8 住宅・土地、公共工事

(1)都心部等の都市内の土地の有効利用促進方策

 現在、我が国では株価の回復に見られるように、企業活動の再活性化への芽が見られるが、これと対照的に都市部の地価はいまだ大幅な下落を続けている。株価も地価も、そのファンダメンタルズは将来予想収益の割引現在価値であり、市場による「将来性評価」という性格を持っている。したがって、最近の株価と地価の動きの乖離(かいり)は、日本の企業収益性が回復しつつあると市場が見ているのと対照的に、日本の都市の土地収益性については市場は依然として厳しい評価を持っていることを意味する。(ただし、現在の地価を評価する際には、1)我が国の地価決定にはファンダメンタルズの他に、夾雑物として「制度に付随する利用価値」と「バブル価値」が存在し、地価下落はこの「お化粧」が剥げ落ちたという性格もあること、2)地価は、鑑定評価という性格から現在の土地経営の評価ではなく、土地を有効利用した場合の評価という性格がある点にも注意すべきであることは言うまでもない。)世界のどこにあろうと、投資対象として魅力のある都市には、生産活動を行おうとする人々が集まり、土地の収益性は高まる。現在、市場が厳しい評価をしているのは、投資の対象として、日本の都市の土地の魅力に疑問符がついていることを示唆する。この意味で、都市の魅力を回復する都心部のリノベーションの問題は、ミクロの都市問題であるとともに、マクロの日本経済活性化の問題でもあるとの認識を持つことが重要である。

 また、都心部リノベーションは、生産・消費・労働・余暇・子育て・老後等の全てに関連し、特定の「市場」を超える総合問題であることから、単純な規制緩和のみの議論で扱える問題ではない。現在、都市計画中央審議会において都市計画制度の見直しの審議が精力的に進められているところであるが、当委員会としても「街づくりのやり方を改める」という観点に立って、新しい価値を創造する「戦略的規制」や「新たなルールづくり」も含めて、規制改革を図ることが必要であると考える。

 ア 多様な建築計画を可能とする新たな都市計画制度

 都市内の土地利用については、都市計画において、必要に応じ、用途地域等の地域地区が定められることとされており、市街化区域においては、少くとも用途地域を定めることとされている。用途地域ごとに一般的に定められている建築物の用途制限、容積率等については、地域の実情に応じて土地の有効高度利用を積極的に進めるために、高度利用地区、高層住居誘導地区等により、用途地域で定められた建築物の容積率の割増しや適正配分、形態制限の特例等がなされている。

 今後、多様な建築計画や街づくりの要請がますます高まることが予想されることから、都心部等一層の高度利用を図るべき地域については、用途地域などによる都市計画の枠組みを基本としつつ、地域の実情と個別敷地の条件を踏まえた柔軟な建築計画が実現できる制度とすべきである。

 イ 地区計画制度の改善

 それぞれの地区において良好な街並み・景観・環境を創出・維持・保全する観点から、今後、地区レベルの詳細計画である地区計画の果たす役割はますます大きくなると考えられ、その普及・活用の促進を図る必要がある。

 したがって、整備、開発又は保全のすべての面において地区計画を活用することが期待される市街化調整区域以外の区域において、より自由に地区計画の活用が可能となるようにすること及び複雑化した地区計画等の内容等についても一覧性を高める方向で、都市計画法において整理統合を図ることについて検討すべきである。

 ウ 都市施設の都市計画制限の合理化

 都市施設に関する都市計画が定められると、その区域においては建築制限等の都市計画制限が地上から地下まですべてに及ぶことになる。これは、都市施設に係る都市計画に立体概念が乏しいことに原因があると考えられる。

 今後、既成市街地の地上空間及び地下空間における都市施設の立体的整備を促進するため、都市施設に関する都市計画決定について、従来の「区域」に加えて、「占有空間」を都市計画決定することができることとし、これに併せて、都市計画制限についても、必要な見直しを行うことについて検討すべきである。

 エ 都市計画の透明性の確保

 現在、都道府県又は市町村は、都市計画の決定等をしようとする場合、必要に応じ公聴会の開催等住民の意見を反映するために必要な措置を講じた上で、都市計画の案を作成し、この案を公衆の縦覧に供し、関係市町村の住民及び利害関係人から提出された意見書の概要を都市計画審議会に付議するとともに、必要な場合には、それぞれ国又は都道府県との調整を経て、都市計画を決定するという手続を踏んでいる。こうした決定手続は、都市計画が住民の財産権に直接影響を与えるものであるとともに、その決定等に当たって専門的、技術的判断が必要とされることから採られているものである。近年、行政全般について、意思決定過程におけるアカウンタビリティの向上が求められており、都市計画決定に当たって、その必要性を十分に説明するなどの配慮を行うとともに、住民の理解を深めるため、地方公共団体の判断により、条例で縦覧期間を延長するなどの措置が可能となるよう検討すべきである。

 また、こうした制度を実質的に機能させ、都市計画を分かりやすいものとするため、都市計画決定の際、都市計画を定める必要性(根拠)や当該案を選択した理由を明らかにすることや、都市計画に関する情報を開示すること等も重要であると考える。

 オ 住民による地区計画提案制度の創設

 近年の行政に対する市民参加の要請の高まりの中で、地区レベルで定められる都市計画である地区計画については、生活者たる住民自らの意思による街づくりを促進する観点から、地権者等から市町村に対して案の提案をより柔軟に行える方向で制度を見直すべきである。

 また、こうした制度を実質的に機能させる上で、都市計画の専門的知識を有する者がその知識や経験を有効に活用しうる仕組みを構築することも重要と考える。

(2)都市郊外部における計画的な土地利用転換・保全

 ア 都市計画の区域区分に係る必要な制度見直し

 都市計画においては、都市計画区域(一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全する必要のある区域)を区分して、市街化区域(既に市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域)及び市街化調整区域(市街化を抑制すべき区域)を定めること(線引き)が原則とされている。市街化区域及び市街化調整区域において開発行為をしようとする者は、法律に定められた基準に基づきなされる都道府県知事の許可を受けなければならないこととされる。

 こうした線引き制度は、昭和30年代後半から40年代にかけての高度経済成長期に三大都市圏を中心として都市への人口及び諸機能の急速な集中が進み、必要な公共施設等の整備が追い付かないまま市街地の無秩序な外延化(スプロール化)が進む中で導入されたものであり、限られた都市整備財源を市街化区域内に集中的に投資し、市街地を計画的に整備・改善する一方、市街化調整区域において開発・建築行為を抑制することにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図ることを目的とするものである。

 しかし、現在、一部の地域を除いて都市への人口集中は沈静化する一方で、都市機能を支える各種の産業の立地については、交通・通信網の整備とモータリゼーションの進展等に伴い、立地上の制約要因が無くなりつつある。線引き制度についても、こうした経済社会の変化に対応した制度とする必要がある。

 第1に、現在の地方公共団体の都市計画行政における定着状況及び三大都市圏を中心に依然として存在する市街化圧力を考えると、線引き制度自体は、維持することが基本的に適当である。しかし、三大都市圏の既成市街地等一定の都市計画区域以外については、線引きするか否かは、都道府県が当該都市計画区域の市街化の状況、将来見通し等の地域の実情を踏まえて決めることができるようにすべきである。

 第2に、現在、市街化調整区域について、全国一律の開発許可基準が適用されていることから、地域活性化を図ろうとする際の阻害要件になる場合がある等の弊害も指摘されているところである。このため、市街化調整区域について、全国一律の基準により開発を抑制するのではなく、区域内の状況に応じて開発許可基準の変更ができるよう、弾力化を図るべきである。

 第3に、線引きをしないいわゆる非線引き都市計画区域については、市街化圧力が弱く、一定地域の市街化を特に促進するとの判断がなされていない区域であることから、必要に応じて用途地域、地区計画、保全系の地域地区を定められることとするほかは、一般に開発を抑制するような厳しい立地規制を適用しないこととすべきである。

 第4に、開発許可制度においては、一定の宅地水準の確保のために法令で定める技術的基準が適用されているが、街づくりに対する考え方が多様化しており、また、開発許可に係る事務が地方公共団体の自治事務になること等を踏まえ、一定の宅地水準の確保のため、技術的基準については法令で定めつつ、地域特性に応じて地方公共団体が個別に条例で基準を付加・強化すること等を可能とする制度とすべきである。

 イ 農振農用地の指定に係る基準

 近年、都市郊外部で大規模商業施設が立地する際等に、土地利用規制上の問題が生じるケースがあり、その際、いわゆる農振農用地区域における農地転用の問題として生じる場合も少なからずある。すなわち、農振農用地区域内の農地及び採草放牧地の転用については、農用地利用計画において指定された用途以外の用途に供されないようにしなければならないこととされていることから、その転用に当たっては、農用地区域からの除外が前提となる。

 現在、農振農用地区域内の土地を同区域から除外する場合、当該農地の重要性、周辺農地への影響に加え、転用後の土地利用目的の公益性等をも勘案しつつ判断されている。本年成立した食料・農業・農村基本法において、農地の確保及び有効利用が明確に位置付けられるとともに、地方分権推進一括法により、農業振興地域制度が都道府県及び市町村の自治事務として新たに位置づけられたことに伴い、本年7月に農業振興地域の整備に関する法律の一部改正法が成立し、従来、通達で定められていた農用地区域の基準についても法令上明確化されることとされた。

 現在、この基準案が作成されているところであるが、その策定に当たっては、パブリック・コメント手続の実施により国民等からの多様な意見・情報が考慮された上で決定されるようにとの観点からその状況を注視する。

 ウ 土地利用に係るマスタープランの拡充

 我が国の国土の土地利用については、地域に応じて、都市計画法、農業振興地域の整備に関する法律、森林法、自然公園法、自然環境保全法といった個別法による土地利用規制が、それぞれの個別の法目的の実現のためになされている。こうしたそれぞれの規制の調整等を図る観点から、マスタープランである国土利用計画法の土地利用基本計画の機能の強化を図るよう検討すべきである。

 また、都市計画のマスタープランについても、あらかじめ都市の全体構想を明らかにし、地域社会の合意として明確にされた「目指すべき都市像」を実現するために具体の都市計画を定めていくことには、目指すべき都市像に関する地域社会の合意を醸成する過程で住民の参画を得るという意味で大きな意義がある。現在、市町村レベルでは、市町村マスタープラン制度があり、多くの市町村で策定されているが、都道府県レベルでは線引きの説明図書である「整備、開発又は保全の方針」が事実上のマスタープランとして扱われているのみであり、また、未線引きの都市計画区域についてはこうした「整備、開発又は保全の方針」が作成されないことから、こうしたマスタープランさえ策定されない状況にある。

 このため、都道府県の都市計画に係るマスタープランを法定化するべきである。また、この都道府県の、マスタープランの決定・変更に当たっては、住民の意見を適切に反映させるために必要な措置を講じることが重要であると考える。

(3)建築基準法改正(性能規定化)の実施状況(※)

 従前、建築基準法においては、建築物の工法・構造につき、素材・仕様等を詳細に指定していたが、昨年6月の建築基準法の一部改正により、基準の性能規定化が図られた。建築基準法改正のこの部分は、現在、政府において、平成12年6月の施行を目指して、政令改正等必要な作業が行われている。

 建築基準法の性能規定化は極めて画期的な取組であり当委員会も評価する。しかしながら、それが実質的に大きな意味を持つためには、個々に適切な性能規定が定められる必要がある。こうした意味で、当委員会は、新たに策定される性能規定が、1)ISO等の国際基準に整合したものであること、2)技術革新、事業者による創意・工夫を十分に反映し、許容するものであること、3)パブリック・コメント手続の実施により国民等からの多様な意見・情報が考慮された上で決定されることを確保していくことが重要である。こうした観点から、当委員会は作業を注視してきたが、現時点で、以下のようなポイントを踏まえて作業が進められているところである。

 1)耐火構造、不燃材料等の法律に規定されたものについては、その技術的基準として必要な性能水準、性能試験方法等を定める。また、準不燃材料、難燃材料について、必要な性能を直接規定する方法に改め、その技術的基準として、必要な性能水準、性能試験方法等を定める。
 2)耐火建築物については、現行制度では、一律に鉄筋コンクリート造り等でなければならないが、耐火建築物の定義の見直しによって、建築物の空間形状等の特性に応じた計算によって耐火性能を確かめる耐火設計法が導入されたことに伴い、その技術的基準として耐火設計法により必要な耐火性能を有しているかどうかを確かめる方法等を定める。
 3)木造建築物の屋根等の防火規制については、法改正により不燃材料等の特定の仕様を義務付ける方式から屋根等の延焼防止性能を直接確認する方式に改められたことに伴い、その技術的水準として必要な性能水準、性能試験方法を定め、太陽電池一体型の屋根等の多様な工法の実現を可能とする。
 4)大規模建築物等について、建築物の利用者等の特性に応じた計算によって避難安全性を確かめる避難計算法を導入することとし、その技術的基準として避難計算法により必要な避難安全性を有しているかどうか確かめる方法等を定めることにより、廊下・出入口の幅、歩行距離、排煙設備等に関する制限を合理化する。
 5)構造安全に関する基準については、現在、各部の材料、寸法、構造等を規定する仕様規定に適合した上で、一定規模以上の建築物については構造計算により安全性を確認することとされているが、新たに、
   ア)大規模の地震や台風等に対して建物等が倒壊、崩壊しないこと
   イ)中規模の地震や台風等に対して建築物に損傷が生じないこと
   ウ)使用上の支障のある変形等が生じないこと
 を確かめる構造計算法を導入し、一定の仕様規定について適用を除外することとする。
  また、従来、建築基準法第38条により建設大臣が認定してきた技術・工法のうち、既に一般的な技術として普及・定着してきたものについては、仕様規定及び性能の検証方法に係る規定の中に一般的な基準として位置付ける。
  以上の見直しにより、免震構造建築物や輸入建材等の新工法、新材料の導入の円滑化を図る。
 6)エレベーター、浄化槽等の建築設備の基準については、性能試験等による性能検証法を導入し、新技術を用いた製品や海外製品等の導入を円滑化するとともに、ホームエレベーターについては一律の速度以内とする制限を改め、安全対策の程度に応じて定格速度を定めることができるよう緩和する。

 今後とも、建築基準法改正による規制改革の効果をできる限り早期に具体化していく観点から、規制緩和推進3か年計画(改定)の計画事項を引き続き着実に、かつ可能なものについては時期の前倒しを図りつつ、実施していくべきである。

(4)PFI構想の具体化

 公共施設等(道路・鉄道・港湾・空港・河川・公園・水道・下水道・工業用水等、庁舎・宿舎等、公営住宅・教育文化施設・廃棄物処理施設・医療施設・社会福祉施設・更生保護施設・駐車場・地下街等、情報通信施設・熱供給施設・新エネルギー施設・リサイクル施設・観光施設・研究施設等)の整備及び管理等に関しては、国及び地方公共団体等と民間事業者との適切な役割分担並びに財政資金の効率的使用の観点を踏まえつつ、当該事業により生じる収益等をもってこれに要する費用を支弁することが可能である等の理由により民間事業者に行わせることが適切なものについては、できる限りその実施を民間事業者に委ねるとの基本理念の下、そのための条件整備を図ることが必要である。

 本年7月に「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」が成立し、9月24日に施行された。同法に基づき、内閣総理大臣が基本方針を定め、公共施設等の管理者等は実施方針を定めることとされている。また、同法に基づき、総理府に民間資金等活用事業推進委員会が設置され、基本方針の調査審議、実施方針の策定状況・特定事業の選定状況等の実施状況の調査審議、民間事業者等の意見の受付、内閣総理大臣又は関係行政機関の長への意見提出をすることとされている。

 当委員会は、昨年来、PFI構想の具体化について審議を行ってきたが、上記のとおり本年法制度が新設されるとともに、法に基づく委員会も設置され、現在、基本方針策定の作業中であることから、この作業を注視することとする。

 PFIに関する基本方針・実施方針の策定等とともに、個別のPFI事業の構想が更に具体化していくであろうことを考えれば、各事業ごとに民間事業者の参加意向や関連する諸制度の内容も異なることから、民間事業者の意向も踏まえ、各々の事業に適した官民の役割分担・責任分担の在り方、公共施設等の設置・管理に関する法律その他の関係法について、個別具体的に検討することが必要である。このため、当委員会としては、現行法令で公共施設等の管理者が定められている公共施設等について、当該法令を所管する官庁が現行法制の下でのPFI事業実施の法的枠組みを個別分野ごとに具体的に示すことを注視する。

 こうした措置の結果として、一定の支払いに対し最も価値の高いサービスを提供するという形(Value for Money)で、かつ、国民に対して低廉かつ良好なサービスが提供されることが重要である。さらに、民間事業者に対する円滑な情報提供の重要性にも留意すべきである。

(5)その他

 ア LPガス貯蔵施設立地規制の弾力化

 建築基準法は、都市内で建築される危険物の貯蔵又は処理に供する建築物については、危険物の種類ごとに用途地域に応じてその数量を定めて、建築を制限している。LPガス貯蔵施設に関しても、各用途地域の指定の目的に照らし、市街地の良好な環境等を確保する観点から、各用途地域ごとに数量規制がなされているところである。

 一方、従来LPガスの利用が主にタクシーに限られていたため、LPガス貯蔵施設についても必ずしも住居系・商業系地域等に設置しなくてもよい環境にあったが、近年、環境対策としてLPガス自動車の普及の促進が求められている。

 このため、LPガスの地下貯蔵の場合に貯蔵量規制を超える建築物に対して、建築基準法第48条の規定に基づく特定行政庁の許可を弾力的に運用するよう地方公共団体に周知徹底すべきである。また、実際に地方公共団体が弾力的に運用する際の指針について検討すべきである。

 イ 合わせガラス及び複層ガラスのガラス板厚基準の整合化

 現在、我が国の合わせガラス及び複層ガラスの板厚に応じた面積の算定方法は、建設省告示で定められているが、その考え方について諸外国の基準を踏まえ、算定方法の見直しを行うべきである。この点について、規制緩和推進3か年計画(改定)において、平成11年度中に検討し、12年度中に結論を得ることとされており、可能な限り早期に結論を得て、告示改正を行うべきである。

 ウ 車両出入口のための歩道乗り入れの弾力化

 道路から各建物敷地への進入する際の歩道への乗り入れのための歩道の切下げについては、道路管理者の承認を得て行うことができることとされている。この承認に関して、各道路管理者は審査基準を定めており、また、建設省は、道路管理者が審査基準を定める際の参考として一定の弾力的運用を可能とする承認工事審査基準(案)を策定し、公表している。

 上記のとおり建設省の審査基準(案)はあくまで各道路管理者が審査基準を定める際の参考であるにもかかわらず、一部にこの審査基準(案)を硬直的に解釈し、具体の審査基準を策定し運用する道路管理者も見受けられることから、建設省は、地域の特性・状況等に応じた適正な弾力的運用が図られるよう、機会をとらえて道路管理者の注意を喚起すべきである。

 エ 道路占用許可申請様式の統一

 道路の占用許可の申請は各道路管理者に対してなされるものであり、その申請様式については、平成2年に道路法施行規則が改定され、統一が図られている。

 しかし、現実には、一部にこの様式と異なる様式を使用している地方公共団体も見受けられることから、様式の統一に関して、引き続き徹底に努めるべきである。

 オ 建設業・不動産業に係る届出書の電子化

 現在、建設業に係る許可申請書については、公衆への閲覧の観点から、正本一部及び営業所のある都道府県の数と同じ部数の写しの提出を求められているが、申請者の負担軽減を図る観点から、申請手続の電子化の推進とそのための所要の体制整備について検討すべきである。

 また、宅地建物取引業者の免許申請・更新に関しても、フレキシブルディスクによる申請を可能とするよう措置すべきである。

(なお、上記のうち(5)に係る5項目などの7項目については、本見解の「13 基準認証等に関する意見・要望等への対応」の前文を参照のこと。)


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