規制改革委員会
−速報のため事後修正の可能性あり−
第7回規制改革委員会議事概要
- 1 日 時:平成12年7月21日(金) 午前10時〜12時
2 場 所:中央合同庁舎第4号館共用第1特別会議室
3 出席者
- (委員会)宮内義彦委員長、鈴木良男委員長代理、石倉洋子、河北博文、神田秀樹、鈴木祥弘、田中一昭、西村清彦、野口敞也、牧野昭次郎、アンソニー・ミリントン、八代尚宏の各委員、小川正人、川渕孝一、小林重敬、永井信夫、宮村鐵夫の各参与
(マッキンゼー・アンド・カンパニー)平野正雄ディレクター、横山禎徳ディレクター、近藤正晃ジェームスマネージャー
(政府)続総務庁長官、海老原総務総括政務次官
- (事務局)齋藤内閣審議官、瀧上行政管理局長、坂野総務庁長官官房審議官、田部規制改革委員会事務室長、高野主任調査員、熊埜御堂主任調査員
- 4 議事次第
- (1)総務庁長官挨拶、総務総括政務次官挨拶
(2)IT戦略会議との連携等について
(3)論点公開案概定
(4)公開討論テーマ概定および今後の審議スケジュール
(5)マッキンゼー・アンド・カンパニーからのヒアリング
5 議事概要
(1)冒頭、続総務庁長官及び海老原総務総括政務次官から、それぞれあいさつがあった。
(2)IT戦略会議との連携等に関して、事務局から、日本新生プランの推進体制の全体像、IT戦略会議・IT戦略本部合同での初会議を受けて既に電子商取引の推進等についての総点検作業が政府部内で開始されたこと、及びそれらを受けた今後想定される当委員会としての作業予定等について事務局から説明があった。その後引き続き、IT戦略会議委員として先般のIT戦略会議の初会議に出席した委員長から、その際の模様等が報告されるとともに、IT化推進のための規制改革・制度改革に前倒しで取り組んでいくことの必要性と重要性について発言があり、意見交換の後、IT戦略会議と連携を取りつつ、IT化の推進のための規制改革に着せ改革委員会としても前倒しで取り組んでいくとの方針が基本的に了承された。
(3)論点公開について、事務局から最終案についての説明があり、意見交換の後、全会一致で了承され、概定された。なお、25日に宮内委員長が官邸に総理大臣をお訪ねすることとなっていることから、その結果を踏まえて翌26日に正式に公表をすることとされた。
(4)秋以降の想定される審議スケジュールについて及びその中における公開討論のテーマ候補等について事務局より説明があり、意見交換の後、了解された。特に、IT関係については、必要に応じ前倒しで審議する準備態勢を取ること、公開討論としては、規制改革についての総論の議論の幅を広げるための「総論」、今年度の重点分野でもある「IT化(情報化)」、国民生活に密接に関連する分野でもある「医療・福祉」、産学連携の推進など広い意味での「教育」という4つの分野・テーマを候補として、所要の調整を進めていくことが了承された。また、このうちIT化のテーマについては、その内容にもかんがみ、公開討論のインターネット中継を行うべく準備を進めることとしたいと事務室から報告があった。
(5)マッキンゼーより日本経済の成長阻害要因につき以下の説明があった。
- 以下の分析はミクロ的積み上げでマクロ的な改善策を論じたものである。
- 日本経済の2重構造が、輸出主導型産業と国内向け製造、サービス業の間でみられる。
- 財政出動によるGNPの向上は限界にきている。
- 国民一人あたりの労働投入量は減少しており、一人あたりのGDPの水準を維持するためにも労働生産性の向上が必要である。
- 資本生産性も米国に比較して40%低い。
- 今後の日本経済の成長のポテンシャルは、産業別に積算した結果、労働投入量のマイナスを勘案しても4%ある。
- 国内向け製造、サービス業の生産性の低さは、例えば小売、食品加工、住宅、医療の各分野(合わせて労働市場の20%の規模になる)で顕著である。
1)小売業の生産性の低さは、家族経営商店の多さに起因する。
2)小売業と食品加工業には高い相関関係があり、小売の進展がないと加工業の零細構造は変らない。
3)住宅では、単世帯住宅の小規模開発の割合が大きく、生産性が低い。
4)住宅の競争は、不透明性が高く、大手のシェアが過去変らないなど改善の必要がある。
5)医療については患者の満足度がカナダ、米国、ドイツ、英国と比較した場合、一番低い。
6)医療新技術の導入が日本は遅い。
7)処方量は米国の3倍、世界でもっとも売れている薬のうち5品目は認可されていない。
8)高齢者を除いた入院期間はドイツの2倍、院内感染発生の一因となっている。
- 以上の分析を通じ、参入自由の確保、競争の促進、退出の促進、が業界構造を変革するためにも必要であることが認識できる。参入障壁の撤廃は規制緩和で促進し、それに加えて情報提供の推進と個人の保護に留意した退出の促進をすべきである。
1)大店立地法の環境アセスメントは参入障壁となりえる。
2)小売業の退出を促すには、相続税を見直すべきである。
3)食品加工業の関税障壁が高さを見直すべきである。
4)中古住宅市場の整備が遅れており、価格情報などの提供が十分でないが、米国では中古住宅市場の評価が公的に行われており、日本においても政府が価格、情報を整備することが必要である。
5)日本の失業保険の給付額は低い。構造改革をすすめるためにも時限措置で給付を見直すべき。
6)構造改革による失業の増大に対応して、医療分野での雇用増を図る措置を講じるべきである。
7)構造改革を実施した場合、年率6%の生産性の向上も可能である。
(主な質疑応答)(○:委員、参与の意見、→:マッキンゼーの応答)
○ 土地を保有することによる節税メリットは土地の売却価値をどう見るかということを考慮しないと正確には算出できないのではないか。
→ここでは単純化して比較している。
○ 労働生産性を考えるに当たっては、社会保障関係の費用も考慮に入れるべきではないか。
→ご指摘のとおり。
○ 労働生産性に関する産業別ケーススタディを行うに際して、ここで取り上げている小売業、食品加工業、住宅建設業、医療の4分野を選んだのは何故か。
→経済全体に占める割合の大きい分野を選んだ。
○ 建設業に関する分析はないのか。
→海外であればあるが、日本のものについてはない。
以上
(文責 規制改革委員会事務室)