13 基準認証等に関する意見・要望等への対応

 規制緩和推進3か年計画では、毎年度、内外からの意見・要望、行政改革推進本部規制改革委員会の監視結果等を踏まえ、計画の改定を行うこととなっている。これを受けて昨年度は、10月末までに内外から1,500件を超える規制緩和に関する意見・要望が提出された。それらのうち4割程度(約600件)が広い意味で基準認証等に関するものであった。

 このため、今年度の規制改革委員会では、特に、規制緩和に関する内外からの意見・要望のうち基準認証等に関するものを中心に、精査の上一分野を立てて取り組んでいくこととした。その際、消費者・事業者の利便性向上等の観点から、基準の簡素化から輸出入手続や検査等の申請手続の簡素化に至るまでの広範な項目を検討の視野に入れ、できる限り幅広く意見・要望に対応していくこととした。

 具体的には、昨年の基準認証等に関する内外からの意見・要望600項目から今年度の調査・検討項目として100項目程度に絞り込みを実施した後、関係省庁及び要望元へのヒアリングを実施するなどにより調査審議を行った結果、早急に規制の見直しが必要な21項目についての見解を公表することとした。項目を分野別に見ると、輸出入手続関連:7項目、医薬品等、食品関連:5項目、電気用品関連:3項目、その他:6項目となった。

 なお、以上のほか、内外からの意見・要望を端緒とし、検討項目との関連性等から他の分野で検討することが適切であると判断され、他の分野で検討を行い、結論を得た項目としては、住宅・土地・公共工事分野で7項目、運輸分野で2項目あり、これらについての見解は、それぞれの分野で記載している。

 もとより、規制緩和・規制改革に関して寄せられる個別の意見・要望は、規制改革にとって重要な材料を提供しており、その他の分野においても、できる限り個別の意見・要望を取り上げていくため検討を加えたところである。

〇本見解の他の分野に掲上したもの
<住宅・土地、公共工事分野>
(1)LPガス貯蔵施設立地規制の弾力化 (2)合わせガラス及び複層ガラスのガラス板厚基準の緩和 (3)車両出入口のための歩道乗り入れの弾力化 (4)道路占有許可申請様式の統一 (5)建設業・不動産業に係る届出書の電子化 (6)ビルの排煙設備の構造基準の弾力化 (7)ホームエレベータの昇降スピード基準の緩和
<運輸分野>
(1)特殊車両通行許可手続の見直し (2)車両の軸重制限の見直し

(1)輸出入手続関連

(1-1)税関輸出入申告手続の簡素化(本関単位の輸入申告の容認、通関書類のペーパーレス化)

 輸入申告は、関税法(昭和29年法第61号)第107条及び同法施行令第92条に基づき、税関長の権限委任により、貨物の蔵置場所を管轄する税関支署、出張所の長に対して行わなければならないこととされている。輸入申告から許可に至る過程には以下のような3種類がある。

  1)申告後直ちに許可される場合(申告関連書類(インボイス、B/L(船荷証券)、原産地証明書、動植物検疫証明書等)は後日提出)
  2)申告後書類審査を経て許可される場合(申告関連書類を提出して審査後、許可)
  3)申告後検査が必要な場合(保税蔵置場所にて検査後、許可)

 1)の場合は、申告後すぐに荷物を蔵置場所から引取り可能であり、書類は後日最寄りの税関支署に提出すればよいが、2)の場合は、申告を行った蔵置場所所轄の税関支署又は出張所に書類を直接提出する必要がある。郵送や一部ファックスによる提出も認められているが、早期に引取りを行うために書類を直接持ち込む場合が多い。同じ税関の管内であっても支署、出張所が地理的に離れている場合、取扱通関量の多い業者は書類の持込みに多大の手間とコストを掛けているのが実態である。

 また、輸出入申告に際して税関に提出すべき書類の一部である仕入書(インボイス)は、通常貨物の明細が記されているため、通関貨物量の多い輸出入者にとって、書類を提出することが負担となっている場合もある。

 現在大蔵省にて検討中の「簡易申告制度(仮称)」は、承認された者が指定された種類の貨物について、法令遵守(コンプライアンス)の確保を条件に引取申告と納税申告を分離し、納税申告を貨物の引取り後に行えるという簡易な通関手続である。この制度には引取申告時の申告項目の削減、引取申告や納税申告時のペーパーレス化、引取申告時の納税のための審査・検査の省略、納税申告の後日一括化等を織り込むことが予定されており、これが導入されれば、コンプライアンスを確保できる輸入者については、上記のような通関事務に係る手間とコストが大幅に省けることになると考えられる。

 簡易申告制度(仮称)については、その運用に関し、現在関係者からのヒアリング中とのことであるが、できる限り多くの関係者からの意見を聴取し、同制度をより実態に即した使いやすいものにするとともに、税関手続の一層の簡素化・迅速化を推進すべきである。

(1-2)輸出申告書における再輸出品の統計品目番号の改善

 輸出申告書に記載すべき事項として統計品目番号(「税関様式関連通達」(平成11年蔵関第254号)があるが、統計品目番号は、貨物の種類に応じて固有の9桁の番号が定められており、上6桁はHSコード(Harmoni

ed System Code)として国際共通コードとなっている。一方、我が国では外国産品を輸出する場合は再輸出となり、「再輸出品」は「特殊取扱品」となって、いかなる種類の貨物であっても統計品目番号は0000−00という番号となる。この再輸出品のコード体系は我が国独自のものであり、米国では、国内産品、再輸出品はいずれも同じ統計品目番号を使用し、区別は別コード(国内産品は“D”、外国産品は“F”と表記)で行っている。

 我が国では、近年製造業の海外展開により製造及び部品調達の国際化が進み、同じ型番の部品であっても、日本国内で調達せず部品メーカーの海外工場から調達し、自社の海外拠点へ再輸出する場合が増加している。国際物流がより複雑かつ多様化している現状において、再輸出品については貨物の種類にかかわらず同じコードを用いるという現体系は、物流管理を行う上で極めて使いにくいものになっており、また維持する合理的理由はないと考えられる。

 海外展開を行っている企業は、品目番号をキーとして製品の物流管理を行っている場合が多く、現制度では再輸出した場合、品目番号が製品とは関係のない番号であるため、品目番号と製品管理を別々のコードで行わなければならないという不都合が生じている。したがって、米国と同様に、国内産品であっても外国産品であっても統計品目番号は同一とし、区別は別コードで行うよう改正すべきである。

(1-3)輸出貿易管理令第5条「許可を要しないもの」に関する確認手続の簡素化

 輸出貿易管理令(昭和24年政令第378号)第5条では、税関は、貨物を輸出しようとする者が外国為替及び外国貿易法(昭和24年法第228号。以下「外国為替法」ともいう。)第48条第1項の規定による許可若しくは輸出貿易管理令第2条第1項の規定による承認を受けていること又は当該許可若しくは承認を受けることを要しないことを確認しなければならないこととなっている。「許可を要しないこと」を確認しなければならない旨定められた法令は、欧米諸国においても類例は見当たらず、日本固有のものである。ただし実際には、すべての輸出品について「許可を要しない」ことを確認しているわけではなく、輸出貿易管理令第5条に基づき、税関は通商産業大臣の指示に従い確認を行うこととなっており、また確認に当たっても税関は全品について確認をするのではなく、原則として輸出者の自己申告を重んじ、製造者による「輸出許可を要しないこと」の証明(パラメータシート等による非該当の証明)を添付させ、それを確認に替えるという簡略手続を採っている。

 しかしながら、「許可を要しないもの」であることを確認すべき輸出品は、半導体を始めとして多岐にわたり、輸出量も膨大であるため、輸出者特に製造者は、このパラメータシート等による非該当の証明の作成等に多くの労力を充てている。また輸出に当たって許可を必要とするか否かについては、詳細にわたり技術的条件が定められているが、税関も専門技術者ではないため、製造者等が作成するパラメータシート等による非該当の証明がなければ当該輸出品が「許可を要しないもの」であるか否か判断できないのが実態であり、その意味でパラメータシート等による非該当の証明の添付は、極めて形式的な手続となっている。

 現在通商産業省の関連団体である財団法人安全保障貿易センター(CISTEC)において、製造者ごとに「許可を要しない」製品を詳しくリストアップして公表しており、これが税関側における非該当であることの判断材料の一つとなっている。しかしながらこのリストの収載品目は今のところ半導体のみであり、他品目への拡大はこれからの課題である。平成11年10月には、制度上半導体以外品目のリスト化も可能となり、今後このリストに収載される製品が増え、税関がこのリストをベースに該当、非該当を判断することが可能となれば、輸出者によるパラメータシート等による非該当の証明の添付は省略の余地がある。

 疑義のあるものについて税関が厳しくチェックすることは当然であるが、輸出許可が不要とされている物品についての確認手続等はできる限り簡略化すべきである。また、税関における通関審査手続が同種の製品を反復して輸出入する事業者で管理体制が優良な者には、包括申請手続を認める等簡素化が進められていることと合わせ、CISTECのリストに収載される品目の充実を図り、税関の協力の下、パラメータシート等による非該当の証明の添付に代わる「許可を要しないもの」の確認の方法を検討すべきである。

(1-4)輸出管理規程(コンプライアンス・プログラム)の自主化の徹底

 通商産業省(通産省)は、外国為替及び外国貿易法上規制されている貨物等を生産又は輸出する企業自らも安全保障貿易管理を実施することが重要であるとの認識の下に、昭和62年9月、大臣名の通達で各輸出関連団体宛に「輸出関連法規の遵守に関する内部規程の整備を柱とする輸出関連法規の遵守徹底」を要請した。これに応じて、輸出企業は、現在自らの発意により輸出管理規程(コンプライアンス・プログラム)を通産大臣に提出している。

 輸出管理規程は、あくまでも輸出企業の自主管理のために策定するものであり、その受理に当たっては企業の規模、態様、該当品の取扱状況等、個々の企業の実情を踏まえた形で行っている。しかしながら、輸出企業が届け出た輸出管理規程に対し、通産省が内容について修正要請を行っている場合があり、必ずしも輸出企業の自主管理に委ねられていないととらえられている例がある。あくまでもこのシステムは、輸出者自身が輸出関連法規を遵守することを重要なこととして認識した上で、主体的に管理体制を構築し確実な輸出管理を行うことを内外に自己宣言するシステムであり、行政が輸出関連法規を補完するための規制手段として用いられるべきものではなく、本来の趣旨である完全な輸出企業の自主管理プログラムであることを再確認すべきである。

(1-5)花き球根の隔離検疫代替措置の検討

 ゆり等花き球根類は、植物防疫法(昭和25年法律第151号)第8条に基づき、輸入時の検査のみでは判別不可能な検疫有害動植物(特にウィルス病)があるかどうかを判別するため、輸入する際にはその全量につき国内の隔離圃場において1作期間栽培して検査(隔離検疫)を実施することとされている。こうした隔離検疫という手法は、オランダや米国など諸外国で一般的に行われている検査手法である。ただし、オランダ産花き球根類に関しては、日本国内で実施する隔離検疫と同等の水準の検査がオランダにおいて実施できると判断されたことから、オランダ当局による生産地域での検査の実施と、日本側植物防疫官による当該検査実施状況の確認をもって、日本国内での隔離検疫の代替措置としている。

 隔離検疫の代替措置は、昭和63年にチューリップ球根に適用して以降、現在までに8品目(チューリップ、ゆり、ヒアシンス、アイリス、クロッカス、フリージア、アマリリス及びグラジオラス)に適用している。他方、近年、こうした日本の隔離検疫の代替措置に対し、EU(オランダ)は一定の評価を与えながらも、更なるオランダ産花き球根類の隔離検疫の簡略化を要望してきている。具体的には、日本側がオランダ球根検査機関(FIS)の検査システムをモニタリングする方式に移行し、日本側検査官による現地確認業務の簡略化、あるいは廃止を図ることが提案されている。

 しかしながら、当該措置は、日本で実施すべき隔離検疫をオランダで行っているものであり、最終的には、日本の植物防疫官が輸入時の検査では判別不可能な検疫有害動植物(特にウィルス病)があるかどうかを確認する必要があることから、日本側植物防疫官による現地確認業務の廃止はできない。一方、現在オランダから要望されている日本側検査官による現地確認業務の簡略化に関しては、既に日蘭植物検疫専門家会合において、平成9年産チューリップ球根から、モニタリング方式への移行に関する試行を開始しており、今後数年間試行を継続することで両国間で合意している。したがって今後とも、当委員会としては、輸入手続円滑化の観点から、チューリップ球根におけるモニタリング方式の技術的な検討過程を注視していく。

(1-6)石油製品に係る包括及び個別申請・承認制度の廃止

 石油製品は国民生活・経済上重要な物資であることから、輸出増大により国内の石油安定供給に支障が生じることのないよう輸出貿易管理令第2条の輸出承認の対象物質に指定されており、輸出に当たっては輸出承認が必要である。従来は輸出の度に申請・承認を得る個別承認制度であったが、平成9年7月から承認要件が緩和されるとともに包括承認制度へ移行し手続が簡素化された。

 さらに輸出承認制度そのものの在り方については、平成11年8月2日の石油審議会石油部会石油備蓄・緊急時対策小委員会報告書において、「平時においては、石油について外国為替及び外国貿易法による輸出承認制度の承認対象から外すことが適当であるが、大幅な供給途絶状態において石油需給適正化法の発動により需給調整を行う場合には、状況を踏まえつつ輸出規制を行うことが必要と考えられる」とされている。

 今日の世界の石油需給環境を見るに、平時においては国内からの石油製品輸出を管理しなければ国内の石油安定供給に支障が生じるほどの逼迫状態にはないことから、石油審議会石油部会石油備蓄・緊急時対策小委員会の報告に従い、緊急時対応のための体制を整備した上で、平時においては石油製品は輸出承認制度の対象外とするよう、できる限り早期に所要の措置を講ずるべきである。

(1-7)ボンド重油の「積込承認申請」の頻度の見直し

 ボンド重油(注)を含む外国貨物である船用品については、関税法第23条により、船舶への積込みの度に申請し、承認を受けることが必要である。

 申請者は、船舶又は積込み年月日の異なるごとに船舶の種類、トン数、航海日数、旅客及び乗組員の数と船用品の種類、数量を記した外国貨物船用品(機用品)積込承認申請書を提出し、承認を受けなければならず(関税法基本通達23−2)、申請者にとっては負担となっている。

 船用品の積込み作業ごとの承認申請は、国内への横流し等による関税の課税逃れを防止するために行われているが、制度の目的を損なわずに手続を簡素化し、申請者の負担軽減を図ることは可能ではないかと考えられる。

 したがって、税関の取締り上問題が生じないことを前提として、事務手続の簡素化の観点から、新たな制度として船用品であるボンド重油について1か月程度の期間についてまとめて承認を行う包括承認制度の導入を早急に検討し、実施に移すべきである。

(注) ボンド重油とは、本邦への輸入手続前のもので、関税及び内国消費税の課税前の重油をいう。

(2)医薬品等、食品関連

(2−1)化粧品の輸入規制の緩和

 化粧品の規制については、日本化粧品工業連合会(JCIA)、米国商工会議所(ACCJ)、欧州ビジネス協議会(EBC)、さらには学識経験者、消費者代表が入った化粧品規制の在り方に関する検討会の最終取りまとめが平成10年7月に出され、規制緩和推進3か年計画(改定)に基づき、平成12年度末までに新たな制度を実施することとされている。

 制度改正の内容は、具体的には、現行の種別ごとの承認制を廃止し、配合禁止・配合制限成分リスト(ネガティブリスト)及び特定成分群(防腐剤、紫外線吸収剤、タール色素)の配合可能成分リスト(ポジティブリスト)による規制に移行するとともに、欧米と同様の全成分表示制度を導入することとされている。

 しかしながら、配合禁止・配合制限成分リスト及び特定成分群の配合可能成分リストが導入されたとしても、そのリストに掲げる成分の種類や規定量が欧米と整合化されていないと、実際は成分調整を行わなければ日本国内で販売できない輸入化粧品が出てくる可能性がある。

 化粧品に関しては、海外旅行の一般化に伴い、旅行者が外国製品を購入して持ち帰ることにより既に広く普及してきている実態もあり、消費者の製品選択の余地を狭めることのないように、できる限り国際的に自由な流通を可能にする制度をつくるべきである。したがって、欧米間でも整合が取れていない状況の中、消費者の健康を損なわないように最低限の規制は必要なものの、新たな制度づくりの中で可能な限り配合禁止・配合制限成分リストや特定成分群の配合可能成分リストの国際整合化を図るべきである。

 また、化粧品の全成分表示は、種別ごとの承認制を廃止することと表裏一体のものとして、消費者に含有成分すべてを開示して、消費者が肌に合わない成分が含有していないか自らチェックできるようにするものであり、極めて重要なものであるが、ペンシル型等の小型容器への記載については、消費者に見やすくかつ事業者に過大な負担とならないように工夫すべきである。

(2-2)化粧品のラベル表示方式の変更

 化粧品の製造業及び輸入販売業を始める際には、薬事法(昭和35年法律第145号)第12条及び第22条に基づき、製造所・営業所ごとに許可を受けなければならない。一方、化粧品販売業に関しては、薬事法上の許可は不要である。

 また、化粧品の製造・販売に際しては、同法第61条に基づき、その製品の直接の容器又は被包に許可業者である製造業者又は輸入販売業者の氏名又は名称及び住所等の記載が義務付けられている。表示の目的は、不良品が発生したり副作用が発現した場合、消費者が直接に連絡が取れるように、また、国が健康被害の拡大を防止するために、薬事法上の許可業者である製造業者や輸入販売業者の所在を確認し、国への回収報告や副作用報告義務等の行政命令を行うためである。また、この義務を果たすために、市販後における副作用等の安全性の責任者である製造業者又は輸入販売業者に連絡窓口を集約する必要があり、薬事法上の許可業者ではない販売業者の名称等の記載だけでは、販売業者と製造業者等との間の情報伝達に法的な担保がないことから、販売業者が得た情報が製造業者・輸入販売業者に確実に伝わる保障がないためであるとされている。

 この場合、あくまで表示は製造業者、輸入販売業者の名称、所在地等であり、名前をコード化あるいはライセンス・ナンバー化して表示することは、消費者に認識できないため認められていない。

 一方、食品の場合には、食品の製造が許可制ではないこともあるが、食品衛生法上製品への表示は販売業者の名称で足りるとされ、製造業者の名称はラベル上に記号により表示することが可能である。また洗剤等の雑貨品は、表示する業者については全く自由である。

 輸入化粧品の販売を行う際に、販売業者によっては、化粧品のブランド・イメージを損ないたくないという営業上の理由から、直接の輸入販売業者の名称をラベル上に書きたくないというケースがある。その場合、現行制度の下では、別に適切な名称の輸入販売業者を新規に設立許可申請し、その業者の名称等をラベル上に記載する以外にない。ところが、許可取得までに相当長期の期間が掛かる例もある上、倉庫、試験設備、責任技術者等は親会社と兼用することは認められず、申請した会社の数だけ施設が必要となり、また許可取得後も年1回程度の検査があり手間とコストを要する。

 また、薬事法上の製造業者の許可を得ているものであっても、ある化粧品についての製造を100%他社に委託した場合、その製造業者は実際に当該商品の製造に携わっていないということで、当該商品に関する製造業者として許可されず、名称をラベル上に記載することができない。そのため現実には、ほぼ出来上がった商品を自社の工場まで輸送し、最終梱包だけを自社で行うことにして製造業者の許可を得たり、また製造委託先の施設の一定の区画に投資し、そこを自社の工場として登録することにより当該製品の製造業者となっているのが実態である。

 ラベルの表示主体に関する薬事法第61条の規定の考え方は、当該化粧品に関する詳細情報は一般的にその製造を行っている業者又は直接輸入している輸入販売業者が保持しているものであり、製品の安全性や品質に問題があったときに消費者が直接連絡することができるように、ラベルに製造業者等を表示するべきというものであるが、化粧品は、販売会社が設計仕様を行い、製造委託を行っている商品(OEM商品)も多く、必ずしも製造業者が当該商品に最も熟知しているとは限らない。また化粧品のラベルには、製造業者又は輸入販売業者の名称以外は記載してはならないという規定はないため、通常、販売業者の名称、所在地及び時には販売業者の顧客サービスセンターの電話番号が記載され、商品に不都合があった場合には、顧客サービスセンターへ連絡するように注意書きされているものもある。この場合当然消費者からのクレームは、薬事法上の製造許可を持たない販売業者に対してなされることとなり、そもそも現行制度の下でも情報窓口の一本化はなされていない。

 したがって、現行の化粧品の製造・輸入の許可制を継続し、ラベルには許可業者の名称、所在地を記載させるという制度を前提とする以上、製造・輸入販売業者が、より手間やコストを掛けずに許可が取得できるよう、薬事法上の許可を取得する際の倉庫、試験設備、責任技術者等の要件について、その運用の在り方を見直すべきである。また、併せて審査期間についても、地方公共団体における現行の審査実態を検証の上、迅速化するよう指導すべきである。

(2-3)医薬品一般販売業の構造設備基準の緩和

 従来、医薬品一般販売業を行う者には、その店舗に試験検査に必要な設備及び器具を自ら備えることが義務付けられていた(薬局等構造設備規則第1条及び第2条)が、平成10年に同規則が改正され、自ら備える必要はなくなった(平成10年厚生省令第40号)。これにより、医薬品一般販売業を新規に開設する者にとっては、設備投資の軽減が可能となったことは評価する。

 しかしながら、この改正により自ら試験検査設備を有しないでよいこととなった医薬品一般販売業者が、適切な品質管理のために必要と認める医薬品の試験検査を行う場合には、薬事法第26条及び同法施行規則第29条の3に基づき、厚生大臣の指定した試験検査機関(薬事に関する試験検査を行う地方公共団体の機関(衛生研究所等)、薬事に関する試験検査を行う民法34条の規定による法人(公益法人)等)を利用して試験検査を行うことができるとされ、他者の試験検査設備を使用して自ら試験検査を行うことは認められていない。

 試験検査設備を有する医薬品一般販売業者の場合は、自己検査が可能であり、またそのデータを自ら評価することが認められるのに対し、試験設備を有しない場合は、他者から試験検査設備提供の申出があってもそれを使用して自ら試験検査することができず、検査費用を支払って厚生大臣の指定検査機関に試験データの採取を依頼しなければならないとされているのは、いかにも不合理である。

 また、医薬品の試験検査の依頼先が公益法人である厚生大臣の指定検査機関に限定されているのは、医薬品の試験検査及びデータの採取には公正中立を必要とするとの考え方からであるが、自ら試験検査設備を有する医薬品一般販売業者の場合には、試験検査とそのデータの採取に関しては公正中立性の担保も自己責任に委ねられていることと比較してバランスを失している。

 したがって、試験検査機関の審査基準の明確化を図り、試験機関の対象を民間会社(営利法人)にも拡大するとともに、指定検査機関の試験検査設備を使用して医薬品一般販売業者が試験検査を行うことができるように措置すべきである。

(2-4)医療用具の承認申請時の臨床試験データ要否の区分に関する国際整合化

 薬事法第14条第3項により、医療用具の承認申請を受ける場合は臨床試験データを添付しなければならないとされているが、承認申請に当たり、その医療用具が臨床試験データを必要とするか否かについては、通知(平成11年7月9日医薬安全局長通知医薬発第827号、医薬安全局審査管理課長通知医療審第1043号)により定められている。これによると、医療用具の人体に対する危険性に応じてクラスIからクラスIVまで4つの分類がなされており、クラスIVについては、承認申請に当たり原則として臨床試験データの提出が必要とされ、クラスIIIに分類される医療用具については、新医療用具に該当するものについてのみ臨床試験データの提出が必要とされている。

 医療用具の外国臨床試験データについては、我が国臨床試験の実施基準(GCP)又はこれと同等以上の外国のGCPに適合していること、適切な実施方法・評価方法により実施されていること、信頼性のある医療機関において実施されていること、信頼性を確保するため必要により個別の症例記録等の生データを調査し得ることを条件として受け入れられている。さらに、米国の臨床試験データについては、GCPに基づいて作成され、かつFDAへの審査申請の添付資料として用いられたデータであれば、平成9年3月より完全埋め込み型心臓など日本に医療技術のない例外的なもの(クラスIV)を除いてほぼ全面的に受入れ可能となっている(外国で実施された医療用具の臨床試験データの取扱いについて(平成9年3月31日薬発第479号))。このように、外国臨床試験データの受入れがほぼ全面的に可能となったことは評価する。

 しかしながら、医療用具ごとに臨床試験データ提出の要否を定めている分類の仕方が各国ごとに異なっているため、ある医療用具について日本で分類の仕方が大括りであるにもかかわらず、外国では細分化されてそれぞれ臨床試験データの要否が決まっている場合には、その医療用具の中で外国で臨床試験データが不要となっているものを日本に輸入するに当たっては、外国には通常臨床試験データが存在せず、日本で新たに臨床試験を行うこととなる。例えば、創傷被覆・保護材は、日本では「新医療用具に限り臨床試験データ必要」とされるクラスIIIに分類され、新医療用具に該当するものが多いことから、承認申請には臨床試験データが必要とされる。しかしながら米国では、同じ創傷被覆・保護材でもいくつかの種類に分けられて種類ごとに臨床試験データの要否が定められている。このため、創傷被覆・保護材の中には、米国に臨床試験データが存在しないものもあり、その場合創傷被覆・保護材すべてに関し臨床試験データを要求している日本では、輸入に当たり新たに臨床試験を行わなければならない。

 外国の臨床試験データの受入れについては、輸入者の負担軽減と輸入承認申請の迅速化のために推進されているが、上記臨床試験データの要否に関する分類が国際的に整合化されなければ、その効果は減殺される。

 したがって、創傷被覆・保護材のように臨床試験データの要否の区分が諸外国と異なっているものについては、その区分の仕方も参考にしつつ、専門家の意見を聴取した上で、臨床試験データの要否について明確化するべきである。

 また、医療用具は我が国では約5万品目あり、その名称についても国際的には統一されていないのが実態ではあるが、現在EUにおいて始められている医療用具の分類・名称の国際統一のための協議会(GMDNプロジェクト)に我が国も積極的に参加し、国際統一を早期に行うべく提案を行っていくべきである。

(2-5)食品添加物用炭酸ガスの小分け充填に係る資格要件の緩和

 炭酸飲料用等に使用される炭酸ガスは、食品衛生法(昭和22年法律第233号)第2条により食品添加物に指定されており、その製造又は加工を行う営業者は、その施設ごとに専任の食品衛生管理者を置かなければならないこととされている(同法第19条の17第1項)。食品衛生管理者の資格要件は、同法第19条の17第4項に次のように定められている。

  1)医師、歯科医師、薬剤師又は獣医師
  2)学校教育法に基づく大学、旧大学令に基づく大学又は旧専門学校令に基づく専門学校において医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学又は農芸化学の課程を修めて卒業した者
  3)厚生大臣の指定した食品衛生管理者の養成施設において所定の課程を修了した者
  4)学校教育法に基づく高等学校若しくは旧中等学校令に基づく中等学校を卒業した者又は厚生省令の定めるところによりこれらの者と同等以上の学力があると認められる者で、食品衛生管理者を置かなければならない製造業又は加工業において食品又は添加物の製造又は加工の衛生管理の業務に3年以上従事し、かつ、厚生大臣の指定した講習会の課程を修了した者

 一方、炭酸ガスは、医療用としても利用されており、薬事法第15条により、医薬品の製造・加工に関しては、原則薬剤師を管理者としなければならないが、医療用ガスについては、薬事法施行規則第22条第2項により、緩和措置が設けられており、製造管理者として以下の資格を有する者で薬剤師に代えることができることとされている。

  1)旧中等学校令に基づく中等学校若しくは学校教育法に基づく高等学校又はこれと同等以上の学校で薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者
  2)旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する科目を修得した後、医療用ガス類の製造に関する業務に3年以上従事した者
  3)厚生大臣が1)又は2)に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者

 医療用炭酸ガスの製造管理者の資格者について緩和措置が設けられた理由としては、医療用ガスの製造工程が閉鎖系で行われており、かつ配管等の内部圧力が気圧より高いため、外から不純物が入り込む可能性がないためであると考えられる。しかし、食品添加物用炭酸ガスと医療用炭酸ガスの規格を比較すると、純度試験の方法が異なるだけで他はほぼ同等の規格であり、製造方法も冷媒による液化精製法を用いており同じ製法である。

 工業用炭酸ガスは、年間約85万トンが製造・消費され、そのうち食品添加物として飲料用等に使用されるのは約18万トンであり、全体消費の20%を占め、全国で多量に消費されている。飲料用等に使用される炭酸ガスは、製造所において製造後、通常ローリー車で輸送され充填所で貯槽に蓄えられ、その後貯槽から充填用配管を通して小型容器(高圧ガス容器)に充填され、その容器が飲料製造業者に配送されるという流通形態を採っている。炭酸ガスの充填所は全国で364か所あり、このうち2割程度が食品添加物としての炭酸ガスを取り扱っているが、これらの充填所も食品衛生法上の製造・加工設備とみなされ、食品衛生管理者を置くことが義務付けられている。このため充填所の設置に当たっては、食品衛生管理者の確保が必要となるが、資格取得の難しさがボトルネックとなって全国各地の需要に対して十分な数の充填所の設置ができていないのが現状である。

 食品衛生管理者の資格要件の中で、特に食品衛生法第19条の17第4項第4号の厚生大臣の指定した講習(食品衛生の広範な知識を得るために設けられる。)の受講要件が、講習期間が40日間と長い上にその開催も不定期かつ頻度が少ないことが、資格取得が困難な最大の理由となっている。

 食品添加物は、最終的には不特定多数の人に販売され、人体に摂取されるもので、その取扱い・管理には最大かつ細心の注意を払わなければならない。しかしながら充填所での作業は、ローリーから貯槽に充填する際の配管接続と貯槽から配管を通してボンベに充填する際の配管接続であり、何らの加工も伴わなず、また配管接続の際には、不純物が混入を防ぐため、配管を二酸化炭素でパージしている。また、同様に人体に直接吸入される医療用炭酸ガスについては、ガス体はその製造・加工に当たり管理上の危険度が低いという理由で、既に管理者の資格要件が緩和されていることにかんがみると、食品添加物用炭酸ガスの取扱い、特にその中でも加工等を伴わない限定的な充填作業の管理について、食品衛生に関する広範な知識・経験を有する資格者の必置を義務付けるのは、やや行き過ぎの感は否めない。

 しかしながら、食品添加物の取扱いは、場合によっては人体に多大の影響を及ぼすため、資格要件を無条件で緩和することは安全性の著しい低下につながる。したがって、安全性を確保しつつ、ガス体かつ充填作業に限るという限定つきで、資格取得のための講習義務の軽減等の資格要件の緩和を検討すべきである。

(3)電気用品関連

(3-1)電気用品に係るJISのIECへの整合化

 JIS規格の国際整合化については、規制緩和推進計画(平成7年3月31日閣議決定)に基づき、平成7年から3年間で、JIS規格総数約8,000のうち国際規格と整合していない約1,700規格について見直しが行われ、これまでに整合化作業が終了している。また、電気用品に係るJIS規格についても、我が国の電力事情等により整合化が困難なもの及びIEC(国際電気標準会議)規格が改定中の2規格を除く56規格について整合化が完了している。

 しかしながら、電気用品に係るJIS規格については、従来のJIS規格とIEC規格をベースとしたJIS規格が併存する状況となっており、いずれの規格に適応した場合でも受け入れることとはなっているものの、併存していることにより従来JIS品を前提としたマーケットが変化しておらず、IEC規格に適合した外国産品が参入する障害になっているという指摘がある。またWTOのTBT協定でも各国の強制法規又は任意規格は、国際規格及び国際ガイドを基礎とすることが義務付けられており、旧規格とIEC適応規格が併存している状況は決して好ましい状態ではない。

 したがって、これら2種の規格の併存状況を解消すべく、関係機関との連携を図りつつ、できる限り早期にIEC規格に適合したJIS規格に一本化するとともに、我が国の電力事情等の問題からIEC規格に整合することが難しいケースは限定的分野にとどめ、最大限の国際整合化を推進すべきである。

(3-2)電気用品安全法の運用基準について

 今年度の第145回国会において、通商産業省関係の基準・認証制度等の整理及び合理化に関する法律が成立した。この法改正により、電気用品安全法(旧電気用品取締法)に係る電気製品に関しても政府認証が廃止され、自己認証あるいは第三者認証へ移行することとなった。これに伴い、電気用品の甲種(政府認証)、乙種(自己確認)の区分は廃止されることとなった。ただし「製品安全確保に関し製造事業者等の自己責任原則に委ねる場合においても、事故の蓋然性等から基準適合性に関し第三者の関与が必要なもの」については、「特定電気用品」という区分を新設することとされている。具体的な認証方法、表示制度についての詳細を定める政省令改正作業が現在進められている。

 表示制度については、旧制度の下では、政府認証が必要な甲種電気用品(165品目)については、認証を受けた製品には三角〒マーク、型式認可番号、製造者名、定格電圧、定格消費電力等の省令で定める表示事項を表示することが義務付けられていた。一方、乙種電気用品(333品目)は、原則として自己認証であり、自己認証したものは、ポジティブリスト下における販売規制において規制対象品目を示すとともに、基準適合義務を履行したものとして示す、丸〒マーク、製造者名、定格電圧等省令に定める表示をすることとされていたが、平成7年7月にこの丸〒マークは廃止された。その後甲種電気用品から乙種電気用品への大幅な品目の移行に伴い第三者認証制度が発足し、乙種製品に移行するものはできる限り第三者認証を取得し第三者認証マーク(Sマーク)を付することが望ましいとされ、平成7年に乙種製品に移行したものについては、財団法人電気安全環境研究所(JET)、財団法人日本品質保証機構(JQA)などの指定認証機関の認証を取る製品が増えてきている。

 今回の法改正では、政府認証が廃止されたことから、表示事項のうち従来の甲種電気用品については、政府認証の証であった三角〒マーク及び型式認可番号が廃止され、特定電気用品は、特定電気用品として規制対象品目であることを示す新たな表示及び適合性評価を行った第三者機関の認証マークが付される予定である。また従来の乙種電気用品についても、表示事項に規制対象品目であることを示す新たなマーク等の表示が追加されることとなる。

 表示制度の変更は、製品にラベルを貼付することができないため製品に直接刻印している事業者にとっては、金型の修正を伴うことから影響が大きい。特に、電気用品製造業者は中小零細メーカーが多く、加盟企業が甲種電気製品を主に製造しているある工業会では、今回の制度改正に伴う加盟企業の金型への新規投資見積額合計は営業利益高の合計を上回る額となり、中小企業には厳しい新規投資額となる。さらに同工業会の加盟企業の製品はライフサイクルが長く、単価が低いことから影響は甚大である。また、乙種電気用品製造業者にとっても、これまで貼付が奨励されて来たSマークがあるにもかかわらず、これに加えて新たなマークの表示が義務として追加されることになり、今回の制度改正は少なからず混乱を招くことが考えられる。

 電気用品取締法及び同法施行令の改正時には、制度改正に当たり例外的に1年の猶予期間が設けられていたが、今回の制度変更に当たっては、大幅な改正であること、一部の工業会にとっては金型の修正を伴う業者が多く新規投資が必要であることに加え、金型修正には時間が掛かることが予想されることから、新制度への移行に混乱が生じないよう十分な猶予期間を設定するべきである。また、表示の仕方については、本体に表示することが困難なものにあっては包装容器等への表示が行われているが、制度改正に当たりその適用範囲の一層の拡大について検討すべきである。

 さらに特定電気用品に関しても、できる限り事業者の自己責任に委ねるという今回の法改正の目的を損なわないよう、「事故の蓋然性等から基準適合性に関し第三者の関与が必要なもの」という基準を厳密に運用すべきである。

(3-3)ネオン用変圧器の二次巻線の接地禁止義務の撤廃

 ネオン用変圧器には、二次巻線を接地するタイプと接地しないタイプの2種類がある。

 欧米では接地タイプが主流であるのに対し、我が国では、電気用品の技術上の基準を定める省令により接地タイプの使用は禁止されている。接地タイプの方が工事疎漏の場合等における感電又は火災の危険性が高いという判断から、昭和37年の電気用品取締法制定時から接地タイプの使用が禁止されたものである。

 しかしながら、同法制定から既に40年近くが経過し、電気設備の技術の進展や漏電遮断機の普及等により火災発生の危険性は当時よりも低下していると考えられる。このため、接地タイプのネオン変圧器を使用した場合の感電及び火災発生の危険性について技術的検討を行い、安全性が確認された場合、接地タイプの使用が可能となるよう早急に所要の措置を採るべきである。

(4)その他

(4-1)衣料品品質表示(ケアラベル)に係るJISのISOとの整合化

 衣料品の取扱い絵表示については、家庭用品品質表示法に基づき表示することが必要であるが、表示に際しては、JIS−LO217(繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその方法)に規定するところにより表示することになっている。JIS規格(JIS−LO217)のISO(国際標準化機構)規格(ISO3758:Textiles-Care labeling code using symbols)への整合化については、これまで産業界、消費者、学識経験者など関係者と中立者を含めた専門委員会で検討されてきたが、次のような問題点があり、なかなか検討が進まない状況にある。

  1)ISO3758で規定する絵表示は、GINETEX(繊維の取扱い表示の国際組織)が商標を持つもので、会費及び分担金の拠出が必要であることから、JISにはなじまない。
  2)ISO3758で規定する絵表示に、「温度を徐々に下げながらすすぐ」という日本の洗濯習慣にない操作がある。また、絵表示にある「遠心脱水の弱」という操作ができない洗濯機が多数あり、JISをISO3758に整合化すると、洗濯機の違いによる混乱と問題が発生する。
  3)ISO3758では、ドライクリーニングに使用する溶剤として、JISに規定していない地球環境問題で規制することが決まっているフロン関連物質(モノフルオロトリクロロメタン、トリフルオロクロロエタン)を規定しており、JIS化することはできない。
  4)ISO3758には、日本では日常的に行いJISで規定している「絞り方」及び「干し方」の規定がなく、JISをISO3758に整合化すると、絞り方及び干し方がないための問題が発生する。(洗濯習慣の違い)
  5)ISO3758には、JISで規定している絵表示を表示するために必要な試験方法の規定がない。JISをISO3758に整合化した場合、試験方法の標準がなくなることによって、家庭用品品質表示法に基づく適正な表示ができなくなり、また、表示された絵表示の適否の検証ができなくなり、混乱が生じる。

 他方、現在、ISO3758については、ISOの国際会議の場で改正に向けた検討が行われており、我が国は、上記問題点の克服に向けた意見を積極的に提出しているところである。今後、早ければ2002年にはISO3758が改正される予定とされており、ISOの規程が改正され次第、JIS−L0217を早急に整合化すべきである。

(4-2)漁船推進機関の規制におけるエンジン出力算定方法の改善

 我が国では、水産資源の保護育成及び乱獲防止の観点から、漁船の総トン数規制、漁具規制、漁期規制等種々の方法を組み合わせて漁獲努力量規制を行っており、その規制手段の一つとして、漁船の総トン数に応じて搭載できるエンジンの大きさの規制がある。具体的には「動力漁船の性能の基準」において、漁船の総トン数区分ごとに搭載できるエンジンの漁船法馬力数(Engine Performance Index(EPI))の上限値を規制するという方法を採っており、現在のEPIは、1997年のOTO(市場開放問題苦情処理推進会議)の報告等に基づき、漁業者、国内外のエンジン製造者の意見を踏まえ、エンジン総排気量をベースとして算出されることになっている。

 総排気量は、確かにエンジンの性能を測る一つの要素ではあるが、エンジン性能すなわち漁船の速度や曳網能力をより直接的に決定する要素は、エンジンの実馬力である。総排気量が同一でも、実馬力が異なるエンジンが存在することから、総排気量によるエンジン性能の規制では、同じ排気量でも異なる速度や曳網(ひきあみ)能力を持つ漁船が操業可能となり、乱獲の防止という規制の実効性の点で問題がある。より実効性を高めるための規制手段としては、実馬力そのものによる規制があるが、実馬力は、取締りあるいは検査に当たりエンジンを取り外して工場等において測定する必要があり、行政目的上管理が困難であることから、いついかなる場所においても即物的に確認・検査ができ、また実馬力とも相関関係を有する総排気量によるエンジン性能規制(EPI)が規制手段として採用されたものである。

 このように現在のエンジン性能規制は、検査及び取締り目的を優先することにより、結果として実効性が薄れてしまっている。

 実馬力による規制については、現時点では行政管理を行う上で技術的に有効な方策が検証されていないが、エンジン技術の進展から漁船エンジンも電子化が進み改造も容易ではなくなっていること、また、実馬力による規制への変更で汎用エンジンを漁船に転用することが可能となるなど漁業従事者にとって選択の幅が広がることから、実馬力規制に移行した場合の現実的な検査の方法及び検査後の改造を防ぐための有効な手段を含め、エンジン規制の在り方について漁業関係者、国内外のエンジン製造者、学識経験者等を構成員とする検討会において技術的な調査・研究を行い、有効性が確認されたエンジン規制方式への移行を検討すべきである。

(4-3)特定港における夜間入港制限の緩和

 港則法(昭和23年法律第174号)第6条により、現在7つの港(函館、京浜、大阪、神戸、関門、長崎、佐世保)において、総トン数500トン以上(関門港若松区においては総トン数300トン以上)の船舶は、港長の許可のある場合又はやむを得ない事由のある場合を除いて、夜間(日没から日出までの間)は、入港してはならないこととなっている。

 対象港ではいずれも既に相当数の船舶が所要の安全対策を講じることを条件として許可を受けて夜間に入港しており、本制度は各種の安全対策を励行させる手段として機能している。

 本件の規制緩和については、規制緩和推進3か年計画(改定)において、平成12年度末まで、「学識経験者、海事関係者等の意見を聴きながら引き続き検討を行う」とされ、運輸省は、現在、社団法人日本海難防止協会を中心に学識経験者、海事関係者が参加した委員会において規制緩和の方向性について検討中である。

 対象港の中には地形的特性等から現在以上の夜間の航行環境の改善が困難な区域もあり、また、小型船以外の海難の大部分は安全対策が不十分な外国船により引き起こされている現状にかんがみれば、視認性に問題のある夜間入港時における各種安全対策の励行を義務付けている本許可制度の有効性は理解できるところであるが、反面、入港の度に許可申請を行わなければならないため手続が煩雑であり、突発的な運行スケジュールの変更の発生時に手続が間に合わず、物流の定時制を損なうという問題が生じていることも事実である。

 したがって、特定港における夜間入港制限については、申請者の手続面の負担軽減を図ることが必要であり、水先人が乗り組む等により安全な航行に支障がない船舶については、包括許可制度(一度港長の許可を受ければ一定期間入港の度に許可を受けなくても済む制度)の活用等を図ることにより、許可手続を簡素化・弾力化すべきである。

(4-4)警備業法による変更届の提出の簡素化

 警備業を営む者は、警備業法(昭和47年法律第117号)第6条、同法施行規則第15条第3項及び第17条により、会社の代表者や役員の氏名及び住所が変更になった場合、主たる営業所(本社)の所在地を管轄する公安委員会に対しては、変更に係る事項を記載した届出書(添付書類を含む。)を提出しなければならず、またその他の営業所等を管轄する公安委員会に対しては、変更に係る事項を記載した届出書(添付書類なし。)を提出しなければならない。

 警備業が人の生命・身体・財産等を守ることを主な業務とすることから、業を営む者に対する行政管理上、業を開始する際の届出及び変更届の提出は必要な手続であると判断されるが、役員の住所変更等まで、その都度全営業所の所在地を管轄する公安委員会に届出書を提出することは、業を営む者にとって少なからず負担となっていると考えられる。また、役員変更の際に提出が義務付けられる添付書類に関しては、行政管理上の目的からみて一部見直しの余地もあるのではないかと考える。

 したがって、行政管理上支障のない範囲で、できる限り提出書類を簡素化するとともに、既に古物営業法で実施しているように、変更届については全営業所の所在地を管轄する公安委員会に提出するのではなく、一の公安委員会に提出すれば済むよう手続を変更すべきである。

(4-5)引火点の高い液体の危険物からの適用除外

 引火性液体は、消防法(昭和23年法律第186号)第2条及び同別表により、消防法上の危険物に指定されており、その貯蔵や取扱い等について同法第10条等により規制がなされている。消防法上、政令で定める引火の危険性を判断するための試験において引火性を示すものは第4類の危険物(引火性液体)とされており、引火点の上限は決められていないが、欧米諸国においては、引火点がおおむね100度程度以下のものを危険物として規制していることが多い。

 引火点の高い液体の危険物からの適用除外については、規制緩和推進3か年計画(改定)において、「安全性を損なわないことを前提として引き続き検討し、結論を得て、安全性が確認された場合は、できる限り早期に所要の措置を講ずる」こととされ、平成11年度中に結論を得ることとされている。

 消防庁は、危険物の範囲が消防法に基づく危険物規制の根幹となる事項であるため、平成9年3月から、学識経験者からなる危険物委員会において検討を行った。同委員会においては、国際整合性の確保や大規模地震発生時の安全性の確保の必要性等を踏まえ、産業界関係者の意見も聴取しつつ慎重に検討を行い、引火点が250度程度を超える引火性液体については危険物から除外しても、安全性の観点から問題はないとの結論を得ている。さらに、現在、危険物委員会の結論を踏まえ、引火点が100度から250度程度の液体危険物の貯蔵・取扱い施設の技術基準の合理化を図るため、学識経験者、消防機関、産業界関係者等から成る高引火点危険物等に係る技術基準に関する調査検討委員会において検討を行っているところである。

 引火点の高い液体危険物に係る消防法の規制の見直しについては、危険物委員会や高引火点危険物等に係る技術基準に関する調査検討委員会の検討結果等を踏まえて最終的な結論を得次第できる限り早期に所要の措置を講ずるべきである。

(4-6)セルフサービス方式の給油取扱所(固定給油設備)に関する規制の緩和

 平成10年4月より解禁となっている有人セルフサービス方式の給油取扱所については、消防法令において、当該施設の位置、構造及び設備の技術上の基準が定められており、当該施設を設置する場合は、市町村長等の許可及び完成検査が必要である。

 当該施設に係る基準については、諸外国の状況について調査するとともに、想定される様々な危険要因に対する安全対策を検討した結果、設定されたものであり、おおむね合理的なものとなっているが、一部について、安全性を損なわないことを前提にして、見直す必要があると考えられるものも見られる。

 具体的には、固定給油設備の危険範囲(可燃性蒸気滞留範囲)の基準について、本年5月に取りまとめられた日米規制緩和第2回共同現状報告に基づき、諸外国の基準との整合性を考慮しつつ基準を見直すべきである。また、1操作当たりの給油の上限基準についても、規制緩和推進3か年計画(改定)に基づき、早急に使用実態等を勘案した基準に見直すべきである。


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