独立行政法人会計基準研究会

独立行政法人会計基準研究会

第十二回議事録

1 日時:平成12年2月16日(水)15:00〜17:00
 
2 場所:中央合同庁舎第4号館4階共用特別第3会議室
 
3 出席者:総務総括政務次官、研究会メンバー5名 他
 
4 議題:最終とりまとめについて

5 会議経過

(1)座長の開会宣言の後、独立行政法人会計基準の最終取りまとめについて、事務局から資料に沿って説明があり、議論が行われた。

 最初に、充実した使い勝手の良い基準となっていると思う、ただし、企業会計でも近年の変革の際には実際のニーズを取り込んだ実務指針の重要性が増しており、独立行政法人の場合も実務指針を充実したものにできるよう今後とも実務担当者との検討を続けて欲しい、との意見があった。

 次に、発生主義の考え方は第2(正規の簿記の原則)の中の既に含まれている概念であるが、資料の案だと重要な原則なのに第33(発生主義の原則)で初めて出てくるような印象を与えるので、第33のタイトルを「費用及び収益の計上」に改めてはどうか、との提案があった。これに対しては、現金主義からの離脱を明示する意味から発生主義の原則という用語を外してしまうのはマイナスであるが、位置を前に繰り上げることは考えられるとの意見があったが、この基準は資産負債から定義するアプローチをとっており、収益費用についての記述はどうしても後の方になるので、結局のところ第33に置くのが一番落ち着くとの意見とがあった。さらに、発生主義の概念は重要であり用語として是非残したいという意見と、キーワードとして必要な用語であるし、位置としても第3章(認識及び測定)に位置付けられているので、資料の案のままでよいのではないかとの意見があった。

 次いで、<注32>(重要な会計方針の開示について)2(1)に「運営費交付金収益の進行基準」という表現があるが、財務諸表のできあがりとして見た場合に若干奇異な感じを受けそうなので、単に「運営費交付金収益の計上基準」でよいのではないか、との意見があり、事務局から、「運営費交付金の進行基準」という表現が奇異であれば修正したいとの説明があった。さらに、第73(運営費交付金の会計処理)4(1)イに「資産見返運営費交付金戻入として収益に振り替える」とあり、これが収益の表示項目となるようだが、標準様式にこの項目がないのはどう考えたらよいかとの質問があり、事務局から、「資産見返運営費交付金戻入」は表示項目と考えているが、特殊なものでもあり対応の細目は実務指針に委ねたいとの説明があった。

 続いて、前文「『独立行政法人会計基準』の設定について」では「基準」と「注解」とを特段の説明をせずに書いているが、「注解」が「基準」の解釈や説明であることがわかるよう多少説明した方がよいとの意見があった。これに対して事務局から、趣旨としてはそのとおりであるが、「独立行政法人会計基準注解」というタイトル自体が既に「独立行政法人会計基準」の解釈や説明であることを体現しているのではないかとの説明があった。関連して、今後の実務指針や監査基準の設定スケジュールはどうなるのか、今後の独立行政法人会計基準の変更などは誰が担うことになるのかについて質問があり、事務局から、基準の設定後まず実務指針の設定に着手する予定である、平成13年6月の中央省庁等改革推進本部事務局の解散後の会計基準の担当については検討課題として残っているとの説明があった。

 次に、行政サービス実施コスト計算書において、独立行政法人であることによって免除されている税負担をどう考えるべきか、との質問があり、事務局から、例えば法人税では、法人税法体系での公共法人に該当すれば独立行政法人であるか否かに関わらず一律に非課税であるので、独立行政法人であるがゆえの税の免除とは言えない、また、仮に免除されていると考えられる税額を計算するとしても、独立行政法人会計と税会計とは異なるので、税会計の計算をあらためて行って免除相当税額を確定させるというのは実務上対応が困難であり、これらを考え合わせると行政サービス実施コスト計算書に税負担免除分まで盛り込むのは難しいと考えているとの説明があった。これに対しては、他の公共法人と横並びで非課税とされているのは確かにしても国のコストとして把握する上では必要という考え方もある、また地方税の減免もあるので、現段階では行政サービス実施コストに含めなくてよいが今後の検討課題にして欲しいとの要望があった。

 このほか、表現振りの問題として、<注12>(独立行政法人の費用の定義から除かれる事例について)(1)に「償却資産の減価償却額」とあるのは「償却資産の減価償却相当額」が正しいのではないか、また、第75(寄附金の会計処理)2(2)の表現は非償却資産でも減価償却を行うかの誤解を招きかねない、との指摘があり、修正することとなった。次いで、第14(負債の定義)1の「将来、サービス提供又は経済的便益の減少を生じさせるもの」という表現は読みづらいので、「将来サービスを提供しなければならないもの又は経済的便益の減少を生じさせるもの」との意がくみ取りやすい表現を考えて欲しい、また、第18(資本の定義)1の「資産から負債を控除した後の差額」は「資産から負債を控除した額」でよい、との指摘があり、修正することとなった。さらに、第50(資本の表示項目)3の目的積立金の定義が冗長なのではないかとの指摘があったが、事務局から、中期計画で定めた使途ごとにそれぞれ積立金を積むという点は明らかにする必要があるので、その趣旨を損ねないような表現としたいとの説明があった。

(2)事務局から、報告書の体裁に関して、今回は実質的な使いやすさを考えて基準と注解とを分けずに規定しており、その点で企業会計とは異なるが何か問題はあるかとの提起があった。これに対しては、監査する立場としては、基準と注解以外に別途監査の指針を作成し、これもよりどころにすることになる、いずれにせよ会計監査人は基準と注解をセットで考えるので、両者が一緒に書いてあることはむしろ望ましいとの意見があった。

 これに関連して、経営努力の認定については参考であって監査の対象ではないことになるが、実際問題として経営努力の認定方法は今後どのよう詰めていくことになるのかとの質問があり、事務局から、個々の独立行政法人に即した形で認定や表示の方法を今後検討する必要があるとの説明があった。また、<参考>(経営努力認定の考え方)3で「独立行政法人が自らその根拠を示す」というのは、利益の処分に関する書類の上の話ではなく、経営努力分をどう算定したかの考え方を説明せよという意味と解してよいのかとの質問があり、事務局からそのとおりであるとの説明があった。

(3)以上の議論を経た後、座長から、議論も相当深まっており、もはや各メンバーの間に見解の相違はないと考えられるので、細かい表現振りについては座長一任として今後適切な修正を行うこととさせて欲しいとの提案があり、了承を得た。

 座長から各参加者に対する感謝の挨拶の後、総務総括政務次官へ報告書が手渡され、総務総括政務次官から本日までの参加者の尽力に対する感謝と新制度の円滑な運用に向け引き続き指導をお願いする旨の挨拶が述べられた。

 最後に座長から、研究会は本日をもって終了し当分は研究会を開催する必要はないと想定されるが、来年の6月まで研究会は解散せず、メンバーにも御在任いただくということでどうかとの提案があり、了承を得た。

 これをもってすべての議事が終了し、座長の宣言により閉会した。

以上
(文責中央省庁等改革推進本部事務局)
−速報のため事後修正の可能性あり−


報告書