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小泉内閣メールマガジン

「らいおんはーと〜小泉総理のメッセージ」


[2003/12/11]第120号


● イラクへの人的支援

 小泉純一郎です。

 9日、イラク人道復興支援特別措置法に基づいて、イラクに自衛隊を派遣
し、イラクの人道復興支援活動にあたらせることを閣議決定しました。

 今回の自衛隊の派遣は、人道復興支援のために活動してもらうということ
です。武力行使はいたしません。戦争に行くのではないのです。

 イラクに安定した民主的政権をつくるために、現在、米英始め40カ国近
い国々が現地に部隊を派遣して協力しています。そして、イラクの開戦の際
の意見の対立を乗り越えて、国連は全会一致で加盟国に対して復興支援の努
力を要請しています。

 そういう中で、日本が、今、お金だけ出せばよいという状況にはないと思
います。日本も国際社会の責任ある一員として、イラクの国民が希望をもっ
て自国の再建に努力できるような環境を整備するために、資金的な支援のみ
ならず、物的支援、自衛隊を含めた人的支援によって責任を果たしていくこ
とが必要だと判断いたしました。

 私は、現在イラクの情勢が厳しいことは十分認識しています。そういう中
で、自衛隊の諸君に十分活動してもらわなければならない分野があると思い
ます。私は自衛隊だから行ってはいけないという考えはもっておりません。
自衛隊であれば、一般市民にできないような日ごろの訓練をしています。危
険を回避する努力もできます。危険を防止する装備も持っています。一般国
民にはできない、自衛隊ならできる分野があるということで自衛隊の派遣を
決断いたしました。

 必ずしも安全とは言えないかもしれない危険を伴う困難な任務に、多くの
隊員諸君が使命感に燃えて参加しようと決意していると聞き、私は心強く、
誇りに思っています。

 危険を伴う困難な任務に決意を固めて赴こうとしている自衛隊の諸君に対
して、私は、願わくば、多くの国民が敬意と感謝の念を持って送り出してい
ただきたいと思います。

 私は、日本の平和と安全を確保し、繁栄を図るために、日米同盟を強化し
つつ国際社会と協調していくことが日本の外交政策の基本でなくてはならな
いと思います。

 日本の平和と安全の確保は日本一国だけではできません。だからこそ、日
米安全保障条約を堅持し、日米同盟を大事にしながら、国際協調を図ってい
かなければならないのです。

 今回、イラクの人道復興支援に日本がどのように取り組んでいくのか、こ
れはまさに言葉だけではない、その行動が試されているのだと思います。

 イラクの人道復興支援について、多くの国民が不安を持ち、あるいは自衛
隊派遣に反対の意見があることは承知しています。自衛隊派遣は憲法違反だ
という声もあります。

 しかし、憲法をよく読んでいただきたい。憲法の前文に「われらは、全世
界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免(まぬ)かれ、平和のうちに生存す
る権利を有することを確認する。われらは、いづれの国家も、自国のことの
みに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普
遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対
等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。日本国民は、国家の名誉
にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」とあ
ります。

 日本国として、日本国民として、この憲法の理念に沿った活動が国際社会
から求められているのだと思います。

 イラクの安定、平和的な発展は、イラク自身にとって必要であり、日本に
とっても、そして、世界の安全のためにも必要なことです。テロは世界各地
で起こっています。テロリストは、国連であろうと、赤十字であろうと、あ
るいはイラク人自身であろうと無差別に攻撃しています。テロに屈してはな
らない、国際社会と協力してテロ撲滅に当たらなければなりません。

 11月29日、奥克彦氏、井ノ上正盛氏は、イラク復興支援活動中、非業
の死を遂げられました。誠に残念であり、このような残虐非道な犯行に対し
強い憤りを覚えます。我々はこの悲しみを乗り越えて、日本として何ができ
るかということを、今、真剣に考えなければならないと思います。

 今回のイラクの人道復興支援について、日本だけが「危険だから行くな」、
「危険なことは他の国でやってくれ」と言って、「国際社会において、名誉
ある地位を占めたい」という憲法の理念にかなうのでしょうか。私はそうは
思いません。今こそ、国連安保理事会決議による、すべての国連加盟国がイ
ラクの復興支援に努力して欲しい、という訴えに応えるときではないでしょ
うか。

 自衛隊を派遣する場合には、安全面において十分な配慮をし、日本政府と
して全力を挙げてその活動を支援してまいります。国民の皆様のご理解とご
協力をお願い申し上げます。

 今週は、インドネシアやタイなどアセアン10カ国の首脳をお招きし、東
京で特別首脳会議を開いています。日本にとってアセアン諸国はアメリカに
次ぐ第二の貿易相手であり、文化の面でも深い交流のある「共に歩み共に進
む」重要なパートナーです。

 今回の会議を通じて、東アジアの安全保障、テロ対策、海賊対策、そして
自由貿易協定などについて意見交換し、日本とアセアン諸国との協力を強化
してまいります。

 また、今回のイラクへの自衛隊派遣決定について、アセアン諸国を始めと
する近隣諸国の理解を求めていきたいと思います。


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