−速報のため事後修正の可能性あり−
5 議事概要
(1)外務省天野経済局総務参事官から、規制緩和をめぐる米国・EUの最近の動き、日本から米国・EUに対する規制緩和の要望及び米国・EUから日本に対する規制緩和の要望について説明の後、意見交換が行われた。その主な内容は以下のとおり。
(規制改革を巡る米国・EUの最近の動き)
米国については、本年5月に行われた日米首脳会談における第2回現状報告の中で、過去一年の規制緩和の進展を歓迎するとともに、残された提案についての継続的な努力の進展と対話の更なる継続が確認された。これを受けて、10月6日に、日米間で3年目の対話のための規制緩和要望書を交換した。その後、順次、課長クラスの専門家会合を4回開催してきており、12月に残り2つの専門家会合が行われる。
EUについては、規制緩和に関する議論の双方向性を保つために、平成6年から年1回局長クラスの規制緩和の対話を行ってきている。今年は、来週24日に東京でこの会合が開催される。今回の会合では、特に、競争政策、直接投資という分野横断的なテーマを取り上げたいと考えている。
(日本から米国・EUに対する規制改革要望)
EUに対しては、11月24日の会合の場で提出できるよう要望書を取りまとめる作業をしている。
米国に対しては、10月6日に要望書を交換したが、その内容は、各省、在米総領事館を通じた情報を基に、日系企業が実際に問題と考えている項目を中心にまとめ、全体で78項目の要望となっている。
(米国・EUから日本に対する規制緩和要望)
米国の要望については、昨年約280項目あったが、今年は245項目の要望となっている。米国がどの項目を重視しているかについては、専門家会合を通じて明らかになってくるものと考える。
EUの要望については、10月末に在京代表部を通じて提出された。規制緩和に関する優先提案と補足提案からなる。優先提案が17分野42項目、補足提案が44分野102項目となっており、あらかじめ優先分野が絞られている点が今年の特徴である。
外務省としては、内外の意見を聞きながら、規制緩和を進めていくという従来からの方針に立ち、対話を継続していく所存である。
(意見交換)(○は質問・意見、→はそれに対する回答。)
○6つの専門家会合の中には法律分野を扱う会合はないのか。
→昨日まで開催されていた競争政策の専門家会合において、外国人弁護士のパートナーシップに係る要望などが議論された。
○米国・EUの外国人弁護士のパートナーシップに係る要望は具体的に何か。外国弁護士に関して、米国・EUは従来、日本人弁護士の雇用を認めること強く要望してきたが、これを取り下げたのかどうか事実関係を確認したい。
→米国は、現在の特定共同事業が認められているが、収益の分配や対外的な代表などの面において外国人弁護士にとって使い勝手の悪いものであり、世界的に見てもパートナーシップが認められているのが大勢であるとしてこれを認めるよう主張している。これに対して、日本側からは、昨年法改正を行い特定共同事業を改善したのでその状況を見てほしいと主張している。
また、「雇用」について、米国の主張は、日本人弁護士と外国人弁護士とのアソシエーションの形態は自由に選べるべきと書かれているが、「雇用」を諦めたわけではない。共同事業の形態を自由にするという要望書の書き方においては、「パートナーシップ」も「雇用」も当然含まれるものであり、引き続き「雇用」も要望しているものと認識している。
(2)在京EU代表部ユールヨーゲンセン大使から、EUが取りまとめた規制緩和要望について説明の後、意見交換が行われた。その主な内容は以下のとおり。
(EUの今年度の要望)
EUの今年度の規制緩和要望は、経済的な重要性等から見て優先すべき項目とそれ以外の補足項目に分けて提案を行っている。
日本の多くの分野において規制改革が進展し、経済効率性を高める原動力となっていることや、パブリックコメントが導入されたことについて評価しているが、規制改革の便益を確実にするために不可欠な政策手段が依然として包括的な形で活用されるには至っていないと懸念している。この観点から2つの分野に言及したい。一つは競争政策であり、公正取引委員会の抑止力を向上させることが必要である。もう一つは投資であり、1998年から99年における日本への直接投資を見ると大きな飛躍が見られるが、そもそものレベルが低い。これは、会計制度における透明性が欠如しており、またセクトラルな制限が多く残っているためである。
以下、優先提案の個別項目について説明する。
保険分野:日本のビッグバンにより進捗があったのは事実であるが、損害保険の分野では更なる規制緩和の余地があると考える。特に97年に保険商品や料率の届出制の拡大が行われたが、その範囲が限定されている。
電気通信分野:支配的地位にある事業者に対して新規参入者や既存の他の事業者が守られることに注意を払った施策が望まれる。また、NTTの相互接続料金を更に引き下げてほしい。線路敷設権の枠組みの明確化についても要望している。
航空輸送分野:成田空港における発着枠を増加するとともに、その割当てを更に公正な方法によって行う余地がある。発着枠の割当ては改善されてきているが、コーディネーターの独立性の明確化が必要である。また、現在の一本の滑走路でも発着枠の数を更に増やすことがは可能と考える。
農業分野:植物検疫を取り上げた。日本は、切り花、果実、野菜、球根の輸入に関して非検疫生物リストを作成している。リストにない害虫が発見された場合には燻蒸処理が要求されたり、輸入が拒否されたりしている。しかし、必ずしも無害な生物がすべて非検疫生物リストに含まれているかというとそうではない。あらゆる無害な生物を含めるよう非検疫生物リストの範囲拡大を要望する。
医薬品分野:新薬の承認にかかる時間が短縮されていることは歓迎しているが、いまだ12か月以上かかる。手続きの簡素化や海外の臨床試験結果の受入れ等により、一層のアクセスが拡大する。1991年以降世界の新薬の8割以上が日本での使用を許可されていないという概算がある。
法務分野:日本の弁護士と外国法事務弁護士との間のパートナーシップ、雇用に関する制限を廃止することを要望する。
基準の分野:漁船エンジンについて、船の大きさに基づく「漁船法馬力」という日本固有の規制から、エンジン出力を基にした国際規格(ISO)に切り替えることを要望する。
最後に、規制改革の推進は長期的な経済成長にとって重要なテーマであると考えている。厳しい経済環境下においては、規制改革を遅らせようとする動きがあり、また規制改革はその価値に見合った注目が必ずしもなされない。だからこそ、規制改革委員会の役割が極めて重要である。規制緩和推進3か年計画の年次改定に関して、12月に規制改革委員会から見解が出されると聞いているが、EUの提案がその中に含まれることを期待する。
(意見交換)(○は質問・意見、→はそれに対する回答。)
○外国人弁護士に関する要望について、現在の特定共同事業ではどこに問題があるのかを特定し、具体的項目として挙げて書面で提出していただきたい。
→了解した。一つは多国間にわたる弁護士が協力する場合に、現状の制度では内外の弁護士が各々の扱う分野について厳密に区分しなければならない。また、人数的な制限がある。高いサービスの質を確保するために、一つのエンティティとして協力してサービスが提供できる形を望んでいる。その他については書面で具体的に解答する。
○投資分野について、会計制度の透明性欠如及びセクトラルな障壁を指摘されたが、具体的にどの点なのかを書面で明示してほしい。
→了解した。リストにしてお渡しする。
○医薬品分野については、1991年以降世界の新薬の8割以上が日本での使用を許可されていないという概算が示されたが、出典は何か。また、その理由をどう考えているか。
→これは、EUの医薬品業界からの情報である。国際的に相互に臨床試験を利用していくことが必要であり、4年間協議されている日・EUの相互承認協定の成立を望んでいる。
(3)行政管理局田部行政改革担当管理官から、規制緩和推進3か年計画(改定)のフォローアップ結果及び許認可等の審査・処理期間の半減・短期化についてのフォローアップ調査結果について報告があった。その主な内容は以下のとおり。
(規制緩和推進3か年計画(改定)のフォローアップ結果等)
計画期間中(平成10〜12年度)に改善措置を講ずることとしている個別事項(917項目)のうち、平成11年10月1日現在で措置が済んでいるものは、454項目(約50%)となっている(一部措置したものを含むと、734項目(約80%))。
また、本年4月1日以降9月30日までに、規制の設定又は改廃に係る意見提出手続に従って、政令、府省令等の案が公表されたものは計88件であった。
(許認可等の審査・処理期間の半減・短期化についてのフォローアップ調査結果)
国が直接審査・処理することとされている許認可等で標準処理期間が設定され、フォローアップの対象となった許認可等の総数は、1,385種類。このうち、平成11年9月末までに、許認可等が廃止されたものは47種類(3%)、根拠条項の統合等の改正が行われたものは12種類(1%)、残りは1,326種類(96%)となっている。1,338種類(根拠条項の統合等の改正が行われた許認可と残りの許認可を加えたものである)のうち、審査・処理期間の半減・短期化についての措置がとられたものは、1,250種類(93%)である。
以上
(文責:規制改革委員会事務室)