規制改革委員会
−速報のため事後修正の可能性あり−
第14回規制改革委員会議事概要
- 1 日 時:平成12年10月24日(火) 午後3時〜5時
2 場 所:中央合同庁舎第4号館共用第2特別会議室
3 出席者
- (経済団体連合会)飯田亮行政改革推進委員会共同委員長、立花宏常務理事
- (委員会)宮内義彦委員長、鈴木良男委員長代理、河北博文、神田秀樹、鈴木祥弘、西村清彦、野口敞也、牧野昭次郎、アンソニー・ミリントンの各委員、川渕孝一、小林重敬、宮村鐵夫の各参与
- (内閣官房)斎藤審議官
- (事務局)坂野総務庁行政管理局長、上村規制改革委員会事務室長、熊埜御堂主任調査員、上田調整官
- 4 議事次第
- (1)経済団体連合会ヒアリング
- (2)公開討論について
- (3)総論について
- (4)その他事務連絡
5 議事概要
(1) 経済団体連合会ヒアリング
経済団体連合会から「21世紀に向けた新たな規制改革の断行と体制整備を要望する―2000年度経団連規制改革要望―」の説明後、質疑応答がなされた。主な質疑応答は以下のとおり。(○:委員、参与の意見、→:経済団体連合会の説明、応答)
<説明のポイント>
- 民間主導型の活力と創意に満ちた21世紀の繁栄を築くためには、迅速かつ思い切った経済社会の構造改革を断行する必要がある。21世紀型の自由で公正な経済社会を構築するため、改めて規制改革の継続・強化とスピードアップを図っていくことが重要である。
- 規制改革については、2次にわたる規制緩和推進3か年計画の下で、一定の前進が見られた。
- 規制改革には残された課題も多く、我が国が直面する喫緊の諸課題等についても規制改革の観点からの取組が求められている。
- 「経済的規制は原則自由、社会的規制は必要最小限」の徹底
- 当面する諸課題への集中的・分野横断的な取組(経済のグローバル化、IT革命、少子高齢化、環境への対応)
- 行政立法手続法(仮称)の策定、地方における規制改革の取組
- 新たな規制改革推進3か年計画の充実、規制改革推進体制の拡充・強化が必要である。
- 政治のリーダーシップが必要である。民間産業界も、自立・自助・自己責任の原則にたって行動しなければならない。
- 重点規制改革要望の例
- 「経済的規制は原則自由」の原則の徹底
例)通関業の営業区域制限の撤廃、銀行業における店舗規制の撤廃、保険商品の監督規制の緩和
- 経済のグローバル化に対応するもの
例)輸出入・港湾諸手続の簡素化促進及びワンストップサービスの実現、ビジネスジェット機の国内運行規制の緩和、輸出規制対象品目及び地域の削減、放送事業における外資規制の緩和
- IT革命に対応するもの
例)職業紹介事業における対面主義の見直し、遠隔医療に関する診療報酬上の適正な位置づけ、電子政府実現に併せた申請手続自体の簡素化
- 少子高齢化、環境対応に関するもの
例)社会保険診療報酬支払基金から保険者に対して送付するレセプトのデジタル化、営利法人による病院、施設介護サービスの経営、企業年金財政の早期健全化に資する規制緩和、再資源化促進の観点からの廃棄物の範囲・区分の見直し
○経団連として直接関係省庁に働きかけているのか。
→全項目というわけではないが、各省庁に対し、要望やその背景について説明している。
○広域処理実現の観点からの廃棄物処理業の許可基準の見直しという要望項目があるが、どういう点が問題なのか。
→産業廃棄物は都道府県単位の許可制となっているので、2以上の都道府県にまたがると各々の都道府県で許可が必要となることが大きな問題。
○パブリックコメント手続が昨年導入されたが、経団連はどう評価しているか。相手省庁が案を修正しないのなら、意味がないという意見もある。
→行政プロセスの透明化手法として評価している。ただ、適用の実態を見ていると、形式的にやっているだけと受け取れる場合もある。行政立法手続法のようなものを策定する段階に来ているのではないか。
○要望の数が多いので、プライオリティをつけてもらったほうがよい。
→分野ごとに2〜3項目の重点要望事項を挙げている。
○今までどおりのやり方では限界があるのではないか。改革が必要と考える人が主体的に行動しなければならない。要望を出す人が表に立って、関係省庁等と話をし、全体を盛り上げていき、そうした流れと当委員会がタイアップして進めていくという形が必要ではないか。そうしないと反対論者の認識を変えることは相当難しい。
→おっしゃる通りであるが、既得権益を持つ団体が極めて強い政治力を持っているということもある。
(2)公開討論について
4回行われた公開討論について、それぞれ担当の委員から報告がなされ、それに関しての意見交換が行われた。
<それぞれの説明のポイント>
- 総論については、企業経営者から学生まで約500人の傍聴者が集まり、委員会の活動の認知度の向上につながった。また、反対の立場の方を交えた公開討論を行ったということも、大変よかった。今後もこうした努力を続けていく必要がある。パネラーからは様々な意見が出されたが、今後最終見解をまとめるに当たって、どの部分が委員会の考え方と同じで、どの部分が違うのか、違う点についてはどのような説明をするのか、といったことを考えていかなければならない。
- IT関連については、IT革命により社会構造がどのように変化していくかについて議論するとともに、その共通認識を踏まえ、規制改革を含め政府はどのような役割を果たすかについて、様々な議論を行った。インターネットによるライブ中継も問題なく実施された。現在でも、総務庁のホームページから審議の模様をオンデマンド方式で視聴できるようになっている。(注:現在は、視聴は終了しました。)
- 医療については、営利法人の参入問題、患者の選択を支えるシステム、医療費体系の在り方、ITの促進について議論した。営利法人の参入、広告、情報開示については、相変わらず議論は平行線という感じであった。
- 教育については、「大学と産業界との連携協力体制の確立」について、大学と産業界が連携していく上での問題点や課題等が議論された。「大学の自立性向上と活性化」については、主に大学の学部や学科の設置をもっと自由化し、社会の変化や技術革新の急速な進展に迅速に対応できるようにするという観点から、現在の設置認可規制等について議論された。
<意見交換>
- ITの公開討論で「日本型IT社会」という考え方が提示されたが、「日本型」と特殊なもののようにとらえるのは違和感がある。
- 「日本型IT社会」というのは、森総理の所信表明演説で提唱されているもので、それについての参加者の意見を伺った。
- 「日本型」と言っているのは、日本の強みであるモバイル等を活かしたということを意味しているという理解でよいのではないか。
(3)総論について
事務室から、総論に盛り込むべき要素として現在のところ3つのものが考えられる。1つ目は公開討論の論点を踏まえて規制改革の目標・哲学を記述する、2つ目は委託調査の結果を踏まえて規制改革の効果・成果を記述する、3つ目は今後の規制改革をどう進めるかについての記述になるのではないかとの説明があった。
これを受けて、次のような議論が行われた。
- 規制改革委員会は細かいことを積み上げてやってきており、そうしたことも大切であるが、目指す方向を打ち出しつつ、そのための手足をきちっと固めることが必要。
- 効果・成果は経済効果だけに絞るべきでない。官から民へという視点で規制緩和は取り組まれてきたが、官から民へ何が移ったかという観点は重要。時代に合わない規制がどれだけなくなり、どう変わったかを確認すべき。消費者のためと言われてきたが、消費者のためにどのような改革があったのか問われている。最終的に消費者とは何か、その辺の問題について触れてもいい。消費者のためと言いながら、消費者に問うことをしていないのではないか。次のシステムでは、消費者を説得することを考えなければならない。また、規制改革の流れと同時に、グローバル化など色々な動きがある。それらが一緒になって世の中を動かしている。個々の問題だけでなく、大きな流れの中の評価を行うべき。最後に、色々やってきて感じるのは、行革という根本の流れが欠けているのではないかということで、まさに政府をどうしていくのか、行政をどうしていくのかということが考えられなくなってしまっている。
- 消費者に何のプラスがあったかというと、規制改革の行き着く先は統制色の強かった経済、官独占を市場経済に持っていくことであるが、市場経済は、消費者が選別するということであり、決して企業本位ではない。行革に触れることができなかったということは、委員会の限界を示しており、自分たちのできることはやったし、できないことはやれなかったということではないか。
- 規制改革は消費者に結びつくことをやっている。コスト的にも安くなっている。行革に触れられなかったという点については、この委員会で行革全体を担当していたわけではない。行革の他の分野をやるべき人がやらなかったということ。当委員会として重要だったのは、情報公開やアカウンタビリティといった政府行動のみならず民間へも影響するようなことを強く打ち出してきたことであり、そうしたことももう少し広く議論してはどうか。
- 各省庁が所管している審議会に出席して思ったことだが、所管省庁の審議会ではなく、違うところで他分野の行政を議論できることにこの委員会の意義がある。当事者の議論だけではなく、政策を実行する人たちの外側で議論することは価値がある。
- ユーザー指向は正論だと思うが、一歩前にそれらにサービスを提供する者が余りにそれが提供しにくい制限がある。そうした規制が多すぎるというのが実感。
- 各WGにおいてもそれぞれの分野の総論・理念を議論しており、これと全体との整合性を考えることが必要。
- どういうプロセスを構築すれば消費者にいいサービスを提供できるかといったプロセス的な視点が必要。
- 事前規制から事後チェックにという基本原則に基づいてやっているが、アプローチの方法、視点を変えればもっとできたというものがあり、それらは今後の課題として総論に記述する要素となるのではないか。
- 総論の公開討論でも指摘があった業法のような基本的な法律に触れるべきではないかいうことについて、今までそういうアプローチをしていないので、総論の中で今後の課題として取り上げてはどうか。
- 本質的には不要であるが、何かあったときのために設けておく規制=アリバイ型規制が非常に多い。本質的でない規制が多く、事業機会の選択の幅を制限していることを総論で取り上げるべき。
- 年末までに新3か年計画についてどこまで具体的な提案ができるか。論点公開以外のことまで掘り下げられるか疑問。別のプロセスで将来に向けて検討する必要があるのではないか。
- 次の推進方策について、現実的なものを探る必要がある。現在の委員会の機能がこのまま継続することが最低ラインであり、それ以上のことが言えるかどうかは政治のエネルギーがこうした改革にどこまで割かれるかということではないか。
以 上
(文責 規制改革委員会事務室)