−速報のため事後修正の可能性あり−
2 場 所:中央合同庁舎第4号館共用第7会議室
3 出席者:
| (有識者) | 安西祐一郎 慶応義塾大学理工学部教授・学部長 田中 敬文 東京学芸大学教育学部助教授 高尾 正敏 松下電器産業株式会社・先端技術研究所主担当 |
| (文部省) | 木谷 雅人 高等教育局企画課長 磯谷 桂介 学術国際局研究協力室長 |
| (通商産業省) | 弘田 精二 特許庁総務課長 澤 昭裕 工業技術院人事課長兼総務課調査官(制度等担当) |
5 議事概要
「産業構造の変化と高等教育の改革」と題し、公開討論を実施した。
冒頭、大田委員による開会あいさつ、出席者の紹介に続き、出席者の意見陳述及び討論が行われた。その主な内容は以下のとおり。
二つ目のテーマは大学の活性化に関わる問題である。産学連携を進める上では大学の質の向上が重要である。本日は特に大学が自ら学科の設置や廃止をできるようにしてはどうかというところに焦点を当てたい。これについては規制改革委員会が過去に指摘を行い、政府は今年度中に検討を行うとしている。今日の討論はそのフォローアップである。大学の学科の設置や廃止は大学のリストラクチャリングであり、大学の創意で行うべきではなかろうか、それが大学の個性を作るのではと私どもは考えている。
今年度は規制緩和推進3か年計画の最後の年であり、今年12月にまとめる見解では今後の課題についても提言を行いたいと考えているので、本日も2つのテーマについて広い視点で議論を頂きたい。一つ目のテーマについては人的資源を最大限有効に利用するための体制をどのように構築するか、二つ目のテーマについても本当に必要なことは学部の設置や定員の自由化であり、もちろん質の管理は必要であるが、大学が自ら選び取っていくことが重要ではないかという観点から広く議論を行いたい。
私立大学と産業界との連携確立について検討する場合には、まず国立大学と平等な条件の整備、せめて税制優遇については対等な条件を設定することを考えねばならない。例えば、民間企業からの受託研究を行った場合に国立大学は受託研究費が非課税で、私立大学の場合は、収益事業ということで課税扱いとなる。対象となる研究は、いずれも学術研究の為に行われ、かつ極めて公共性が高いものであるにも関わらず、主体により扱いが異なるのはどうか。特許収入や寄付金についても同様のことが言える。
次に大学の自立性向上についてだが、大学が時代の変化に対応する為に、学部内の学科を新しく設置する場合は文部省の認可を受けなければならない。現在は毎年12月に認可が下りるが、まずは、学生募集のタイミングを考慮して認可を3か月程早くして欲しい。その先は学科の廃止・新設を自由化して欲しい。そして、その後は学部の改組の自由化にいかざるを得ない。
最後に、国立、私立共通の問題であるが、研究者には自由裁量で使える資金が必要なので、ポスドクの採用や書籍購入についてソフトマネーというシステムを作り、自由裁量で利用できる金額を設ければ研究をし易くなると考える。受託研究についても今は国立大学の場合は、一律30%の間接経費の徴収となっているが、大学により設備水準が異なるので、大学により独自に決められるようにすべきである。
次に人材流動性促進の為の年金制度の改革である。教育の規制改革を進めるためには教育分野だけに注目すれば良いのではない。例えば、国立大学は共済年金、私立大学は厚生年金であり、年金のギャップがある。また、企業間、あるいは産学の年金ポータビリティの問題を解決すべき。大きな問題であるが、ここまで考えなければ人的資源の最大活用は果たせないのではないか。
文部省に対して申し上げたいのは、田中氏もおっしゃっていた学校法人への個人、企業からの寄付金を考えなければならない。国立大学は重要であるが、全国の大学生の75%は私立大学に属する。また、収益事業についての問題もある。そして、学部・学科の設置の弾力化問題も産学連携に大きく関わる問題として捉えている。なぜなら、産業界が構造転換を進めている中で、大学が非常にやり難いことは、教育の分野の構造転換である。それをやっていかないと産学連携は実を成していかない。それをやれるようにする為に、大学の学部、学科等組織の改編の自由化は避けられない。
一方で改編の自由化、寄付金の問題、収益事業の非課税の問題については、当然ながら大学側の責任と情報開示が必要になる。大学の改編の自由化はかなりの程度進んでいる。出来ていないことは学生定員の自由化である。これは、子供の数が減少しているために、定員を自由化すれば、儲ける為に多くの学生を入れるということが起こって良くないという理由があり、これは当然である。学生の実数と定員を公開する必要がある。全国の高校生やその父母がいつでも目にできる形で情報公開を行わなければいけない。法文的には難しいと思うが、そのような情報公開ができるのであれば、改編の自由化はもっと進めるべきであろうと考える。自由化と情報公開はコインの表裏である。
学生が出ていく社会や大学の組織が変わっていかなければ人的資源を活かしていくのは難しいと思う。
また、大学における研究がビジネスに直結しないということもある。そして、かなり前から契約をしなければならないので、ドックイヤーと言われ、技術革新の早いエレクトロニクスの分野では対応できていないということもある。そして、大学内部の業績評価システムが未熟であるということもある。先生の評価が企業側と大学側で開きがあるのは困る。一般論として言えば、先程、学生の給与の問題が取り上げられたが、学生の質について大学側でライセンスを付けて頂きたい。そうでなければ給与の相違によるインセンティブはつかないのではないか。ドクターの研究については短期的には有用であっても、例えば30年間その研究をして頂くというのは難しい。大学のオリジナリティと国際競争力は裏腹の関係にあり、国際競争力が無ければオリジナリティはないのではと考える。また、ビジネスとしての契約という概念が浸透していないのではないか。共同研究はお互いに対価を求め合うものである。そういう意識が浸透していないのではないか。守秘義務さえ守られていない場合もある。
問題解決のための施策はいくつかあると思われるが、知的財産権管理と知財権ビジネスの分別が必要ではないか。TLOの役割は、先生から種になる特許をもらって、どこに良いものがあるかの目利き役であれば良い。管理を行うのは国立大学であるべき。産学連携とは、ビジネスであるという意識が重要である。
更に、具体的な措置について、決まったら、時期と内容を明示して、各大学が、主体的にいつまでに何をやれば良いかを明らかにする必要がある。三カ年計画の中で、「12年度以降検討」、と書いてあるが、いったいいつ結論が出るのか分からないままに大学が自己改革を進めていくのは不可能に近い。
今日のテーマに限って言うと、別添6に、大学の規制状況について通産省が調べた内容をまとめた。大学、学部、学科、講座・学科目を、それぞれ、会社、事業本部、事業部、商品グループに対照させて考えた場合、現在、全てにおいて規制がかかっていることが分かる。リストラクチャリングを進めるときに、企業においては、少なくとも事業部以上のリストラがないと新しい方向に進めないが、来年、文部省から、国立大学の講座・学科目についての自由化が出るようであるが、学科以上についてはこの規制の体系のまま、と聞いている。これではタイミング的に間に合わない。更に、大学院については、学校教育法上第1条において学校としての明確な位置付けが与えられておらず、今後、大学院重点化を進めていく中で、大学院の取扱も規定の中に入れる必要がある。
更に、一部に私学助成は憲法に違反するのではないか、ということから、規定上、学科も含めて認可にかけないといけない、という議論があるが、もともと、規制改革委員会の論点にもなっていること自体、憲法問題と関係ないことを表しているが、法制局の見解、地方裁判所の判決、高裁の判決ともに、学科まで支配していなければならない、ということは書いていない。
次に、「諸外国の大学の法的地位について」、という別添9の資料に示されているように、アメリカ、イギリスを中心にして、大学のそのものの設置には行政の認可が必要であるが、いったん設置された大学の中での学部・学科の変更については、ほぼ自由化されている。フランス、ドイツにおいては規制がかかっているように見えるが、フランスの場合、大学においては、政府と契約を結ぶ、その範囲内で学部、学科の改廃については自由化されている。ドイツにおいては届出制になっており、届出から3カ月間、行政から変更要求が無い限りにおいては、その届出は有効、となっている。
最後に、人事処遇の自由化についてだが、大田主査から話があったように、現在、国家公務員の任期付き任用制度というものがあり、別添10に示されているとおり、国立研究所の場合、研究者を外からスカウトして来る場合に、給与上の特例として、東大学長レベルの給与まで出せる制度があり、工業技術院でも利用している。また、官民交流で弁護士とか金融のエキスパートを民間から受け入れる場合も同様になっている。しかし、大学の教職員のみが、これが出来ない状況である。今後、独立行政法人化が予定されている大学において、自分のところはどういう分野を強くするか、そのためにどういう人材が必要か、というときに、外からスカウトして来ることが出来ないようなオプションのない仕組みとなっている。平成15年度に独立法人が決定されるということであるが、このような人事処遇、組織編成の自由については、今出来ることはやる、ということが必要であると考えている。
補償金は、現在、上限が600万円であり、決して高い金額ではないが、これは年間600万円で、この上限に近い報酬を受けている人がたくさんいるかというと、そうではない。上限額に問題があるのであれば、検討すべきであるが、その際は、研究者の評価方法など、全体の問題の中で捉えるべき。各省庁のそれぞれの予算要求の中で、より自由にやっていけば良い。
事業化の促進、という観点からは、TLOをもっと使われる制度にしていく必要がある。特許庁としても、例えば、各TLOに特許流通アドバイザーを派遣するなど、協力を行っており、ようやく、知的財産の実際の活用が進みつつある。TLOについては、我が国の場合、アメリカと比較して、バイオ、あるいは理学部の参加が少なく、収入に占める割合も少ない傾向がある、ということも含めて、TLOの制度を、大学の中の位置付けであるとか、もっと徹底的に活用できるような内容にしていくことが、これからの産学連携の促進に必要ではないか。
【大田主査】発明の補償のルールについては、見直しの意向がある、と捉えてよろしいか。また、見直す場合は、それは各研究機関ごとに決めれば良い、ということか。
【弘田総務課長】発明の補償問題が、それだけを取り上げて、本当にインセンティブなのかどうか、という疑問を私としては持っているが、もしそれが本当に障害である、ということであれば、見直しても良いのではないか。ただ、見直しを行うとすれば、現在は、歴史的な経緯があって、たまたま通産省が予算要求をしているが、今後、それぞれの機関の担当官庁が予算要求をされる、という前提の下で、見直しをされれば良いと考える。
資料6「大学改革の進展状況」に沿って話をしたい。臨時教育審議会の提言を受け、大学関係者を始め、産業界など有識者に多数ご参加いただいて、昭和62年に大学審議会が設置された。文部省としては、ここでご審議をしていただいた結果としての、各種報告、答申等を基本に据えつつ、大学改革を推進しているところ。ここでは3つの柱、すなわち、教育研究の高度化、高等教育の個性化、組織運営の活性化がある。教育研究の高度化については、情報、バイオ等を中心に、大学院の量的整備を進めているが、まだまだ十分ではなく、これを更に進める必要がある。また、従来、大学院は研究者の養成に偏りがちであったが、社会の高度化・複雑化の中で、高度専門職業人の養成を進める必要がある。また、社会人再教育の機関としての役割も果たしていく必要がある。
高等教育の個性化については、平成3年に大学設置基準を改正し、大学を卒業するのに必要な単位(124単位)の内訳について、それぞれの大学の教育の目標等に照らして柔軟に編成出来るようにし、あるいは他大学との単位交換も拡大し、更に明確な成績評価を進めるなどの改革を行った。
今日のテーマに一番関連の深い組織運営の活性化については、大学の学部、学科の認可の柔軟化の話が出ているが、この制度は、やはり、学生あるいは国民に対する大学教育の一定の水準の保証、という責任、さらに、国際的な通用性の保証、全体の需要に応じた計画的な人材養成などの観点から、不可欠である、と考えている。しかしながら、その中で、出来る限り、手続きを簡素化、弾力化を進めている。先程金融等の話も出たが、大学の組織編成についても、相当柔軟にしたと思っている。学部、学科の審査の弾力化について、学部の中のいろいろな学科を再編したりする際に、12月にならないと結果が分からない、という話もあったが、学校法人全体の中で、定員の振り替え等によって、新しい学科を作るものについては、年4回申請を受け付け、2〜3カ月で認可を行うようになった。現実に、平成12年度では、学科の新設件数は、70件に上っている。昨年は31件、もっと前は10件に満たない状況であった。
更に、学部まで含めてもっと柔軟に、という御指摘もあるが、認可制度は水準の維持、という機能を持っているわけで、安西先生もおっしゃったように、評価システムと表裏一体で考えていく必要がある。我が国ではこれまで、アクレディテーションシステムが十分機能していないという状況があったが、文部省では、大学評価について積極的に推進し、システムを作り上げようとしているが、こうしたものと認可システムはリンクさせて考えていく必要がある。認可制度は初めにきちんとした認可をして、そして、その後、その認可されたものの中で、いろいろとオートノミーを与えていく、という機能を持っているが、学部というものは、大学の本当に基本的な組織であり、これについて、自由化していく、ということは、非常に困難なことではないか、と思っている。
私学関係の憲法問題について、憲法上の問題という議論には根拠がない、という話もあったが、これについては、認可制度の具体的な内容と憲法論とがいかに結びつくか、ということについては様々な専門的議論がある。そもそも学科が認可事項になったのは、私立学校に対する助成制度にあわせて行われた、という経緯がある。また、現在でも、憲法89条と私学助成については、現状でいいのか、ということで、憲法調査会でも議論が行われている状況である。そうした中で、直ちに法律論として、ということではなく、憲法論ともかかわった、慎重な議論が必要、と考えている。
諸外国の大学の状況の説明の中で、この資料に書いてある内容は、全て州立大学あるいは国立大学であり、ご承知のように、イギリス、フランス、ドイツ等においては、私立大学は殆ど無い。アメリカは確かに数としては私立大学もかなりあるが、学生数では、7割が州立大学に通っている、という状況もあることを、背景として申し上げたい。
先程も申したとおり、事前の認可については、簡素化を図りつつ、評価については積極的に進めており、大学の自己点検・評価を義務化すると同時に、今年の4月から、大学評価・学位授与機構を設置し、全ての国立大学の評価を実証していくことを進めている。また、国立大学を中心に管理運営体制の明確化、あるいは産業界等の外部有識者からなる運営諮問会議を全ての国立大学に設置するという形で、開かれた、しかも自律的な組織運営体制の構築を図っている。平成13年度中に、国立大学の独立法人化について、一定の制度設計について検討し、結論を得たいと考えている。
最後に、教員の流動化の問題については、任期制の導入を進めており、平成12年10月現在、44国立大学・516人で任期制を導入している。平成10年は74人であったので、大幅に増えて来ている。任期制については、一方で処遇の改善の問題があることは御指摘のとおりであり、これについては、関係機関と協議しつつ、積極的に検討を進めていきたいが、ただ、何故現行の制度になっているのか、ということについては、大学ではいろいろ自由な形態での任期制をとり得る、という設定になっているのに対し、研究公務員の場合は、特に優れた研究者の外部からの招聘と若手研究者の育成の場合についてのみ可能であるとともに、採用あるいは採用計画そのものについて人事院の承認が必要である、という制約もかかっているということもある。いずれにせよ、大学の主体性を維持しつつ処遇の改善が行われるように検討してまいりたい。教員の流動化については、単に任期制にとどまらず、公募制の推進等も行っている。
こうした様々な改革について、できるだけ多くの方々に知っていただくように努力していきたいし、各大学でも努力をして貰いたい。また、産業界にも是非ご理解をいただきたい。
【大田主査】フォローアップ事項の「学科設置の自由化」について、平成12年度以降に検討、というスケジュールはどうなっているか。
【木谷企画課長】平成12年度以降検討、という指摘に沿って事務的な検討を進めているが、学科の審査の弾力化を受けた各大学の取組状況、進捗状況も見ながら検討して参りたく、現時点でいつまでに、ということについては申し上げられない。
大学と産業界との連携協力体制の確立について、簡単に申し上げたい。わが室では研究面、技術移転面で文部省の窓口を務めている。今の文部省の考え方であるが、大学の主体的・組織的取組を進めていきたいと考えている。大学の人的資源を活用するためにも、企業と違う大学の特性を活かしながら主体的組織的な取組が必要。共同研究、受託研究の資金の円滑な活用については、平成12年の4月から、企業からの資金について、複数年度の運用が出来るようになった。これは非常に大きな改革である。国立大学だけでなく、公立大学についても通知でお願いしている。また、企業から申し込みがあってお金が入れば、すぐに共同研究が開始出来ることになっているなど、現実には、かなり制度の運用改善が進んでいるが、十分周知されていない面もある。
特許取得の推進については、国公私立を通じて、大学や研究者の特許料について3年間、二分の1の軽減措置を特許庁と相談して作ったりとか、昨年度から知的所有権セミナーを開催して意識改革を進めるなどしている結果、最近、大学の先生の間で特許に関する意識が非常に高まっており、国立大学で学内の発明委員会に届けられた件数でいえば、4年位前は400件位であったが、平成11年度は1700件を超えるという状況である。
体制整備ということで、国立大学の場合は共同研究センター等を整備している。全国で56の大学でいろいろと活動している。私立大学でも私学助成という形でハイテクリサーチセンターなどを整備している。
今後の課題して一つだけ申し上げると、技術移転の促進の一環として、研究成果の活用と還元の仕組みを整備する必要がある。その中で、発明補償金の話もあるが、それに限らず、企業等からヒアリングを行うなど勉強している。例えば、先程も話が出たように、国立大学の場合、特許は原則個人有となるルールがあるが、大学が組織的にこうした特許を活用できるような仕組みを作ることが必要ではないかと思う。
【大田主査】それでは、委員会サイドも含めて、討論にはいる。
【安井参与】私はかつて国際産学協同センターにいた。そこで、文部省への質問から始めたい。産学連携で最も重要なのは、産業界と大学が直接コンタクトできることではないか。現在は、枠組みの中で、となっているが、大学の個性を生かしたままやれることが重要ではないか。要するに、産学連携ではお互いの個性を尊重し、それを生かすためには、大学一元論でまとめてするはなく、個々の大学に任せてはどうか。
今はどちらかといえば、お金を出せばまるで研究室をまるごと買ったかのように振る舞うとんでもない企業もあったりするため、そういったものから保護するために枠組みもあると思うが、独立行政法人化するのであれば、大学の方に任せてもいいのではないか。
また、大学側が何らかのライセンスを条件に付けることはあり得ない。それは産業界側のことであり、役割をきちんと分けるべきではないか。
かといって、大学側も十分ではない。文部省へのエールでもあるが、工学部においても産学連携のテーマに乗るのは3割ぐらいではないか。のこりの3、4割は産学連携連携に乗らなくても、きちんと運営できるようにする。そうしないとメリットがないのでは。
【大田主査】まず、大学と産業界との連携について討論し、その後、学部学科の新設・定員変更の自由化について討論する。
【高尾主担当】大学の方にライセンスをお願いしたというのは誤解で、本当のところは、学位授与について、企業の側からは判らないのでオープンにしてほしいということ。学生の採用に対しては、文系の人事担当者だけが見ているわけではない。現場の人間も意見を出している。やり方は少しずつ変わっているが、大学が満足はしていないかもしれない。
【鈴木委員】最近の大学を見ていると、特に慶応大学の理工学部は大変な変革を遂げたと思う。しかし、全ての大学がそうかといえば、そうではない。大学卒というだけでギャランティーされているわけではない。大学と産業界とは、ミッションが違う。価値観が違う。違いがあることを前提に、一つの方向に向かう時期にあることを認識する必要がある。私自身がIT産業にいて感じることは、日本は遅れているといわれているが、それは仕組みがアメリカと比べると問題があるためである。例えばゲノムとかの巨大な課題に対しては産学が一体となって一つの目標に向かって共同して目的を達成するようにしないと、国際競争に遅れ、後々に禍根を残すと思う。産官学がスクラムを組む時期である、と申し上げたい。
【安西教授】我々は7年にわたって大きな改革をやってきた。それは、大学としてのインフラを作り替える、ということであり、人材を作るという面から検討をしてきた。改革の話をすると、現状をどう変革すべきかという話に終始しがちだが、次の時代の産業が何であるかということを語ることが大切である。将来を見て規制緩和をするというのなら判るが、今のことについて語ることに終始することにはあまり価値がない。大学と産業界とはタイムスパンが違う。それを認識した上で話をしないといけない。
【大田主査】規制改革のテーマである人材の流動化について、文部省から問題ないという発言があったので、人事院の問題ということでよいか。具体的に何が阻害要因となって産学連携が進んでいないのか。
【文部省木谷課長】先ほどは任期制に対する処遇改善については、関係機関と協議しつつ検討したいと申し上げた。どんな課題があるかというと、大学の教員の任期制は大学の主体性を重視しており、それを維持するのが基本。他の機関の場合には、任期の問題、外部からの招聘など、いろいろな制約があるのに対し、大学の主体性を維持するなかで処遇改善をするための方法については技術的な課題があるだろう、ということ。
【安井参与】産学連携の枠組みは、国立大学が上位にあり、民間にどうサービスするかという枠組みでしかない。地域協力センターにしても、そこが何かをするというものしかなく、そういうところとどうつきあっていくというものがない。官尊民卑的である。一元的な枠組みであることが問題。企業から見ると、特許しても予算の流れに組み込まれるなど、国の仕組みでしかない。枠組みを企業と話し合えればいいのだが。
【文部省磯谷室長】決して官尊民卑ではない。契約は対等である。共同研究にバリエーションがないということは、契約書のひな型に引きづられている可能性はある。個々の規制というよりも、大学の個々の力の問題かもしれない。
【工技院澤課長】人の流動化でいえば、例えば中村修二氏の例など、そういう人を日本の国立大学では処遇しきれない。白川氏にしても、成果に見合った評価があまりに硬直的である。成果に応じた収入が得られないことが、頭脳流出を引き起こしているのではないか。先ほど、大学の主体性を重要視しているということだが、処遇について、各大学が主体的にオファーできないのか。できないのであれば、工夫できるよう改正する姿勢を見せるべきではないか。
【文部省木谷課長】主体性を維持しつつ、すぐれた方への処遇改善を行う方途を検討していきたい。もう一つ言いたいのは、任期付教員だけではなく、教員一般についての格付けの弾力化などについて考えていく必要がある。
【大田主査】処遇の自由化については前向きに検討するということである。ほかに討論しておきたいことはないか。制度はどこかが中核というものがあると思うが。
【安井参与】大学側に与える裁量権を拡大することがポイントである。具体的な話はテクニカルになる。
【大田主査】文部省との関係か、法律か。
【安井参与】運用ではないか。法律というよりも審議会答申とか、昔ながらの慣例とか。文部省がやると言えば変わると思うが。
【文部省磯谷室長】運用でやれることはやっていかなくてはいけないと考えている。法律の話であれば、国有財産法で特許がどう位置付けられるかというものもある。また、独立法人化でどう扱うかとの問題もある。
【工技院澤課長】例えばオーバーヘッド制度について、国から研究費を保ってくる場合、その機関に全体の3割程度を間接費として払い込むことになるが、その際に、国立大学の会計に属するため、東大に払ったはずのものが一旦どんぶり勘定になってしまうため、きちんと東大に払われるかどうか、というものがある。独立行政法人化で変わるかもしれないが。
【文部省磯谷室長】特別会計制度そのものの改善が必要。本年度から、受託研究を行った大学にその5%を配分するというインセンティブ経費の制度を開始した。
【鈴木委員】産学連携の連携というのは、産、官、学、それぞれがしっかりしていなくてはスクラムを組めない。今は事業者は委託研究を大学にしようとしても自分たちの方が進んでいる。研究費は学生が欲しいため細切れに出しているようなもの。国際競争の面からいえば、アメリカの方が魅力的である。それぞれがかなりの能力が必要である。大学の状況を見ると、シロアリに食われているという本がベストセラーになっている状況だ。教育国民会議もそのような視点が入っているという。大学には研究と教育の2つの機能を兼ね備えているが、それをうまく調整しながら研究の機能を伸ばしていくのか。
また工業技術院は世界に冠たるものかどうか。もう少し伸ばす方向を考えるとか、他から人材を引っぱってくるとか、企業が自衛上やっていることをやれるのか。国立の研究所は大変な人数を抱えている。これらがきちんと働かせるようにするためには、何を直していかなくてはならないのか。きちんと直しておかないと、産業だけ前を進めといっても、限界がある。
R&Dは大きな役割がある。世界に冠たるR&Dは企業だけでは出せない。銀行が合併しているのは、小さいままではIT投資が負担しきれないためでもある。R&Dは先行投資。大学は何をするか、企業は何をするか、行政は何をするのか、役割分担をきちんとしないと、じり貧になる。
【文部省木谷課長】日本の大学が世界の中で極めて低い評価をされているという資料もあるが、それは何をもって比較しているか根拠が判らなかったり、異なるアンケート調査であったりするものである。一方で、日本の大学自身もその成果を国民にわかりやすく示していない面はある。世界の論文数を見ても、日本は世界で4位、引用回数でも世界で2位である。ネイチャーに出ている日本の論文でも、100件中60件は大学からであり、がんばっていると思う。しかしそういうものが十分に学内、あるいは産業界から評価される土壌がないようである。コーディネイトが必要である所以である。
【大田主査】大学の活性化に話が入ってきた。
【安西教授】スクラムを組むためには一つ一つがしっかりしないといけないのはそのとおり。黒船とシロアリという比喩が出た。シロアリというのは、ITについて言えば、一見ITをやっている人がたくさんいるように見えて、実は中核的なことをしている人がいない、中がすかすかである、という比喩である。
国立大学における兼業について議論をしているが、私立大学については自分たちがしっかりやれば問題がない。特許についても、ソフトの著作権についても、さらには授業の映像の遠隔教育で著作権が先生に帰属するのか、大学に帰属するのか、という問題が先々出てくる。こういうことをに抜きにして議論をして、いいのだろうか。
【高尾主担当】企業の方もできていない面もあるだろう、それは反省しないといけない。自分たちが黒船になることを考えないといけない。大学には、産業界を引っぱっていけるような先端的なことをやって欲しい。そういった人材を開発して欲しい。R&Dの先のことしか見ていなくて、現実的に足りない部分の人材についても。
【安井参与】アメリカの方が魅力的といっても、全てがそうではない。日本の大学にシロアリが巣食っていても、全てがそうではない。個別論に入らないといけないかなと思う。
【大田主査】人材交流や産学の連携については、必要性はそれぞれ認識されているが、制度面の問題、それ以外の問題等細かい問題がある。制度面で改善できることはどんどん改善して欲しい。重要なのはスピードである。来年度中に改善するようにしないと、産業界も大学も当事者として責任が問われるのだろう。
将来をにらんだ改革を進めるということで、大学の組織に関わることについて自由化することについて、自由化すべきという意見と、文部省から水準を維持したり計画的な人材育成の観点から認可が必要という反論があった。
【八代委員】大学の水準を維持しなくてはいけないことは同意事項だ。一番大事なポイントは、そのために文部省が管理しなくてはいけないのか、市場に任せた方がいいのか、ということだ。政府介入の理由については、情報の非対称性を持ち出される。しかしこれは金融と同じで、文部省が認可する以上、もし問題が起これば認可した文部省の責任にもなる。このような関係にあるのに、大学が問題を起こしたときに文部省が認可を取り消すだろうか。これは医療などの他の分野と同じで、護送船団方式である。需給調整を理由に新規設立を抑制するというのは文部省に限らないことである。行政が関わることにはこういうデメリットがあることを認識する必要がある。
また、私学の教職員は雇用保険に入っていない。つぶれる心配がないという理由だそうだが、果たして私学の教職員に、絶対倒産しないような組織に効率性があるのか。
消費者選択を活かすためには、多様な選択・供給が必要である。そのためには、大学側が自由に学部・学科を設置できるようにすればよい。問題が起これば、事後的な対応をすればよいのではないか。事後的な規制を強化するために必要な大学の情報開示は遅れている。消費者たる学生には開示されていない。官製の評価機関は意味がない。評価機関同士の競争も必要である。大学の評価は、他人からの評価でなくてはならない。今までは文部省が情報を独占していた。文部省が監督することを止めれば、他からの評価ができるようになる。
憲法問題を今更扱うのはナンセンス。憲法調査会に問題を押しつけるのはどうか。
米国の州立大学については日本の大学ほど規制されているか。実質は私学同様、競争を通じて質を維持しようとしている。私立か州立かは、形式的な違いにすぎない。
独立行政法人化で変わるかどうかについては、公務員の身分が変わらないのであれば、何も変わらない。時間稼ぎだ。公務員のまま変わらないのであれば、(独立行政法人化されるまで待たず)今やってもいいのではないか。
【大田主査】学生の選択に任せる場合、情報開示でやっていくべきということだが。
【文部省木谷課長】大学の教育水準の維持について、事前の認可による最小限の水準の保証であり、その後の大学の努力、自己点検評価、外部の評価をする中で、競争力を高めるという効果を上げようと考えている。最初の段階を撤廃して後の評価だけでいいではないかということだが、大学という公的な教育機関において、入学した者にきちんとした教育が行われないということであれば、責任を全うすることができないのではないか。単に市場に任せるわけにはいかない。情報公開を進める必要はあるが、新設大学の中身について学生が判ることもできない。
そういった中で、多様な教育カリキュラムが必要であるということは、いろいろな基準について弾力化を進めており、認可においては最低限の教員組織・施設設備、経営基盤について、確保されるよう対応しているところである。また、官製の評価機関は無意味ということだが、評価機構は国立機関ではあるが、文部省からは独立性を保った機関であり、評価をするに当たっては大学教授のみならず相当数の民間の方の意見も採り入れることとしている。当面国立大学を対象としているのは、国民の税金を投入しているため。全ての評価をここでやるわけではない。JABEE(日本技術者教育認定機構)などの機関もあり、多元的な評価が必要ということはそのとおり。評価機関の結果は、各大学だけでなく全国民に公表する。そのプロセスについても公表するということで、HPで公表している。将来的には、大学に関するデータバンクとして情報提供機関としての役割も期待される。
憲法論議については先ほど申し上げたとおり。それに責任を押しつけるつもりはない。考慮していく、ということ。
アメリカの州立大学については、我が国の国立大学とは運営組織が違うということはおっしゃるとおり。ただ、私立と全く同じかというと、州知事などが入ったガバニングボードが大学を管理していくということで、同じではない。独立法人化の検討の際には、望ましい組織運営の在り方について検討を進めていきたい。公務員身分については、現時点では公務員であることを前提とした検討をしているが、最終的にどうなるかということについてはまだ決まっていない。人事制度については、独立法人化によって大学の活性化につながるような制度設計を検討したい。
【大田主査】最小限の事前チェックということならば、認可ではなく届出ではいけないのか。認可が必要な理由として国全体としての需要ということを言われたが、将来の需要は政府が判断してそれに見合った供給をしていくという需給調整であり、需給調整は政府の仕事ということだが、これからの時代において、政府が民間以上に、どのような人材が不足して、どのような人材を育てるといった需給調整に必要な情報を保っているのか。現場にいる大学以上に文部省がよりよい情報を持ち、判断をしうるのか。
【文部省木谷課長】届出は、届け出るだけで法的には効力を有することになり、学部なり学科なりが成立することになる。学生も募集できる。届出手続は形式にとどまる。それでは事前のチェックにならない。
計画的人材養成についてどこまで考えるかについては、現在の設置認可の中で考えているのは、医師、教員といった、明らかにニーズが少ないというものについて新たな設置認可はしない、定員は増やさない、ということはしている。一方看護婦、社会福祉士、情報関係といったものについては、原則抑制の中で例外的に拡大を認めている。原則抑制というのは、18歳人口の減少を考えれば、現状のままでは全入となってしまうためである。大学の水準の維持のためには、このようなことは考えていかなくてはならない。
【大田主査】届出にして、3か月以内に差し戻しといったようなことではどうか。
【文部省木谷課長】法制的にそのようなことがありうるかといったことが判らないが、一旦入学した学生がどうなるかを考えなければならない。
【田中助教授】新しい学部、新しい大学、ということであれば審査がいると思う。私が言っているのは、既存の学科を改組するときに、やがて学部の改組につながることがある場合について既存の学部の改組についてお話しした。例えば、経済学部と社会学部があったとき、福祉について焦点を当てた福祉経営学部というものを新たに作ろうとし、社会学部も現代のものを作っていくことになるだろう。これは全く新しいものを作るものとは違う。新しい学部を作るのに2年もかかるのはどうか。既存の学部の改組のためには、認可を早くすべきではないか。
私立大学をめぐる規制は銀行以上に厳しいと言われているが、規制の緩和は遅かった。一方でこれは私立大学の覚悟の問題でもある。最近ようやく大学院大学が立地規制を逃れるような規制改革が進んだが、遅かった。規制がゆるむことにより、自分たちだけでなく競争が起こることになる。緩和されたとき、どこまでの覚悟ができているのか。規制は緩和した方がいいが、私立大学にどこまで覚悟があるのかは心配である。
【工技院澤課長】田中先生のお話はそれでも斬新な意見だと思う。私立大学の覚悟如何に関わらず、やるべきだと思う。今後やるべきことは、倒産法制とか、セーフティネットとかではないか。評価機関も国立大学設置法内の機関であるから、国立大学が不適格、というものが出るはずがない。
米は州立大学の規制が厳しく、私立大学の規制は緩やかだが、日本は逆で、国立大学の規制は緩やかで、私立への規制が厳しい。
また、(学部・学科の新設の自由化について)将来についてするのかどうか。どういう状況になれば、どういう条件が揃えばやるようになるのか。digreeの保証を文部省がしている国は例がない。
【文部省木谷課長】学科改変により学部改変をする場合はできるのではないか、というお話について、学部というのは教育研究の基本的な組織である。商品開発についてもマーケティングからはじめて様々にきちんとした組織を作っていくのだと思う。大学においても学科レベルについて学部間で共同して新たな教育プログラムを作っていくことができる。一方新しい学部を作るということは大学の組織を大きく変えることになり、認可を求めることは当然必要になってくるだろう。その場合の審査については簡素化するということをしながら対応していく。
認可制度そのものについては、公立大学については学科は届出になっているということもある。これは、公立大学は運営に議会の承認も必要であり、公の支配があるという前提がある。我が国の特徴的なこととして、私立大学について国公立大学と相まって高等教育を大きな視野で支えているということから経常費助成制度がある。そうした制度は諸外国に例がない。そうした中で、私学について認可その他の規制を行っている。
将来的にどうするかについては、規制改革委員会の中でも指摘も受けている。今後認可の簡素化を踏まえながら、大学の改革の進み具合も見ながら、水準低下を起こさないようなセーフティネットを全般的に考えられないかも含めて、今後検討していく。
【安西教授】大学の組織の新設・改廃を自由化すべきかどうかについて、私は基本的に自由であるべきだと思う。それは、大学は自分の足で建つべきと考えるためである。であるからこそ産業界、社会に発言し、人材に責任が持てるのではないか。そういう大原則の立場からいえば、自由化すべき。木谷課長の苦渋も判る。金融商品との違いは、生身の人間が入学してから変わろうとしても、いろいろなことが障害となり負担となることであり、人材育成の場と金融商品とは違う。であれば、何を情報開示すればいいのかについて、具体的な議論がされるべきなのに議論がされていない。学生のセーフティネット、倒産についてもそうだが、具体的な議論がされたという話を聞いたことがない。私学についても学校法人会計は、企業会計とは違う。そういう会計を知っている人がどれだけいるか。そういう状況の中で情報を開示して、何が起こるか。それを踏まえた上で、自由化を進めないといけない。自由化について、評価の中身、誰が評価するのか、何を評価するのか、評価できる人がいるのか、ということを議論して安心させないと、当事者として、進めるのは難しいのではないか。
【八代委員】規制改革に共通する話だが、市場に任せたらこんな問題がある、だから規制しなくてはいけないという話が出るが、では規制することでその問題はどこまで解決できるのか。何を情報開示すべきか、ということについては、大学から見れば、では文部省はどんな情報をもらっているのか、ということだ。生身の人間が大切だから規制するのだ、ということは、規制をする方が市場に任せるよりよりよい、ということが証明されなければ、生身であろうが商品であろうが基本的に同じで、重要であれば重要であるほど、何がどういうふうに評価されてこうなっているのか。それが今は文部省の中でブラックボックスになっている。大学・学部の設置認可にしても、なぜそうなったかについて教えてくれない。審議会で決められた言うだけである。どの人に委員をお願いするかは文部省が決めてしまっている。また、どの委員が分科会に入っているか教えてくれないこともある。逆に、そういうものに生身の人間を任せていいのか。そこが、市場であれば少なくとも異議があればなぜそういう根拠でそうしたのか評価した機関に言える。格付け機関のようなものを考えている。また文部省は、わかりにくい学校法人会計ももっとわかりやすく開示するように指導することもできる。格付け機関を育成するためにはどのような情報を出すべきかを考えるべき。これまで文部省は、自分が一切評価するから他の人はほっとけという態度でやってきた。そういうことが議論されてないというのは、文部省の審議会がその気が全くないということ。民間のシンクタンクに提案しろというのはおっしゃるとおりだが、今は議論そのものが封じられているというのが問題で、見直していくべき。学生が重要であればあるほど、特定の規制に任せることの危険性が大きく、多様性で学生を守っていかなくてはならない。
【安西教授】八代先生の意見と同じ。規制をして欲しいというのではない、その逆。我々がそうしてほしいということを言っていかないといけない。
【田中助教授】私立大学の情報公開については対応に差がある、書類の読み方に付いてまで説明しているところもあれば、学内の壁に貼っていることのみをもって公表しているというところもある。
定員割れの大学については、今年度28%までといわれているが、定員割れしているかどうかはその大学しか知らない。入学して初めて判る。入学募集でも言わない。NPOとしてのモラルの問題でもある。回答しない大学、志願者が何人いるかということもいわない大学もある。こういったものをいつまでも放置しておくと将来苦しくなるので、今のうちに手当てしないといけないのではないか。
【大田主査】医療同様、学生が選べない、また不可逆性がある、という性質がある。金融だと生命保険が近い。こういった、契約の不可逆性がある、情報の非対称性がある、だから役所が全面的に守ってきた、ということであるが、実はこういう分野が問題になってきている。こういう分野こそ情報開示が必要だし、早期是正措置が必要である。この分野の規制の在り方、ルールの在り方が見直しが急務である。
【田中助教授】学生にとっては、入学した段階でほとんどの費用を払っており、医療よりさらに厳しい状況にある。
【工技院澤課長】工技院は最初に独立行政法人化した役所であり、我々が行ってきたことは、お互いのパートナーシップをどうくんでいくか、自分たちの人事・給与をどうやっていくか。大学が違うのは、学校法人法という枠組みの中でやっていかなくてはならないこと。行政側に意志があるかどうか、という認識を持っていただきたい。
【高尾主担当】我々のところも国のひな型になっている。事業部制とか。松下幸之助の時代と、今の時代は違う。なぜこのようなことをやっているかについては、会社の中でオープンにして議論している。産官学が一緒にディスカッションする機会はありがたい。
【文部省木谷課長】様々なご意見をいただいた。基本的な認識として、日本の大学というものが高度化し、個性化し、活性化することが大前提。そのためにどのような制度設計をしたらいいかということである。そういう観点から検討をしていきたい。その中で、現在の制度について具体的にどのような問題があるのか、各方面の議論を伺っていきたい。独立法人化については平成13年度中に結論を出すということで検討が進んでいる。どのようにすれば大学の活性化、競争力を高めるのに役立つのか、ということで検討する。
【大田主査】長時間にわたり活発な議論をいただき、ありがとうございました。年末に向けて全分野で見解をまとめていく。論点の中では初等中等教育がかなり割かれている。全ての分野について検討し、見解をまとめていきたい。
時間の都合上、会場の皆様からご意見をいただく時間がなかった。ご意見等については電子メールでお送りいただきたい。アドレスは資料の中にある。ファクスでも結構ですのでお寄せいただきたい。
どうもありがとうございました。
以 上
(文責 規制改革委員会事務室)