていくことになろうとの回答があった。

(5)以上の議論を受け、事務局から、上記の修正指摘のあった2箇所について修正を行ったものを当研究会の中間的論点整理とし、翌21日の顧問会議で報告したいとの説明があり、委員の了承を得た。最後に座長から、今回で一つの山は越えると思うが、今後とも引き続き、各委員の専門知識を出し合って議論を進めて欲しいとの発言があり、次回会合を10月26日(火)午前10時から2時間程度の予定で開催することを決め、散会した。

(文責 中央省庁等改革推進本部事務局)
−速報のため事後修正の可能性あり−

独立行政法人会計基準中間的論点整理