2 公的資格制度

 規制緩和についての第1次見解における当委員会の指摘を受け、政府は、業務独占資格等について、各所管省庁が見直しを行い、その結果に基づいて規制緩和推進3か年計画の計画期間内(平成12年度末まで)に所要の措置を講ずるとの方針を閣議決定した。

 現在、関係省庁における見直し作業はなおその途上にあるが、関係省庁は、計画期間内に改革を完了するという政府の定めた目標の達成に資するため、それぞれの省庁における見直し作業の状況を平成12年度当初を目途に中間的に公表するべきである。これは、関係省庁における見直し作業の透明性の向上を図ることになるとともに、あくまで資格者の提供するサービスを利用する者の立場に立って業務独占資格等の見直しを進めていくという基本に沿うものである。なお、この中間的公表に当たっては、既に閣議決定されている16の見直しの基準・視点に加えて、この見解中で追加又は補足追加している見直しの基準・視点についても、併せて見直しの状況又は考え方を公表するべきである。

 規制制度全体における資格制度の持つ重要性にかんがみ、政府による横断的な業務独占資格等の見直し作業を促進するという観点から、当委員会においても、関係省庁における見直し作業と並行して、業務独占資格等についての調査審議を進めてきた。その結果、現時点までに当委員会として改善が必要であると判断するに至った事項は、以下に述べるとおりであり、これらについては、政府において迅速かつ確実に実施すべきである。

 なお、資格制度の見直しは、政府の既定方針であり、本見解の指摘する事項以外についても、関係省庁が自主的に見直して改善を図るべきことは当然である。

 さらに、公的な資格制度のうち業務独占資格と並ぶ大きな類型として必置資格がある。当委員会は、今年度、必置資格についても、各省庁から調査票の提出等の協力を得、また、事業者等からヒアリングを行うなどにより、制度の法令上の規定状況及び現状について、横断的かつ全般的に調査してきた。その結果、技術進歩への対応等の観点から、必置の必要性、必置の態様、資格取得方法等について、合理性に疑問があると考えられる規制が見受けられたため、別途、本見解中に節を改めて必置資格等必置規制に関する見直しの基準・視点を提示することとした。これらについても、業務独占資格等と同様に、政府は自主的かつ計画的に見直して改善を進めていくべきである。

2−1 業務独占資格等

(1)見直しの推進方策等

(見直しの経緯)

 当委員会は、昨年度、公的資格制度のうちの業務独占資格(平成11年4月1日現在101資格)について、各資格制度の法令上の規定状況及び現状について横断的かつ全般的に調査を行い、その成果を規制緩和についての第1次見解において、業務独占資格等制度についての16項目の見直しの基準・視点及びその考え方として提示した。

 政府は、当委員会が提示した見直しの基準・視点及びその考え方を規制緩和推進3か年計画(改定)に盛り込み、業務独占資格等を中心とする資格制度の見直しを実施していくこととした。この閣議決定により、関係省庁は、国民生活の利便性の向上、当該業務サービスに係る競争の活性化等の観点から、所管する業務独占資格等について、廃止又は必置資格若しくは名称独占等資格への移行を含め、業務独占規定、資格要件、業務範囲等の在り方を見直すとともに、その結果に基づいて規制緩和推進3か年計画の計画期間内(平成12年度まで)に所要の措置を講ずることとされた。

(検討状況の中間公表)

 現在、関係省庁において、閣議決定された見直しの基準・視点に基づき、それぞれが所管する業務独占資格等についての見直しが行われているところであるが、なお、その作業は途上にあると言わざるを得ない。関係省庁が平成12年度までに見直しを行い、その結果に基づいて所要の措置を講ずるという政府の定めた目標を達成するためには、見直し推進のための関係省庁横断的な仕組みの工夫が必要である。

 このため、規制緩和推進3か年計画の毎年度の改定に当たって、改定作業の透明性を確保する等の観点から、各省庁が内外からの規制緩和に関する意見・要望についての検討状況を中間的に公表することとされていることにならい、関係省庁は、規制緩和推進3か年計画の再改定後速やかに業務独占資格等の見直しの基準・視点に基づく検討状況を公表すべきである。

 その際、資格の性質上明らかに当該見直しの基準・視点に該当しない場合を除いて、基準・視点に沿った見直し・改善が困難であるとして現行の制度・運用を維持する方向で検討中である項目については、その必要性、根拠等を明確にして公表するべきである。また、この見直し状況の中間的公表に当たっては、当委員会がこの見解中で追加又は補足追加している見直しの基準・視点(後述)についても、併せて見直しの状況又は見直しに当たっての考え方を公表するべきである。

(2)見直しの基準・視点に基づく検討結果

 規制制度全体において資格制度の持つ重要性にかんがみ、政府による横断的な業務独占資格等の見直し作業を促進するという観点から、当委員会においても、関係省庁における見直し作業と並行して、業務独占資格等についての調査審議を進めてきた。具体的には、当委員会は、今年度は、業務独占資格等のうち、当委員会に対する国民からの意見・要望が多く国民の関心が高いと考えられる事務系の10資格(不動産鑑定士、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、公証人、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士及び行政書士の10資格。以下「事務系10資格」という。)を中心として、これらについて順次、関係省庁、資格者団体、養成施設、利用者等に対するヒアリングを実施するなど横断的に調査検討を進めてきた。また、その他の資格については、関係省庁に対して調査票の作成を依頼するなどにより横断的に調査検討してきた。

 その結果、現時点までに、以下のとおり改善が必要な事項が見られたので、関係省庁等は所要の措置を講ずるべきである。

 なお、業務独占資格等制度の見直しは、政府の既定方針であり、本見解の指摘する事項以外についても、関係省庁が自主的に見直して改善を図るべきものであることは言うまでもない。当委員会としては、政府における見直し作業を一層促進する観点から、本見解で取り上げた資格以外の問題を含め、今後とも調査審議を進めていく考えである。

≪閣議決定された見直しの基準・視点≫

【業務独占範囲の見直し、相互乗り入れ】見直しの基準・視点@
 業務範囲が余りに細分化されている資格については、業務範囲の見直し、資格間の相互乗り入れを検討する。
 また、業務独占資格者の業務のうち隣接職種の資格者にも取り扱わせることが適当なものについては、資格制度の垣根を低くするため、他の職種の参入を認めることを検討する。

<司法書士、弁理士、税理士の訴訟代理等>

 業務独占資格の業務範囲については、かつて行政改革委員会において、規制緩和が進めば自己責任の原則が強く求められ、そのための社会的インフラとも言える司法が本来の機能を十分に発揮できるようにすることが必要であり、そのためには量的・質的な法曹の充実が不可欠であるとの考え方に立ち、弁護士と隣接法律関係専門職種との役割分担の問題が取り上げられた経緯がある。

 この流れを受け、当委員会においては、業務独占資格全般を対象に、国民生活の利便性の向上、当該業務サービスに係る競争の活性化等の観点から、業務独占規定等の資格制度の在り方について横断的に見直しを行ってきている。

 電力やガスの供給を見ても分かるように、独占には供給責任が伴う。しかしながら、弁護士については、他の先進国と比べてその絶対数が極端に少ないだけではなく、弁護士過疎と言われる事態を生じており、数の面においても、また工業所有権や税務という専門知識の面においても、さらには費用の面においても、業務独占に伴う供給責任を果たしていないのではないかとの指摘がある。

 このような指摘を踏まえ、当委員会は、国民が望む司法を実現するためには、どの地域の住民も簡易な手続でかつ低廉な費用で必要とする司法サービスにアクセスできるシステムが整備されていなければならないとの観点に立ち、具体的には、弁護士数の不足、弁護士過疎地に居住、費用負担面の問題等から簡単には弁護士の提供する司法サービスにアクセスできない国民をいかに救済するか、また、例えば工業所有権、税務という極めて専門的な知識を要求される事案に迅速かつ適正に対処するにはどのような方策を講ずるべきかなど、ユーザーである国民や企業の権利及び利便をいかに確保するかの観点に立って、多面的な検討を行ってきた。その結果、当委員会は、これまでに、弁護士の隣接法律関係専門職種である司法書士、弁理士及び税理士について、以下に述べるとおり、現在は弁護士の業務とされている法律事務の一部を業務として認めるべきではないかとの結論に至った。

 また、今回は司法書士、弁理士、税理士の3資格を取り上げたが、この問題は、より広くは、不動産鑑定士、公認会計士、社会保険労務士、行政書士等の隣接法律関係専門職種全体の問題として、これら資格者の資質・能力をどのように活用するかという観点からも検討していく必要がある問題である。

 なお、現在、司法制度改革審議会設置法に基づき内閣に置かれた司法制度改革審議会において、司法制度の改革と基盤の整備に関し必要な基本的施策について国民的見地に立った調査審議が行われているものと承知しており、以下で提起した問題も、同審議会において、弁護士と隣接法律関係専門職種との関係ないし役割分担の在り方といった広い視点から、適切に判断されるべき事項であり、当委員会の見解を踏まえ検討し早期に適切な結論が示されることを期待する。当委員会としては、どの地域の住民も簡易にかつ低廉な費用で必要とする司法サービスにアクセスできるようにすることは、国民が望む司法実現のため緊急かつ重要な問題であると考える。

(司法書士について)
 ア 1)弁護士が地域的に偏在していること等により、簡易裁判所等における訴訟に弁護士が十分対応できていないこと、2)本人訴訟の場合であっても、司法書士が裁判所へ提出する書類の作成等の訴訟準備を行っていることが多いこと、3)本人訴訟の場合において、訴訟の迅速化の観点から、裁判官の要請等により、司法書士が法廷で説明等を行う場合が少なくないとの指摘があること等を踏まえ、国民の利便性の観点から、司法書士に簡易裁判所における通常訴訟、調停・和解事件の代理権を認めるべきであると考える。
 イ 不動産の権利登記は司法書士が行っているが、相続を原因とする不動産登記においては、未成年者である相続人のための特別代理人の選任、遺言執行者が選任されていない場合のその選任、不動産の所有者が所在不明の場合の不在者財産管理人の選任等、家事審判事件の申立てが必要となる場合がある。このような場合に、国民の利便性の観点から、登記の依頼を受けた司法書士がこれらの家事審判手続の書類を作成して裁判所に提出するなどにより、一連の処理ができるよう、司法書士に家事審判・家事調停における代理権を認めるべきであると考える。
 ウ 不動産の担保権の設定登記は司法書士が行っているが、国民の利便性の観点から、担保権の実行である不動産競売申立事件の代理を認めるなどにより、一連の処理ができるよう、司法書士に民事執行事件における代理権を認めるべきであると考える。

(弁理士について)
 エ 弁理士の訴訟における位置付けは、1)特許庁長官を当事者とした審決取消訴訟における訴訟代理人及び2)工業所有権に関する権利侵害訴訟における補佐人としての位置付けにとどまっているが、高度な専門的知識を必要とする知的財産権紛争(特許裁判)の迅速かつ適正な解決を図る観点から、知的財産権の専門家であり、かつ出願時点から一貫して関与してきた弁理士に侵害訴訟における代理権を認めるべきであると考える。また、工業所有権審議会においては、訴訟の前段階である仲裁・和解などの裁判外紛争処理における代理については早急に弁理士への付与を認めるべきであるとの意見がある。

(税理士について)
 オ 税務訴訟は税務に関する極めて専門的な知識が要求されるが、課税庁には法曹資格のない税務行政官が訴訟代理人となる指定代理人制度が認められているのに対し、納税者は税務を代理してきた税理士を代理人とすることができず、課税庁と納税者とが対等な立場となっていないことから、官対民の不平等を解消して裁判を通じた納税者の権利救済を容易にし、ひいては国民の納税義務の適正な実現が図られるよう、申告時から一貫して関与してきた税理士に、出廷陳述権(注)を認めるべきであると考える。

 なお、以上のような問題提起については、以下のような理由を挙げて、それぞれの資格について訴訟代理等を認めることは困難ではないかとする意見がある。
 1)弁護士以外の資格については、依頼者等関係者の権利及び利益の擁護、国民による法律生活の公正かつ円滑な営みの確保等の観点から、訴訟代理等を認めることは困難ではないか。例えば、家事審判、家事調停事件については、遺産分割事件のような複雑な事案や当事者の身分関係に関わる重大な事案も存し、また、民事執行事件については、不動産競売の申立てのみならず、執行異議、執行抗告など高度の法律知識を有する複雑・困難な事件も含まれ得るところであることから、これらの代理権を司法書士に認めることは困難ではないか。
 2)弁護士以外の資格については、訴訟手続、紛争処理実務等に関する試験・研修が制度的に担保されていないこと(試験については、司法書士を除く。)等から、訴訟代理等を認めることは困難ではないか。
 3)司法書士は、現在でも、業務として家事審判・家事調停事件の書類作成権限を認められており、国民の利便性の観点からは、家事審判・家事調停事件の代理権を認めるべき特段の必要性はないのではないか。
 4)弁護士以外の資格及び資格者の団体は、所管省庁の監督下にあり、弁護士会のような資格者の自治についての制度的な担保がない。

 このような意見については、当委員会は、次のとおり考える。
 1)について。簡易裁判所は、訴額が90万円以下、裁判官1人制など、第一審裁判所の中でも比較的軽微な事件を簡易な手続で行うという特殊な位置付けがなされていること。また、簡易裁判所の裁判官には法曹以外の者も任用できることとされており、代理人だけを弁護士に限る必要がないこと。さらに、司法書士が作成する裁判所へ提出する書類は、当事者の権利実現のための裁判手続そのものを支えており、司法書士は、従来から、複雑、重大、困難な事件も取り扱ってきていること。
 2)について。司法書士については、試験によって訴訟手続等の能力を担保されていることに加え、日本司法書士会連合会による法廷実務を含む研修が行われていること。税理士の出廷陳述権に関しては、既に現行法上も弁理士について、「裁判所に於いて当事者又は訴訟代理人と共に出頭し陳述を為すことを得」とされていること。弁理士については、これも既に現行法上訴訟法の知識を必要とする審決取消訴訟の代理人資格が認められており、また、東京地方裁判所で調停委員として関与しており、平成12年には大阪、名古屋、奈良の各地方裁判所でも関与する予定であり、さらに、工業所有権仲裁センターにおける仲裁、調停には弁理士が仲裁人、調停人として関与していること。
 3)について。平成10年の家事審判件数は過去最高の約36万件に達しており、弁護士はこれに対応し切れていないこと。
 4)について。司法書士が主張している訴訟代理は民事訴訟における代理であり、私人間の訴訟代理の問題に自治権(資格者の職務の国家からの独立性)の問題は関連性を持たないこと。弁理士及び税理士については、既に弁理士には監督官庁である特許庁の長官を相手取った訴訟である審決取消訴訟の代理人資格があり、また、税理士も税務訴訟に補佐人として関与し、課税庁と対立することあるが、両資格ともこれまでに監督官庁からの干渉を受けたことはなく、資格者団体が所管省庁から監督を受けていないという意味での資格者自治についての制度的担保の有無は、これらの資格者に訴訟代理件等を認めることとは関係がないこと。

(注) ここでいう出廷陳述権とは、訴訟が提起された税務に関する処分につき、裁判所の許可を得ずして当事者又は訴訟代理人と共に裁判所へ出頭して陳述する権利をいう。

<看護婦及び救急救命士>

(看護婦の業務内容)
  看護婦の業務内容については、高齢化の進展に伴い、訪問看護等の需要が増大すると見込まれるところであり、訪問看護の現場における業務の安全性や効率性等を確保する観点から、訪問看護婦の行う業務の標準的作業手順等について検討すべきである。

(救急救命士の行う措置)
  救急救命士の行う措置の在り方については、規制緩和推進3か年計画(改定)において、平成11年度に検討することとされている。救急救命士の全般的活動につき、科学的な評価検討を行い、病院前救護体制を向上させるため、その業務の在り方等につき検討した上で速やかに結論を得るべきである。

【廃止を含め在り方検討】見直しの基準・視点A
 以下の資格については、廃止を含めその在り方を検討する。
・ 資格者以外でも実施可能な専門性の低いもの
・ 資格取得に当たって、試験合格等の特段の要件を必要としないもの
・ 試験合格率又は講習修了率が極めて高いもの
・ 資格取得の要件が試験合格を要件としているにもかかわらず、資格取得者のほとんどが試験合格以外の特例による取得者であるもの
・ 類似資格が民間資格において存在するもの

 当委員会のこれまでの調査審議の結果、欠格事由が規定されているのみで、資格者が有すべき能力等について特段の要件が求められていない資格や、短時日の講習のみで資格取得が可能であり講習修了率も極めて高い資格も見られた。これらの資格については、他の資格と合わせ、引き続き精査していくこととする。

【資格試験の実施】見直しの基準・視点B
 法律上資格試験を行うこととされている資格については、試験を実施する。

<公証人>

(公証人試験の実施)
 公証人法(明治41年法律第53号)上は公証人を任命するに当たっては試験を実施することとされているが、法務省は、公証人には司法試験に合格した法曹資格者及びこれに準ずる学識経験者を公証人審査会の選考を経て任命しており、試験を実施することとした場合、重複した制度を設けることとなることを理由としてこれを一度も実施していない。
 しかし、試験を実施しないことにより一般の希望者が公証人になる道が閉ざされている。また、法曹資格者に準ずる学識経験者を公証人に任命できる場合は、公証人法上、公証人がいない場合等に限られており、さらに、これらの者の公証人への任命の実態を見ると、特定の行政事務経験者等が多数任命されている。
 したがって、公平性・透明性の観点から、法務省は、公証人法の定めるところに従い、公証人の任命に当たり公証人法に基づく試験を行うべきである。
 仮に、その試験が司法試験と重複するとするのであれば、少なくとも公証人法第13条ノ2所定のいわゆる特任公証人に民間の企業法務に携わった者を任用する道を開くべきである。

(公証人任命手続の公正透明化)
 法務省は、公証人の任命に当たっては、公証人審査会で審査が行われており、任命手続の適正さは確保されているとしているが、上述のとおり公募が行われていないことから、一般の希望者が公証人になる道が閉ざされているところ、少なくとも民間の企業法務に携わった者をいわゆる特任公証人に任命しない理由はないものと言わなければならない、。また、公証人審査会の委員構成をみると、OBを公証人として多数送り出している法務省の幹部職員及び法務大臣の監督を受ける当事者である公証人のみから成っている。
 したがって、公平性・透明性を確保する観点から、公証人の任命に当たっては公募を行い、また、公証人審査会の委員構成を見直すべきである。

【明確で合理的な理由のない受験資格要件の廃止】見直しの基準・視点C
 明確で合理的な理由のない受験資格要件については、その廃止を検討する。

 受験資格としての学歴要件については、生涯学習審議会も「学習の成果を幅広く生かす−生涯学習の成果を生かすための方策について−」(平成11年6月9日答申)において、「各種資格等の学歴要件等の見直し」と題して以下のように述べている。

 各種資格を国民に更に開かれたものとするため、高度で専門的な知識や技術、経験を要するために特別の教育・訓練を必要とするものを除き、一定の学歴がないことのみによって、資格取得の道を閉ざすことは妥当ではない。学習成果を適切に評価し、個人のキャリア開発に生かしていくという観点からは、できるだけ学歴要件を除去することが求められる。

<受験資格要件としての学歴要件>

 当委員会が個別に調査審議を行った事務系10資格の試験のうち、司法書士試験及び土地家屋調査士試験は、希望者に対して広く門戸を開き、また、実務を行うために必要な知識及び能力は試験によって判定しているとして、制度創設時から学歴に限らず一切の受験資格要件を設けておらず、専門知識に関する試験のみとなっている。また、行政書士試験は、第145回国会で行政書士法の一部改正が行われ、受験資格要件を廃止することとされた。

(税理士試験及び社会保険労務士試験)
 一方、税理士試験及び社会保険労務士試験は、受験資格として一定の学歴要件が定められており、また、司法試験、公認会計士試験、不動産鑑定士試験及び弁理士試験は、一定の学歴を有しない者に対しては一般教養試験である第1次試験が課されている。これらの受験資格要件を設けている理由として、関係省庁では、資格者として職務を遂行する上で専門知識以外の一般的学力及び応用能力が必要であり、受験資格要件を廃止した場合は、職務遂行能力のない資格者を大量に作りかねないこと等を挙げている。
 しかし、受験資格として学歴要件がなく専門知識に関する試験のみが行われている司法書士及び土地家屋調査士の場合において現実にこのような支障は生じていないことに加えて、行政書士試験において受験資格要件が廃止することとされたこと及び上記の生涯学習審議会答申の指摘を踏まえ、希望者に広く資格取得のための門戸を開放する観点から、税理士試験及び社会保険労務士試験については、受験資格要件の廃止を検討すべきである。

(司法試験、公認会計士試験、不動産鑑定士試験及び弁理士試験の第1次試験)
 また、同様の観点から、司法試験、公認会計士試験、不動産鑑定士試験及び弁理士試験については、一定の学歴を有しない者に課される第1次試験を廃止し、受験者全員が現在の第2次試験から受験できるよう検討すべきである。

<専門学校卒業者の取扱い>

 上記の生涯学習審議会答申では、「各種資格の受験要件に関しては、専門学校卒業者は短大卒業者に相当する取扱いを受ける例が増えているが、なお短大卒業者相当と評価されていない資格が見られることから、その見直しについて検討を行うことが求められている」としている。なお、公認会計士試験については、学校教育法等の改正が行われたことにより、今年度から一定の基準を満たす専門学校卒業者も受験資格が認められている。

(税理士試験、社会保険労務士試験)
 見直しの基準・視点にもあるのとおり、明確で合理的理由のない受験資格要件は本来廃止されるべきであると考えるが、専門学校卒業者が受験資格を有していない税理士試験については、現在6万人以上の受験者があり、要件を緩和した場合受験者が大幅に増加する可能性があるとはいうものの、上記の生涯学習審議会答申の指摘及び既に専門学校卒業者等に受験の機会を開放している他の資格試験との均衡を考慮し、当面、専門学校卒業者を短大卒業者に相当する取扱いとして受験資格を認めるよう検討すべきである。
 また、理学療法士学校等の一部の専門学校卒業者に限って受験を認めている社会保険労務士試験については、その範囲を拡大すべきである。

【受験前の実務経験、試験合格後の講習等の在り方見直し】見直しの基準・視点D
 受験前の実務経験、試験合格後の修習・講習等の義務付けについては、合理的な理由なくして参入規制として機能しないようその在り方を見直す。

<司法試験合格後の資格取得要件>

 弁護士資格を取得するためには、弁護士法により、司法試験に合格した後司法修習を受けることが原則とされており、司法試験の合格者数は司法修習の受入れ能力に左右されている。しかし、司法試験合格後、5年以上内閣法制局参事官の職にあった者や、また、司法試験に合格していなくとも、5年以上別に法律で定める大学の学部、専攻科又は大学院において法律学の教授又は助教授の職にあった者は、司法修習を経なくとも弁護士資格を取得できることとされている。

 この問題に関しては、規制緩和推進3か年計画(改定)において、法曹人口の大幅増員問題の一環として、「司法試験合格後に民間企業における一定の実務経験を経た者に対して法曹資格の付与を行うための具体的条件等を含めた制度的な検討」を行うこととされている。その際、不動産鑑定士及び公認会計士における実務補習制度を参考にすることも考えられる。

<不動産鑑定士試験の受験資格要件としての実務経験等>

 不動産鑑定士の前段階である不動産鑑定士補となるためには、不動産鑑定士第2次試験の合格と2年以上の実務経験が必要であり、また、不動産鑑定士となるためには、不動産鑑定士補として登録した後、1年以上の実務補習と不動産鑑定士第3次試験に合格することが必要である。

 しかしながら、受験のためだけに特定の業務への就業を条件とすることは、不合格となった場合のリスクが大きく、また、学生や既に他の職業に就いている者に対する受験の門戸を制限することになることから、このような受験要件の在り方について検討すべきである。その際、社会保険労務士において、資格取得のためには試験合格に加えて2年以上の実務経験が必要とされているが、この実務経験については、全国社会保険労務士会連合会が行う通信教育の修了と面接をもって代え得ることも参考とすべきである。

 また、不動産鑑定士補と不動産鑑定士とでは、法律上、行い得る鑑定業務についての違いはなく独立して開業できるか否かの違いがあるだけであるだけであることから、不動産鑑定士第3次試験は不動産鑑定士になろうとする者に対する開業規制としての色彩が濃厚であり、不動産鑑定士第3試験の在り方について検討すべきである。 <公認会計士試験の受験資格要件としての実務経験>

 公認会計士については、公認会計士第3次試験を受験するためには、公認会計士第2次試験に合格し会計士補となる資格を得た後、1年以上の実務補習と2年以上の実務経験が必要とされているが、不動産鑑定士に関して述べたのと同じ観点から、このような受験要件の在り方について検討すべきである。

 なお、現在、実務経験は、監査・証明業務のほか、原価計算や財務分析に関する事務などに直接携わるものに限定されているが、経営戦略の立案や環境監査など、公認会計士の業務の多様化が進んでいることを踏まえ、実務経験の対象となる業務の範囲を拡大すべきである。

【障害等を理由とする欠格事由の見直し】見直しの基準・視点E
 障害又は性別を欠格事由として資格を取得することができないとしているものについては、その合理性について検討すべきである。

<障害を理由とする欠格事由>

 障害を欠格事由として資格を取得できないとしている制度については、「障害者に係る欠格条項の見直しについて」(平成11年8月9日障害者施策推進本部決定)に基づき、欠格条項を見直すべきである。

 なお、小型船舶操縦士の身体障害は、その程度によって免許が取得できないとされる相対的欠格要件であるが、この問題については現在運輸省が見直し作業を進めており、これを評価し、前向きの結論が早期に出されるよう、その動向を注視していく。

<性別を理由とする欠格事由>

 性別を理由として資格を取得できないとしている制度については、その合理性について引き続き検討していく。

【受験資格及び資格取得に係る特例認定基準の明文化・公表】見直しの基準・視点F
 受験資格及び資格取得に係る特例措置の認定基準については、明文化・公表を進める。

<特例措置の認定基準の明文化・公表>

(司法書士、社会保険労務士)
 受験資格及び資格取得に係る特例措置の大臣認定基準は、電気工事士のように省令及び大臣告示によってその内容を明文化しているものがある一方、国民の目に触れにくい通達レベルで規定されているものもある。司法書士及び社会保険労務士については、現在、法令や大臣告示レベルでは認定基準は明らかにされていないので、関係省庁は、公平性・透明性の観点から、これらの資格に係る大臣認定基準について、法令等により明文化し、公表するべきである。

<特例認定における関係行政事務の実務経験としての評価>

 資格制度において、関係行政事務における実務経験を評価することに一定の合理性がないとは言えないが、資格制度に対する信頼性、試験受験者との均衡及び公平性・透明性を確保する観点から、関係省庁は、以下のとおり、任命基準又は試験が免除される行政実務経験と免除科目との関係を精査し、明文化することを検討すべきである。

(公証人、司法書士)
 税理士における試験免除に係る行政実務経験については、法律において従事した業務及び年数が定められている一方、公証人及び司法書士については、その任命基準や試験免除に係る行政実務経験の内容が具体的ではないため、これらを精査し、具体化・明文化する。

(税理士)
 税理士については、学識経験、学位取得、他資格取得及び行政実務経験による試験免除が認められている結果、税理士に占める税理士試験合格者の割合は、約40パーセントとなっているが、これらの免除要件と免除科目との関係について合理性・公平性の観点に立ち精査し検討する。

【合格者数の見直し】見直しの基準・視点G
 合格者数制限を行っているものについては、参入規制とならないよう、これを見直す。

 資格試験において合格者数制限を行っているのではないかとの指摘は多々あり、関係省庁、養成施設等からのヒアリングの結果、過去の合格率の推移等から見て、その疑いを払拭しきれない資格も見られるところから、当委員会としては引き続き精査していく。

 関係省庁は、資格試験における公平性・透明性を確保する観点から、そのような疑いを持たれぬよう、下記の見直しの基準・視点I(合否判定基準の公表)(これに補足追加した基準・視点を含む。)に一層留意すべきである。

【関連・類似資格の統合、試験・講習科目の共通化・免除、履修科目の免除】見直しの基準・視点H
 関連・類似資格等については、統合又は試験・講習科目の共通化・免除若しくは履修科目の免除を進めることについて検討する。

(税理士試験と公認会計士試験)
 不動産鑑定士試験と公認会計士試験の間では、それぞれの第2次試験において、受験科目の一部科目の相互免除が図られている(経済学と民法)が、これと同様に、税理士試験の財務諸表論及び簿記論の合格者について、公認会計士第2次試験の会計学のうちの簿記及び財務諸表論を免除できないか検討すべきである。

(弁理士試験)
 弁理士試験においては、受験者層を幅広く拡大する観点から、既存の資格試験で十分な能力ありと判断された科目について、受験免除措置等を講ずるべきである。

【合否判定基準の公表】見直しの基準・視点I
 合否判定基準を公表する。

 関係省庁、資格者団体、養成施設、利用者等からヒアリングを行った結果、本基準・視点に補足追加して検討すべき基準・視点は次のとおりである。

【見直しの基準・視点Iに追加補足する見直しの基準・視点】
・ 配点の公表
・ 模範解答等の公表
・ 不合格者に対する成績通知
・ 合格発表の迅速化

<合否判定基準の策定と公表>

 前述の事務系10資格のうち実際に試験を行っている9資格について見ると、年度や科目間により難易度が異なることがあり得るとの理由により、司法試験、司法書士試験、土地家屋調査士試験及び社会保険労務士試験において合否判定基準を定めておらず、また、弁理士試験においては試験の一部について合否判定基準を定めていない。しかし、上記の見直しの基準・視点G(合格者数の見直し)のとおり、年ごとに合否判定基準を変更して合格者数の調整を行っているのではないかとの指摘が根強いことから、透明性の確保の観点から、税理士試験にならい、これらの試験においても合否判定基準を定め、公表すべきである。また、科目間や年度間で難易度に差が生じたことにより、合否判定基準を変更した場合には、透明性の観点からその旨を理由を付して公表するべきである。

 不動産鑑定士試験及び公認会計士試験においては、合否判定基準を定めていてもこれを公表していないが、透明性の確保の観点から、税理士試験にならいこれを公表すべきである。

 また、以上の資格のほか、臭気判定士、理容師、美容師、家畜人工受精師、獣医師、土地改良換地士、調教師(中央競馬)、同(地方競馬)、騎手(中央競馬)、同(地方競馬)、作業環境測定士、測量士、建築士及び行政書士の各試験については、合否判定基準を公表することについて現在検討が行われていると承知しているが、これら検討中の資格に加えて以下に掲げる資格の試験についても、他の資格制度における改善の動きを踏まえ、基準を定めて公表すべきである。

(狩猟免許、医師、歯科医師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士、義肢装具士、救急救命士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、助産婦、看護婦、准看護婦、歯科衛生士、歯科技工士、薬剤師、航空工場検査員、液化石油ガス設備士、電気工事士、競輪審判員、競輪選手、小型自動車競走審判員、小型自動車競走選手、海事代理士、海技士(航海)、海技士(機関)、海技士(通信)、海技士(電子通信)、小型船舶操縦士、水先人、操縦士、航空士、航空機関士、航空通信士、航空整備士、航空工場整備士、操縦教員、運航管理者(航空)、動力車操縦者、通訳案内業者、地域伝統芸能等通訳案内業者、職業訓練指導員、特殊建築物調査資格者、昇降機検査資格者、建築設備検査資格者)

<配点の公表>

 配点を公表した場合には、配点の高い問題のみに偏った勉強をして試験に臨む者が現れるという弊害が予想される、試験問題の難易度により採点結果が前年度と大幅な差が生じている場合には、配点基準を見直すこともあり得るなどの理由により、現在は、事務系10資格の試験のうち税理士試験及び行政書士試験以外に配点を公表している試験はない。しかし、両試験においては特段の問題は生じていないことから、両試験にならい、不動産鑑定士試験、司法試験、司法書士試験、土地家屋調査士試験、公認会計士試験、社会保険労務士試験及び弁理士試験も配点を公表すべきである。

<模範解答等の公表>

 現在、事務系10資格の試験のうち論述式試験において模範解答を公表している試験はないが、試験の透明性を確保する観点から、模範解答又は採点方針、必要なキーワード、採点基準等を公表するべきである。

<不合格者に対する成績通知>

 試験の透明性を確保する等の観点から、現在、司法試験、公認会計士試験及び弁理士試験においては、不合格者に対して受験結果をランク別等により通知しているが、不動産鑑定士試験、司法書士試験、土地家屋調査士試験、税理士試験、社会保険労務士試験及び行政書士試験についても同様の措置を講ずるべきである。

<合格発表の迅速化>

 合格発表までの間、受験者が不安定な状態に置かれることから、合格発表は可能な限り迅速に行うべきである。税理士試験は、他の資格試験と比較して受験者数が多いとはいうものの、受験から合格発表まで135日(平成10年度)を要しており、更に合格発表を迅速化するべきである。

 また、試験事務も許認可等の一環であり、規制緩和推進3か年計画の「1−(5) 許認可等の審査・処理の迅速化・簡素化」を踏まえ、不動産鑑定士試験、司法試験、司法書士試験、土地家屋調査士試験、公認会計士試験、社会保険労務士試験、弁理士試験及び行政書士試験においても更に合格発表を迅速化するべきである。

 なお、弁理士については、上記の方策の導入を含め試験制度の改善方策について具体的に検討されていると承知しており、これを評価し、前向きの結論が早期に出されるよう、その動向を注視していく。

【資格取得の容易化】見直しの基準・視点J
 例えば以下の方法を採用することにより、資格取得の容易化を検討する。
・ 合格科目の積み上げ方式による合格方式(科目合格制)の推進
・ 再受験における既合格科目の免除制度の推進
・ 試験問題の公表・持ち帰りの推進

<科目合格制、既合格科目の再受験免除制度の推進>

 資格者のモラルを向上させるため、人生経験、職業経験のある社会人の資格取得が容易となるよう、試験科目が少ない行政書士試験を除き、不動産鑑定士試験、司法試験、司法書士試験、土地家屋調査士試験、公認会計士試験及び社会保険労務士試験について、例えば税理士試験のように科目合格制による合格方式を採用するよう検討するなど、資格取得の容易化について検討すべきである。

 また、同様の観点から、不動産鑑定士試験、司法試験及び公認会計士試験においては、現在択一式試験と論文式試験など試験が数段階に分かれており、択一式試験など一定段階の合格者については次の受験の際にそれまでに合格した段階の試験を免除する措置が講じられているが、これを更に推進し、現在こうした措置が採られていない司法書士試験、土地家屋調査士試験、社会保険労務士試験及び弁理士試験についても、再受験の場合に既に合格した段階の試験を免除する措置について検討すべきである。

 なお、弁理士試験においては、例えば、論文式試験の受験科目数の削減等の試験構造の簡素化について検討していると承知しており、これを評価し、前向きの結論が出されるようその動向を注視していく。

<試験問題の公表・持ち帰り>

 試験問題については、受験要綱等では必ずしも出題範囲が明確でないとの指摘や、難易度が過度に高くなっているとの指摘があり、公平性・透明性の観点から、試験問題の公表・持ち帰りを求める意見がある。

 これについては、既に公認会計士試験、税理士試験、社会保険労務士試験及び司法試験第2次試験の論文式試験で試験問題の公表・持ち帰りが行われており、また、平成11年度から、司法書士試験、土地家屋調査士試験及び行政書士試験で実施されているなど、試験制度改革の大きな流れの一つとなっている。

 したがって、現在試験問題の公表・持ち帰りを全く行っていない不動産鑑定士試験及び一部の問題に限って公表・持ち帰りを行っている弁理士試験について、出題範囲の明確化や公平性・透明性の向上の観点から、すべての試験問題の公表・持ち帰りを行うべきである。

 なお、弁理士については、試験問題の公表持ち帰りを含め試験制度の改善方策について具体的に検討されていると承知しており、これを評価し、前向きの結論が早期に出されるよう、その動向を注視していく。このほか、試験の質的向上及び一定の難易度の確保に資するため、試験問題のプール制の導入を検討している資格もある。

 また、以上の各試験のほか、測量士については試験問題の公表・持ち帰りが行われており、臭気判定士、家畜人工受精師、獣医師及び土地改良換地士の各試験については、試験問題の公表・持ち帰りを行うことについて現在検討が行われていると承知しているが、これらの検討中の資格に加えて以下に掲げる資格の試験についても、他の資格制度における改善の動きを踏まえ、試験問題の公表・持ち帰りを実施するべきである。

(狩猟免許、競輪審判員、競輪選手、小型自動車競走審判員、小型自動車競走選手、海事代理士、操縦士、航空士、航空機関士、航空通信士、航空整備士、航空工場整備士、操縦教員、運航管理者(航空)、ボイラー技士(1級、2級)、ボイラー溶接士、ボイラー整備士、発破技士、揚貨装置運転士、クレーン運転士、デリック運転士、潜水士、作業環境測定士、特殊建築物調査資格者、昇降機検査資格者、建築設備検査資格者)

【受験料の積算根拠の精査】見直しの基準・視点K
 受験料の積算根拠を精査する。

 この見直しの基準・視点については、引き続き精査していくこととする。

【登録・入会制度の在り方検討】見直しの基準・視点L
 公正有効な競争の確保の観点から、登録・入会制度の在り方について検討する。

 事務系10資格のうち、不動産鑑定士以外の9資格は資格者がその業務を行うに当たって、資格者団体への加入が義務付けられる強制入会制が採られている。これについて当委員会では、入会しなければ業務を行うことができないという制度の合理性、妥当性については疑問があり、強制入会制の下では、資格者間の自由な競争が制限されることにより価格の高騰やサービスの質の低下等の弊害が生ずるおそれがあり、強制入会制により、資格者グループごとに閉鎖的なものとなり、幅広く国民のニーズに応える上で支障となっていると考える。また、現に資格者団体の中には、業界の秩序維持を図る目的から、企業等が顧客の獲得のために相談会を開催する場合、当該企業等に対し、資格者団体経由でなければ相談業務を依頼できないこととしているとして、資格者個人に直接相談業務を依頼しないよう求める通知を発出するという競争制限的行為を行っているものが見られる。

 強制入会制を採る理由としては、会員に対する自主統制機能の強化が挙げられるが、弁護士会以外には資格者団体に業務停止等の懲戒権はなく、会の役員についての選挙権、被選挙権の停止など会員としての権利の停止にとどまっていることから、資格者団体の自主統制機能は限定的なものであると解される。なお、弁護士会の懲戒の在り方についても、より公正で透明な判断・手続を担保するという観点から、抜本的に見直しすることについて検討すべきであると考える。

 また、強制入会制を採るもう一つの理由としては、研修等を通じた資格者団体による資格者の質の確保と向上が挙げられているが、これは、本来、一定水準の資格試験と競争を通じた資格者自身による研鑽により図られていくべきものであり、資格者団体による自主的な研修活動等に一定の価値はあるとしても、そのことをもって、試験等によって資格者としての業務遂行能力があると判定された者について、さらに資格者団体に入会しなければ当該資格者としての業務を行うことができないとする強制入会制を採るだけの論理的根拠とはなり得ない。

 法律により強制入会制を採ることについては、以上に述べたほか、様々な基本的な法制上の問題等もある。こうした事情を十分勘案した上、現在、法律による強制入会制を採っている各資格について、この問題についての検討を深めるべきである。

【報酬規定の在り方見直し】見直しの基準・視点M
 公正有効な競争の確保や合理性の観点から、報酬規定の在り方を見直す。

 報酬規定については、事務系10資格のうち、公証人については政令で定められており、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、社会保険労務士及び弁理士については法律により会則記載事項とされている。その内容は、税理士だけが報酬の最高限度額とされている以外は報酬の標準とされており、いずれの場合であっても個別事業における報酬額の決定は依頼者と資格者の協議によるものとされている。他の資格のうち不動産鑑定士については、報酬規定が既に廃止され、行政書士についても、第145回国会において行政書士法の一部改正により、会則記載事項としないこととされた。

 報酬規定については、日本土地家屋調査士会連合会が報酬規定記載額を確定額として運用するよう各土地家屋調査士会を通じて各土地家屋調査士を指導していた疑いで、公正取引委員会から独禁法違反のおそれがあるとして警告を受けた例もある(平成9年10月9日)。

 また、平成9年9月から10年7月に実施された公正取引委員会のアンケート調査結果では、日本司法書士会連合会が定める会則基準において嘱託を誘致する目的による報酬の減額が禁じられていること、ほとんどの司法書士が報酬規定に沿った報酬を収受していたこと等にかんがみれば、報酬規定が会員が実際に収受すべき報酬であると受けとめられ、また、そのように機能しているおそれがあるものと考えられるとされた。これを受けて、同連合会は会則基準の改正を既に実施している。

 このような事情を踏まえ、当委員会としては、公正有効な競争の確保や合理性の観点から、報酬規定の在り方を見直すべきであると考える。

 報酬基準を設けている理由としては、報酬に関する依頼者の不安を取り除く効果があること等が挙げられるが、以上述べたように、報酬基準は、確定額でないとしても確定額として運用されるおそれがあることから、様々な問題が指摘されてきた。また、上記の行政書士法の一部改正の際に、衆議院において、「行政書士制度に関する報酬規定の取扱いは、今後、他の公的資格制度の規制緩和と併せて、その在り方について検討すること」との附帯決議が行われ、参議院において、「行政書士制度に関する報酬規定の取扱いは、今後、他の公的資格制度の規制緩和と併せて、その在り方について検討し、必要に応じ見直しを行うこと」との附帯決議が行われている。こうした事情を十分踏まえ、現在法令により報酬規定を会則記載事項としている各資格について、この問題についての検討を深めるべきである。

【広告規制の在り方見直し】見直しの基準・視点N
 公正有効な競争の確保や合理性の観点から、広告規制の在り方を見直す。

 広告は、利用者が自己責任において資格者を選択するに当たっての資格者に関する情報提供として考えるべきであり、虚偽・誇大広告以外は規制する必要はないところから、現在法律により広告規制が行われている公認会計士については広告規制の自由化について検討するべきである。

 なお、それぞれの資格者団体において会則により広告規制が行われている弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士及び行政書士についても、広告規制の自由化について検討するべきである。

 また、この問題については、医師、歯科医師、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師及び歯科技工士にも同様の規制があり、このうち医師については、現在規制緩和推進3か年計画(改定)に基づいて検討が行われているところである。

 なお、弁理士及び税理士については、現在、広告規制の自由化に向けて具体的に検討されていると承知しており、これを評価し、前向きの結論が出されるよう、その動向を注視していく。

 さらに、広告規制については、広告(Marketing Promotion)と広報・情報開示の概念を明確に分け、サービス利用者の適切な選択に資するという観点から、その在り方を見直し、むしろ積極的に進めるべき広報・情報開示の具体的な基準づくりを進めるべきである。その際、資格によっては、第三者の認定に基づく客観評価を公表又は情報開示することを制度化することも必要である。

【有効期間・定期講習の合理性の検討】見直しの基準・視点O
 有効期間・定期講習の義務付けの合理性について検討する。

 これまでに当委員会がヒアリングを行った資格のうち、有効期間・定期講習の義務付けを行っているものはなかったが、義務付けが行われているものについては、その合理性、定期講習の内容等について当委員会は引き続き調査審議していくこととする。

≪追加すべき見直しの基準・視点≫

 今回、関係省庁、資格者団体、養成施設、利用者等に対するヒアリングを行った結果、16項目の見直しの基準・視点に追加して検討すべき共通的な課題は以下のとおりである。

【法人制度の検討】追加すべき見直しの基準・視点@
 資格者に対する利用者の複雑・多様かつ高度なニーズに応えるとともに、資格者による継続的かつ安定的な業務提供や賠償責任能力の強化などの観点から、必要に応じて資格者の法人制度の創設を検討する。

 法人制度に関しては、現行法制上、不動産鑑定士については営利法人による資格者の雇用が認められており、公認会計士については既に監査法人の制度がある。弁護士事務所の法人化については、規制緩和推進3か年計画(改定)において、「具体的在り方等につき、さらに検討を進め、これを踏まえて、速やかに所要の法的措置を講ずる」こととされ、平成11年度に調査・検討、12年度に措置とされており、当委員会としても、その状況を引き続き注視していく。

 同様に、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士及び行政書士についても法人制度の創設を検討するべきである。

 なお、弁理士については、現在、法人制度について具体的に検討されていると承知しており、これを評価し、前向きの結論が出されるよう、その動向を注視していく。

【資格者数の増大】追加すべき見直しの基準・視点A
経済社会の複雑多様化、国際化に適切に対応するため、専門性を活かした高度なサービスが提供されるよう、必要な場合、資格者数の増大を図る。

 法曹人口の大幅増員については、規制緩和推進3か年計画(改定)において平成11年度、12年度調査・検討とされている。これについては、別途本見解の法務分野「法曹人口の大幅増員と関連問題」において取り扱っている。

 弁理士については、今後の知的財産専門サービスに対するユーザーニーズの増大に対応するため、その量的拡大を図るべきである。

 なお、これについて具体的に検討がされているところと承知しており、これを評価し、前向きの結論が早期に出されるよう、その動向を注視していく。

 公認会計士についても、社会的要請の高まり、業務内容の多様化等を踏まえ、資格者の増大を図ることを検討すべきである。

 公証人については、平成11年12月1日現在で、省令上の定員683人に対して現員は544人と法務省による需給調整が行われているが、国民の利便性に配慮し、また、成年後見制度の立法化の動き等を見れば今後公証人に対するニーズが増大することが予想されることから、積極的に増員を図るべきである。

2-2 必置資格等

(1)基本的な考え方

 通常、必置資格とは、一定の事業場等において当該資格者を管理監督者等として配置することが義務付けられているものをいう。必置資格は、業務独占資格、名称等独占資格と共に、公的資格制度の一部をなしている。また、それ自体が独立した資格と位置付けられないものであっても、同様に事業場等に一定の者を管理監督者等として配置することが義務付けられている必置規制もあり、これらについても、必置資格と同様に取り扱うことが適当である。(以下必置資格及び必置規制を指して「必置資格等」ということとする。)

 必置資格等は、災害の防止や作業の円滑な実施等を通じ、労働者や国民一般の生命・財産・安全の確保、生活環境の保全等の社会的利益の実現を目的とする一方、コストの増大や事業者の自由な活動の抑制等により、国民生活に不利益を与える側面も併せ持っている。

 およそすべての規制は、技術の進歩、社会経済情勢の変化、規制対象の多様化等を考慮して定期的にその見直しを行うことが、その合理性を確保・維持するために必要であるが、必置資格等は、専門性・技術性の高い分野・業務について、特定の公的資格を有する者等の配置を義務付けることにより事業者の活動等に制限を加えるものであり、技術進歩や社会経済情勢の変化の速度が飛躍的に増大している今日においては、その制度内容を定期的に見直す必要性が一段と高まっていると考えられる。

 当委員会は、今年度、各省庁に対し調査票の作成を依頼するなどにより、約100に及ぶ必置資格制度の法令上の規定状況及び現状について横断的かつ全般的に調査してきた。その結果、現時点では合理性について疑問があると考えられる規制が見受けられた。

 したがって、各省庁においては、必置資格等のもたらす社会的利益等のメリットと経済的コスト等のデメリットの比較衡量を含めた合理的かつ総合的観点から、個々の制度の在り方及び細部の規制内容について、早急に見直しを行うべきである。規制緩和推進3か年計画の計画期間は平成12年度末までであるが、この必置資格等については、順次見直しを行い遅くともおおむね2年以内、すなわち平成13年度中に、政府において本見解で指摘する諸点を含めて見直しを行い所要の措置を講ずるべきである。

 各省庁における見直し作業を後押しすべく、当委員会においても、公的資格制度の見直しの一環として、先に着手した業務独占資格等の見直しに加えて、必置資格等の問題についても引き続き調査・検討を進めていくこととする。このため、今後とも適宜、制度の内容や各省庁における見直しの状況につきヒアリング等を行う考えである。

 必置資格等の見直しに当たっては、以下に示す基準・視点に基づいて行うこととすべきである。

(2)見直しの基準・視点(注)

(注) 以下参照の便宜のため、見直しの基準・視点の項目は通し番号(丸数字)を付すこととする。

≪必置規制内容の見直し≫

<必置の必要性の見直し>

 @ 形骸化・形式化したものの廃止を含めた在り方の検討
 必置資格等の中には、制度制定時からの社会経済状況の著しい変化や関連する技術水準の向上などにより、既にその使命が終了したり又は目的達成手段としての有効性を失った結果、形骸化・形式化しているものもあるのではないかと考えられる。このため、制度を存続させることについて合理性に疑問がある必置資格等については、個々の状況を精査した上で、その在り方を抜本的に見直す。

 A 代替手法の導入
 例えば、一定の条件を満たす優良事業者としての認定、定期的な外部からの監査、コンサルタント等によるチェック、あるいは事後的な立入検査や罰則の厳正な適用などが、必置資格等の目的を達成するための代替手法として考えられる。これらの手法の導入によって、より効果的・効率的に政策目標を達成し得る場合には、これらの代替手法の導入と併せて必置資格等を撤廃・緩和すべきである。
 現状でも、例えば食品衛生管理者に関して、総合衛生管理製造過程の承認に係る施設については必置義務を免除する制度等が存在する。

<必置の態様の見直し>

 B 長期間改定されていない必置単位・必置人数や業務範囲についての数値基準、定義等の見直し
 資格者を置くべきとされる事業場等の単位(以下「必置単位」という。)及び置くべきとされる人数(必置人数)並びに資格者の業務範囲等について、その数値基準や定義が長期間改定されていないものは、規定を設けた際の前提が、関連技術の進歩等の状況変化により有効性を失っている可能性があるため、更に合理的・弾力的な規定とする観点から見直しを行う。
 現状でも、例えば乙種ガス主任技術者については、業務範囲の見直しによりその監督範囲を拡大する措置が講じられており、他の資格についてもこうした見直しを定期的に行うことが必要である。

 C 余りにも細分化された必置単位や業務範囲についての見直し
 現在の技術水準等に照らして、必置単位や資格者の業務範囲等が余りにも細分化されているものは、これらの単位・範囲の統合、拡大等を積極的に図る。

 D 兼務化又は統括制度の導入
 例えばボイラー・タービン主任技術者については、一定条件の下に資格者が複数の事業場を統括する制度が認められている。また、電気主任技術者や電気通信主任技術者のように、兼務及び統括制度の両方が一定条件の下に認められている資格も存在する。このように、資格者の兼務や統括制度が導入されている必置資格等がある一方、兼務や統括制度が全く認められていないものも多数存在する。
 関連技術の向上や通信手段の発達に伴って、業務管理、安全確認、緊急時対策等の手法が進化・充実していることなどを考慮すれば、制度の目的とのバランスを損なわない範囲で、資格者が複数の必置単位を兼務又は統括し得る制度を積極的かつ横断的に導入するべきである。また、一定の条件の下での兼務又は統括が既に可能となっている資格においては、その条件の一層の緩和を図ることにつき検討すべきである。

 E 外部委託の許容
 資格者を選任する代わりに資格者の果たすべき業務を外部に委託することに関しては、電気主任技術者等、一定条件の下に認められている資格がある一方、全く認められていない資格も多数存在する。
 事業活動の進展・多様化に伴うアウトソーシング化・分社化等の流れに対応するため、制度の目的とのバランスを損なわない範囲で、かかる外部委託を積極的に認めることとする。特に、商法上の親会社と子会社の間や、一括して様々な管理業務を受託している管理会社等に在籍する有資格者については、必置規制を満たすものとして扱うよう横断的に制度を見直す。
 なお、特定の公益法人に対する外部委託のみが認められているものについては、合理性、公平性、公正有効な競争の確保等の観点から、当該公益法人以外の民間企業等への外部委託も許容するように見直しを行う。

 F 資格者と事業場内組織の在り方の見直し
 必置資格等の多くは、事故防止や作業の円滑な実施等を目的として、有資格者等を「主任者」「管理者」等の名称で事業場等に配置することを義務付けている。しかしながら、当該「主任者」「管理者」等が、事業場等の内部組織の職制(例えば、係長−課長−部長などのいわゆる「ライン」の指揮命令系統など)と機能的に連動していない結果、その権能が十分に発揮されていないケースや、逆に、ライン等の通常の職責体系からあえて分離・独立した資格者等が行うべき業務であるにもかかわらず、かかる分離・独立した地位及び権限の発揮が、制度上明確に担保されていないケースがあるのではないかと考えられる。
 必置資格等の性格や位置づけが必ずしも明確でない結果、政策目標の効果的・効率的な実現が困難となっている場合には、資格者等の職務が効果的に遂行され得るよう、当該資格の在り方について見直しを行う。

≪資格取得制度の見直し≫
 必置資格等が資格者の配置を義務付けることによって達成しようとしている社会的利益に照らして、当該資格を取得するための要件等が過大であると考えられるものについては必要な見直しを行う。

 G 実務経験要件の見直し
 資格の取得に際し一定の実務経験期間が要件となっているもの(受験・受講資格要件を含む。)は、資格取得の要件として課すことが合理的かどうか見直すとともに、技術進歩や雇用の流動化等の社会状況の変化にかんがみ、余りに長期の実務経験要件を課しているものについては、その期間短縮を図る。その際、例えば、当該実務に限定しない関連職務の経験年数等の加味あるいは試験・講習との組合せ等により、能力・資質等の確認を行うことも検討する。また、コンピューターによるシミュレーションの活用など技術進歩の成果を積極的に取り入れることにより、実務経験要件の緩和・撤廃ができないか検討する。
 この点に関しては、現状でも公害防止主任管理者など実務経験要件が求められていない資格制度が多数あることに留意する。また、例えば、ガス主任技術者においては、近年、資格取得要件としての実務経験年数の見直しが行われ、緩和(甲種)及び撤廃(乙種、丙種)が図られている。

 H 学歴要件の見直し
 必置資格等の業務内容と直接関係のない学歴等の資格取得要件(受験・受講資格の要件を含む。)は、明確で合理的な理由のない限り廃止すべきである。
 この点に関しては、例えばエックス線作業主任者など受験・受講要件として学歴要件が設けられていない必置資格等が現状でも多数あることに留意する。また、例えば、近年、宅地建物取引主任者資格試験において学歴要件を含む受験資格が廃止されたこと、司書教諭講習の受講要件が緩和され大学在学中から受講可能となったこと等の措置が採られている。

 I 試験・講習の実施
 資格取得の要件として試験の合格や講習の受講が規定されているにもかかわらず、かかる試験又は講習が毎年実施されていないものが少数ながら見受けられる。必置義務という制度の性格等にかんがみ、資格を取得し得る機会を確保するとともに、資格者不足から政策目標の達成に支障の出ることのないよう、試験・講習の実施頻度の増加を図る。

 J 試験・講習の改善
 置資格取得希望者の多くは実際の業務に従事している者であることにかんがみ、試験・講習については、合否判定基準の公表、科目別合格制の導入、試験問題の公表・持ち帰りの推進、講習時間・期間の短縮、通信教育の導入、受験料・講習料の積算根拠の精査等により、試験・講習の目的・効果を確保しつつ、受験者・受講者等にとって、透明性が確保されるとともにより利便性が高く負担の少ない制度となるよう改善を図る。
 の点に関しては、近年、例えば、第一級海上特殊無線技士等について講習時間数を短縮する措置が取られ、また、エネルギー管理士について試験に科目別合格制が導入されたこと等の措置が採られている。

 K 関連又は類似資格等の統合・業務乗り入れ、試験等の共通化
 連又は同種類似の資格等については、資格の統合や業務の相互又は一方的乗り入れを積極的に推進することを検討するとともに、受験・受講者の利便性向上を目的として、求められる能力・資質の確認を適正に行いつつ、合理的な範囲内で、試験・講習科目の共通化・免除、履修科目の免除等を進める。
 状でも、例えば、液化石油ガス設備士である者はガス消費機器設置工事監督者の資格を有することとする制度があり、また、電気通信主任技術者と工事担任者の間には、一方の資格を有する者に他方の資格試験における一定科目を免除する制度がある。

 L 特例措置の基準
 験資格及び資格取得に係る特例措置の基準について、明文化・公表を進める。また、資格に求められる能力・資質の担保や客観性、公平性の観点から合理的でないと考えられる特例措置については、是正を含めその在り方を見直す。

 M 欠格要件の見直し
 体的障害等を理由とする欠格要件については、政府の障害者施策推進本部決定に沿って所要の措置を講ずる。

 N 有効期間・定期講習の義務付けの見直し
 格に有効期間が設けられていたり、有資格者の定期講習の義務付けがなされているものが少数ながら存在する。これらの有効期間又は定期講習の義務付けについては、資格者あるいは事業者等に過度の負担を与えているなど合理性がないと判断される場合は、制度の廃止や他の手段への変更、講習期間・費用の軽減などを含め、その在り方を見直す。


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