−速報のため事後修正の可能性あり−
2 場 所:中央合同庁舎第4号館共用第1特別会議室
3 出席者
5 議事概要
(1)成川総合政策局長から、日本労働組合総連合会(以下「連合」という。)が取りまとめた規制改革要望について説明の後、意見交換が行われた。その主な内容は以下のとおり。
(連合の今年度の要望)
7月に公表された論点公開について意見を述べさせていただく。本意見は、下部組織からの意見をとりまとめたものである。連合としては、規制改革は、雇用の安定の確保を通じ、明るい日本社会を目指すために行うものであると考えている。
(基本的意見)規制改革の検討に当たっては、雇用の安定の確保、明るい日本社会を目指すため、新産業の振興、雇用創出、地域社会の活性化等戦略的な規制制度改革を進める必要がある。そして、事前規制を事後チェックとし、市場を「公正な競争の場」とするため、公正取引委員会の独立性の確保が必要である。社会的規制の分野、即ち雇用労働、環境の分野については、セーフティネットの整備が必要である。
(情報通信)通信と放送を融合する際には、著作権を保護するとともに、その権利処理のあり方の整備が必要である。NHKと民放については、共存・競争が大切である。行政の情報化の推進に当たっては、プライバシーの保護が必要である。
(環境)土地汚染の浄化基準については、日本は国土が狭く、産業用地から住宅地や公園への転用が多いため、土地の用途別の浄化基準の設定については、反対である。廃棄物の定義の見直しの際には、総合的かつ一元的実施体制を確立する必要がある。また、リサイクル回収率等を製品ごとに決定する必要がある。医療廃棄物について、新たな処理基準を作ることについては、賛成である。
(競争政策等)公益事業分野において、一層競争を促進させることについては、消費者利益が増大し、利便性も向上することから、賛成である。
(法務)コーポレートガバナンスに関する制度の改善に当たっては、従業員や労働組合のようなステークホルダー(利害関係者)の意見反映を行う必要がある。監査役については、労組代表が選ばれることがあっても良いのではないか。株主代表訴訟については、現行制度を維持すべきである。
(金融・証券・保険)銀行本体のみならず、保険会社の信託業務兼営についても併せて検討すべきである。債権回収会社(サービサー)についての規制を早期に撤廃すべきである。保険業法における業務の代理、事務代行の範囲の拡大を図るべきである。銀行、保険会社等の他業禁止については、金融機関の健全性等を損ねる場合には、認めるべきではないが、消費者利益の向上に資する業務については、兼営を認めるべきである。保険商品の原則届出制については、肯定しうるものであるが、裁量の余地をなくすため、届出前の商品審査について廃止も含め検討すべきである。インターネットによる保険販売に係る事業方法書の認可基準は、個々の商品ごとではなく、包括的に定められるべきである。
(運輸)船員職業紹介事業及び労務供給事業は、現行どおりの制度を維持すべきである。運賃・料金の見直しについては、トラック事業者の労働条件が悪化しており、最大限慎重な検討が必要とされている。自動車の型式指定の標準処理期間は安全の確保を前提に可能な限り短縮すべきである。
(流通・農業)通信販売・割賦販売について、電子的手段により通知することを可能とする場合には、通知の到着が確実に確認できることを前提に、消費者本人が希望したときのみ電子化手段を選択できるようにすべきである。クーリングオフについては、紛争時の証拠能力を備えた電子的手段が確立するまで、当面は配達記録等の書面によるものとすべきである。遺伝子組換え食品については、安全性審査の義務付けと表示をして欲しい。
(住宅・土地・公共工事)短期賃貸借制度については、既に法改正等も行われたところであり、当面はこれらの運用を見守っていくべきであると考える。中古住宅市場の整備については、住宅の基本的性能については、表示を義務化すべきである。農地所有の規模要件については弾力化すべきであるが、土地利用の混乱を防止するため、一区画当たりの最低規模規制は必要である。公共事業については、重複投資の排除、優先順位の明確化、パブリックインボルブメント等の活用により、国民が真に求める生活関連社会資本の整備、環境保全、高度情報化、少子高齢社会に対応した社会資本の充実、災害復旧事業に重点化すべきである。また、安全性確保の観点から、経年劣化した社会資本の修繕事業を重視すべきである。
(医療)地域ごとに施設基準・人員配置基準を変えることは、最低基準さえ確保できない医療機関がある現状においては、慎重に検討すべきである。診療報酬点数単価を一定の範囲内で医療機関が自由に設定すべきであるということについては、医療費の膨張を招きかねないため、反対である。特定療養費制度を拡大することについては、医師と患者の情報の非対称性が解消されていない中で、不当に患者負担が増大することになるため、慎重に検討すべきである。
(福祉)要介護認定における1次判定プログラムを早急に改善し、痴呆性等を適切に判定できる仕組みにすることが必要である。さらに、痴呆性高齢者等の権利擁護を図るため、成年後見制度、地域福祉権利擁護事業の活用・普及のための施策を推進する必要がある。
(雇用・労働)公正労働基準の確保あるいは解雇規制の判例重視など社会的セーフティネットを確立することが大事であると考えている。これらを十分尊重していただきたいと考えている。労働者の募集、労働者派遣事業及び職業紹介にかかる規制の見直しについては、慎重な判断が必要である。企業年金のポータビリティ確保の観点から、包括的な企業年金基本法を制定し、年金原資を移管可能とするとともに、受給権の保護が必要である。解雇規制については、最高裁等で確立した判例を法制化することを基本とすべきである。雇用期間1年未満の派遣労働者の雇用保険については、派遣先の期間にかかわらず本人の申告による加入とすべきである。個別労使紛争処理については、行政当局ではなく、三者構成の公的機関で行うべきである。労働契約や労働条件に係る書面交付手続きについて、電子的手段を認めることは、紛争の多発が予想され、適当ではない。企画業務型裁量労働制にかかわる労使委員会の設置に伴う手続きの簡素化と労使委員会の決議事項の規制緩和については、国会で議論されて定められたばかりであり、制度要件を緩和する方向での見直しには反対である。
(教育)現場や地域自治体の努力が生きる制度とするという考え方には賛成である。教育水準が同等と認定されたインターナショナルスクールの卒業者については、自動的に日本の学校と同様の転入学・卒業資格を認めるべきである。通学区域の弾力化については、学校選択権を重視した方式に改める必要がある。障害児の就学決定については、市町村教育委員会に一元化する。小学校での教科担任制については、各学校の判断で必要に応じて専科教員を配置できるよう、弾力化を進めるべきである。あらかじめ教育免許の特別免許状の取得を目的とした試験を定期的に行い、合格者をプールしておく制度は、一定の効果が期待できるので導入すべきである。米国の高校をインターネットで卒業した者について、日本の高校と同等の転入学、卒業資格を認めるべきである。大学の情報公開については、経営状況その他最低限度必要な範囲を設定した上で公開を義務化するなど、規制を強化すべきである。
(資格制度)公的資格については、学歴要件が厳しいものが多いので、緩和すべきである。
(意見交換)(○は質問・意見、→はそれに対する回答。)
○用途別の浄化基準を設定することは反対とのことであるが、具体的にどういうことか。
→浄化基準の設定はOKであるが、産業用地から住宅地や公園への転用が多いため、用途ごとに浄化基準を設定するのは反対である。一律の基準にすべきである。
○狭い国土ということを考えると、一律の基準を作るべきというのは、逆ではないのか。
→浄化基準というのは、生活者の安全を守るというのが本来の目的であり、複数の基準があるというのはおかしい。
○当委員会では、環境のための環境ということではなく、都市計画、国土利用に沿った環境という視点で検討している。利用者の安全のためというなら、用途別の方が適切ではないか。
○短期賃貸借については、長期的には制度を見直していくことに反対ではないということで良いか。
→そのとおり。
○遺伝子組換えについては、パブリックインフォーメーションが必要ということか、根本的に受け入れられないということか。
→安全性の確立をしっかりしていただきたいということである。
○医療については、論点公開で示された論点に反対の意見であるように見受けられる。当委員会では、全国一律の対応が先行している中で、悪い医療が淘汰され、良い医療が報われるような方向で検討している。また、医療報酬については、高くなっても良いという趣旨か。
→質の高い医療を国民が等しく受けられるという視点が重要。そのためには、医療情報の開示が十分に行われ、患者が自ら判断できるようになっていることが前提。医療報酬のあり方については、連合内でも検討している。
○NHK受信料については、現在、払う人と払わない人がはっきりしている。これから、デジタル放送、衛星放送等が進んでいくと、本当に見たい人だけ見れば良いということになる。受信料制度を抜本的に見直すことについて連合として賛成か。
→これから検討したい。
(2)内藤産業構造委員会副委員長から関西経済連合会(以下「関経連」という。)が取りまとめた規制改革要望について説明の後、意見交換が行われた。その主な内容は以下のとおり。
(関経連の今年度の要望の考え方)現在、関経連では、構造改革、規制改革についての議論を行っているが、今回の要望はIT関連に焦点を絞っている。IT政策の推進に当たっては、中小企業への支援が重要である。
景気が立ち直り基調にある中で、これを確実なものとするためには、経済構造の抜本的な改革、規制改革が必要不可欠である。
既得権益保護の日本独自のシステムでは、グローバリゼーションに取り残されてしまう。民主導で自己責任原則による公正な競争が可能となるよう規制改革を断行しなければならず、特にIT革命の推進が必要である。昨日決定されたIT国家戦略を見ると、網羅的かつ前向きであり、意を強くしている。また、先月19日に発表された「日本新生のための新発展政策」においても、日本新生にふさわしい志を感じた。これが、大きな流れとなり、既得権益からの決別が進むことを期待している。今回の関経連の要望は、会員企業へのアンケートを元に整理されている。今、ITの進展に、法整備や実態的商慣行が追いついていない状況にある。新しい競争条件整備のための規制改革が必要である。
(情報通信インフラ整備の充実)IT戦略会議で、5年以内にアメリカを超える超高速インターネットインフラを作り上げるといった提言がなされたことは、心強い。ただし、光ファイバーの敷設が、過去の公共事業のようになることを懸念している。光ファイバーの敷設については、民主体で推進されることをお願いしたい。来年度の予算要求については、従来の縦割り型の予算要求ではなく、これからの日本のビジョンを明確にし、それに基づいた具体的な実行をするために必要なルールづくり、インフラ整備をするための予算要求としていただきたい。それから、光ファイバー万能論については、疑問を持っている。費用対効果等を考慮し、CATV、無線といった手段を利用しつつ、いかに具体的に成果を上げるかが重要である。技術振興の実態に応じた対応が必要である。
(より低廉で利便性の高い通信サービスを供給するための競争条件の整備)現在、NTTの在り方をめぐって議論が行われているが、利益誘導の駆け引きではなく、利用する者がいかに利益を得るか大所高所からの決断が必要ではないかと考えている。インターネットの普及率は、残念ながら日本は世界で第13位である。是非、通信サービスの競争を促進することを通じて、低料金で皆が利用しやすいようにして欲しい。通信と放送の融合、無線の周波数割り当て制度の見直しについては、新しいデジタルサービスが期待されていることを踏まえ、スピーディーな実施が必要である。
(ITを活用したビジネスチャンスの創出を促進するための制度改革及びルールづくり)電子商取引において、書面交付、対面販売の義務付けはネット販売の妨げになっている。既に関係法の改正に着手されていると聞いているが、その促進をお願いしたい。あわせて、消費者保護、悪質商法の排除のため新しいルールづくりが必要である。電子商取引推進協議会の実態調査をみると、電子商取引の1番の不安要因は自分のデータが他人に漏れる可能性があるということである。個人情報保護法案が、次期国会に提出されると聞いているが、セキュリティの確保について、万全の対策をお願いしたい。電子決済の分野についても、我が国は、BtoCが普及しにくいノンクレジット文化の国でもあることから、中立的機関の相談窓口の設置をお願いしたい。IT革命は、「ドッグイヤー」という言葉があることからも分かるように、急速に進展するものであり、スピード重視を改めてお願いしたい。
(電子政府の実現)電子政府については、ビジブルなものとして実現するようにお願いしたい。同時に行政の効率化、無駄な申請手続の簡素化が必要である。行政の透明化、トランスペアレンシーの確保についてもお願いしたい。電子自治体の実現に当たっては、共通ルールと導入期間を決めて、同じ歩調で行われるようにお願いしたい。
(その他)インターネットを活用した株主総会が可能となるよう、2002年に商法改正が予定されているが、是非実現して欲しい。また、IT教育に関しては、最低限のリテラシー教育については、義務教育の過程で行うようにして欲しい。
また、行政改革推進体制については、新規制緩和3カ年計画を策定するということだが実効性のあるものを作っていただきたいということと、貴委員会側においてリーダーシップを発揮して頂きたいということ。こういう問題は総理が本気になるかどうかが重要であるが、推進体制についても省庁の利害を超えた形で、省庁横断的なものが必要。チャレンジングな目標に対してオープンな姿勢で臨むということが重要。
○今後の推進体制について具体的な提言があれば教えていただきたい。
→関西経済連合会という組織としてしっかり議論がなされているわけではないので私見ということになるが、過去の歴史の体験を踏まえれば、やはり、政治を挙げての対応をしていただくということが重要と考えている。
○競争促進の部分でNTTについて質問がある。原則はNTTの分離分割ということでずっと議論してきたが結局は持株会社ということになって現在に至っている。例えばJRを見れば分離分割して成功しており、分離分割という原則は重要と考えている。
しかしながら、最近のNTTをめぐる議論においては、分離分割ということをいわば棚に上げて、市場支配力の強いNTTに対してドミナント規制を行うという方向に議論が変わってきてしまっている。こういう方向性についてのご意見をうかがいたい。
→NTTも一民間企業であり、関西経済連合会としてそういうものについて何かとりまとめて言うという立場にはない。しかしながら、最近の経緯について、個人的意見としては、閉鎖的・既存利益擁護型の文化というか日本の鎖国体質というかそういうものを感じざるを得ない。一度改革を徹底的にやってみて、その上で問題があればドミナント規制を行うなどするというのが筋であり、振り子を反対側にきっちり振ってみるということが重要ではないか。
○IT技術者の入国制度についての要望があったが、現状はどうなっているのか。IT技術者とはっきりわかっていても身許引受人がいないと入国できないのか。
→ITの技術者が日本に必要なときに入国できるようにという趣旨。先日総理がインドに行かれたときに、米国の方が入国が容易だという話が現地であったと聞いている。日本は技術者であることがはっきりわかっていても、身許引受人がいないと入国できない形になっている。IT技術者として認定された人であれば身許引受人がいなくても入国できるようにしてほしい。
○IT関係の要望事項の中でぜひともこれとこれは重要といったプライオリティは議論されているのか。
→どれがという個別のプライオリティ付けはない。ITに絞って本日お話させていただいているわけであり、それが当方のプライオリティということである。政府の方でも着実にやっていただいていると認識している。
→特にインフラに関する項目に優先順位を置いている。
(3)フォーリー駐日米国大使から、米国政府が取りまとめた日本政府に対する規制改革要望書について説明の後、意見交換が行われた。その主な内容は以下のとおり。
(米国政府の今年度の要望)
(情報技術分野を含む電気通信分野)本分野は極めて重要であり、電気通信分野における規制を政府の産業促進政策から完全に切り離し、そのような規制をより独立したものとするよう要望したい。また、不必要な規制から新規市場参入者を開放するとともに、市場における支配的事業者に対する厳格な規制を制定するよう要請している。
(医療機器・医薬品)革新的医薬品の承認処理の迅速化、薬価算定方法の改革についての日本政府と業界との間の協議の拡大、医薬品の承認に関する臨床試験の重複を避けるための更なる措置の実施、医療機器及び医薬品の価格設定プロセスにおける業界の直接的関与の担保、栄養補助食品の販売自由化について提言している。
(金融サービス)金融庁による規制改革の実施に当たり、民間部門におけるすべての利害関係者を完全に包含する透明な方法での遂行を要望するとともに、簡易保険制度がいかなる拡大もされないこと、簡易保険に関する将来の日本政府の計画について、民間部門の利益関係団体が情報の提供を受け、意見を述べる機会が与えられることを日本政府が担保することを要望している。
(住宅)中古住宅の販売を大幅に増やし、住宅改築市場を拡大するための方策について、住宅金融政策の変更を含む新たな検討を要望。また、住宅分野をIT戦略のモデルとするよう要望。
(エネルギー)完全に独立した政府規制当局の設置による十分な監視・執行体制の確保と、来年末までにおける自由化プロセスの進捗状況の中間見直しの実施等を要望。
(流通)大規模小売店舗立地法の公平かつ統一的な運用の確保等を要望。また、簡易申告制度を宅配事業に拡大するよう要望。
(司法制度)訴訟プロセスの改善、公示催告手続及び仲裁手続に関する法律の改革、行政機関に対する司法による監視の拡大、司法手続における透明性の改善等を要望。
(競争政策)公正取引委員会の独立性を確保・強化するための措置の実施を要望。
(透明性その他の政府慣行)規制制定手続の法制化、行政指導の文書化の義務付け、行政機関策定法案の国会提出前におけるパブリック・コメント手続実施の義務付け等を要望。
(商法改革)企業の役員会を株主に対する説明責任についてより独立したものとする、企業の資本構成に対する現行規制の撤廃、企業の透明性・情報公開について国際基準により合致する方向へ誘導する等を要望。
○簡易保険についての要望はあるが、郵便貯金については要望がないのか。
→郵便貯金については、ディスクロージャーと透明性の確保に関心がある。郵便貯金に関する提言は、2001年に郵政省が総務省になり、2003年に郵便事業が公社化されるということなので、郵便貯金についても、これまでのような政府による貯金から位置付けが変わっていくことになるわけであり、そういう位置付けの変遷を透明にしていただきたいと考えている。また、その際、関係法案の策定に当たり、利害関係者がコメントする機会を保証していただきたい。
○NTTの在り方について、ドミナント規制という意見があるが、ドミナント規制をするかどうかより先に、ドミナントにならないようにすることが重要。米国はAT&Tを分割した歴史があるが、そういう歴史を持つ米国がNTTの経営そのものについて言及せず、ドミナント規制の話をするのは、整合性を欠くのではないか。
→NTTについて、現在の形で存続するのかAT&Tのように分割するのかは日本が決めることであり米国が口出しするつもりはない。ただ、NTTが支配的な状態である中で、参入を妨げないような措置はとっていただきたいという趣旨である。我々はNTTがNTTとして存在し続けることに反対というわけではない。あくまでNTTが競争を抑圧しないようにしていただきたいということである。
IT戦略会議での議論を見てもNTTについては同様の姿勢であると承知している。
〇規制改革委員会は規制改革で活力ある経済社会を創るのが目的であり、活力ある経済社会は医療も例外ではない。日本人の患者が質の高い医療を受けられるような市場競争原理、公正な競争を医療のなかに導入することであり、医療費が安いだけではない。アメリカの要望のなかに日本の市場がオープンマーケットになり、アメリカからのビジネスチャンスが広がることを期待しているのではないか。規制改革をして、公正な競争原理ができれば、医療のマーケットの枠が拡大する。
アメリカの医療はGDPの15%が医療費で、全雇用の10%、日本の医療はGDPの7%、雇用は5%まで行っていない。医療に金がかかればいいのではない、日本の医療の市場が拡大すればアメリカのビジネスチャンスも拡大する。
アメリカの提案は医療機器と医薬品だけだが、アメリカのマネジメントシステムとして、ビジネスモデルという意味で強力なものを揃えているのに、なぜ日本の市場に持ってくる提案をしないのか。例えば、価格の在り方、日本の診療報酬体系を変える提案、矛盾のある国立病院、自治体病院への補助金の在り方の提案、医師の資格、病院経営の資格制度の提案など、アメリカからのビジネスチャンスを増やすのに役立つのではないか。この議論がアメリカから出ないのが残念なので、この分野も考えて欲しい。
→医療の分野で米政府として出している。ヘルスケアはサービス分野の問題で広告、医療機関の提供するサービスの範囲を広げることで日本の医療の効率性を高めることができる。病院、医師の医療提供者が患者に情報を公に提供することを提言している。医師の資格、病院の承認、報酬制度があるが、日本の報酬制度はファンクション別になっており、古いものになっている。医薬品は新薬や革新的な薬品は今の制度では効率的ではない。日本の医療制度は良く、世界一の長寿国であり、日本の生活の質が良いのが証明されているが、改善の余地がないのではない。アメリカのメーカーのためだけでなく、日本の高齢化にも新薬や革新的な新薬が急速に承認されることが重要であり、医療の質の向上にも関連する。
(EU)在京EU代表部ユールヨーゲンセン大使より、日本政府に規制改革の要望の説明があった。内容は次の通り。
(投資の拡大について)今年の提案リストのトップは投資の拡大の措置であり、日本を投資先として魅力的にしていただきたい。経済にとってプラスであり、日本の経営環境が投資家にとってフレンドリーになることが日本の構造改革が進んでいるバロメーターになる。日本に対する対外投資は低く、他の国に比べても低い。98年で対日投資はGDP比の1%、EUではUKが5%であり、拡大している。日本の起業率(開業率)は4.6%と低い、UKは13%、ドイツは11%である。
(競争政策)EUの優先提案の2番目に重要なものは競争政策の実行である。日本も公正取引委員会が独禁法の適用除外、特例措置を段階的に削減し、民事的救済制度の導入によって、状況が改善したが、競争政策の実行を厳格にし、行動を伴うことが主眼であり、提言は不十分である。例えば、時効の期間が短く、罰金が軽いのでは違反を取り締まれなく、将来の可能性を抑止できない。競争政策の厳格な実行が多くのビジネスにとって、コスト上の課題を解決する鍵になる。多くのビジネスの中には電気通信セクターなどが中心的に入っている。
競争力を大いに発揮させることが重要であり、NTTグループのNTT Docomoの市場支配力を反映させるような規制の事業者規定を変えるべきであり、WTOに提案される内容をしっかりと遂行させるべきであり、真の独立した、中立の機関の設立が重要である。
更なる規制改革を進めるべき4つのセクターに焦点を絞ってお話しする。
(金融サービス)金融サービスについて、「File and Use」を企業向け保険だけでなく、個人向け保険にも適用されることを提案し、商品の届出制の処理期間を90日から30日に短縮することを要求する。
(航空輸送)成田のスロット(発着枠)について、時間枠などの規制の存在により、コーディネーターが需要を満たすよう発着枠を調整する仕事の自由が妨げられている。今、第2滑走路を作るが、別の空港が作られるような動き方であり、古い滑走路の一定数のスロットが新たな滑走路に移動する可能性がないことを憂慮している。
(植物検疫)植物検疫の分野でEUは日本の非検疫リストに9つの植物を加え、薫蒸の必要がなくなることを望む。 農水省は要請を受け入れないが、少なくとも許容レベルの導入の可能性を検討する動きが出てきた。
(法律サービス)外国人弁護士の問題について、法務省は広範な協議をして、今の共同事業制度のどこが問題かを特定していることを歓迎しているが、完璧なパートナーシップや日本と外国人弁護士との雇用関係の問題が残っており、この制限が撤廃できないとグローバル化した経済で高い質の法務サービスを提供する状況にはない。
(まとめ)最後に規制改革において、今後も進める前提は委員会が各省庁に責任を持って対処させることで、その権利を強く発揮する任務を強化させると同時に中央だけでなく、地方レベルの規制に関しても権限を拡大させることである。経団連からも貴重な提言がある。委員会は、自信を持って、約束された改革のタイムテーブルを守らせるように発言できる状況を作ることである。例えば、1999年3月の規制緩和推進3か年計画(改定)で医薬部外品の再分類が公表されているが、まだ実行されていない。
政府全体でパブリックコメントの手続きは有意義であり、規制改革の一環として進めることが必要である。各省庁はこの制度に従い、実際に考慮される十分な時間を残すことが重要であり、少なくとも6週間は確保され、すべてのコメントは公表されるべきである。
日本の経済は健全な規制改革が進むなかで、国際的な繁栄の柱としての役割を担うことによって、EUの便益となるが、規制改革が進むと日本の国益にも資するものである。来年の日欧首脳会談において、協力の10年として、日欧経済関係の重要な柱として日欧規制改革対話を持続することによって基本的な利益を分かち合うことを願っている。
〇成田の2番目の滑走路の配分方法について貴重なコメントをいただいたが、欧州ではどんな形で配分するのか。
→1本の滑走路というとガトウィック空港の例が適切であるが、多くの関係者が情報交換を密にして、キャパシティでは成田を上回る運航量を誇っている。今回の問題は2本目の滑走路でなく2つ目の新しい空港ができるという議論であり、新旧のスロット間に移動ができないために、2本目の滑走路ができて輸送量の拡大が期待されるのに、新しいスロットが有効でないので、期待されるほどには増大しない。欧州においても、騒音、使用時間などに厳しい制限があり、規制があるが、その規制のなかで欧州の空港は効率的に運営されている。欧州の航空会社が日本の空港のスロット数増加を望んでおり、日欧関係が有望であると考える。最近、欧州から日本に飛行機で帰るが、いつも満杯である。日本経済が上向き始めたので、外国ビジネスマンの日本市場に対する魅力の回復のために、スロットを欧州の会社に与えるべきである。
〇体外診断薬について、欧州ではどのような診断薬が一般に認められているのか。その手続きはどうか。
→EUの体外診断薬(IBD)に関する要望はEUと日本で登録されるものの扱いの違いであり、EUでは、IBDは医薬品のように体内で作用するものと同じ扱いではなく、医療機器として扱われる。日本の規制はIBDも医薬品と同じ手続き上の扱いを受けるので、承認のために厳格な試験などを受けなければいけないのが違いである。しかし、日欧の高齢化が進む状況を考えると、経済的便益だけでなく、社会保障の点からも、IBDに関しては軽い規制が望ましい。特に、IBDは人体に直接触れる形ではない治療法として広く認められている。
〇規制改革委員会は基準認証制度において、公式に検査機関の独占をレビューして、型式認証方式などにおいて競争原理を導入することに努力しているが、そのプロセスについて欧州系の検査機関のヒアリングをすると、欧州はそれほど関心がないと感じている。第三者機関が承認されている分野においても、海外の検査機関が進出した例はない。進出の条件が厳しいのかも知れないが、他の理由があれば、教えて欲しい。欧州系検査機関が日本の型式認証制度の分野に進出する場合、どの分野に関心があるのか、検査のレビューに役立つので、教えて欲しい。
→詳細は後で準備するが、質問に感謝している。日本とEUが協力して自由なビジネス環境を作る共通の努力の一環として重要な分野である。日欧の相互承認協定の問題は相互に結果を信用し、認め合うことであり、第一に4つの分野を対象とし、協議を進めているが、協議自体は最終ではない。早い時期にまとまることを期待している。今は4つの分野であるが、MRAのやり方と同じで、将来的には対象分野を増やすべきである。より相互のビジネス環境をよくするための日欧の協力の柱であり、このような認証制度は互いに協調して互いに慣れる時期が必要である。EUとアメリカの相互承認協定のように、孤立した自分の制度だけでなく、他国とともに実行することであり、ファミリアライゼーション(慣れる)は必要である。時間をかけて解決して欲しい。
以 上
(文責:規制改革委員会事務室)