規制改革委員会

−速報のため事後修正の可能性あり−

第23回規制改革委員会議事概要



1 日 時:平成13年3月21日(水) 10:00〜11:40

2 場 所:中央合同庁舎第2号館共用第3特別会議室

3 出席者

(委員会)宮内義彦委員長、鈴木良男委員長代理、石倉洋子、河北博文、後藤晃、鈴木祥弘、西村清彦、牧野昭次郎、アンソニー・ミリントン、八代尚弘の各委員、永井信夫参与
(事務局)[内閣府]吉原参事官、[総務省]坂野総務省行政管理局長、堀江大臣官房審議官、上村規制改革委員会事務室長、熊埜御堂主任調査員

4 議事次第
(1)「規制改革推進3か年計画」案(総論)について
(2)「規制改革推進3か年計画」案(各論)について
(3)法令適用事前確認手続について
(4)その他

5 議事概要

(1)「規制改革推進3か年計画」案(総論)について、前回の委員会において意見が出たものを中心に、変更点等について説明が行われた。

(2)「規制改革推進3か年計画」案(各論)について、各分野担当主査より検討状況について報告がなされた。

情報通信:情報通信分野ではITが横断的に取り上げられた。ネットワークインフラの整備と競争施策、電子商取引の環境整備を盛り込んでいる。ドミナント規制、NTTのあり方等については、まだペンディング状態である。

環境:見解の個別事項はすべて盛り込まれた。また基本方針の中で、費用負担の仕組みづくり、情報開示、意識高揚、環境アセスメント、循環型社会の構築等について触れた。規制改革により公正かつ公平感のある社会を実現することが一番大切である。

競争施策:基本方針は当委員会の見解と一致しているが、若干の懸念がある。不当廉売について詳しく書かれており、他の部分とのバランスが取れていない。正当な価格競争まで阻害することにならないかとの懸念を抱いている。個別事項は見解に沿ったものだが、再販制度についてはペンディングで公正取引委員会に下駄を預けたかっこうになっている。公取委が見直しを行って結論を出すことになっている。見解になかった項目も入っているが、内容は結構である。

運輸・エネルギー:トラック事業の規制等、見解に従ったものになっている。エネルギーは電力の関係でロサンゼルスの電力不足問題等があり巻き返しがあったが、見解どおりになっていると理解。

流通・農業:見解の指摘事項を踏まえたものとなっている。農業では、遺伝子組換え農作物の品質表示、遺伝子組換え技術の環境安全性のための情報公開に取り組むこと。流通については、卸売り手数料の合理化、大店法指針の適切な見直しや地方公共団体が法の考え方を逸脱しないよう技術的助言をすること、カタログ販売できる医薬品の範囲の見直し、薬剤師の配置見直しについて検討することが示された。

住宅・土地、公共工事:不動産市場のパフォーマンス向上について、短期賃貸借及び区分所有法の改善又は新法について期限を切って結論を得ることとなった。中山間地の計画的な保全については、農業分野のほうに書いたが、価格支持政策から直接支配へと施策転換を行うこととなった。今後引き続いて検証していくことが重要である。公共事業におけるパブリックインボルブメントについては、及び腰ながら本年より本格的にスタートした。今後、適用範囲を広げてゆくことが課題である。

医療・福祉:医療は、競争施策としてインセンティブの観点から医療費体系のあり方について検討する、医療機関の経営形態に応じた診療・報酬体系の見直し(ホスピタルフィーとドクターフィーの区別を含む)、混合診療について制度の積極的活用、保険者機能の強化(保険者がレセプト審査を行う)についての検討が盛り込まれた。他には救急医療の充実、電子カルテの充実、医療機関の広告規制について広告できる範囲を幅広く認めたこと、が盛り込まれている。福祉に関しては、特別養護老人ホームのホテルコストについての見直し、これについては、在宅介護は自由参入だが施設介護は社会福祉法人の独占であるが、最大のポイントはホテルコストにある。これを見直すことについてイコールフッティングを図る。また施設介護サービスへの民間企業の参入、保育所に対する補助だけでなく利用者への補助も検討することが計画に盛り込まれている。

雇用・労働:雇用機会の拡大のため、民間職業紹介事業への規制の合理化、労働者派遣事業については派遣期間制限の緩和の拡大について検討する、セーフティネットについて雇用・社会保険制度の未加入者への加入促進等公平性の確保、多様な働き方として有期労働契約・裁量労働制についても検討の前段階として実態把握の調査を行うこととなった。

教育:初等中等教育については私立設置の促進のため設置基準の明確化、学校選択の自由化、児童に合わせた少人数教育のための教員配置、社会経験を持つ教員の採用、学校からの情報発信の強化等。高等教育については大学の経営情報等を入手しやすくすること。大学については設置基準を明確化し自立的な運営を図れるようにする。研究機関については人材の流動化、産学連携を一層推進する。全体的に平成13、14年度までに結論ないし措置としている。見解の指摘事項以外で盛り込まれたのは、教育改革国民会議から報告があった、教育委員会の組織運営の活性化、児童等の問題行動への対応、がある。

基準・認証、保安:横断的取組として、性能規定化、国際整合性、ワンストップサービスなど。これまで自己確認・自主保安化を進めてきた。各省庁において見直しを行ってきている。現行計画では本年度が最終期限であリ、報告を求めているが、これで終わりとするのではなくて、社会情勢、技術革新の進展は続くため、継続して検討することが必要である。特に重視すべきことは、自己責任の考え方に基づく検査制度の改革こそが安全性を達成するために効果的であると発想の転換を求めている。また、事前規制から事後規制への転換について、どのような事後規制を行えば事前規制を撤廃することができるのか検討させている。

資格:業務独占資格については強制入会制、それに伴う問題を取り上げている。特に報酬規定。所管省庁においても自発的な取組が進んでいる。必置資格については、見直しの基準を踏まえて個別の資格ごとに見直しをした。平成13年度中に何らかの結果を出すことになっている。

法務・金融:見解指摘事項は盛り込まれている。それ以外のものについても適切なものが盛り込まれており、異論はない。

 引き続き意見交換がなされた。(●は意見・質問、→はそれに対する応答)

●競争政策等で不当廉売が盛り込まれた事情と、それに対する当委員会の考え方は。
→主にお酒、ガソリンスタンド、家電。規制緩和によってディスカウンターが伸び、既存の小売店の経営が厳しくなり、公正取引委員会に不当廉売として取り締まって欲しいとの要望がある。業界団体を通じて政治の方から要望が来ているようで、公取委は「注意(不当廉売の恐れがある)」を出してしのいでいる。ただし公取委が「注意」を出すことについて独占禁止法の根拠はなく、逆に公取委は法的措置をとることを避けているとも言える。不当廉売と価格競争の境界はあいまいで、あまりに不当廉売と言うと、正当な価格競争が阻害されないか懸念している。我々としては法的根拠がない「注意」を公取委が出すことは好ましくないので牽制していたが、もっと不当廉売を取り締まれという声が大きくなり、ここに入ったと理解している。

●不当廉売の議論は不本意だと思うが、微妙なところでもある。不当廉売だと主張することに肩入れしているような記述は変えるべきではないのか。
→両方の側面があって、取り締まる必要はあると言っているし、そこをどう位置付けるのか。この時点でペンディングになっていないものを変えたり、抜いたりすることはできるのか。
→3か年計画は当委員会が出すものではないので、見解までは責任を持つが、それを受けた計画は行政レベルで責任を持つものと認識している。意見は言えても、文言まで変えろとは言えないのでは。
→委員会の力及ばずで仕方ない部分もあるが、全く反対とはいえない。
→ここについては反対ということは委員会として言えるのだろうけど、そこまでやることに意味があるのかは疑問。

●運輸分野で2つある。1つは空港着陸使用料についてで、在り方の検討が必要であると見解で指摘したものが落ちているのでは。もう1つは、高速道路での二輪車の二人乗りについては3年前の3か年計画から既に「調査・検討」となっていて、これからまたさらに3年間検討して平成15年に結論、となっているが、更に3年も検討が必要なのか。
→離発着料を安くするには、収入を増やすか、支出を抑えるか、費用補助をするしかない。我々は答えを見つけることができなかった。在り方の検討は必要ということは総論で記述しただけである。二輪車についてはそのとおりの面もあるが、我々として今年度フォローアップすべきだったという反省点を述べるにとどめたい。

●概要ペーパーについて、マイナーなことばかりを拾っており、メジャーなことが書かれていない。区分所有法改正の話とか入れていただきたい。
→このペーパーは各省とも協議したものだが、ご指摘の点については検討したい。

●重要なものがまだペンディングで残っているが、努力の結果、今の段階でここまでまとまってきたところ。ペンディングのものについてはぎりぎりの折衝を進めていただく。各担当主査に御一任をいただきたくとともに、最後については委員長と委員長代理にお任せいただきたい。

(3)法令適用事前確認手続について
 「行政機関による法令適用事前確認手続」について、資料に基づき、総務省より説明があった。

●パブコメの手続を行うべきではなかったか。
→各府省との間で認識の統一が取れていなかった。まず手続の導入を行い、実態を踏まえてフォローアップをして見直しをする過程で、問題を摘出していきたい。昨年12月の閣議決定で平成13年度から実施という日程は決まっていた。時間をかけて枠組みについてもパブコメをやるという考え方もあるが、制度の立て方として、大きな枠組みを総務省が作り、その中で各府省が細則を作っていく。各府省は、必要があれば、パブコメをするか判断するをとったことを理解していただきたい。

(4)その他
 本日の委員会で実質的に最後の会議である。
 ここで提案がある。新三か年計画の閣議決定に際し、新たな審議機関への期待を込めつつ、国民への規制改革へのメッセージを発表したい。閣議決定の直後のタイミングで行いたいが、どうだろうか。素案を資料として用意した。(事務局より説明)
 こういう形のもの(メッセージ)を国民に語りかけるのが良いと思う。気持ちとしては道半ばであり、こんなことでいいのかと思いを持ちつつ、これまで来た。これで終わってしまうのは残念だが。新たな審議機関ではさらに次に進んでいってほしい、と委員会は考えているというメッセージを出したいがよろしいか。(了解)

以 上
(文責 規制改革委員会事務室)