規制改革委員会議
−速報のため事後修正の可能性あり−
第18回規制改革委員会議事概要
- 1 日 時:平成11年12月7日(火)午後2時〜午後5時
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- 2 場 所:中央合同庁舎第4号館共用第1特別会議室
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- 3 出席者
- (委員会)宮内義彦委員長、鈴木良男委員長代理、川口順子、神田秀樹、田中一昭、西村清彦、野口敞也、浜田広、本間正義、牧野昭次郎、アンソニー・ミリントンの各委員、河北博文参与
- (事務局)齋藤内閣審議官、瀧上総務庁行政管理局長、坂野官房審議官、田部規制改革委員会事務室長、高野主任調査員
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- 4 議事次第
- (1)規制改革についての第2次見解案の審議(各論)
- (2)規制改革についての第2次見解案の審議(総論)
- (3)関連の意見交換
5 議事概要
(1)規制改革に関する第2次見解案の各論について、各担当主査等から進捗状況及び内容についての説明があった後、審議が行われた。
(法務分野)前回の委員会以降、関係省庁との折衝を経て、文言はかなり変わったが、当初当方が言おうとした事項はすべて盛り込んだ。
(金融・証券・保険分野)前回の委員会の段階でほぼ内容が確定している。一見細かい事項が多いようだが、事務負担の軽減等効果があるものと考えている。
(エネルギー分野)電力については自己託送の問題について調整を続けていたが、表現ぶりが決着した。また、ガス体エネルギーについては前回の委員会で既に決着済みである。
(情報通信分野)電波の有効利用の問題については、新しい問題として取り組んできたが、これについても決着を見た。
(運輸分野)自動車損害賠償責任保険の政府再保険については、一部調整中の部分が残っているが、その点については引き続き審議をして文章を詰めたい。また、高速道路における自動二輪車の二人乗りの問題等に取り組んだ。
(流通分野)医薬品に関する部分については若干文言上の調整を行っているが、その他の部分は文章が確定した。
(医療・福祉分野)医療分野では、病院に関わる規制改革や保険者機能の強化等についての見解を出した。老人福祉分野では、介護保険に参入する事業者の競争条件の整備と利用者保護について、児童福祉分野では、需要に応える多様な保育サービスの提供を図るための見解を出した。
(教育分野)関係委員等の尽力により、本年度の見解は内容が濃いものとなった。学部の学科の新設・改廃、学科定員の変更やインターネットを活用した高等教育を推進するための環境整備のあり方等についての見解を出した。
(保安・環境ビジネス分野)前回の委員会での説明のとおりである。
(基準認証等に関する意見・要望への対応の分野)この分野の論点は細かいが、企業のコスト削減と競争力の向上にとって重要な論点である。地道な作業により、化粧品のラベル表示方法の変更や漁船推進機関の規制におけるエンジン出力算定法式の改善等、21項目についての見解を出した。
(基準・規格及び検査・検定)前回の委員会では調整中であった項目を含め、全部で9項目について必要な改善措置についての結論が得られた。
(公的資格制度)業務独占資格等と必置資格等について検討した。訴訟代理等については司法制度改革審議会でも議論される予定であるが、当委員会は当委員会としての立場での見解を出すこととした。必置資格等については、1月以降本格的に調査する。
(競争政策等分野)前回の委員会以降開催されたワーキンググループで、競争政策における透明性の確保のための見解についての結論が得られた。
(雇用・労働分野)外部労働市場について昨年の見解での指摘事項の多くが実現されたことを評価するとともに、改正法に残された諸問題や、今後の見直しに向けての検討課題を指摘した。また、労働・社会保険の適用のあり方について新たな論点を提起した。
(住宅・土地、公共工事分野)基本的に前回申し上げた内容と同様である。地価の評価について若干の意見の相違があったが、最終的に当委員会の意見を入れた形となっている。
(2)規制改革についての第2次見解案の総論について、審議及び意見交換が行われた。その主な内容は以下のとおり。
(総論の案についての審議)
- いわゆる規制緩和の「痛み」についての記述を加えることについては反対である。現在の規制改革委員会の前身である規制緩和小委員会の当時から、規制緩和だけをして後は野となれ山となれと言った覚えはなく、事実に反していることを書いてはいけない。従来から当然そのことを念頭において議論をしていたのであり、今やっと了知したのではない。書くのであれば、従来から議論をしていたということが分かるようにするべきである。
- 全体的に規制改革がどのような意義・目的をもつかということをもっと明確に書き込むべきである。具体的には「規制改革により経済社会を活性化させ効率を増し、富を創造し、その富を福祉や環境対応、教育等必要なことに使って、国民の生活を豊かにすることが目的(意義)」という内容を書き込むべきである。これは、できれば規制改革の意義の項目の冒頭にもってくる方が良いと考えている。
規制改革の重視する視点については、ただ並列で書いてあるだけで、きちんとした整理がなされていないのではないか。視点を明確に整理できていないことが、全体をわかりにくくしている。それから、「痛み」について仮に書き込む場合には、要素を分けてそれぞれにどのように対応するのかを書き込む必要があるのではないか。規制緩和のメリットは何か、中長期的にはどのような利益があるのかということをもっとアピールするべきである。また、一時的にあるセクターに不利益を与える場合には、きちんと経過措置等を与えるようにする。そのあたりが整理できないと、規制緩和をやる意味があることについてのメッセージが伝わらないのではないか。
- 「痛み」については、いろいろな声が聞かれている中で、見解を出すこの時期に全く知らん顔をすることは適切ではないと考えている。そのため、できるだけさらっと書くということを念頭に考えた。「起こりうる不利益」について記述する際に、不利益と痛みを並べて書いたらどうか。そして、「もとより不利益を最小限にする努力が必要である」の前に、先ほど提案のあった内容を含めて、一つの文章にまとめてしまうことはどうか。そうすれば、先ほど指摘のあった「これまで真摯に耳を傾けて」という誤解を招くこともないのではないかと考える。
- 規制緩和によって世の中を良くするのだという意見を強く出していきたい。また、読んだ人が目に留めるようなサマリーを展開することにより、より理解してもらうようにすることが目的であると考えている。
- 当委員会のミッションに関係する部分の記述が少なくないか。ミッションを明確に発信することが、当委員会の活動を明確に理解してもらうためには重要である。内容的には、新しいスタンス・商品の技術開発や環境整備を重視することは各界からの要望に対応していることである。各分野において活動している内容をまとめて書くことが必要なのではないかという趣旨である。
(最終調整の一任と来年への留意事項)
以上のような審議と意見交換を踏まえて、総論としてふさわしいものをまとめ上げていくこととし、最終的な文章調整は、委員長・委員長代理に一任することが了承された。なお、その際、以下のような提案があり、来年の作業に向けて、留意していくこととなった。
- 今年の反省を踏まえた来年の話として、規制改革委員会の人数も増えたので、総論の基礎委員を委員の中から選んだどうか。各自それぞれの配線回路で思考するために、当初趣旨貫徹していた原稿が、いろいろ手直しを加えることにより論理の整合性がなくなってくる。この点については、来年は是非考慮すべきである。
(3)総論の審議とも関連し、当委員会としては、規制緩和への取組を現代社会の根本的な構造改革として認識をしているが、他方、規制緩和について見直すべきとの意見も出てきていることについてどのように考えるべきかについて意見交換が行われた。
- 総論の案の中にも「規制改革に当たり重視する視点」とあるが、当委員会のミッションをいまだよく理解してもらっていないということが原因ではないか。
- 新聞報道には、例えば大店法の見直し、酒類の自由化などが、既存の商店街に悪影響を及ぼしている等の内容が記載されている。
- 規制改革委員会は、行政改革推進本部の中にある組織であり、本来であれば担当大臣が直接音頭をとって規制緩和を推進していくのが言わば当然である。しかし、それをやらずに委員会に任せているわけである。このような発言に対しては、行政改革推進本部としてどのように受けとめているのか、委員長を始めとしてメンバーに対してもきちんと話をしていただくべきである。
- コストについて比較表を作ったらどうか。例えば、一つの分野において規制改革をした場合としない場合でコストがどのように変化したかを比較して見せることも必要ではないか。
- 規制改革の必要性について委員自身がもっと把握をし、それを国民に伝える努力をするべきではないか。なぜこれをするのかということについてのメッセージが十分届いていないのではないか。それを解決するには、規制改革のPRが重要になってくると考える。PRについては、政府の施策である以上、多くの人がやるべきである。
- どのようなメリットがあるかということをもっとPRするべきである。総論に書かれているような経済成長率の上昇といったマクロの話ではなく、もっとミクロでとらえるべきである。例えば、携帯電話の需要が増えた結果雇用がどれだけ増えたというようなことである。消費者にとってどのようなメリットがあるかということをきちんと委員会の活動の視点に中に入れていく必要があり、この点についての認識が必要である。規制改革委員会と名称を変えたときにその視点は規制緩和委員会時代とどこが変わったのかと考えると何も変わっていないように思える。これについては、私自身の反省でもあり、委員会自体のPRポイントでもあると考える。
- 消費者の立場に立つということは、医療の観点から見ると、利用者だけでなく、納税者、次世代の立場も考えなければならない。したがって、次世代の子供達に負担を掛けないという視点が必要であろう。それは文章でなく、明確にアピールできるようなものが必要と考える。
- 今規制改革に対して逆風が吹いているということは、消費者を見方につけていないということではないか。つまり、消費者に対する啓蒙活動が足りないのではないか。消費者自身が不勉強なところもあるが、往々にして消費者は、競争、自由化、規制緩和ということについて恐怖心を感じている。言い換えれば消費者が自己責任を回避しているということである。それに気がついていないで、安定を選んでいるという状況である。次年度以降の長期的な活動として、消費者に対して規制緩和のメリットを打ち出していくことが必要なのではないか。そのためには、対消費者への対受する姿勢がある部分では必要であると考える。啓蒙活動なしには、規制改革が本当の意味で理解されるところまではいかないのではないか。
- 2点申し上げる。まず、規制緩和から規制改革に変わったことが一番はっきり現れているのは都市計画の分野である。この分野でアーバンデザインを考えるときは、きちんとした規制が必要である。つまり、規制改革ということは自然な発想である。同じようなことは他の分野でも言えるのではないか。もう一点は、もし中心市街地の活性化ということを考えたいのであれば、それは大店立地法の問題ではなく都市計画の方へ話を持ってくるべき問題である。
- PR活動の対象は2つある。一つは対政治であり一つは対一般国民である。一つのアイデアであるが、年明け適当な機会があれば、これまでも何度か行ったように、与党のカウンターパートと当委員会の委とで意見交換の場を持つことを考慮してもよいのではないか。それから、国民に対しては、ある分野で具体的な例を挙げながらアピールしていくことはどうか。総論は、詳しく読めば説得力があるが、少し具体性が欠けている。産業界の実力者を使ってPRができれば、それが追い風になるような気がする。
- 全体として、景気がこのような状況で構造改革が必要であるにもかかわらず、イニシアティブをとってやっていく人がいない。今までやってきたからやっているという感がある。やはり、機会を設けて、与党各党、大臣、政務次官等と委員会が懇談するということも効果があるのではないか。どうしても目の前の景気だけに話がいってしまいがちであるが、いろいろな学者等と議論をしてもおよそそのような空気が感じられないという気がする。選挙の前というだけではないと思える。私たちとしてもこれについては考えていかなければならない。
- 仮に既に閣議決定している事項を覆して見直すような話になるのであれば、当委員会としては何をやっていたのかということになる。規制緩和・規制改革については、なかなかマスコミの扱いも冷めている面もあるため、反論はうすい。したがって、担当官庁もやりにくいのではないか。内閣と当委員会との関係は、委員会の出す見解については尊重するからしっかりやってくれという相互の信頼関係で成り立っているわけで、それが政治の力でないがしろにされるということになるのであれば、それなりの反論はしていきたい。ここにいるメンバーは、規制が日本社会に対してネガティブであるということを実感しているので、ひるまずやるということに尽きるのではないか。PRが不足している、あるいは聞いてくれない、一般の理解が得にくいということも事実かもしれないが、ひるまずにやっていきたい。このままでは、日本の政治はまた大きなミスをやってしまいそうである。この件については、誠に遺憾であり、関心を持って関連の動きを注視していくと言わざるを得ない。
- この話は、政府レベルの話ではないと理解してよいか。
→既に大臣にも確認をしてあるが、政府としては、閣議決定した規制緩和推進3か年計画を着実に実施すること、現在議論していることの閣議決定をもらうということの方針に全く変更はないとのことである。問題は、与党3党が揃って政府の決定事項の見直しを要求したときにどうなるかということはあるかもしれないが、現時点では、そのようなことは想定していないし、期待もしていない。大臣は、委員会がきちんと活動をし、国民が目の覚めるような意見を出してもらいたいとおっしゃっている。
- 来年に向けての話であるが、論点公開をした後、内容の詰めを行う際、そのプロセスを全く公開していないということはよくないと考える。論点公開は、いろいろな意見を聞くことが前提であるから、その後のつばぜり合いをもっと公開するべきである。確かに仕事はやりにくくなるし、反対意見も出て来るであろうが、公開しなくても出るものは出る。問題を出すことによって、国民も理解するし、マスコミも記事を書く。世論を見方につけて交渉するという考え方である。
- 規制緩和の各論を議論するだけでも大変な作業であるのに、さらに国民の啓蒙まで我々でやるのかという気がする。山登りに例えると、5合目、6合目まではやって来たがその後が大変でなかなか前に進まないという状況に差し掛かっている。それから、規制緩和又は規制改革と市場性原理の追求とは不離の関係がある。市場性原理の追求には皆が賛成してきたのだが、いざその結果を見てみると、一部の勝者と多数の敗者に分かれてきている。大店法の問題でもそのような感じがするし、市場には横文字が増えてきている。したがって、市場性原理の追求は何だか怖いというイメージができてしまったのではないか。対策としては、規制緩和が5合目、6合目まで来た過去の歴史の中で、このような具体的なプラスの事項があったということをきちんと整理し、いつでもそれを基に意見が言えるようにするべきではないか。そのように国民を意識した場合、総論にあるような高尚な議論では対抗できないであろう。もう一つ、最近嫌な事件が多発している。宗教団体を装った詐欺事件などである。そうすると、一般国民の意識は宗教団体の認可の規制はどうなっているのかということに意識がいってしまう。今はそのような状況にあると考えられる。
(4)以上のような審議を踏まえ、委員長から、次のような締め括りが行われた。
- 見解及び各論についての議論は尽くしたと理解している。次回は、12月14日の早朝に開催し、その後この見解を本部長である総理に提出することになる。また、提出についてはスペースの関係上、私と鈴木委員長代理の2名で行うことについてご了承いただきたい。
以上
(文責:規制改革委員会事務室)