規制改革委員会
−速報のため事後修正の可能性あり−
第19回規制改革委員会議事概要
- 1 日 時:平成12年12月5日(火)10:00〜12:00
2 場 所:中央合同庁舎第4号館共用第1特別会議室
3 出席者
- (委員会)宮内義彦委員長、鈴木良男委員長代理、石倉洋子、大田弘子、河北博文、後藤晃、鈴木祥弘、田中一昭、西村清彦、野口敞也、牧野昭次郎、アンソニー・ミリントン、八代尚宏の各委員、永井信夫、宮村鐵夫の各参与
- (事務局)斎藤内閣審議官、坂野総務庁行政管理局長、畠中長官官房審議官、上村規制改革委員会事務室長、熊埜御堂主任調査員、上田調整官
- 4 議事次第
- (1)見解案(各論)について
- (2)見解案(総論)について
- (3)その他
5 議事概要
(1)見解案(各論)について、各WGから見解案のポイント及び調整が残っている事項について報告があり、それについての意見交換を行った。その概要は以下のとおり。(●:質問、→:応答)
【教育分野の報告のポイント】
- 関係省庁と意見が分かれていた5点について、すべて決着した。@いわゆるフリースクール・ホームスクール(不登校の子供を対象にしている教育施設)について、緩やかな連携の下で弾力運用について検討を行う、とした。A学年ではなく習熟度に応じて教育を行うことについて、学年を超えてクラスを作ることには抵抗が強く、実現可能性について検討する、とした。B高校卒業資格認定試験については、試験の在り方について検討、となった。C営利法人が学校を作ることについて、これまであまり議論されておらずこなれていないこと等から、営利法人なみに大学の情報開示をすることを求めた。D大学の学部・学科設置の自由化について、学部については中長期的課題とし、学科について現在の認可制を改めるべき、と指摘した。
【情報通信分野の報告のポイント】
- 決着がついてない点が2つある。一つはNHKのBSデジタル放送のスクランブル化。もう一つは、NTTの経営形態について、持ち株会社の廃止についてどう書き込むか。これからのヒアリングも含めて考える。その他については調整済。ケーブルテレビも含めた線路敷設問題、周波数割当のオークション制、行政の情報化についても言及している。
【競争政策等分野の報告のポイント】
- 規制産業における競争政策の在り方について、電気、ガス、運輸産業について競争を行うために公正取引委員会が積極的に関与していく仕組みを検討すべきだと提言している。次に、一般集中規制に関し、持ち株会社の規制や金融会社の持ち株規制について、独禁法の5年後の見直しに向けて提言しているが、総資産の上限について15兆円とか持ち株の5%とか、外形的な数値規制を撤廃して集中規制を見直すべきであると提案している。この点は調整が残っている。
●NTTの経営形態問題については、どこまで書くのか。
→今朝のヒアリングでは、かなりフランクな話を伺うことができた。委員会としては持株会社廃止を書きたい。再編後間もないこと等の事情もあり、明日のヒアリングでも聞く予定。
【環境分野の報告のポイント】
- いくつか調整中のものがある。経済的インセンティブの活用として、内部化するため税制のグリーン化を入れたが、関係省庁の中で考え方が違うためさらに調整が必要。土壌汚染の処理については、最初は法制化をすべきであるという表現だったが、法制化を含め実効ある制度についての検討という書き方となった。自動車のリサイクルについて、先日閣議決定された「経済構造の変革と創造のための行動計画」の中で既に言及されていることもあり、進捗状況を注視という表現にとどめる。医療廃棄物の感染性廃棄物の定義について、運用が曖昧になっているところをもう少し詰めていきたい。
【運輸・エネルギー分野の報告のポイント】
- すべて決着している。運輸分野は、船員職業紹介の規制緩和、トラック運賃の事後届出制、タクシーの緊急調整措置、貨物運送取扱事業の参入規制の緩和等について指摘する。
- エネルギー分野では、電力については、新規参入が円滑に進むよう、公正取引委員会と通産省とのガイドラインの遵守、3年後の見直しを待っておれないので検討は開始、との方向を明示した。ガスについても3年後の見直しについて同様。文言の修正はまだ多少残っている。
【流通・農業分野の報告のポイント】
- 基本的にすべて決着している。インターネットを前提としていない各種法令の見直しについて、書面一括法の成立を評価している。訪問販売法と割賦販売法について、政省令を速やかに整備すべきことを指摘している。大店法立地について閉店時間の繰り下げに際して弾力的な運用をすることを指摘している。調整が難航したのは医療品の販売で、販売範囲について検討とした。また、EUから体外診断薬についてなぜ医薬品に含まれているかの意見もあったが、抵抗も強く、規制の妥当性について検討が必要と考える、とした。
- 農業については遺伝子組み替えについて、前回の委員会で説明したとおりだが、過度の規制にならないようにとした。
【住宅・土地、公共工事分野の報告のポイント】
- すべて決着している。基本的に4点。1つは不動産競売市場の活性化・情報開示。短期賃貸借制については民法第139条の廃止を含め検討すべきとした。情報開示については、不動産情報ネットワークの情報を活用する。2番目は中古住宅ストックの活用について、価格査定の画一性、物件情報について、これを解決する方策について検討すべき。ストック管理については、修繕マニュアルの作成、計画策定時の考慮事項の例示等を政府が進めるべきであるとした。マンションの建て替えの促進について、様々な問題があることについて、現行の区分所有法の問題点を明示した。3番目の中山間地の問題については、農地所有の規模の弾力化。リタイアしたサラリーマンが農業に参入できるよう、また、環境の面から新しい農業を進めることができるように、農地法を地域の実情に応じた弾力的な運用ができるようにすべきとした。これに関連して、中山間地等直接支払制度が始まったばかりであり、検証し、必要に応じ見直すべきとした。最後に、パブリック・インボルブメントについて、若干後退したが、実効性を確保する形で一歩前進し、国の施策が地方にも波及するためのモデルを作るとした。
【医療・福祉分野の報告のポイント】
- 作業がずれ込んでいる。幅広く医療サービスについて踏み込んでいるが、関係省庁より多くの意見が来ており、今日の午後協議を予定している。特に調整に手間取っている論点は、配置基準、株式会社の病院参入、混合診療など。根拠に基づく医療、医療の専門職の要請、これにからんで研修制度をどうするか、医療事故防止対策、救急患者への対応等については、方向性についてはほぼ同意を得ている。
- 福祉関係については、ほぼ決着が付いているが、1点だけ残っている。介護保険制度がスタートして、例えば点眼、薬を塗る、痰の吸引などの行為について、医療の側からすれば看護婦なりがするべきだが、家族はできるが他者はできない。どこまでができて、どこからはできないのか、これも詰めて行かなくてはならない。
【雇用・労働分野の報告のポイント】
- すべて決着している。裁量労働制が大きな論点。企画業務型の導入が困難であるため、まずは施行状況調査を行うとした。職業紹介事業についても事業所面積の緩和について指摘している。また手数料について、個人から取ってはいけないとなっているが、より範囲を厳格化する、職業紹介以外のサービスについて料金徴収が可能であることを周知徹底すべきとした。派遣労働にしては、アメリカでは職業紹介と一体だが、日本では厳しく区別されている。そのため中間に立つ紹介予定派遣が使いにくくなっているが、制度の円滑な実施について指摘している。社会保険制度については、ボーナスを月収に振り分けている場合には保険料負担が大きくなっているため、年収基準での保険料とすることを指摘。雇用保険は強制適用であるにもかかわらず私学教員が余り加入していないことについて、未加入者への加入促進を提言している。最後に、解雇規制は重要であるが、時期尚早とのことで制度の見直しについては言及できなかった。また、個別労使紛争が増えてくることについて、労使関係法の見直しをすべきだと考えたが、労使双方が望んでいないとの主張もあり、先送りせざるを得なかった。
●医療分野について、3年経っても何も進歩していない印象があるが、展望はどうか。
→医療の世界の中での議論は進んできてはいる。実体的にはこれまで提案してきた中身が活かされているのではないか。政治的状況が変わったり、一般の方が理解が高まったりすれば、進むのではないか。
→そのとおりと思う。患者との接点は改善されてきた。患者への情報開示、患者の選択・情報開示は進んでいる。一方で、医療機関同士の競争、医療費の構造は変わっていない。少しずつは変わってきている。
【基準認証・保安の報告のポイント】
- 自己責任原則に則った検査制度、従来、官が行っていたものについて、民に任せるべきとの考えで検討を進めてきた。今年は特に優良事業場についてはインセンティブを与えるような制度を導入すべきことを指摘しているが、文言の部分でまだ決着していない。また、公益法人要件の民営化について、前向きの取組が見られている。
- 個別要望については、出入国手続の見直しなどひとつひとつ対応している。
- 保安4法について、関係省庁・関係業界からなる検討会が原案をまとめ、それにしたがって進めていく。
【資格制度の報告のポイント】
- 業務独占と必置資格がある。たくさんの問題を抱えている。
- 業務独占は、第1次見解の時から横断的に調べて、関係省庁に見直しを求めてきた。今年は、登録と強制入会制について取り組むことが最大の問題であった。競争制限的にならないよう、情報の公開をすべきとした。資格者団体の実態把握等が重要である。競争すべきではないという考え方を変えていかなくてはならない。
- 必置資格についても一年遅れで昨年度から取りかかった。本来は企業自体のマネジメントシステムに任せるべきで、誰かを置けば良いのかということを検証すべき。規制のためのコスト、責任者を置いておくことに意味があるのかということについて、所管省庁がきちんと考えているのか、引き続き注視することが必要である。
- 具体的に人が絡む問題であり、資格制度はなかなか廃止されない。省庁も効果が説明できないものがあるが、資格の廃止については提示できなかった。廃止の視点から将来検討すべきとするにとどまった。
●同じ分野横断的取組として、基準認証の検討と資格制度の検討との間に連関はあったか。
→必ずしも関連をもって進めてきたわけではないが、総合的にとらえる必要はあると思う。
各論の部分については、委員長、委員長代理及び各WGの担当主査に一任となった。
(2)見解の総論について、前回からの大きな変更点等について事務局から説明があり、それについての意見交換を行った。その概要は以下のとおり。(●:意見又は質問、→:応答)
●先進諸国の中でこのような委員会を設けて規制改革に取り組んでいるところはあるのか。
→OECDの枠組みとして、加盟国は規制改革に取り組まねばならないことになっている。
→英国の例を見ると、日本の総理府のような組織の内部に規制改革を進めるための組織がある。委員長は大臣で、他のメンバーのほとんどは民間人という構成になっている。
●総論の中では「IT化(情報化)」という言葉を使っている一方で、各論の中ではITのことを「情報通信技術」という言葉で説明している部分がある。どういう語句を使うかはある程度統一すべきではないか。
→検討する。
●規制改革の緊急性に言及した部分で財政赤字だけがその理由であるかのように書いてあるが、IT化や少子高齢化などもそうしたことにあたるのではないか。
→昨年度の第2次見解でも同じく緊急性について言及しており、そこでご指摘のIT化や少子高齢化について書いている。今回の見解ではそれに加えての指摘と言うことでご理解いただきたい。
総論の部分については、委員長、委員長代理及び相談委員に一任となった。
(3)総務庁行政管理局より「行政改革大綱」、「規制緩和推進3か年計画のフォローアップ」、「経済構造の変革と創造のための行動計画」及び当委員会が行った公開討論についての雑誌記事について報告があった。
以 上
(文責 規制改革委員会事務室)