規制改革委員会
−速報のため事後修正の可能性あり−
第16回規制改革委員会議事概要
- 1 日 時:平成12年11月14日(火)10:00〜12:00
2 場 所:中央合同庁舎第4号館共用第1特別会議室
3 出席者
- (委員会)宮内義彦委員長、鈴木良男委員長代理、大田弘子、河北博文、鈴木祥弘、田中一昭、西村清彦、八代尚宏の各委員、永井信夫、宮村鐡夫の各参与
- (事務局)坂野総務庁行政管理局長、畠中長官官房審議官、上村規制改革委員会事務室長、熊埜御堂主任調査員、上田調整官
- 4 議事次第
- (1)見解の総論について
- (2)行政改革大綱の検討状況について
5 議事概要
(1)見解の総論について、事務局から見解案骨子のイメージを説明した後、委員間で議論を行った。その主な内容は以下のとおり。
- 見解において、これまでの規制改革の議論の中で積み残したもの、推進しようとしたができなかったものなどを示すかどうか考える必要がある。
- 当委員会のこれまでの取組の評価を自画自賛的にいうことはどうかという感じがする。
- 日本型第3の道の議論については、日本の国自体がグローバル化の流れに取り残されていることを軽視することのないよう表現を工夫する必要がある。
- 結果平等から機会均等への考え方が変わっていることや規制改革により既得権益を外すことが悪い印象を与える場合があるがそれが普通なのだということを強調すべきである。
- 企業の社会的責任については、昨今の不祥事のような法律違反の話は論外であって、企業法制、コーポレートガバナンス、会計ルール、競争政策等の企業運営のシステムをきちんと整備することで対応すべきものではないか。
- セイフティネットの議論については、予防医学を徹底するか、病気になったら徹底的に直すかという議論にたとえられる。非常に難しい問題である。予防医学を徹底することは非常にコストがかかり、パフォーマンスが落ちる。病気になったら徹底的に直す方がパフォーマンスは良い。このあたりをどのように表現するか検討すべきである。
- 新たな3か年計画については、これまでの経験を踏まえて、成果があればそれを続けたいと思うし、足りないというところは何かという反省を踏まえて、こうしたらもっと推進できるといったことを思い切って提言することも検討すべきである。
- 民民規制や地方規制については、これまで十分に取り組んでこられなかった。何らか改善ができる点があるのではないか。
- 「日本型システム」という書き方は規制を維持する側の論理に使われるおそれがある。規制改革は日本の持つ潜在力を活かすということである。企業や個人の行動を歪めないという原点を押さえる必要がある。
- 市場メカニズム万能論の立場から規制改革が言われているという誤解がある。市場メカニズムが万能と言う単純な議論は何処にもなく、当委員会としては、政府の介入や政府の役割がどこまで必要かという観点から取り組んできているということを明記すべき。
- 日本型第3の道の議論については、えてして規制を擁護する側の議論に利用されかねない。日本型システムというのは簡単ではなく、結果として生まれてくるものだと思う。むしろ日本の潜在力を生かすため、不要な規制を撤廃していく結果として、日本型システムが出来てくる。消費者重視や情報公開という理念は、日本型であるとなしとを問わず、どの市場でも普遍的に重要なものであるということを押さえるべきである。
- 「バランスのとれた規制改革」などといった抽象的な表現は、これも規制を擁護する立場にも使われる表現などで使うことは避けるべきである。
- セイフティネットはこれまで、企業や地域を対象と使われてきた。今後、弱い個人を守るものとして構築することを明記すべきである。
- 日本は世界的なスピードの時代から大幅に遅れている。他国との相対的な比較が重要である。
- 日本型システムという整理は1つの考え方としてあるが、それは必ずしも大量生産型工業社会と結びつけるだけでなく、それは高い成長と結びついており、今後の少子高齢化・低成長の時代には機能しなくなってきていることを入れるべきである。
- 日本型第3の道という言葉は、規制を使う側の口実と使われているので不適当。第3の道はなく、修正米国型か修正欧州型である。また目指すべきは修正米国型である。
- セイフティネットに関して、弱者としての企業は切り捨ててもいい。守るべきは、その結果路頭に迷ってしまった個人。個人を守るためのセイフティネットを構築すべきである。
- 司法改革が遅れていることが規制を擁護する論理となっていたことから、司法改革についても重点を置いて取り上げるべきである。
- 競争を基本において、政府が別の次元から何故介入しなければならないのかという理由を明確にして介入するという視点を明確にすべきである。
- 規制改革すべき事項は次々と出てくる。構造変化の激しい時代であるため、委員会がそれを一つ一つ潰している。規制改革委員会が存在しないことが望ましく、行政や政治は何をすべきかをはっきりと言っておくことが必要である。
- 大量生産型工業社会に関しては、水平分業型の大量生産へと大きく変化しているため、見解の用語においてもきちんと実態を反映した形で書くべきである。
- 構造改革に結びつけるダイナミックさが求められていることも明記するべきである。
- 国際的な「規格」の問題について欧州や米国と議論しているが、やはり日本型の第3の道と言うのはありうるのではないか。
- 国家は何のために存在するのか、国家とは何かという議論が基本にあるはずなのに、政治や行政にこうした議論がない。国家は民間がやらないところだけをやる。民間が育っていないときには国家がやらざるを得なかった。50数年間これをずっと引きずってきてしまった。21世紀に向けて変えていくためには重要なものの1つは税制である。国家は、何も無いときに種を蒔いてその後撤退すべき。種を蒔いても育たないところは国家が予算化して誰かに委託すればいい。
- 「規格」の問題については、第3の道のような話はあってもいい。ただし、資本主義の在り方ということに関連して議論される場合に、あいまいな日本型第3の道という言葉は使うべきではない。最近、酒屋は祭りの担い手で日本の文化の担い手という流れで使われやすいので、日本型第3の道のように出てきている。
- 次の規制改革のやり方として、郵貯などの問題を取り込む制度改革委員会にする必要がある。
- 当委員会が無くても規制改革がビルトインされればいいが、これまでの改革を振り返ってみると、そういうことは難しい。
- 当委員会として、政治に対してしっかりしてほしいという意見をいうべきである。
- 規制の意味として、地ビールのように効果が見える規制改革と見えない改革がある。自由度が出て、企業や産業を呼び起こすことが理解されていない。改めて見解に書くべきである。
- 3か年計画を2度行ったが、規制改革は消費者の立場からやることを明確に文章にされていない。消費者の視点が重要で、そこから規制を見直すと書くべきである。
- 行政手続法やパブリック・コメントに加えて、情報公開法も重要である。
- 日本の規制改革は大胆かつ早く進めるべきである。
- 日本型システムを変えていく必要がある。典型的には、教育システムの六三三制や公認会計士の試験制度など、日本型のシムテムを打破していく必要がある。他には、企業が会計監査されることに対する消極的である慣行も変えなければならない。経団連が規制改革を断固としてやれば相当程度のことができるはず。日本型システムが存在するので、これを打破していくとすることが望ましい。
- 行政改革委員会時代から何ができて何ができなかったのかを把握し、できなかったことを反省する必要がある。引き続きトータルに改革する必要がある。規制緩和推進計画が延長されるとしても、メリハリのあるものにするべきである。
- 司法改革については、競争政策の観点から不十分なものがあるようだ。少なくとも隣接資格の立場から、司法改革の推進に対して必要があれば意見を言うべきである。
- 公共事業の問題について、公正取引委員会は腰が引けている。保証会社は地域独占に近いが、公正取引委員会の対応が不十分である。また、再販の問題も残っており、いかに公正取引委員会が機能するかが課題である。
- 薬に関して、米国では一般薬は通常に売られているが、日本では薬剤師がいる薬局でしか売れない。医薬品から除外することによって対応してきているが、そうではなく、医薬品の範囲の中で一般薬を売れるようにするべき。薬についてはリスクがあり、通常の店で販売するとそのリスクを増やすことになるという主張を聞くが、リスクをゼロにするまで規制緩和をしてはいけないということにどう対応するか。
- 今まで取り組んできた規制改革が、本来やるべき規制改革の一部であるとするなら、危険かもしれないが、やりたかったけれどもやれなかったことを書くべきではないか。これをやると大変かもしれないが。透明性のある改革をやる必要がある。規制改革を制度改革と考えれば、生き方の問題になる。そのためには、日本の中で自然条件などの与件と変わるべき与件とがあり、その変わるべき与件を変えなければならない。それぞれの環境にあった最適なシステムを作るということである。
- 共生という言葉は、明らかにスウェーデンやデンマークのコミュニティを前提にしたものである。そのコミュニティ同士は競争している。競争と共生は矛盾することではないが、共生という言葉を使うことは、ゆがんだ使い方をする人もいるので、気をつける必要がある。
- 司法の問題についても、委員会の見解で触れておくべきである。
(2)行政改革大綱の検討状況について、総務庁行政管理局上村管理官より報告があった。
以 上
(文責:規制改革委員会事務室)