規制改革委員会

−速報のため事後修正の可能性あり−

第24回規制改革委員会議事概要

1 日 時:平成12年3月17日(金)午後2時〜4時30分
2 場 所:中央合同庁舎第4号館共用第2特別会議室
3 出席者
(委員会)宮内義彦委員長、鈴木良男委員長代理、石倉洋子、神田秀樹、川口順子、田中一昭、西村清彦、野口敞也、浜田広の各委員、河北博文、小嶌典明、古城誠、小林重敬、宮村鐵夫の各参与
(事務局)齋藤内閣審議官、瀧上行政管理局長、坂野審議官、田部規制改革委員会事務室長、高野主任調査員、熊埜御堂主任調査員
4 議事次第
(1)規制緩和推進3か年計画再改定案について
(2)新年度の進め方について

5 議事概要

(1)総務庁行政管理局から、再改定計画の総論について、3月7日の第22回委員会において審議を行った際の指摘を踏まえた案文の修正や対応の方針について報告があった。また、各論の再改定案自民党規制改革PTの見解がまとまるのは、3月21日以降となる模様であり、その状況が分かり次第、各委員に連絡することとなった。
 再改定案についての委員会の審議は本日で終了し、文言等の修正があるときは、委員長か代理に一任されることとなった。今後は、行政管理局においては、閣議決定に向けて最終的な調整を進めることとなった。

(2)新年度の進め方について資料に基づき事務室から説明があった。これを受けて、新年度の委員会審議の進め方等について意見交換が行われた。主な内容は以下のとおり。

(事務室からの説明の概要)

○イシューの構成例としては、@社会の基盤に着目し、社会に創造と競争をもたらす規制改革、A生産者に着目し、雇用を拡大し、産業に活力をもたらす規制改革、B生活者に着目し、生活者に安心と元気を与える規制改革のような分類が考えられるのではないか。

○イシューの取扱いについては、次の4案が想定されるのではないか。
 第1案:まずイシューを議論し、ワーキンググループ(WG)もイシュー別に再編制する。
 第2案:イシューとしては「情報化」等トピック的なものを1つに限り取り上げ、タスクフォースにおいて取り扱うこととし、他のWGは従来どおりの方針で編制する。
 第3案:イシューの議論は行うが、あくまでテーマを探す手段の一環として位置付けることとし、実際の審議は従来のWGによる。
 第4案:イシューの議論は行わず、昨年度と基本的に全く同様の進め方とする。

(意見交換の主な内容)

○ 課題別に取り組むメリットは、対外的に分かりやすくなるということのほか、従来、重要であるが必ずしも着手されていなかった分野際問題等を検討しやすくなるということにある。

○ 各分野別のWGとは別にイシュー別に論点発掘のための会合を実施し、そこで見出した課題を各WGへ下ろすという手法を採ってはどうか。

○ 情報化という大きな問題一つをとっても、各委員等の課題の捉え方が異なっている。情報化というイシュー別に開いた会議でベクトルを合わせるのが有効なのではないか。

○ 大きなテーマの具体的例としては、情報化、少子高齢化、地球環境の保全等が考えられるのではないか。

○ 例えば、住宅・土地分野であれば、SOHOの問題では情報化、都心居住の問題では少子高齢化等に関連しており、イシュー別WGのすべてに参加しなければならなくなる場合も想定される。また、事務的にも対応が困難となるのではないか。

○ 課題別に取り組む手法も、一般の人からの見えやすさの確保、論点を網羅的に発掘するという観点からは有効だろう。一方、検討項目を詰める際は、各省別に行うのが最も効率が良い。

○ 問題は、課題発掘の際に必ずしも目標値がはっきりしていない点にある。目標値を大きくすれば、既存の制度そのものを変革する必要が出てくる。したがって課題発掘と合わせて目標値の設定を行い、革新が起こるほどの高い目標値の設定を行うべきである。

○ 大きな視点をどのように設定するかについては、委員会の場で議論すべき問題である。その上で小イシューを議論するのがタスクフォースの役割である。

○ 論点の発掘は大事な作業である。最後に世に出す時に分かり易いかどうかが問題であって、当初設定した論点自体は議論が進んでいくうちに変わってきてもいい。一番時間の掛からない方法は既存のWGの中で設定したイシューに一番近いWGが中心となって、新たな発掘された課題を既存のテーマに付け加える方法である。また、先ほど省庁にまたがる問題は、今の省庁別の折衝では解決困難だという意見があったが、省庁別に折衝するというのは一番効き目のある方法であると考える。例えば、年金の運用に関する問題は厚生省と大蔵省の両方に関係するが、昨年議論を行った際に、厚生省は大蔵省に聞かないと分からないということは言わなかった。CPの電子化も大蔵、通産、法務の三省に関係する問題だが、議論を行う際に特に困ることはなかった。したがって、やりたくないので言い訳として他省庁に聞かないといけないと言っている場合と、本当に根本的に考え方が違う場合とを分けて考え、後者については新たなアプローチを考える必要がある。

○ 住宅・土地分野に関しては、正に後者の事情で困難な問題が起こった。建設省の都市計画と農水省の農振政策という省庁存立の基盤にかかわる問題の対立である。このような問題については、より高い視点からのリーダーシップが必要となる。他方、個別個別の問題(particularity)に関しては、今のやり方は充分機能している。

○ タスクフォース方式が良いのではないか。課題発掘をしていくと最終的には単なる規制の問題だけでなく、税制など他の制度の問題に必ず突き当たる。新しいアイデアですべてを整理し直すのは難しい。問題発掘にはブレインストーミングが必要であり、そのために識者を呼んで話を聞くこともあるだろう。その上で大きな課題について独立単位でできるものを一つやればいい。横割り的なイシューに沿って考えるということは、省庁の横並びでやらせるという場合にも役に立つ。需給調整規制を扱った際も、他省庁がやるのだからあなたのところもやりなさいというやり方が可能であった。省庁にまたがる問題は、日本の現状のシステムではどうしようもないので、この委員会でやるしかない。

○ 課題であることが分かっているのにイシューの中に入っていないものもある。例えば労働組合法、労働関係調整法などは19世紀の遺物である。労働法制に関するものは取扱いが難しい面があり、他の分野でもそうした課題はいろいろあるだろう。こういうものを一つないし二つ取り上げて検討するとしているタスクフォース方式が望ましいと思う。

○ 雇用労働の問題については、そのためのWGがある。正に「雇用を拡大し、産業に活力をもたらす規制緩和」という大きな視点の中に取り込まれるものではないか。

○ 労組法の改正につながるような問題をそうしたカテゴリーに強引に引き込むことは難しい。

○ 新しい方向を見据えたテーマなので、従来のやり方だと抜けてしまうということであるならば、そのようなものは、「昔作られたが、今は全く意味がない規制」という括りで引き出すことはできないものか。

○ 企業関係でも商法があるために全く動かないという問題もある。例えば、ストック・オプションやコーポレート・ガバナンスなどについても、考え方によっては、これをひとまとめに整理することもできるだろう。

○ 何をイシューとして考えるかについての議論が必要であり、今一度整理をした上で再度議論してはどうか。

○ 新年度においては、第1回以降速やかにWG編成を決めてテーマについての議論を開始していくことが必要であり、当面、イシューについては継続して議論していくことでよいのではないか。

○ 先程問題提起のあった問題等についても、取り上げるのであれば最後は誰かが担当しなければならない問題である。したがって、まずはWGを再編成し既存のテーマは直ちに検討を始めることとし、イシューについては継続審議とし、新たな課題が見つかった時点でそれを適当なWGに割り振ればいい。

○ これまでの議論を集約すれば、事務局説明の第2か第3案に賛成という意見が多かった。

○ 基本的にはタスクフォースでイシューに沿ったテーマと論点の発掘を試みるという方向でいいのではないか。もしイシューの議論をしていく上で、仮に自己完結的なテーマが発掘されれば、その時は、必要に応じてそのテーマを検討する体制を考えることとすればいい。

○ イシューの整理・分類論については留保するが、方法論としてはタスクフォース方式でよい。

○ 時間を有効に使うため、WGの立上げを急ぐとともに、タスクフォースによるイシューの議論をそれと並行的に進める必要がある。まずは、タスクフォースを作り、新しい課題があれば適切なWGに検討依頼をすることでよい。

○ 個別イシューについて委員会で議論するのは難しい。また、イシューを固定的に考えなくても、後で組み直しもできるのではないか。

○ 情報化などは従来の規制緩和の問題と比較的近い問題であるが、少子高齢化や地球環境などの問題は、他の様々な場で長い時間を掛けてそれぞれについて掘り下げた検討をしても必ずしも結論が出て来ない問題である。それらは、それぞれ専門の委員会を作らなければならないほどの広がりのある問題である。

○ 昨年検査・検定の自己確認・自主保安化、民間検査機関の参入促進等について検討したが、反省として、攻め手である我々も守り手である各省庁もどちらも現場を見ていないという問題がある。クリーニング店や理容所、美容所の検査についても、保健所の存在意義という本質的な問題に迫らなければ何も解決しない。浄化槽なども意外に都会にも非常に多く設置されており、しかも検査がほとんどされていないという実態を知らなければ議論にならない。来年度はこのような点も留意して検討を進めるべきである。

(3)イシューの取扱いについては、当面、「イシューの議論は行うが、あくまでテーマを探す手段の一環として位置付け、実際の審議は従来のWGによる」こととし、来年度4月から各WGを立ち上げ、検討を進めていくことが了承された。

(以上)
(文責 規制改革委員会事務室)