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小泉内閣メールマガジン「特別寄稿」

「イラクの空から」

イラク復興支援派遣輸送航空隊司令、1等空佐 新田明之


 平成16年3月3日、その日は朝から全隊員の顔が引き締まっていました。

 昨年の12月末に先遣要員がクウェート国に展開以来2ヶ月が過ぎ、いよ
いよ初任務飛行が命ぜられたのです。目的地はイラクのタリル飛行場、荷物
は新生児保育器、心電図計測器等医療用具の人道復興支援物資約2トンです。

 日の出前の午前3時、隊員達が活動を開始します。初任務を前に、航空情
報を確認し合う搭乗員も、機体点検をする整備員も、その目は真剣そのもの
です。

 午前9時、私以下の搭乗員等が乗り込んだC−130は、クウェートのア
リアル・サレム飛行場を離陸しました。イラク領空に入る前に、防弾チョッ
キを身につけた見張り要員が決められた配置に付きました。今回初めて装備
された見張り用のバブルウインドウが威力を発揮するのはこの時からです。

 いよいよ目的地に向かって降下を開始します。無駄な会話は一切なく、必
要最小限の点検の声だけが流れます。見張り員が危険な状況を発見したとき
は、直ちに報告し、機長はすかさず対応するための動きを指示しなければな
りません。全員がしっかりシートベルトを締め身構えています。誰もが自分
の呼吸も忘れるほどの雰囲気の中、降下進入を終え、無事タリル飛行場に着
陸することができました。

 駐機地区では、サマーワから陸上自衛隊の佐藤1佐が荷物の受け取りに来
ていて、直接荷物を手渡す事ができました。彼とがっちり握手を交わし、今
後の互いの健闘を誓い合いました。国内外の関係者のこれまでの努力が結実
してようやく初任務を果たせた事に対する感謝と喜びの気持ちで一杯になり
ました。

 空から見たイラクの地は、国境線もなく砂漠が広がるばかりでした。今後
も隊員一同一丸となって安全に任務を遂行し、長い戦乱で傷ついたイラクの
人々が、一日も早く穏やかで豊かな生活が取り戻せるよう、イラクの復興に
貢献してゆかねば、と誓いを新たにしました。

※ 航空自衛隊ホームページ(イラク復興支援派遣輸送航空隊)

※ 小泉内閣メールマガジン第136号への寄稿を転載いたしました。