−速報のため事後修正の可能性あり−


行政改革会議第7回議事概要

1 日時 平成9年3月5日(水) 18:00〜20:15
2 場所 内閣総理大臣官邸 大食堂
3 出席者
(会議)
橋本龍太郎内閣総理大臣(会長)、武藤嘉文行政改革担当大臣・総務庁長官(会長代理)、芦田甚之助、有馬朗人、飯田庸太郎、猪口邦子、河合隼雄、川口幹夫、佐藤幸治、塩野谷祐一、豊田章一郎、藤田宙靖、水野清、諸井虔、渡辺恒雄の各委員
(内閣官房)
太田義武首席内閣参事官、田波耕治内閣内政審議室長、三井康有内閣安全保障室長、上村知昭内閣広報官、大森義夫内閣情報調査室長
(政府)
古川内閣官房副長官、田波内閣内政審議室長(再掲)
(事務局)
水野事務局長(再掲)、八木事務局次長

4 議題
 (1) 行政組織の現状、沿革等について(内閣官房)
 (2) 主要論点項目(案)及び各界提言の整理について

5 会議経過

(1) 内閣官房から、内閣制度の変遷と現状(別紙1参照)及び内閣における危機管理体制と対応の現状について説明があり、これを受けて以下の質疑応答が行われた。

  (危機管理関係)
・ 委員から、説明のあった体制は阪神淡路大震災以前からあったものか否かとの質問があり、内閣官房から、その多くは震災後にこれを踏まえて出来た制度である旨説明があった。
・ 委員から、危機の際の意思決定についても閣議決定が必要か、すべての閣僚が集まれない場合にどうするのかとの質問があった。これに対し、内閣官房から、自然災害の際の非常災害対策本部については、災害対策基本法の改正により閣議決定を経なくとも内閣総理大臣が設置することができることになったこと、橋本内閣における措置として首都直下型等大規模地震発生時の内閣総理大臣の職務代行として、内閣官房長官、国土庁長官、その他の閣僚の順が定められたこと、また、緊急災害対策本部の設置については閣議決定を要するものの、そのための閣議については、内閣総理大臣及び連絡が可能な閣僚との連絡のみで閣議決定とすることとしていることについて説明があった。
・ 委員から、阪神淡路大震災の際には、初動態勢の遅れに問題があったと思われるが、今後初動態勢をどのように確立する予定かとの質問があった。これに対し、内閣官房から、初動態勢を重視すべきとの点はそのとおりであり、将来、危機管理全般の責任者を設置したり、多種多様な危機の専門分野ごとのスタッフを充実するなどにより、情報収集力の強化と併せ、初動態勢を強化したい旨説明があった。
・ 委員から、危機管理の前提となる「危機」の範囲をどうとらえるべきかとの問題提起があり、これに対し、内閣官房から、危機の範囲としては、大きくは国の安全に関する緊急事態があるが、その他の災害や事件・事故については千差万別であることから、すべての危機について基準を設けることは困難であり、結局社会的不安等の影響の度合いによることになろうとの説明があった。
・ 委員から、危機管理として特別の体制をとるには、これを正当化する根拠が必要であるとの主張がなされ、例えば国家の存立というようなこともあろうが、「人命を救う」という観点はどうか、こうした観点から、小さい危機でも初動は大きく動き、一定の期限後閣議で追認して危機のシフトを解除するというようにしてはどうかとの意見が出された。これに対し、内閣官房から、何のための危機管理かという点については、人命、財産等を守ることが基本と思う旨説明があった。
・ 委員から、閣議を開催できない場合に、閣議を経ないでどこまでできるのか、内閣法第6条との関係でこれが難しいのであれば、何とか迂回する方法を考える必要があるのではないかとの問題提起があった。これに対し、内閣官房から、内閣法第6条の背景には憲法第72条の問題があり、現行憲法を前提とすると、内閣法第6条の改正は慎重にというのが内閣法制局の見解であること、閣議を開けない場合の工夫としては、持ち回り閣議等の方法があるが、これもできない場合に備えたマニュアル(内閣総理大臣及び連絡が可能な閣僚との連絡のみで閣議決定とする)を内閣法制局とも相談しながら作成し、昨年の防災の日の訓練ではこれがうまく機能したとの紹介があった。また、これに関連して、委員から、「緊急時には、総理が、一定範囲で閣議の決定を経ないで決定ができる」との閣議決定は有効かとの質問があった。これに対して、内閣官房から、内閣法制局は、ある程度具体性をもって想定される危機に備えてその際の手続をあらかじめ閣議決定しておくことはできるが、危機一般について包括委任することは無理との見解を採っているとの紹介があった。
・ 委員から、総理大臣に事故がある場合の代理は、震災の場合には官房長官、国土庁長官等に決められているようだが、他の危機の場合はどうなっているのかとの質問があった。これに対し、内閣官房から、内閣法第9条によりいわゆる副総理が指定されている場合にはそれによることとなり、この指定がない場合には、法律に規定がないので、残った閣僚で決めることとなるというのが内閣法制局の見解であるとの説明があった。
・ 委員から、予測可能な危機についての専門家を官邸にプールする必要性を考えているのかとの質問があった。これに対し、内閣官房から、内閣情報集約センターでは、5班20名の専門家を関係省庁から集めているが、様々な分野の情報エキスパートを集めこれを更に充実させる必要性があると感じている旨説明があった。
・ 委員から、緊急災害時に海外から援助の申し出があった場合の受入基準が策定されているかとの質問があり、内閣官房から、今後の課題と考えている旨説明があった。

(内閣制度関係等)
・ 委員から、内閣総理大臣の補佐制度に関し、他国との比較においてどうか、日本の内閣官房各室は、種々の政策の企画・立案ができるだけの体制があるのかとの質問があった。これに対し、内閣官房から、連合王国については、内閣に総理大臣室と内閣府内閣官房があること、同国の場合、総理により近い総理大臣室に政策室や報道官室があるが、日本の場合、内閣官房にこれらがあり、これらが基本指針の策定を含めて調整を行っているのが特徴的であること、米国の場合、ホワイトハウスに強力な大統領補佐機構があること、日本の内閣官房は、安全保障を担当する安全保障室、国内問題を担当する内政審議室等、それぞれの室が各担当分野の総合調整を行い、積極的に関係省庁に施策の指針を示す等の企画立案的作業も行っている旨説明があった。
・ 委員から、行政組織の中心課題は、内閣総理大臣のリーダーシップとこれを補佐する体制をいかに作るかということであろうとの認識の下に、総合調整、政策立案、情報収集・分析の3つの機能を満たし、しかも機動力のある補佐機関が必要であるが、現在の内閣官房及び総理府は、こうした観点からうまく機能しているのかとの問題提起があった。これに対し、内閣官房から、総理府と内閣官房が別の組織でありながら一体的に活動するという現在の関係は、いい知恵を出した一つのやり方である、総理府と内閣官房を一体にして内閣官房が全ての総合調整機能を担うと、細かいことまで扱いすぎることとなる結果、本当に大事な事項について適時適切な処理ができるかとの問題点があるとの認識が示された。また、昭和30年代末、内閣官房と総理府を一体化した大きな「内閣府」を作ることが検討されたことがあったが、本来の内閣官房としての機能か、行政事務を分担管理する総理府としての機能かという点が不明確となること、内閣の中に行政事務を分掌する総理府の機能を持ちこむと、宮内庁、公取等の機関もこの中に入ってくるが、実効性が上がるのかとの問題点があり、実現に至らなかったとの紹介があった。さらに、内閣官房から、議院内閣制の下における総理のリーダーシップについては様々な要素があるが、制度的には総理の発案を内閣官房各室が協力して実現するという総理の補佐体制の問題が大きいとの考えが示された。
・ 委員から、米国では、大統領は、情報コミュニティーの長を務めるCIA長官より、朝一番に各種情報のブリーフィングを受けると言われているが、日本ではどうなのかとの質問があった。これに対して、内閣官房から、各省による行政事務の分担管理制をとっていることから、各省が収集した情報が当然には官邸に入るシステムになく、各省情報へのアクセス権もないこと、内閣官房自身の情報収集能力も必ずしも十分でないことの説明があったほか、関係省庁の部局長が集まる合同情報会議を行い、情報の交換に努めている旨説明があった。

(2) 事務局より、主要論点項目(案)(別紙2)の提示及び各界提言の整理の結果についての報告があり、これを受けて、各界提言の整理に関して以下の質疑応答が行われた。
・ 委員から、各界提言の比較について、各提言の中で、女性問題を扱う省庁はどのように位置づけられているのかとの質問があった。これに対し、事務局から、女性問題の扱いとしては、女性問題を専門的に扱う組織を置く考え方と、女性問題の企画調整機関を作る一方で、女性問題についての実務は各省庁が分担して所掌することとする考え方があるが、現在は後者の考え方をとっているのではないかとの説明があった。
・ 国際貢献に関する論点として、財政赤字との関係で、現在よりも縮小すべきであるとの主張はないのかとの質問があった。これに対し、事務局から、聴取した提言や参照した文献等の範囲では、基本的にはそのような主張はなかったが、ODAなど、量から質へ転換させるべきとの議論はあると思われる旨説明があった。また、これに関連して、委員から、軍事的貢献と経済的貢献に分けると、前者は行革会議で取り扱うのは適当ではなく、後者については、無駄なODAがあることも事実で、質の向上を図り、整理・縮小を考える必要があるとの意見が述べられた。

(3) 委員から、危機管理について本日かなり議論がなされたが、これはいつ起こるか分からない問題でもあり、早期に対応する必要があり、会議としてもこれに取り組んではどうかとの提案がなされた。

(4) 次回会議は、3月19日午後6時目途から開催することとされた。

以上

(文責 行政改革会議事務局)

連絡先:行政改革会議事務局   高野(電話03-3581-2641)  杉山(電話03-3581-0272)

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別紙