−速報のため事後修正の可能性あり−

行政改革会議第3回議事概要

1 日時 平成9年1月16日(木) 10:00〜12:25

2 場所 内閣総理大臣官邸 大客間

3 出席者
(会議)
橋本龍太郎内閣総理大臣(会長)、武藤嘉文行政改革担当大臣・総務庁長官(会長代理)、芦田甚之助、有馬朗人、飯田庸太郎、猪口邦子、河合隼雄、川口幹夫、佐藤幸治、塩野谷祐一、豊田章一郎、藤田宙靖、水野清、諸井虔、渡辺恒雄の各委員

(有識者)
西澤潤一前東北大学長
(地方分権推進委員会説明者)
堀江湛委員長代理、西尾勝委員、成田頼明地域づくり部会長、大森彌くらしづくり部会長

(政府)
与謝野内閣官房副長官、古川内閣官房副長官、田波内閣内政審議室長

(事務局)
水野事務局長(再掲)、八木事務局次長

4 議題
(1) 西澤潤一前東北大学長との意見交換
(2) 地方分権推進委員会との意見交換
(3) 今後の審議の進め方

5 会議経過
(1) 西澤潤一前東北大学長より、研究と教育を中心とした行政関係の問題点について説明があり(別紙1)、これを受けて意見交換が行われた。

・大学教員の給与水準は、ドル換算すれば必ずしも低いとは言えない。それよりは、学術研究支援のための自由かつ独立の財団を設立強化することが重要であり、それにより官民の大学の格差是正、研究資金の調達にも資することができるのではないかとの意見があった。これに対し、西澤前学長から、日本の大学教員の給与は、給与水準が平均以下となっている製造業に比べてもなお低く、このため最優秀の人材を確保することが容易でなくなってきていることが重要である旨の指摘があった。

・教育と研究は分けて考える必要もあり、国民教育は国内格差の是正、研究は世界との競争を主眼とすべきであるとの意見に対して、西澤前学長から、大学の研究の実績は見事なものであり、よい研究者はよい先生の周辺から出るので、研究と教育は分けられない旨の指摘があった。

・米国のような膨大な軍事研究費を持たない日本が科学技術立国を実践していくには、国が研究振興のための特別な投資を行うことや、適切な評価システムを作ることが重要であるとの意見があった。

・地球大のビッグ・サイエンスについて日本がどのような分担をしていくのかは、国際競争上重要な問題であるとの意見に対し、西澤前学長より、日本ではビッグ・サイエンスに目が向き過ぎており、より重要なことは、そうしたビッグ・サイエンスの芽となるものを自ら発掘していくことであるとの指摘があった。

・基礎研究の強化には集約化も必要だが、応用研究は様々な附属機関で行うことで対応できようとの意見に対し、西澤前学長より、人のやっていないことを見つけるのが基礎研究であり、必ずしも集約化は重要でないとの指摘があった。

・西澤前学長の提案された評価システムに賛成であるとの意見が複数あった。他方、理系については将来展望能力を基準に評価能力を測定していくことでよいかもしれないが、文系については現在までの構造を解明することに主眼があるので、将来展望能力というよりも研究論文が国際的に引用された回数等で評価すべきではないかとの意見があった。

・日本が経済的に豊かになる中で日本人研究者の海外留学を支える資金は、かつてのように外国に求めることができなくなっているのに、日本の政府や団体は依然として外国からの受入れが中心である。日本人が海外で学ぶための資金をもっと用意すべきであるとの意見があった。

・評価者の評価を行う組織は、縦割りを破った場とすべきである。科学技術会議でも検討中であり、同会議の下に置くことでよいのではないかとの意見があった。

・独創性を育むためには初等中等教育で正しく教えることとともに、それを社会に出てからも発揮する環境を整えることが必要ではないかとの意見に対して、西澤前学長より、教育は先生が自ら実践してみせることが重要であるとの指摘があった。

・日本の大学がもっと特許をとるように改善することが必要との意見に対して、西澤前学長より、大学が特許を取るのは自己の経済的利益の問題ではなく、社会に対する義務であると考えているとの意見が述べられた。

・暗記に頼らない教育を実現するために大学はどうしたらよいかとの質問に対して、西澤前学長より、最終的には1人の入試責任者を置き、被推薦人に面接等で試験をするのがよいとの指摘があった。

(2) 地方分権推進委員会(以下「分権委」という。)より、「地方分権推進委員会第1次勧告−分権型社会の創造−」について説明があり、これを受けて意見交換が行われた。

・地方分権は行政改革の成否を占う重要な要素であり、分権委の第1次勧告に敬意を表するとともに、今後の活動に期待するとの見解が表明された。

・基礎自治体の形成手法、道州制の問題、国の出先機関等に関する分権委の検討状況について質問があり、分権委より、二層制の地方行政体制を前提とする中間報告の考え方であったこと、地方自治体の合併は過去の経緯に基づいて自主的に行うことを基本とすることになると思うが、それを含めた地方行政体制及び国の出先機関については分権委の今後の検討課題であるとの説明があった。

・地方分権を進めると地方自治体の行政パフォーマンスに格差が生ずるので地方行政組織の評価システムとチェック機能が必要であるとの意見に対し、分権委より、新たに分権委の下に発足する地方行政体制を検討するためのグループで、外部監査等の問題と併せて検討する予定であるとの説明があった。

・地方税財源問題に関する勧告時期及び課税自主権と法人事業税の外形標準導入に関する分権委の検討状況について質問があり、分権委より、税財源問題は分権委の今後の優先検討課題であり、関係方面と協力して今後十分に検討したい、地方交付税は世界的にみても精緻な体系ともいわれるが、一方では地方の自主性や気概を損なっている面もある、個人的見解ではあるが外形標準の導入も是とするとの見解が述べられた。

・機関委任事務廃止後の自治事務(仮称)と法定受託事務(仮称)の振り分けは全体としていつごろ確定するのか等について質問があり、分権委より、4月末までに残りの機関委任事務についても検討作業を終えたいがその取扱いは未定である、また法定受託事務は全体の2割程度になる見込みと考えているとの説明があった。

・地域が活性化する方向で地方分権を進めてほしいとの意見があった。

(3) 当面の審議スケジュール及び一日行政改革会議の開催が、それぞれ別紙2及び別紙3のとおり了承された。今後の審議の進め方等について、委員より次のとおり意見が述べられた。

・官邸の機能強化は権限よりも情報力の強化に主眼を置くべきである。また、危機管理、特に複合的な危機管理に対処する方策を検討すべきである。

・本会議の性格に鑑み、手続が周到で正当化されることが必要である。

・本年11月までに成案を得るという全体のタイムリミットはあるものの、国のなすべき行政活動は何なのか、なぜ再編を行うのかという理由を明確にし、広範な支持を得られる省庁再編の案を練っていくことが必要である。このためには、「21世紀における国家機能のあり方」を十分検討し、これまで意見交換を行ってきた関係審議会の提言等の内容を反映させていく作業が必須である。また、具体的な省庁再編にあたっては、まず基本的な枠付けとなる法案を作るべきである。

以上

(文責 行政改革会議事務局)

連絡先:行政改革会議事務局

高野(電話03-3581-2641)

根本(電話03-3581-0270)

行政改革会議議事概要は、インターネット(官邸ホームページ(http://www.kantei.go.jp/)の「最近の話題」欄又は「連載」欄中の「審議会等」の項)及びパソコン通信ネットワーク(PC−VAN及びGサーチ)でもご覧になれます。


別紙1 (西澤潤一氏(前東北大学学長)の説明資料)

研究と教育を中心とした行政関係の問題点

1.研究と教育の社会における位置付け

研究も教育も、その目的とするところが、今日現在にあるとするよりも将来未来を指向したものであるところに特徴がある。それだけに今日現在の問題に意識が集中して、教育と研究の間題は等閑に附されたことが今日大きな問題を生じていると言えよう。
 しかし、その教育を承けたものが国全体を動かし、研究の成果が将来未来を予測して、動かし方を決めているとも言えるのだから他の分野の行政は、すべてこの二つの分野を基盤としていることになる。

2.戦後における教育と研究

明治期においては教育と研究は重点事項になっていた。言わば教育と研究に賭けた。その成果は見事に開花して急速に近代化が進み国力もついたが、戦後は米国依存型となり、教育は労働と考えられるようになり、フォーマット実行型になった。

3.組織と人材

すべての人材が理想的であれば組織などは全く不要であり、逆に組織が完壁であれば人材など全く必要なく、極論すれば計算機だけで行政が可能となる。現在、現実がこの中間にあり、しかも、組織を変え精綴にして行政の穴を防ごうという方向に向いている。
しかし、現実問題としても穴のない組織などできるはずもなく、いろいろの事故を起こしている。現在の対策をそのまま継続していけばますます機構組織が複雑になって、政府は大きくなり、普通の人間にとっては機構組織の複雑さに泣かされることになる。
 それだけではなく、人材自体が組織機構から逃げ去ることとなり、対応の困難な研究や教育の分野の矛盾が露呈し始めた。

4.行政分野の人材、教育研究分野の人材

極めて急速な改革を必要としたこの五十年の間の対応は、主にフォーマット化で、資格の制定が最も頻繁に行われた。人材のレベルアップの方の努力は余り無かった。
現在、平均給与水準は、金融・流通・製造の順であると言われ、平均値より低いのは製造分野である。しかも流通分野人口の対製造分野比率は米国の三倍である。分野内分布が異なるから、比較は仲々難しいが、大学教官の給与は製造企業のそれと比較して一時は三分の一、現在でも半分と言ってよい。
一般公務員の給与水準は一般給与に比較して決して高いとは言えない。その対応として若年に昇進して事務次官・局長になり、五十代で退官して第二の人生に入るという定型になっている。東大・京大学長の給与は事務次官と同じと言われるが、年齢はかなりの差があるし、文部以外の他省庁の場合、平均転出年齢などを総合すればかなり大きな実質差がある。
しかも、給与は年功序列が主調で、しかも一般官庁に比較して職階の少ない教育研究関係では、殆ど完全に年功序列と言っても間違ってはいない。此処で、人材を集めて組織機構の中で効率を高くしていこうと言う努力が殆どなされないまま、組織機構や管理のしめつけ強化が専ら行われて、その一つが大学教官の三年任期制である。
人材の質を挙げようと言う努力をしようと言うときに、任期をつけ、より優れた人材を導入しようと言うことは正に効果的である。しかし、既に、待遇が甚だしく悪くなってしまった状態で任期制を採用すれば、代替により優れた人材を得ることは不可能である。任期制を採用して効果があるのは、他の人達が羨望する地位が閉鎖されている時に限るわけで、現在のような不可思議な一極集中が存在する社会ではますます一極集中を激化することになるだけのことである。官僚社会全体に適用して見れば、すぐ明らかになることである。
 まして、集中を起こしている極が、正しい評価に基づいた極であれば効率化につながることになるが、既にいろいろと否定されているように、優等生主義と言うべき評価基準での一極集中は短期間に欠点を暴露する。既に多様化の認識は大幅に取り入れられており、個性を育てる教育が、戦後一貫して強行されて来た均一教育の改革として進められるべき状態にある。
既に内外に数多く発表されているように、追跡調査の結果として、極めて優れた学者芸術家には学校時代優等生だった人は殆ど居ない。また、優れた学者の周辺からは優れた学者が出る率が高いと言う。
このような極めて高い客観性があると考えられる事実から見ても、現在、二十一世紀に向けて重要性が漸く認識されて来た教育と研究の世界の対応は正に逆行しているとまで言えるのではないだろうか。
先端を走る技術すら育て上げて来た日本の大学が、補助職員を喪い、剰え、欠員になるのを避けるために、社会に技術と共に出すべき人材を朽ちるまで確保することによって、新技術の社会への提供すら殆ど無くなってしまっていると言う二重の弊害の下にあることも是非御認識いただきたい。
教育によって世に報えるべき人材の供給は多様であるべきで、単に偏差値と数だけではない。日本の教育によって育てられた人材は優秀であるが、国際社会でリーダーとして活躍できる人は少ないと言われる。これは正に二十一世紀国際化社会に向っては警鐘であり、テスト試験の結果は優秀と言われる初中高校教育でも同様である。
教科課目を減らしてゆとりのある勉強と言われるが、既に土曜日に新しい形の学習塾が始まったとも聞いたし、教科課目の減少が、過重な暗記を減らして思考考察を助長する方向にいくことを目途としたのに、指定された課目だけ微細に亘って暗記をする万向に行ってしまっている傾向は既に現れはじめている。
 その原因の一つは、現在の先生方が既にマルチプルチョイス対応教育の下に育った方々になっていて、思考や実験の体験が乏しくなって来ていることであろう。同様に、現在学校教育を管理している組織機構の方々が現場体験を持たれる必要がある。既に専門調査官などの形が取り入れられているが、地方自治体人も教育委員会止りでなく、現場教育にも体験を持った上で行政に生かす必要があると信ずる。戦後、茅誠司東大教授が文部省科学局長を務められた実績もあったことを思い出していただきたい。

5.人材の評価

元来、優れた評価能力を持ったグループは大いに発展することは洋の東西を問わない。恣意的な評価を行う指導者が現れると、直後の発展があっても長期的或いは中期的には低落すると言ってよいようである。
したがって、優れた人材の評価は極めて重要であるが、教育と研究と言うような長期的、せいぜい中期的な将来に対する間題を担当する人材の評価は普通の場合より、より困難である。親ですら子供の評価は正しくない例は特に優秀な人材程難しい。
英国が創造的研究に於て大きな成果を効率的に挙げるのは、異常とも言える記憶が、個人個人の未来予測能力を優れたものにさせているからではないかと考える。我国では過去のことは忘れるのが美徳とされ、一年の間に意見を逆転されたのに気がついた人は殆ど居られなかったり、俗論に抗して一人正論を吐いていたら、正論が認められた後になっても変なことを言っていた奴と言うレッテルが貼られたままで、先見の明があったなどと言う認識は全く出てこないのが普遍である。
さればとて、日本人には独創性がないなどと言う論法が自己の地位保存のために行われるが、事実は充分以上に独創力を持った人材が居るのと同じで、評価能力を持った人材も居られる。研究プロジェクトの選定がよい場合にはその鍵を握っているのはプロジェクト選定者に評価能力の優れた人材を得たときで、我国にも、その例は少なくない。
此処で、行革の一つの眼球であるべき二十一世紀へ向けて、評価能力を私情を入れずに評価する組織を作ることを提案したい。このような組織は、今の国内のことに視野が狭められている日本人に充分国際感覚が育つまで、乃至、その後も私情や狭い視野に冒される危険を防止する範囲で継続すべきであると考えている。一見大変繁雑な手続きであるが、現在の二十一世紀対応の組織作りの中での評価の必要性は相当に多いから、一括評価して各方面で利用するようにすれば決して無駄にはならないと考えられる。
将来問題に関するマルチプルチョイス式やデルファイ法的な客観的採点可能な間題を出し、近い将来、評価を求めるであろう候補者の参加の下に、答案は五年間密封保存する。五年後、適当な人材に模範解答の作製を依頼し、それに基づいて採点、次年度以降、最高点者に模範解答の作製を依頼して採点を毎年継続する。他方、答案の方も毎年出題者を変えて採点を継続し、それらの採点の最高点者から、順次、要望に合わせて、候補者の推薦を行っていく。模範答案は公表するのがよいかとも考えるが、最初の解答作製者の人選がよかった場合程、収斂は早くなる。
 以上のような組織は新設する必要があり、これを総理府におくか、科学技術会議におくか、国会におくかなどいろいろの考え方がある得る。

6.国際化

このような大幅な組織の変更を必要とする最大の理由は、今の日本の教育と研究が世界的な視野で行われているとは言えないことである。海外の研究と同じことをやる、仲間入りしてやると言う考え方で、海外でやっていないことで大きな成果を挙げるという考えが殆どないことである。
本当に外国人が見学に来ると言うようにならなければ国際化できたとは言えないので、海外でやっていないようなことをやる学者とそれを評価し援助する人、協力する人がなければ世界的視野に到達できたとは言えない。
 このためには、正確に将来を見通せる人を評価者に据えるのが最も重要なのである。

7.官界の効率化 小さな政府

官界の効率化が緊急視されている。正に重要なことであるが、省庁の数を削除するばかりが効率を高くするとは言えない。省庁が合併によって大きくなれば、その分だけ省庁同志の間の壁が固くなって、かえって機動性が減少してしまう。
現在必要なのは、先述したように人材の質をより高める組織を作ることと、政府が規正すべき事項を減少させて、社会の自主判断に委ねるようにすることが必要である。このためにも前提として国民の自主性を育てておくことが必要である。
省庁が数を減らすよりスリム化する方が遥かに効率が高くできる。特に、近年新しい社会構成のために設立された組織が古くて大きい組織に合併させられている例を多く見聞するが、これは決して効率化にならないどころではなく、寧ろ後退になっていることが多い。実績の挙がった組織は潰してはならず、寧ろ大きな組織をスリム化することを中心に考えるべきであろう。この件に関しては、教育における学科目の問題と類似している。
米国太平洋岸にある半導体・電子工業の会社群は二十世紀文明の華であり、二十一世紀における新産業の決め手となった大きな価値のある人類文化の金字塔であるが、牽引車的役割を果たした日本と対蹠的な小さな会社の集団である。当時大会社は、半導体工業の先駆者となったベル電話研究所グループですら対応できず、日本の大会社が事業部制を展開したのも、同じ理由であった。
スリムな省庁が軽快に動くと言うことが今後の二十一世紀に対応を迫られる分野の不可欠な要素である。それと共に予算制度に拘束されることは、予測不可能でやって見なければわからない研究では、新技術開発事業団の実績からも明らかなように、特殊法人を活用すべきである。
私の経験から言っても、経験豊かな大学教授による審議では研究費は覚えず、文部官僚や新技術開発事業団によって、国際的に評価された研究を実施することができた。
要するに省庁間の壁は競走と協力そして評価によってのみ破ることができ、総合的な成果を挙げることが可能である。
 研究いわゆる基礎的研究は文部省、開発は科技庁そして、工業化は通産省という分業が必要であるが、分担することは、同時にかなりの重なりも認めて文部省で支持の得られない研究に見るべきものがあれば、科技庁で支持できるという風にして、協力と同時に競走も意識的にさせるようにしなければならない。
そして、各省庁のプロジェクト間で受け渡しが順次行われて工業に育っていくようにすると共に、競合させて成果を評価し、これによって予算の割りつけを按分していくのが最も適当だと考えている。

8.科学者・教育者の倫理

政府資金が科学研究に大幅に割り当てられた途端に科学と技術は別で分けるべきだなどと言う議論が賑わしくなった。
本来、基礎研究であれ応用研究であれ、共に、創造的でなければ研究ではないし、創造的であれば、基礎科学に対する貢献が大きい。応用を目的とした研究が別に軽蔑すべきものでもなく、結果として新しい知見を加えていれば基礎科学として価値があると言わねばならない。
従って司馬遼太郎先生の言われるように科学技術と言うように一体化したのは日本の進んだ見識によるものと考える。
同時に、日本の経済は勿論、日本人の生活そのものは科学技術に全面的に依存している。その日本が、戦前進んでいた創造的研究の能力を回復し、戦後米国に教示されて能力を高めることのできた開発と工業生産の力を併せて新製品を世界に問うことができなければ、日本人は生活していくことができない。
また、世界の人類に迫りつつある危機を何とかして回避するために省エネルギー、省資源型産業の展開をはかれば、その製品は世界中に歓迎されて日本の工業も栄え、世界中の人々に感謝されることになる。無資源国日本の唯一つの道はここにある。
マルチメディアが既に若干の例を示したように、人類に貢献しながら産業活動を行うことは大いに可能であり、この光通信と情報の産業を大きく展開していくことが二十一世紀に向けての我国の健全な発達の先見の明ある出発である。
 このためにも、先ず日本の研究者教育者の社会に対する責任感を求めたい。子孫に多額の借財を残しての研究教育の強化であることを十二分に理解して責任ある展開を自ら実践することを新しい日本の国民の倫理と自覚するところから出発せねばならない。


別紙2

平成9年1月16日

行政改革会議

当面の審議スケジュ−ルについて(案)

第1回(8.11.28)初会合
第2回(8.12.19)@ 行政改革委員会の意見について(意見交換)
A 経済審議会の報告等について(意見交換)
B 今後の進め方について審議
第3回(9.1.16)@ 有識者との意見交換(西澤潤一氏)
A 地方分権推進委員会の勧告について(意見交換)
B 今後の進め方について審議
第4回(9.1.29)@ 行政組織の現状、沿革等の説明聴取(総務庁)
A 有識者(石原信雄氏)との意見交換
第5回(9.2.5)@ 諸外国の行政組織の現状、行政改革の説明聴取(事務局)(その1)
A 税調会長(加藤寛氏)等との意見交換
第6回(9.2.19)@ 諸外国の行政組織の現状、行政改革の説明聴取(事務局)(その2)
A 財政審委員(石弘光氏)との意見交換
第7回(9.3.5)@ 行政組織の現状、沿革等の説明聴取(内閣官房)
A 論点について説明聴取(事務局)
第8回(9.3.19)@ 各界提言の整理について説明聴取(事務局)
A 論点について意見交換
第9回(9.4.2)@ 各委員からの意見開陳及び討議(その1)
第10回(9.4.16)A 各委員からの意見開陳及び討議(その2)
予備日(9.4.30)

※ 本案については、今後の推移を踏まえ、変更があり得るものである。


別紙3

平成9年1月16日

行政改革会議

一日行政改革会議の開催について

1.趣旨
行政改革会議では、21世紀における国家機能の在り方、それを踏まえた中央省庁の再編成の在り方と官邸の機能強化策という三つの課題を検討し、本年11月までに成案を得ることとしている。これらの課題に取り組んでいくには、国民の支援、協力が欠かせないところであり、国民の意見、要望を的確に把握し、それを踏まえた活動を展開していくことが重要である。
このため、会議の委員が全国各地に出向いて、国民から我が国の国家社会の在り方、我が国の果たすべき課題や政府・公的部門の在り方などに関して広く意見、要望を聴取するとともに、会議の活動について国民各位の一層の理解と支持、協力を得ていく場として一日行政改革会議を開催することとする。

2.時期及び開催地

・第1回2月26日(水)午後名古屋市 (名鉄グランドホテル)
・第2回3月13日(木)午後仙台市 (ホテルメトロポリタン)
・第3回3月26日(水)午後大阪市 (ガーデンパレス)
・第4回4月9日(水)午後福岡市 (ホテル日航)
・第5回4月23日(水)午後札幌市 (ガーデンパレス)

3.出席委員
・水野清委員(事務局長)のほか、2〜3名の委員

4.内容
・出席委員による活動状況報告・基調説明
・一日行政改革会議会場出席者による意見発表と委員との意見交換、質疑応答等

5.その他
・一日行政改革会議は、公開で行うとともに、終了後出席委員による記者会見を行う。
・一日行政改革会議の結果は、事務局において整理の上、参考として会議に提出するものとする。
・一日行政改革会議の開催に合わせ、昼食を兼ねて地元有識者との懇談を行う。