−速報のため事後修正の可能性あり−
5 議事概要
(1)前回5月25日の規制改革委員会以降に開催された各ワーキング・グループ(WG)における検討状況について、各分野の担当主査等から報告が行なわれた。主な内容は次のとおり。
(意見交換)(○は質問・意見、→はそれに対する回答。以下同じ。)
○コミュニティ・カレッジは、本来は地域のための学校であるが、日本では、失業者に再教育を施して再び職業適性を与える役割が期待されている。今のような時代には有効だと思うが、それを国の政策として置くこととなると、いわば「ナショナルカレッジ」になってしまうところがやや矛盾だと思う。
(2)八代委員が作成した「規制緩和一問一答」について、同委員から説明があった。主な内容は次のとおり。
(意見交換)
○今後の話だが、次のステップとして、個別分野の具体例をつけていくことが有益ではないか。また、消費者主権原則は変わらないという点については、もう少し詳しく書いてもよいだろう。
○一般的な認識として、NPOが実施していた分野に営利法人が参入すると、悪辣な経営をすると思われている。特に社会的規制の分野について顕著であるから、自由競争とした場合にどうなるかについて、もう少し幅広く書いてみてはどうか。
○規制緩和の必要性として、経験的にも効果があったということについて触れてはどうか。また、我が国では欧米に比べてルールが不明確なために、企業に不必要なコストを発生させている面がある。このため、形式的な意味では規制を増やすことになるかもしれないが、規制改革という観点からルールをきちんと明確に定めるべきだということを盛り込んではどうか。
○「高賃金・高失業」の欧州と「低賃金・雇用機会」の多い米国という対比においては、我が国はこれからどちらに向かおうとしているのだろうか、あるいは、どちらに向かうべきなのか。
○我が国がどちらに向かうべきかということについては正に今後議論が必要なところだろう。大勢は規制によって雇用を安定させようとする欧州型を望んでいるかとも思うが、個人的にはむしろ米国型に進むべきではないかと考えている。そのためには、手続的な法制を充実する必要があり、例えばどういった場合に従業員を解雇できるかといった手続を明確にする必要がある。ところが、大部分の法律家は、ルールが不明確でも裁判で決着を付ければよいと考えていることが問題だ。ただ、最近では、定期借家権の問題に見られるように、制定法により明確に規定していこうという動きもある。
○雇用調整助成金については、高度成長期の存在意義は大きかったが、最近では過剰労働力を温存させるとの批判がなされている。教育訓練制度を充実して、40代、50代の失業者に訓練を行ったとしても、大企業が雇用してくれるかどうか。ネットワークが作られていればともかく、現状では非現実的な話である。このような流動化した人材は、どこかの中小企業が引き取ってくれるだろうぐらいの想像的なものでしかない。具体的な話を踏まえれば、内容も変わってくるだろう。
○もちろん妥当な議論だとは思わないが、規制緩和は「弱肉強食」を加速するもので、日本文化には合わないのではないかという指摘もよく聞く。
○教育・医療・福祉などの分野における「家父長主義」的なものの見直しという点については、つい弱者に注目して「かわいそうではないか」という論調が出されがちであり、その結果、いわば例外的なところから積み上げて全国一律の手厚い基準設定を行おうとする傾向が出てくる。しかし、全国一律への志向性は必ずしも本来の日本的なものではない。明治以来の我が国はある時期までもっとフリーな社会であったはずであり、このあたりを一般論として言及してはどうか。
○特に外国人と話すと感じることだが、我が国は資産といった時に、ハード的なものにとらわれすぎているのではないか。教育や医療などが典型であり、土地や施設、建物の要件にこだわるが、今後は、人材等ソフト面こそ重視すべきであり、こうした分野における設備規制等についても見直しが必要だろう。
○日本は、依然アジアマーケットからは一つのモデルとして見られており、アジア諸国からもアジアのリーダーとして見られており、彼らからは、アメリカ流だけではなく、アジアにはアジアの方法があるはずだと言われる。アメリカやEUなどとは対話を進めているが、アジアとの情報交換も重要である。逆に、例えばマレーシアのサイバー法など、アジアでも先進的な部分があることから、我が国にとっても有益な情報が得られることもあるだろう。
○弱者保護の話をよく聞くが、努力しないあるいは能力のない人材が囲い込まれることでやっていけるシステムとなっているのではないか。医療などがこの例となってはいないか。こうした非効率性というものが、我が国の全産業、国民生活にどういう影響をもたらしているか。これを具体的に解き明かしていくことも必要だ。
○具体的な問題点をもっと収集した上で、それらをパターン化し、委員会全体の共通財産にしていきたい。
○特に今年は不況や雇用不安の中で、規制緩和に対する風当たりが強い。その中で、委員会の考えを、政治の世界も含めて、広く国民に伝えていくことが極めて重要。今後、議論を深めていき、よいものがまとまれば何らかの形で外部に発表していくことを考えていくこととしてはどうか。
(3)6月5日に開催された、社団法人日本青年会議所(JC)新経済システム創造実践グループ「円卓会議」の模様について、これに出席した浜田委員から報告があった。主な内容は次のとおり。
(意見交換)
○中小企業は、当面のことを考えれば規制緩和に反対するだろうと思っていたが、その8割が賛成というのは画期的なことだ。
(4)自民党臨時経済再生・産業競争力検討チームの状況等について、江澤室長から説明が行われた。主な内容は次のとおり。
(5)前回の委員会の議論を受けて、地方規制への取り組み方に関する考え方についての検討素材について高野主任調査員から説明が行われ、委員間で意見交換が行われた。主な内容は次のとおり。
(意見交換)
○行政改革委員会第2次意見で国際ルールの遵守に言及しているが、GATTルール等により、地方自治体が他の自治体の企業を排除する等の行為は放置できないという一般ルールがあると言えるのではないか。
→条約の適用範囲がどこまでかは、条約交渉の中で決まってくるものであるので、具体に即して考えていく必要があるのではないか。条例にどこまで委ねられているか等を個別に検討した上でないと、競争政策上問題があるかどうかについてもはっきりしたことは言えないのではないか。
○公正取引委員会あるいは独占禁止法は企業間の競争政策は対象としているが、自治体が競争制限的な行動をとることをチェックできるのか。
○確定的なことは言えないが、公正取引委員会は直ちに地方規制をやめろとは言えないのではないか。ただ、抵触する上位法令があれば法令違反を指摘し得るし、上位法令がない場合については上位法令がないことの趣旨を忖度することが必要であり、上位法令がないことをもって直ちに差別的なことまで含めて自由に行えるということにはならないだろう。いずれにしても、これまで余り議論されていない問題である。
→規制緩和推進3か年計画(改定)では、「地方公共団体が講じている参入規制等についても、公正取引委員会は、競争政策の観点から実態調査を行い、必要に応じて提言を行うとともに関係行政庁と所要の調整を行う」こととされている。公正取引委員会の法的権限については、調べた上で改めて報告することとしたい。
○水道法の例のように、地方が勝手に規制できないよう、法律にその趣旨を書き込むことを提言することは可能か。
→法令及び実態の両面から十分吟味した上で、仮にそういう結論に至った場合には、法改正を提言することもあり得るのではないかと考える。
○自治体が公共工事を入札する際、ほとんどが当該自治体の企業が受注するが、その8割の者にはは施工能力がないという話も聞く。仮にそうだとすれば大きな予算の無駄使いになっている。とはいえ、いずれにしても、地方規制の問題は個別具体的に検討せざるを得ないだろう。
(6)委員及び参与の追加並びにそれに伴うワーキング・グループ所属の案等について、江澤室長から報告がが行われ、了承された。
(7)7月末の論点公開に向けた今後の日程について、江澤室長から説明が行われた。これを受けて、論点公開を7月30日の委員会で決定・公表することを目指すこと、それに向けて審議・検討を鋭意進めていくことが了承された。
(8)経済戦略会議答申に盛り込まれた各種提言に対する政府の検討結果について、内政審議室大澤沢内閣審議官から説明が行われた。
(9)事務局から、連絡事項として、次回の規制改革委員会を6月22日(火)14時から開催することなどが報告され、了解された。
(文責 規制改革委員会事務室)
(追記)
この委員会の後、6月11日付けで、新しく3人の委員及び5人の参与が委嘱された。(新しい委員会の名簿及びワーキング・グループの所属表等は別添のとおり。)