−速報のため事後修正の可能性あり−
行政改革会議第5回議事概要
1 日時 平成9年2月5日(水) 18:10〜20:10
2 場所 内閣総理大臣官邸大食堂
3 出席者
(会議)
橋本龍太郎内閣総理大臣(会長)、武藤嘉文行政改革担当大臣・総務庁長官(会
長代理)、芦田甚之助、有馬朗人、飯田庸太郎、猪口邦子、河合隼雄、川口幹
夫、塩野谷祐一、藤田宙靖、水野清、諸井虔、渡辺恒雄の各委員
(有識者)
加藤寛氏(税制調査会会長、千葉商科大学長)
(政府)
古川内閣官房副長官、田波内閣内政審議室長
(事務局)
水野事務局長(再掲)、八木事務局次長
4 議題
(1) 加藤寛氏との意見交換
(2) 諸外国の行政組織と行政改革について
5 会議経過
(1)加藤寛氏から、行政改革の検討試論について説明があり(別紙1参照)、これを受けて以下の意見交換が行われた。
・教育改革についてどう考えるかとの質問があった。これに対し、加藤氏から、大学入試のセンター試験は資格試験制とすべきこと、国の税金を特定の国立大学に集中して使うのは問題であること、いじめ問題に関して言えば学区制をやめるべきこと、地方分権が教育改革にとっても重要であるなどの考えが示された。
・郵貯を分割してその資金を各地域内で還流し、地方分権を推進するとの加藤氏の意見はよいが、税財源の配分が現状のままでも分権ができるのか、また、現状の都道府県、市町村にその行政能力があるかとの指摘がなされた。これに対し、加藤氏から、郵貯は運用のノウハウを持っていないので、分割しても、そのノウハウを持つ地方銀行等に資金を貸し付けざるを得ない。また、地方債や民営化後の道路公団の債券を引き受けたりするようになり、地域の実状に応じた道路などの整備が進む。整備新幹線も地域の資金で整備すればよい。こうしたことにより資金の流れが生じ、郵貯分割は道州制に途を拓くとの考えが示された。
これに関連し、結果的に道州制になればよいが、郵貯の分割だけでこれを行うとすると需給がうまくいくバランスがとれるのだろうかとの疑問が示され、これに対し、加藤氏から、12の地域に分けて計算してみると、それぞれの地域の規模が、地方交付税とほぼ同じ規模になるようにうまく形ができるとの考えが示された。
・教育に関し、官僚に採用してから留学させるのではなく、大学時代に留学等により海外を経験した者を採用することがよいのではないか、都心に大学を設置することができない工場等制限法の規制についてどう考えるかとの問題提起に対し、加藤氏からは、大学改革は新幹線型(新規にあるべき姿の大学を設置すること)と在来線型(従来からある大学を改革すること)があるが、前者は、自由に改革を行うことが可能で、例えば、外国人や外国経験のある者を積極的に教授陣に登用することができるが、後者の場合には、教授会の運営などから手を着けていかざるを得ないのではないかとの発言があった。これに関し、委員から、留学等をした学生に対して、企業等がこれを評価してその蓄積に見合った給与を支払うつもりがあるのかという問題が大きいとの指摘がなされた。また、文科系の学生に比べて、理科系の学生は留学したり、修士、博士課程を
修了した者も多く、政府はもっと多くの理工系、医系の職員を採用すべきではないか、米の高級官僚の半数以上はPh.Dの保持者であり、これと協調するために、日本でも世界で学んだ者を採用すべきである等の指摘もなされた。
・大学入試を資格試験制にすることについては、受験料収入が減るという観点から私学が反対するのではないか、高等教育は国が主として負担すべきではないか(オックスフォード、ケンブリッジなどは、国立と考えるか私学と考えるか議論があるが、少なくとも予算は国が出している。)、今の県単位では大学を任せるには狭すぎるが、道州制なら、大学を任せてよい単位ではないかとの指摘があった。これに対し、加藤氏から、資格試験制にしても、私学は独自に入学試験を行いうるので、減収にはならない、また、大学の運営は国立でも私学でも構わないが、例えば学部ごとに会計課を置くというような非効率な運営をやめ、特定の国立大学に集中することなく、効率的に税金を使うことが重要であるとの発言があった。
・少子化、高齢化に関し、女性の労働力の活用が必要であり、また、子供を持った女性が社会に出られるために、育児サポートシステムの充実が必要ではないかとの問題提起があった。これに対し、加藤氏からは、配偶者控除の是否一つをとっても意見が分かれており、難しい問題である旨の答えがあった。また、委員から、教職員等に育児休業制度を導入した当時は、男性にも育児休業を認めることや育児休業中にある程度の手当を支払うこと等について、女性を含めて反対が強かったとの指摘があった。また、女性の再雇用に関連して、終身雇用制は、その根幹は維持されるだろうが、部分的には流動化すると考えられ、失業なき水平移動を行うためには、職業紹介等についての規制緩和が不可欠であるとの指摘がなされた。
・高齢化、少子化時代を迎え、幼稚園や小学校の近くに高齢者が住むことによって、子供のうちから高齢者と交流する機会を設けることが重要ではないかとの意見があった。
・外部の変化に対応して合理的な政策立案を行うためには、政が官を主導することが必要で、そのためには政に官を上回るシンクタンクを置くことが必要と考えられるが、その可能性はあるのか、また、整合的な政策立案をするためにも、各省が先に出るのではなく、内閣官房に政策立案をさせることが必要だと思うが、どう考えるかとの問題提起があった。これに対し、加藤氏は、現在でも、国会図書館や国会の常任委員会に専門の調査員等が約四百人おり、これに政策秘書を合わせると約一千人のスタッフがいるが、これらのスタッフの能力が十分に使われていないので、これを活用して情報を収集したり、場合によっては組織化するのも有用であるとの考えが示された。また、日本の現状を踏まえると、審議会の活用をもっと考えるべきである、審議会は、官僚の隠れ蓑というよりも、現在では、官僚が本当に困っているからこれを受けて議論しているという状態にある、連合審議会のようなものを作り、互いに批判をしあって議論すれば、国民の意思を代表する政策形成が可能である、審議会に利益代表を入れるべきでないとか、官僚OBを入れるべきでないという議論があるが、むしろ、これらに利益代表として発言してもらい、互いに批判しつつ結論を出すことが望ましいと思われる旨の発言があった。
・税の不公平感の解消のため、納税者番号制が議論されているが、これが実現できない背景は何かとの質問があった。これに対し、加藤氏から、納税者番号制については、そのために要する費用が多額であるということを前提にして導入の可否が検討されるべきであること、公平の観点からは、直接税より間接税が優れており、公平の確保を納税者番号制のみに頼るべきではないとの発言があった。
・道州制につき、現在の都道府県を前提とするのかとの質問があった。これに対し、加藤氏から、郵貯その他地域分割していくべきものを取り上げていき、それらを順次検討して積み上げていくことにより、道州制の姿を工夫していくことがよいのではないかとの考えが示された。
・財政再建について、相続税非課税の無利子国債の発行や永久国債の発行等、将来に負担が残らないような方法はどうかとの問題提起があった。これに対し、加藤氏から、明治15年に、増発された不換紙幣をなくすための政策として、福沢諭吉は外債を発行することを主張したが、松方正義蔵相はデフレ政策を主張した。無利子国債の発行は、前者の考え方に似ているとの指摘があった。また、同氏からは、どちらの政策を採るにせよ、選択をはっきりさせることが重要であり、曖昧にしたままでは国際的にも通用しない旨の意見が述べられた。
(2)事務局調査員より、連合王国、ニュージーランド、カナダ、スウェーデン王国の行政組織及び行政改革の動向について説明があった(別紙2及び3参照)。なお、これに対する質疑応答は、次回に行われることとなった。
(3)事務局から、第2回会議における委員からの要請等を踏まえ、先日、事務局として各省庁に対して資料の作成依頼を行った旨の報告があった。
(4) 次回会議は、2月19日(水)午後6時目途から開催することとされた。
以上
(文責 行政改革会議事務局) 連絡先:行政改革会議事務局 高野(電話03-3581-2641)
杉山(電話03-3581-0272)
行政改革会議議事概要は、インターネット(官邸ホームページ(http://www.kantei.go.jp/)の「最近の話題」欄又は「連載」欄中の「審議会等」の項)及びパソコン通信ネットワーク(PC-VAN及びGサーチ)でもご覧になれます。
別紙1(加藤寛氏説明資料)
H9.2.5
行革検討試論
A.改革の理念
政策は個々の行動主体の相互作用の結果であるから、国際化・情報化・少子高齢化といった外部の変化に対して、対応する合理的行動が政策となる。
B.官僚主導の限界(予算・権限最大化)
(1) 情報優位
(2)法令の不透明
(3) 裁量性
C.組織改革の目標
(1) 意志決定の分権化
市場テスト(協調から競争へ)
チェックシステム
(2) 開放性(ルール化と透明性)
(3) 国際的調和
D.組織改革の手順
| 財政再建 |
| 中央省庁の再編 | (本丸) |
| ↑ | |
↑ | ↑ |
| 財 投 | |
地方分権 | (櫓) |
| ↑ | |
↑ | ↑ |
| 郵 貯 | |
特殊法人公開 | (石垣) |
| ↑ | |
↑ | ↑ |
| ビッグバン |
| 情報公開法 | (内堀) |
| ↑ | |
↑ | ↑ |
| 規制緩和 | ←
| 行政手続法 | (外堀) |
| 官民分担 |
E.財投(郵貯分割)− 社会経済生産性本部提言
- cf.公的供給の条件
- a.標準化
b.非独占化
c.cost benefit
d.レフェリー
別紙2
諸外国の行政組織の現状(T)
【T.英国】
- ◆ 政体(国家形態、三権の関係、党と行政の関係)
- 〇 立憲君主制、議院内閣制
〇 議会の優位
〇 与党の政策遂行責任を担保するため、与党議員から行政府に大臣・閣外大臣等約100名が入る。
- ◆ 行政組織
-
- 1. 政府中枢
- 〇 行政権は内閣(約20名の閣僚で構成)に属する。
〇 内閣官房(約300名)と首相府(約100名、政策室、秘書官室等)とが首相を補佐。
- 2. 省庁
- 〇 16省
〇 閣外大臣及び政務次官は、閣内大臣の決定により仕事を分担し、閣内大臣を補佐。
〇 事務方のトップは、事務次官。通常その下に局がある。
- 3.エージェンシー、独立行政機関、政府機関等
- 〇 127のエージェンシー
・ 行政の執行を担当する。
・ エージェンシーの長は、原則として、公募のうえ所管大臣が任命。
・ 業務内容等を定めた組織の基本文書を所管大臣が作成、その範囲内でエージェンシーの長に大幅な裁量と自律性。
- ◆ 行政組織改廃
- 〇 行政組織についての統一的法典なし。各省の設置根拠は多様。
〇 組織の新設、改廃は枢密院令で行われ、実質的に内閣の権限。
〇 行政組織の新設、改廃は頻繁。
- ◆ 行政組織間調整
- 〇 関係閣僚等による閣僚委員会の開催。
〇 内閣官房が閣議案件について事前に調整の場を提供。
〇 首相府の政策室は、新政策の首相への助言等
- ◆ 危機管理体制
- 〇 有事には内閣官房庁舎内に政府の対処方針調整のための関係者が一堂に会することができる施設あり。
〇 安全保障については、国防海外政策委員会、戦時には、戦時内閣を構成しうる。
- ◆ 国家公務員の任用等
- 〇 約52万人(除軍人)、人口千人あたり9.1人
〇 事務次官、局長の任用は首相が承認。
〇 各省別採用、課長補佐クラス以上は各職種から登用。
〇 各省庁間交流は行われているが、制度的ではない。
- ◆ 中央と地方(州)の関係
- 〇 地方自治体のあらゆる活動に法律の根拠が必要。中央と地方それぞれが法律の範囲で独立。
〇 根拠法に基づく条例制定権あり。
【U.ニュージーランド】
- ◆ 政体(国家形態、三権の関係、党と行政の関係)
- 〇 立憲君主制。議院内閣制。一院制議会。
〇 首相等の大臣はすべて議員。
〇 大臣職70余、大臣数26人(うち6人が閣外)で、与党議員の多くが大臣となる。
〇 閣僚委員会に行政機関職員入らず。
- ◆ 行政組織
-
- 1. 政府中枢
- 〇 内閣が行政部の最高の意思決定機関
〇 内閣の意思決定は全員一致。連帯責任。
〇 政策課題別の閣僚委員会が内閣に政策提言。
〇 首相・内閣府に次官のほか、政策調整班、危機管理室等を置き、首相・内閣の補佐、各省調整に当たる。
- 2. 省庁
- 〇 39省庁。(従前から30〜40に細分化)
〇 次官(Chief Executive)は、公募・契約・任期制で、契約により目標が明示され、物品等の購入、職員の採用、組織編成等につき広範な裁量権。
- 3.エージェンシー、独立行政機関、政府機関等
- 〇 政府全体に発生主義会計を導入して、各分野のコストを明示。アウトプットの効率性を評価。
〇 Crown Entity(中央省庁と国営企業の中間的なもの)が検査監督、教育・研究等の公的活動を行う。
〇 国営の事業の企業化、国有企業の民営化を推進。国有企業14社。
- ◆ 行政組織改廃
- 〇 中央省庁は公的部門法(1988)付表に列挙。個別法又は閣議決定で再編・
廃止又は追加。
〇 近年、政策機能への特化や行政目的ごとの編成の観点から、スリム化や分割を実施。
- ◆ 行政組織間調整
- 〇 関係省庁による協議会により調整が行われる。
〇 さらに、首相・内閣府、財務省及び行政人事管理委員会が政府全体の中心的機関として調整機能を果たす。
- ◆ 危機管理体制
- 〇 通常規模を超える自然災害や人為的事象に対処するための民間防衛が制度化されている。
〇 首相・内閣府の次官が調整責任者で、その下に対策室を置き、関係省庁調整会議を主催。
- ◆ 国家公務員の任用等
- 〇 約34,000人(中央省庁のみ)、人口千人当たり9.5人。
〇 各省の次官は、行政人事管理委員会が任命する。
〇 その他の職員の任用は、各省の次官が行う。
- ◆ 中央と地方(州)の関係
- 〇 広域行政機関(12)と普通地方自治体(74)の二層構造。
〇 自治体は、国法の範囲内で独立した権能を有するとされるが、自治体の事務は比較的限定的。
〇 議員等の公選、国法の範囲内における自主課税権、自主立法権が認められる。
【V.カナダ】
- ◆ 政体(国家形態、三権の関係、党と行政の関係)
- 〇 立憲君主制、議院内閣制、連邦制。連邦議会は下院(直接公選)と上院(首相指名)の二院制。
〇 首相と内閣が政策を決定し立法計画を立案。下院に提出する前に議院総会で意見聴取。
〇 党内統制が厳しく首相の党に対する支配力が強い。
- ◆行政組織
-
- 1. 政府中枢
- 〇 行政権は首相及び内閣に属する。
〇 内閣を補佐する事務機構として、「内閣府/枢密院事務局」、政治的視点からの政策の検討や調査などやや党派的業務について「首相府」を設置
〇閣議では活発な討議が展開されるが、最終的な意志決定は首相が行う。
- 2. 省庁
- 〇 19省
〇 閣僚は全25名。9人の閣外大臣が閣僚を補佐。
〇 政務次官は大臣を補佐する下院議員。政務次官法による。首相が任命。任期12ヶ月
〇 事務次官の任免・罷免権限は首相。政治任用あり。
- 3.エージェンシー、独立行政機関、政府機関等
- 〇 政府の委員会や独立行政機関として、カナダ銀行、カナダ郵便公社、カナダ映画庁、中央人事委員会など多数にわたり、その数は数百。
〇 7のエージェンシーを新設(食品検査庁、環境評価庁、国際開発庁等)。
- ◆ 行政組織改廃
- 〇 省庁の改廃には法律改正が必要。
〇 過去には国際貿易部門、雇用・移民政策、消費者保護、科学技術、多文化主義政策、通信などが統廃合のターゲット。
- ◆ 行政組織間調整
- 〇 枢密院事務局、首相府、内閣予算局、大蔵省等が全体を調整。
〇 とりわけ枢密院事務局が各省庁の最終的な利害調整を実施。政府の全政策の立案調整に関与。
- ◆ 危機管理体制
- 〇 大規模自然災害など国家的緊急事態(戦争を含む)の発生時、議会の監督のもと政府は暫定的に非常措置を取ることを規定(緊急事態法)。
〇 災害発生時、緊急事態整備局が対策の特別の本部となるようなタスクフォースを設置。閣僚が指揮。
- ◆ 国家公務員の任用等
- 〇 約24万人(6万人強の軍人を除く)。人口千人あたり約8人。(現在削減途
上)
〇 枢密院事務局、首相府、内閣予算局等に高級官僚や大臣クラスの政治任用が多い。
- ◆ 中央と地方(州)の関係
- 〇 10州及び2準州。約8千の市町村郡等
〇 憲法に連邦と州それぞれの独占的立法権が該当する事項が明記。各々の議会で立法された事項については各々の政府が所管
〇 近年は州の実権が拡大する傾向
【W.スウェーデン】
- ◆ 政体(国家形態、三権の関係、党と行政の関係)
- 〇 立憲君主制、議院内閣制
〇 政党の政策支配と行政執行の独立性
・ 政策決定については、大臣及び次官を中心として検討。一方、行政の執行については、独立性が確保。
- ◆ 行政組織
-
- 1. 政府中枢
〇 行政権は内閣(22名の閣僚で構成)に属する。
〇 首相府45人が首相を補佐。首相府と各省で政府事務局を構成。
- 2. 省庁
- 13省
〇 省の長の大臣と特命事項担当大臣あり。
〇省には、次官、事務次官、法制官があり、次官は、省全体の業務を統率。
- 3. エージェンシー、独立行政機関、政府機関等
- 〇 多数の独立行政機関
・ 各省及び各大臣の監督を受けない。
・ 行政機関の個別ケースに係る判断について他の公的機関は優越的に判断できない。
・ 各省から法令、指令、予算の配分でコントロール
- ◆ 行政組織改廃
- 〇 行政組織については、政令が根拠
〇 組織の改廃は内閣の権限
- ◆ 行政組織間調整
- 〇 閣僚の昼食会によるインフォーマルな調整
〇 首相府政治局による調整
〇 政府に設置される特別委員会等が報告をまとめる際の各省との調整。
- ◆ 危機管理体制
- 〇 関係する大臣等が臨機に集まり協議するなどインフォーマルな形で機動的に対応。
- ◆ 国家公務員の任用等
- 〇 約22万人(除徴集兵等)、人口千人あたり25人
〇 政治任用は、省の次官及び報道官等、独立行政機関の長官等の一部。
〇 各省別採用(選考)
〇本年から政府事務局内は一括人事に変更。
- ◆ 中央と地方(州)の関係
- 〇 県23、基礎自治体288
〇 国は、法令により県、基礎自治体に任務を委任。
〇 ただし、基本法及び地方自治法により一般的権限が委任されており、課税権が与えられている。
-
-
別紙3
諸外国の行政改革の動向(T)
【T.英国】
- ◆ 行政改革の背景、原動力
- 1. 財政状況の悪化による公共部門の縮小圧力
2. 政治家の指導力
3. 世論の支持
- ◆ 推進体制
- 外部の有識者を含む改革推進組識(効率室、ネクストステップ室、市民憲章室、マーケットテスティング室等)を首相直属として設置
- ◆ 具体的施策
- 1. 行政監察 (79年〜)
- 行政の管理改善、コスト削減、サービスの向上を目指して、職務の廃止・縮小、手続の簡素化等を実施。経費節減に効果あり。
- 2. 民営化 (79年〜)
- 電力、ガス、水道、航空などGDPの一割弱を占めていた国有企業の三分の二を民営化。
- 3. 財務管理強化 (82年〜)
- 行政資源の節約、最適配分、管理、統制の改善を目指す。管理者層に十分な権限委譲がなく、大きな進展なし。
- 4. Next Steps (エージェンシー化:88年〜)
- 政策形成以外の機能をエージェンシーにより遂行する。100を超える部局が既にエージェンシー化。
- 5. 市民憲章 (91年)
- 行政の主要課題、メカニズム、公的サービスの原則など、行政の理念を明確化。
- 6. マーケットテスティング (91年〜)
- 行政の仕事を民間会社と競争入札。効率的な方が業務を請負う。10億ポンド以上の業務を民間が落札。
[備考] 民営化売却益と歳出抑制により87〜89年度は財政赤字解消。その後、財政赤字が再び拡大し、現在中期財政再建計画のもと厳しい歳出抑制。2000年度黒字化見込み。累積赤字は、96年度(ピーク)で対GDP比55%。
【U.ニュージーランド】
- ◆ 行政改革の背景、原動力
- 1. オイルショック等による経済環境の悪化と大規模公共事業の失敗による巨額
の財政赤字・公的債務の累積
2. 政治家の強力な指導力
- ◆ 推進体制
- 1984年労働党政権誕生と同時にロギン首相・ロジャー・ダグラス蔵相主導のもと、財務省及び行政人事管理委員会を中心に一連の改革プログラムを推進。
- ◆ 具体的施策
-
- 1. 規制緩和(84年〜)
- (1) 変動相場制導入(85年)、銀行設立自由化等(87年)
(2) 国営事業の国有企業化、民営化(86年〜)、輸送サービス業への参入自由化
(3) 労働者が雇用者と自由に契約を結べる「雇用契約法」制定(91年)
(4) 農業補助金、農産物価格支持制度の撤廃
(5) 輸入数量制限廃止、関税引下げ
- 2. 行政組織の改革(84年〜)
- (1) 中央省庁の再編、国家公務員の削減
(2) 大臣と事務最高責任者(次官)の間に契約関係導入(88年)
- 3. 財政・金融改革(84年〜)
- (1) 中央銀行の政府からの独立:総裁は大蔵大臣との契約により選任(89年)
(2) 発生主義会計の導入(89年〜)、ディスクロージャー(94年〜)
- 4. 税制改革(86年〜)
- (1) 財貨・サービス税導入
(2) 所得税、法人税の簡素化、大幅な税率引下げ、課税ベースの拡大
[備考] 改革開始から91年までの間は、政府活動カット・中小企業倒産により、大量の失業者発生。1991年末より、規制緩和の経済効率化の効果も手伝って、景気回復(94年には年率6%の高い経済成長記録)。公務員の意識が変化し、効率化を指向。
【V.カナダ】
- ◆ 行政改革の背景、原動力
- 1. 財政再建が不可欠であるという国家的認識
2. 政治の強力な指導力
3. 優先度に応じた政策の選択
4. 明確な数値目標の設定
- ◆ 推進体制
- 枢密院/内閣の中に大臣で構成される特別委員会を組織。歳出削減のために、各省庁自身に将来の政府支出に優先順位をつけさせ、大蔵省を中心に内閣が中心となって調整し、実質的に拘束力の強い財政計画を策定。
- ◆ 具体的施策
-
- 1. 歳出削減(94年〜)
- 連邦政府の各省庁別経費を94年度から4年間で平均約22%削減
- 2. 民営化の推進(94年〜)
- 積極的な民営化を推進。国営石油会社、国有貨物鉄道、国営空港、国営港湾などを民営化
- 3. エージェンシー化(95年〜)
- 特定の行政サービスを行う外庁を7つ新設。特に、食品検査については、3つの省にまたがっていた機能を一括して食品検査庁を設置した。
- 4.政府職員の総数の削減(95年〜)
- 95年8月から98年7月までの3年間で、32万人いた政府職員を4万5千人削減する計画(全体の約14%)
- 5. 補助金削減(94年〜)
- 企業向け補助金を98年度までに94年度レベルから61%削減
- 6. 州に対する交付金制度の見直し(96年〜)
- 州の裁量権を拡大させるとともに、総額を削減
-
- [備考] 上記の改革の結果、財政赤字は93年に対GDP比5.9%であったものが、今世紀中には均衡する見込み。改革の推進に際し「プログラムレビュー」と称する政策評価のガイドラインが重要な役割を果たした。
【W.スウェーデン】
- ◆行政改革の背景、原動力
- 1. 財政状況の悪化による公共部門の縮小圧力
2. 中央主導の行政運営に対する批判
3. 政治家の指導力
- ◆推進体制
- 1983年に縦割り行政の弊害を打破し、行政全体の計画・調整を担当するための「行政省」を自治省に代えて設置。(1996年には廃止され行政管理部門は大蔵省に、その他は内務省に移管)
- ◆具体的施策
- 1.中央行政庁の再編(91年〜)
- (1)3行政庁を産業技術開発庁に統合(91年)
(2)5行政庁を国際開発協力庁に統合(95年)
(3)各省共通官房事務を首相府に統合・効率化(97年1月〜)
- 2.民営化・規制緩和(91年〜)
- (1)国営企業民営化法成立(91年)
大手製薬会社ファーマシア等35の国営 企業民営化を決定
(2)国営事業の企業化
電信電話庁、郵便庁を株式会社に改組 (93年、94 年)
(3)規制緩和
電気通信事業、郵便事業への参入規制緩和 (93年、94年)
- 3.地方分権 (84年〜)
- (1)フリーコミューンに対する規制緩和実験を通じた地方自治の実質的拡大
ア 中央による規制免除
イ 内部組織(委員会)の自由編成権付与
(2)社会保障制度改革
高齢者ケアの責任・権限を市コミューンに一元化
(3)補助金制度の見直し(93年)
使途を限定した補助金を使途限定のない一般交付金に統合(補助金総額の削
減)
-
- [備考] 財政赤字は93年にGDPの12.3%に達したが、財政健全化及びEU通貨統合の前提条件を満たすため、福祉・社会保障水準の切下げを含む財政健全化策を実施。これらの施策により、財政赤字は97年にはGDPの3%以下となり、98年
には解消が見込まれている。