行政改革推進本部
−速報のため事後修正の可能性あり−

第12回規制改革委員会議事概要(前半)

(公開討論(その3)
「電気通信の料金の定額制問題」)

1 日 時:平成11年10月19日(火)午後2時30分〜午後4時00分
 
2 場 所:中央合同庁舎第4号館共用第1特別会議室
 
3 出席者
(委員会)
宮内義彦委員長、鈴木良男委員長代理、石倉洋子、田中一昭、アンソニー・ミリントンの各委員、宮村鐵夫参与

(有識者)
井上秀一(東日本電信電話(株)社長)
坂田浩一(日本テレコム(株)会長)
孫 正義(ソフトバンク(株)社長)
種市 健(東京電力(株)副社長)
鈴木幸一((株)インターネットイニシアティブ社長)

(郵政省)
有冨寛一郎(電気通信局通信事業部長)

(事務局)
齋藤内閣審議官、田部規制改革委員会事務室長、高野主任調査員

4 議事次第
(1)開会
(2)基調報告と意見陳述
(3)討論
(4)閉会

5 議事内容

 「電気通信の料金の定額制問題」についての公開討論が行われた。冒頭、委員長による開会あいさつに引き続き、情報通信分野担当の主査である石倉委員の進行により、委員会側の基調報告、出席者による意見陳述及び討論が行われた。その主な内容は以下のとおり。

(1)基調報告

(石倉規制改革委員会委員)今回、電気通信料金の定額制問題を取り上げた趣旨は、世界規模でのインターネットの爆発的な普及の中で、日本においてはそれほど普及が進んでいない理由の一つに料金が高いことがあるのではないかと考えたからである。

 企業のみならず一般家庭でも、接続し続けるということのニーズは高まっている。米国のように電子商取引にインターネットが使われるようになれば、インターネットの需要は飛躍的に拡大するだろう。この問題は、日本経済の活性化、社会インフラの整備の観点からも、21世紀に向けて大きな意味を持つものと考えている。

 料金が高いということには2つの意味がある。プロバイダーの接続料と通信料金である。このうち、プロバイダー接続料はほぼ定額制が定着しているが、通信料の方は従量制であるのが通常である。

 また、技術の進展とともに発想も変えて行かなければならない。技術についても、ISDN、DSL、無線、光ファイバーといった様々なものが進められているので、これについても議論したい。

 整理すると、インターネットを21世紀における大きな社会インフラとして整備していく上で、料金の定額制問題をどう考えるかということについて、意見交換をしたいということである。

(2)有識者による意見陳述

(井上東日本電信電話社長)NTTは、これまでもISDN、OCN、市内通信の割引サービスなど、インターネット等のデジタル通信に関して様々な取組を行ってきた。さらに、インターネットのアクセスサービスについては、学校インターネット向け割引サービス、市内定額型割引サービス等を行っており、さらに、IP通信網サービス、ADSLサービスも近く実施予定である。今後は、高速・大容量化に対応するため、光ファイバーをフルに利用した高速・大容量の新サービスを早期実現させたい。

 24時間接続ということも念頭には置いているが、利用者の実態は極めて区々であるから、多様な品揃えをすることの方がより現実的対応ではないか。日本におけるインターネット利用状況を見ても、1か月あたり4〜20時間というユーザーが全体の42%を占めている。

 料金が高いという御指摘もあるが、インターネットダイヤルアップ通信料金を主要国と比較すると、10時間で見れば日本が最安値、また20〜30時間で見ても米国に次ぐ低水準である。市内通話も諸外国と比べると安く、長距離通話料金も外国と遜色のない状況にある。

 定額制については、OECD諸国を見た場合に定額制を取っているのはアメリカを含め3か国に過ぎず、むしろ時分制を取る国が大多数である。

 地域レベルでも様々な競争が進んでおり、我々としてもサービスの多様化を進め、経営改善を図って参りたい。

(坂田日本テレコム会長)ISDNでは安価な定額制は不可能である。「i・プラン」という現行サービスもあるが、5倍弱のアクセスチャージが掛かっており、内部相互補助の疑いがある。

 定額制は安価・高速な加入者線であり、本命はDSL(デジタル加入者線)だ。月額5,000円以下でMb/s級の提供が可能である。また、DSLであれば、加入者線の光化投資が不要に近く、局給電による耐災性も維持される。

 インターネット普及のすそ野を広げるためには、いかに安く提供できるかが重要であり、外国でもDSLが広がっている中で、NCCがそれを提供するには、加入者線部分の早期の開放が不可欠である。

 インターネット普及の実現に向けては、競争の促進こそ最大の推進力になると考える。そのためには、技術的条件の整備、コロケーション条件の整備、加入者線部分の負担の在り方等を検討していくことが必要である。

(孫ソフトバンク社長)インターネットをもっと安く、早く提供して欲しいというのが国民の総意だと思う。これがなぜ実現しないかと言えば、足回りが事実上独占されていたからである。NTTが悪いというつもりはないが、選択肢が十分にないのは事実だ。

 これまで通信料金が高いとか、時間が掛かるというとNTTを非難していたが、これは地域アクセスの議論の対象がNTTしかないという点に問題がある。NTTは、全国に均一のサービスを提供するためには慎重になりかつ重装備にならなければならないわけで、それが複数のプレイヤーが参加していれば遥かに分かりやすい議論になっただろう。

 米国では、新規参入を容易にするとともに、独占事業者を規制する政策が取られていたが、これまでの日本ではむしろ逆で、新規参入者を規制していた。これは、発想が逆である。近年はこの公開討論のようにオープンな議論の場も出来、また郵政省もオープンな政策を実現しつつあるが、さらに国民の総意として進めていく必要がある。

 情報通信の問題については、有線と無線の問題がある。まず、有線だが、これはNTTがもっているものを参入者に開放していくべきだ。また、自前で引く場合に、道路占用許可など時間と手間が掛かり過ぎるというのが大きな問題だ。例えば、電柱の使用許可を1本1本行うなどというのはナンセンスであり、全てまとめて1回の手続で済むようにするべきである。

 無線については、周波数が限られた国の財産であるというのが前提である。これについて、使用許可が特定の業者に偏っているとか、あるいは一旦許可されたものが十分に有効活用されないまま放置されているという問題がある。そこで、一度すべて白紙にもどし大掃除をして再配分すべきだと考える。

 このほかに、学校インターネットについてだが、我が社では、すべての児童生徒一人一人に24時間使い放題の高速インターネットを提供することを提言している。このための費用はおよそ10兆円必要であるが、各社が競って無料で提供をしたらよいのではないか。子どもは国の宝であり、子どもへの投資は将来への先行投資である。これこそミレニアムプロジェクトの最大の力点を置くべき事業であると考えている。ホームページを持たない「ホームレス」を一掃したいと思っている。

(種市東京電力副社長)我が社の3つの事業について説明したい。

 スピードネット(株)への資本参加と、当事業を支える光ファイバー等のインフラ提供だが、これは先程ソフトバンクからお話のあった内容である。将来の産業競争力の強化に向けて、学校向けインターネットサービスを10年間無償で提供する「スクールネット」を含めた事業を、今年10月に都内にて実験サービスを開始し、来年夏には本格的サービス開始、最終的には関東一円で数百万件を目指している。スピードネットのネットワーク構成としては、電気事業用に敷設した光ケーブルの一部をリースする。我が社の電柱に無線機を設置することにより、利用者までのネットワークはNTTのネットワークを一切経由しない方式で構築する考えである。

 東京通信ネットワーク(株)では、「東京電話インターネット」を行っている。ユーザーの約70%は利用時間が15時間以内で、月額4,150円である。ヘビーユーザーにとっては定額制が望まれようが、ライトユーザーにとってはむしろ従量制の方が低コストとなる場合も考えられる。

 テプコケーブルテレビ(株)では、CATVインターネットを行っている。これは、テレビのゴースト対応のCATV空きチャンネルを利用して、インターネット接続サービスを使い放題で定額制で提供する計画である。来年4月に開始予定である。

 他事業者による我が社の設備の利用ということだが、我が社受け持ちの区域内には約530万本の電柱があるが、電柱の共架については、希望する事業者があれば実費をもらって利用いただいている。また、管路等の施設についても希望する事業者があればその利用を認めているが、電力会社の管路は空きスペースが少ないとか、使用の際には再掘削が必要などという理由により、利用に至ることが少ない。

 今後のスピードネットの事業展開に向けての課題として、当面は2.4GHz帯を利用する考えだが、他の周波数帯についても、利用可能性が拡大されることに大きな期待をしている。

 NTTのネットワークに接続を依頼する場合は、長期増分費用方式の早期実現による接続料金の低額化が必要である。また、新接続方式導入に当たっては、競争事業者もNTTと同等なサービス料金が設定できるような事業者間接続料の設定が不可欠である。

(鈴木インターネットイニシアティブ社長)インターネットについては我が社が最も古くから取り組んでいるが、よくここまで普及したという実感を持っている。

 しかしながら、インターネットの普及という点では、企業での対応は極めて遅れている。個人利用については矛盾を抱えながらも徐々に伸びているが、例えば金融などでは米国の千分の一程度だ。

 インターネットは極めて大きなイノベーションであり、21世紀に向かっての産業革命を担うものであるが、未だ技術・インフラとも過渡的にならざるを得ない。現在、日本における議論をみてみると、「…すべき」という「べき論」が多く、経済合理性、フェアな競争条件といったものが片隅に置かれている。べき論の行き着く先は、日本インターネット公社といった構想になりかねない。インターネットは、民間主導でここまで来たわけであり、べき論による政府等の方向づけは、その発展を曲げた形にするのではないか。

 現在の国際情勢を考えると、我が国においても長距離通信や国際通信がただ同然でできる日もそう遠くない。しかし、ラストワンマイルは、そうはならないだろう。我々が参入しようとすればNTTの足回り回線を利用せざるを得ず、NTTの傘に入るようなものとなり、結果的には競争という性格が薄まってしまう。ローカルアクセスをNTTが独占している状況をどうするかというのが問題である。この状況では効率性を高めることができない。

 NTTの定額制にしても、NTTの設備を利用することが前提だとしたら、NTTの傘に入れということにならざるを得ないこととなり、もしそうであればかなり不満を持っている。「アンダー・ザ・NTT(NTTの下に)」という形ではなく定額制が実施される必要がある。定額制はまさに我が社も待望していることだが、NTTの管路を使うととても高い。

(有冨郵政省電気通信局通信事業部長)情報通信の問題は料金の問題が全てだとは思わないが、本日は料金の問題を中心にお話ししたい。

 料金については、これまでもいくつもの政策提言が行われている。例えば、本年6月22日の郵政省「次世代ネットワーク懇談会」では「利用しやすい価格と時間帯での定額料金の実現が必要」、7月13日の産業構造転換・雇用対策本部決定では「本年度の実施を目途に定額制の導入を促進する」とされている。

 これまでも事業者と郵政省とが協力して、インターネット通信料金の定額化・低廉化の早期達成のために努力してきた。このうち事業者の取組としては、東西NTTでは、先程NTT東日本から説明のあった学校向け割引、ISDN部分定額などを実施している。また他の事業者もDSL構想、加入者無線構想といったことが検討されている。

 今後、競争促進のための環境整備としては、1)多様なアクセス系ネットワークの導入促進、2)MDF接続の実現など加入者回線のアンバンドル化、3)線路敷設権の利用環境の整備、4)接続料自体の低廉化、といったことが考えられるだろう。

 行政としては、参入規制とか料金規制といったものはない。あえていえば料金の届出制が残っているが。あとは接続のルールをどう考えるかということになると思う。

(2)討論

(委員会)NTT東日本の場合は、ISDNを使った形で定額制を導入しようとしている。また、ADSLについても技術的なことがちゃんとできるかどうかチェックしながらいろいろやっている、という話であった。将来的には光化という話もあった。それに幾分真っ向から対立して、日本テレコムからは、ISDNではなくDSLが本命であり、当面短期的にはそれが良いが、いろいろやることはある、という話を頂いた。

(日本テレコム)私のところでは、いわゆるポイント・ツー・ポイント、ポイント・ツー・マルチポイント、無線技術であるFWAを使うことを考えている。本日の公開討論は定額制の議論であるということで先ほどは言わなかったが、最終的にはラストワンマイルを自分でやって、その手段としてADSLあるいはDSLを使うつもりである。さらにCATVの足回りについても出資している。また、大企業や大集団にはダイレクトに光ファイバーでつなぐということを目指す。マルチアクセスを整備すると、その一環でインターネットの方にも定額制に導入できるわけである。

 問題は、こういうアプローチをしていく際に、日本ではインフラ建設に当たっての高コスト構造という問題があることである。光をダイレクトアクトにするのに、都心では1キロ3億円くらい、田舎でも1キロ1億円くらい掛かる。特に工事費が掛かる。ソフトバンクが言ったように、時間と手間もものすごく要する。例えばイギリスでは、道路の混雑度の違いはあるかもしれないが、電話をやっているCATV会社は、夜も昼も工事している。したがって、全体のコスト構造をどうするかという問題は、郵政省だけの問題ではない。国策として、全官庁が日本全体の情報通信のネットワークのインフラをどう作るのか、その一つとしてマルチメディア推進に当たり、インターネットに焦点を当ててやるということである。

 それ以外に大企業向けや金融機関のオンラインシステム等、もっと高速でセキュリティーを要するものもある。私ども今後次世代のネットワークということで、プリズムというのを発表した。これは交換機を使わずに、ルーターを使う。ベンチャーが主体かもしれないが、大いに海外、欧米諸国の新しい技術を取り込むという産業政策を含め、日本はあまりにもインフラを作るのにお金がかかり過ぎる。それをどうやって安くするかという問題を整理してほしい。

(委員会)ソフトバンクからの話は、競争を促進するためには、基本的に複数の競争業者が出てこないと話にならないので、新規参入を規制するのではなくて独占者を規制してほしい、ということであった。

 これについて情報通信の面では、有線の場合には、線路敷設権の問題等を見ても許可申請などで多方面が関係していて大変な手間が掛かっているのを何とかワンパッケージでやってもらいたいということであった。また、無線については、周波数の割り当てをもう1回見直してほしいということであった。周波数の問題については、規制改革委員会として論点公開にも入れている問題であり、我々としても取り組んでいきたい。

 IIJからは、以下のような指摘があった。インターネットの技術は基本的に電話の技術と全然違うので、電話の技術を基本にして考えると随分違った歪んだ話になってしまう。インターネットの技術は進展が著しい分野であり、特定の技術をこれと決めて政府が旗振役となって進めていく手法はなじまないのではないか。この点に関しては、NTTというこれまで非常に強かったところを中心に進めていくことを考えていくのか、それとも今後はもう少し競争を促進するという観点から考えていくべきなのか。

 郵政省からは、競争促進の環境整備について発言があり、多様なアクセス系ネットワークの導入促進というところに、各社が発言したような内容はほとんど書いてある。しかしながら、実際には競争はまだ起こっていないのではないか。その点についてコメントがあればお願いしたい。

(郵政省)インフラの競争の部分では、NTTの回線に依存するタイプと依存しないタイプがある。その中でNTTに依存するタイプの技術であってかつNTTと競争するのがDSLである。これについては、接続ルールをベースにして、加入者線を開放するための道筋を作っている最中であり、実験が成功すれば相当大きなインパクトが与えられる。

 無線系の方は、FWAのような技術、あるいはソフトバンクが言われたような例えば2.4GHzや5GHzというところもある。いわゆるラストワンマイルというものに非常に低コストで、こういう多角化したものができる可能性があると考えているが、技術的に実際上どうなのかはやってみないと分からない面もある。そういう面で言うと、郵政省としては、まずやってくださいというスタンスで検討を進めている。したがって、例えば5GHzについても、気象のレーダーのところと共用しなければならないが、そういう面で共生を図ることについての諮問を来週行う予定である。それくらいのスピードで進めている。

 周波数の有効利用の話が出たが、電波利用は実はほとんど一杯であると考えている。例えばテレメーター系のような小さいところがないことはないが、全体から言うと一杯である。したがって、技術開発し容量を大きくすることはできないか、技術開発により利用効率を高める方策に努めている。例えばIMT2000というのがあるが、それも新しい電波の有効利用、技術開発であると理解していただきたい。2001年に実用化という形で進めているが、世界的にもその流れがある。それが出来ると、正にNTTの今の地域加入網に依存しない形のアクセスができるのではないか。それを促進する。

 どの技術に政府が関与するということよりも、できれば中立性を持って考えたい。将来的に光ファイバーというものもネットワークを構築する可能性が高いので、それも視野に入れながら、当面のやり方としては、アクセス網の競争環境を整えるのが今の行政の役割だと思っている。

(委員会)既に配分された周波数が一杯詰まっているのはそのとおりだと思うが、利用度に差があるという問題についてはどのように考えているのか、郵政省に聞きたい。余り利用されていないなら、縮めたりどけたりする必要があるだろう。資源の有効活用という問題ではないかと思っている。

 それからNTT東日本としては、DSLについて研究してやっていくという話ではあったが、どの程度に力を入れていかれるのか。具体的には光ファイバーもあるし、ISDNもあるという立場だと思う。DSLについては、非常に長期的な話なのか、1〜2年という話なのか、どのようなタームで検討をしているのか。それと、接続料金を安くしろという話の中で、交換機は通っておらずエキストラチャージは何もないから、ただであるべきという議論についてはどうお考えか。

(郵政省)最初に電波の有効利用という観点について説明する。今の御指摘と同じ意識を我々も持っている。ただ、どれくらい利用があるかないかや、どこにどう動かすのかについては、関係者でいろいろ利害があるので、全体を見直している最中である。方向性としては、有限資源であって、例えば携帯電話でも一杯になっており、これ以上数を増やせない。どこか空けるか、新しいのを作るかということになる。空ける方を今考えている。

(委員会)その部分について質問したい。電波の利用状況について、誰がどの程度使っているのかは公開されているのか。昔から言われているが、非常に透明性がないということなのか。オープンになっているのか。

(郵政省)現段階では公表されていない。

(NTT東日本)ADSLを含めていろいろなサービスを考えている。現在、地域で我々がアクセスラインをサービスしているが、実際は世界的に見てもいろいろな競争が起きている。例えば、CATVの回線を使ってインターネットをやる等、今の時代サービスの在り方は非常に流動的だと考えている。他方、我々としては今のネットワークをできるだけ使ってもらいたい。NTT東西地域会社は、事業としては非常に経営環境が厳しい。いろんなところで地域のネットワークをうまく使って商売していかなくてはならない。したがって、ISDNをうまく使ってもらい、また、DSLサービスでもNTTのネットワークをうまく使ってもらうという希望がある。将来は高速大容量ということになるが、今の地域ネットワークの上でもいろいろなサービスを提供していく考えである。そして、光を使ったサービスをうまく導入するタイミングをつかむ。光については、あるポイントまではビジネスエリアではできている。光のところは、まずビジネスのところでやっていくという形になる。将来的には、ISDNやインターネットのいろんな普及に合わせて、我々のところまで光を引いてくれというお客様がたくさん出ると思う。

 そういう意味では、いろいろなところを混合でやっていく。これを競争の中でうまく使ってもらう。地域は独占で競争がないという発言が多いが、とんでもない話で、我々の分野も競争である。ただ、全国一律のサービスについてはきちんとやってくれという規制が掛かっており、そこはやる。それ以外のプラスアルファのところは、もう既に競争である。二重の苦しみがあるが、しっかりやれと、社員を今元気づけている。

 ADSLのエクストラ料金は必要ないのではないかという話だが、ADSLのサービスを自分の会社の中でやっているのは、アメリカでもキャリアである。アメリカのキャリアは、自社の回線への接続だからチャージは生じないが、日本は電話と混在でNTTのネットワークに接続しようとしている。市場問題や諸外国がどうするかを含めて、やってみなければ分からないところはある。今回NTT地域会社でやろうとしているが、保守等が大変複雑になると思われる。それらをどれだけ吸収し、できるだけリーズナブルに使ってもらうかで苦労している。端的に言えば、保守や受付の管理をどういうシステムでやるのか、障害が起こった時の対策をどうするのか、他のサービスとの干渉をどうするのか、といった問題を分かりやすい料金体系で示し、利用していただこうと思っている。

(委員会)日本テレコムとしては今の説明にコメントはあるか。

(日本テレコム)必ずしも納得していない。地域回線がボトルネックになっていることは事実だ。NTTの地域については、東西の会社に分かれたもの、営業関係については委託という特殊ケースがあるし、他にもいろいろ問題がある。ただし、これはインターネットの問題というより、NTTの経営形態がそのままでいいのかという議論だ。独占の分野に競争をどうやって導入するのかという議論は終わっていない、と私は理解している。

 しかし、一方ではそんなことを言っていても間に合わない。私どもが自分のラストワンマイルの加入者線に進出したのは97年以降であり、大企業向けにはプロセスを踏むが、一般のコンシューマーの方はそうはいかない。IMT2000やポイント・ツー・マルチポイントとADSLを併用していったらどうか、あるいはCATVも視野に入れていかざるを得ない。こんな感じである。

(委員会)最後に私がまとめさせていただく。分かりやすくということで、本日の公開討論としては、インターネットの通信料金の定額制というテーマを掲げたが、もう少しいろんなことが背後にある。情報通信が非常に大きな役割を果たす中で、これからいかに早く安い情報通信技術を家庭だけでなく、学校や企業にも提供し、それによって何ができるのかを理解してもらえるか、というのが一番大きなポイントだと思う。

 そのためにはどうしたらいいかということだが、今の議論をお聞きしていると、様々な技術があって、そのうちどれか一つということではなくて、なるべく多様な技術の間で競争ができるような形で環境整備していこう、ということが一番大きなポイントだと思う。3年前に全然聞かなかった技術で強力なものが実際に出てきているわけだから、これから3年後にもそういうことが起こるかもしれない。

 本当にそこに準備ができるような形で環境整備するということとともに、線路敷設権等いろいろなところにまたがったものをいかに早くやるか、ということも大きなポイントである。私が一番気にしているのは、これだけインターネットが普及して力を持つ中で、技術をチェックするのももちろんだが、行政の手続に余りにも時間が掛かったり、品質レベルを上げるためにという錦の御旗を理由に、いろんな作業が遅くなるのは避けるべきではないか。どんどん進めていくべきではないか。その中で競争がちゃんと確保されていればより良いものが出てくるのではないかと思う。

(4)公開討論の閉会

(宮内委員長)電気通信は日本の経済の背骨と言ってもいいのではないかと思う。そういう意味で、本日は、重要な課題について議論いただいた。私どもは、本日の議論を十分に参考にさせていただいて、さらにワーキンググループで是非皆様のご協力を得て議論を詰めさせていただき、12月に当委員会の見解という形で政府にそれを提出するということを目標としている。その間、引き続きご協力をお願いしたい。


第12回規制改革委員会議事概要(後半)

1 日 時:平成11年10月19日(火)午後4時〜午後5時
 
2 場 所:中央合同庁舎第4号館共用第1特別会議室
 
3 出席者
(委員会)
宮内義彦委員長、鈴木良男委員長代理、田中一昭、西村清彦、浜田広、本間正義、牧野昭次郎、アンソニー・ミリントン、八代尚宏の各委員、河北博文、小嶌典明、古城誠、宮村鐵夫の各参与
(政 府)
続総務庁長官、持永総務総括政務次官
(経団連)
大賀行政改革推進委員長、立花専務理事
(事務局)
齋藤内閣審議官、瀧上行政管理局長、坂野審議官、田部規制改革委員会事務室長、高野主任調査員
 
4 議事次第
(1)総務庁長官、総務総括政務次官あいさつ
(2)経団連ヒアリング
(3)横断基準認証分野の中間的整理について
(4)閉会

5 議事概要

(1)続総務庁長官及び持永総務総括政務次官からあいさつが行われた。その主な内容は以下のとおり。

(続総務庁長官あいさつ)

(持永総務総括政務次官あいさつ)

(3)経団連大賀副会長及び立花常務理事から、経団連が取りまとめた規制緩和要望について説明があった。

(4)横断基準認証分野の中間的整理について、浜田委員(横断基準認証等分野主査)から報告があり、その後委員間で意見交換が行われた。

(浜田委員の報告)

(意見交換)(○は質問・意見、→はそれに対する回答。)

○各省ヒアリングを通じてこの問題の困難さを痛感した。問題の根幹は、第三者認証を役所サイドが信用していないということだ。総論的には、規制緩和推進3か年計画に盛り込まれたように、各省も基本的な考え方は受け入れているはずだが、現場レベルの問題になった途端に硬直的になる。今後とも各省を相手にして努力していきたいが、正直言って前途は楽観を許さない。
 この委員会として努力を尽くすことはもとよりだが、基準認証制度について横断的に見直しを行うことは、既に規制緩和推進3か年計画の総論において閣議決定されたことであり、その趣旨を各省庁に再確認してもらうことが重要である。

○第三者認証という形で民間の専門機関に任せるという形は、欧米では進んでいるが、日本ではなじんでいない。役所の間では、中間的整理の本文中にもあるとおり、営利を目的とする民間機関に検査を任せた場合、利潤の追求を目的に安易に手抜き検査が行われる恐れがあるといった認識が横行しているのが現状である。先程の意見のように、閣議決定の内容を何らかの手段により再徹底し、各省を啓蒙することも必要かと思う。

○第三者機関と言うと、公益法人に向かってしまう心配はないか。
 →ここでは、完全な民間の法人を想定している。

○中間的整理における、a)自己確認・自主保安とすべきもの、b)第三者検査機関を利用すべきもの、c)代行機関制度でやむをえないがその際には公益法人要件を外すべきものという3つの指摘類型のグループ分けの基準は、仮に事故があっても影響が少ないものがa)で、影響が大きいものがc)であると理解してよいか。またそうだとして、それが妥当なのか。その論理自体が規制の論理ではないか。
 先般の原発の事故は重大だ、だからこそ公的に厳しいチェックが必要だと言うが、公にやらせてきた結果、事故が起きているのではないか。もっと能力の優れた民間に任せるべきではないのか。そういうことを委員会の見解として出すべきではないか。
 →確かにそのような基準でランク分けをしている。しかし、危険度の高いものを民間にやらせるとした場合、国民の理解というのが大きな壁になる。例えば、消火機器については、技術的には量産化が進んでいるものではあるが、いざ火災の時に働かなかったら大惨事を招くことになる。こういう反論にどう応えたらよいかという問題である。
 →グループ分けのもう一つの基準として、政府が明確な基準を設定できるものは、それを元に民間機関がチェックできるだろうと考えた。
 →その点は、ワーキンググループでも議論した。すなわち、危険だから公共がやるべきだという考え方に合理性はない。しかし、果たして国民の理解がそこまでいくかどうかというと疑問がある。委員会として、そこまで一気に言うことまでは踏み切れないと判断した結果である。

○今回は、検査主体に力点を置いているが、危険の大きいものはシステム認証化を図っていくことが必要ではないか。

○今回詳しく取り上げた項目以外のものの扱いはどうなるか。今年度は今回取り上げた項目だけ扱うという趣旨か。
 →残りの項目については、1)既に当方の問題意識に沿った見直し・改善が行われているものと、2)時間の制約の中で今後の議論に回すべきであるという判断をしたものとの両方がある。

○政治の場を含めて各省庁に再認識を求めるという話についてはどう考えるか。当面は委員会としてリマインドするということになるだろうが。
 →もちろん政府自体が自ら閣議決定した方針であることについては、各省庁にきちんと徹底し再認識してもらう必要がある。しかし、いずれにしても、当委員会としては、委員会として何ができるかという観点で最善を尽くすということがまずは基本である。

○今回の中間的整理は、当委員会側の意見と各省の意見とを対比する形で作られており、省庁側の意見も含めて国民の目にさらすことにより議論を提起するという点で意義があると考えている。

○総論は非常に良く出来ている。プレスには、総論を熟読した上で各論を読んでほしいと思う。

○今回取り上げたものについては、本年12月の見解取りまとめに向けてできる限り努力していく必要がある。各省からの反論に押し返されることなく、粘り強く取り組んでいくことが重要である。

以上
(文責:規制改革委員会事務室)