速報のため事後修正の可能性あり

仙台一日行政改革会議議事概要


1 日時 平成9年3月13日(木)14:00〜16:00
2 場所 仙台市 ホテル メトロポリタン仙台 4階 千代南・東
3 出席者
(行政改革会議)
豊田章一郎、藤田宙靖、水野清の各委員
(会場参加者)
約230名
(事務局)
水野事務局長(再掲)、八木事務局次長、小山参事官(司会)

4 議題
(1) 基調説明
(2)会場参加者との意見交換

5 会議経過

(1) 行政改革会議水野委員から、開会のあいさつ及びこれまでの行政改革会議の活動状況について基調説明があった。

(2) 会場参加者松村富廣氏から、別紙1のとおり意見が述べられ、これについて以下の意見交換が行われた。 (豊田委員)日本の将来のためには産業の活性化が必要であり、ベンチャー企業の育成は有効な手法である。米国経済の活性化も、ベンチャー企業が新技術・新産業を生み、雇用に貢献したことによる。そうした環境整備を進める観点から、日本でもビッグバンを含む改革が行われる。キャッチアップを脱し、先頭を走るこれからの日本においては、独創性のある企業を必要としており、そのための人材も必要としている。

(3) 会場参加者北畠修之氏から、別紙2のとおり意見が述べられ、これについて以下の意見交換が行われた。
(水野委員)新食糧法で農政も変化したが、減反政策は尾を引いている。東和町長の対応は法的には問題がない。ただし、減反政策を行わないとコメが余る一方で70万トン前後の輸入をしなければならず、またおいしいコメだけが売れることになる。農水省内では食糧庁と構造改善局で別々の政策を実施しており、この点は中央省庁再編の中で考えていきたい。
(藤田委員)農政を含む産業政策について、従来我が国では、国自らがこれを広く指導するという考えでやってきたが、国には、変転する状況に柔軟に対応する能力が欠けているのではないか、ということが問題となっている。したがって、そのような判断は、基本的に市場に任ねるべきではないか、との考え方があるわけである。問題を行革の問題として見るならば、一つ一つの行政介入について、その意義をチェックしていかなければならない、というのはそのとおりであるとしても、その際、見直しのための何らかの基本的な視角がベースとならなければ、チェックそのものが場当たり的なものとなってしまうおそれがある。したがって、この段階では、例えば先のような考え方をベースとして、個々の行政についての見直しを行っていくことが必要であると思う。

(4) 会場参加者吉野禎造氏から、別紙3のとおり意見が述べられ、これについて以下の意見交換が行われた。
(水野委員)閣議決定によって各種申請等の書類を3割削減しようとしており、総務庁が各省と折衝している。指摘のあった件は検討材料とし、厚生省にも伝えることとしたい。
(八木次長)医療、保健、福祉については、厚生省のみならず、地方自治体でも担当が分かれており課題が多い。公的介護については専門のケースワーカー等がきめこまかく対応するのが望ましいが、行政にはサービス提供の速度も求められる。個別ニーズに対応できるサービス提供が肝要である。審議会の問題は、中央省庁再編の一環としてすべての審議会を対象としており、機動的な政策立案を可能とする方向で検討している。行政事務負担に係る指摘は、これまでの対応がまだまだ至らないものであるという厳しい現実を示したものと思う。

(5) 会場参加者望月衞氏から、別紙4のとおり意見が述べられ、これについて以下の意見交換が行われた。
(藤田委員)「小さな政府大きなNPO」というスローガンは、魅力的である。NPO等の民間活動について、許可制とする、あるいは活動範囲を限定する等の対応は、補助金絡みの問題等もあるが、福祉の実現等は本来国の役割であって、他の者にやらせるのでは不安である、という考え方が下敷きになっており、いわば、民に対する官の不信があるように思われる。今問われているのは、こういった、国がすべてに責任を負いすべてを本来自ら行う、といった国のこれまでの考え方であり、これが今回の行革の基調でもある。
(水野委員)ごく一部にNPOを税対策で悪用しようとする向きがあることを官庁は心配するが、気にし過ぎていると思われる。
(豊田委員)官庁に民間をもう少し信頼してもらい、活力を活かすべきである。
(八木次長)世の中が多様化する中で、すべての事柄に政府が対応することはできない。NGO、NPOをどのように育て、民の自主性、自立性をどのように高めていくかが課題である。その際、官がバックアップする要件、チェックシステムがゼロでよいかどうかは議論がある。

(6) 会場参加者小林達子氏から、別紙5のとおり意見が述べられ、これについて以下の意見交換が行われた。
(藤田委員)規制緩和とは規制をすべてやめることではない。規制緩和を最も強硬に主張する人達でも、経済的規制はなくし、社会的規制も最小限にとどめる、ということを言っている。経済的規制と社会的規制の区別は、必ずしも常にはっきりしているわけではないが、食の安全の確保ということは、社会的規制の典型例であり、今後もなくなるものではない。ただ、この問題は、科学的知見の問題とも関係しており、現状において、あらゆる危険を完全に排除するということは、不可能である。現在何が分かっており、何が分かっていないかということについての情報の公開が是非とも必要であるが、その上で、最終的には、消費者自身による選択は、避けることができない。
(八木次長)食の安全は重要であるが、製造年月日表示を期限表示に切り替えたのは国際化への対応であり、理解を得たい。また遺伝子組換えについても、安全性について現代技術に応じた踏み込みが必要であろう。なお、エイズの経験を踏まえ、厚生省において医薬品の安全部局を独立させ、食品衛生についても強化しているので、評価を待ちたい。

(7) 会場参加者阿部長壽氏から、別紙6のとおり意見が述べられ、これについて以下の意見交換が行われた。
(水野委員)カラ出張などが明るみに出たのは情報公開の効果であるが、残業手当の制限などこうした習慣が長年続いてきた背景も考える必要がある。予算編成権を官邸に移すとの提案については、大方針は官邸で決定し、それに基づく実際の編成は大蔵省で行うのが効率的であろう。行政監察についてはこれまで軽く見られていたが、GAO法案もあって危機感を強めている。農政についてはその画一性が活力を失わせている。専業農家を対象として然るべき政策を実施すべきであろう。なお、ウルグアイラウンド対策費については目的がはっきりしないという問題がある。
(藤田委員)中央省庁は地方分権の推進に抵抗しているが、その際の大きな理由とされるのが、ナショナルミニマムの確保は地方には任せきれない、という理屈である。したがって、これに対するには、ナショナルミニマムの確保というのは、必ずしも全国統一的でなくてもよく各地域毎に違いがあってもよいのだ、というか、あるいは、地方に任せても統一的水準の確保は可能である、という反論が必要である。
官邸の指導力の点については、少なくとも現行の法制上は、総理にはそれほど強い権限は与えられていない、という問題がある。内閣法6条及び憲法72条の規定からして、仮に緊急時であっても、その対応には閣議に諮る必要がある、という趣旨の内閣法制局見解があり、国政の上でこの見解を変えさせるのは、憲法自体を改正するのと同じくらい難しい。したがって、こういった現行法の枠組みの中でぎりぎり何ができるのか、ということを目下検討中である。

(8) 会場参加者佐々木良夫氏から、別紙7のとおり意見が述べられ、これについて以下の意見交換が行われた。
(水野委員)規制緩和を進めると消費者に不利になるという面はあるが、対策として公正取引委員会を強化しており、損害保険等の分野で成果がでている。消費者行政は経済企画庁の所掌だが、行政各般で対応することが必要であろう。他の対応策としては、住専やエイズを教訓に、政策立案部門と監督部門を分けようという考え方がある。2つの機能を分けないと国民に迷惑をかけることになる。

(9) 会場参加者藤島博行氏から、別紙8のとおり意見が述べられ、これについて以下の意見交換が行われた。
(水野委員)官邸の話は御指摘のとおりであり、危機管理の問題については4〜5月に手をつけたいと考えている。
(藤田委員)省庁再編を行うゆえんは、主として縦割り行政の排除にあるとされるが、そこでいう縦割り行政の弊害とは、正確にいってどういうことなのかを明らかにする必要がある。一事案に関しては一省庁の関与だけで処理できるような体制を構築する件については、規制権限を少なくしたり、官邸等による調整機能を強化することによって、問題が解決するものもあるかもしれない。また、ドイツにあるように、手続の一段階で、関係諸機関の意見をすべて提出させ、決定は一つにまとめる、といった手法を導入することも、制度としては考えられるかもしれない。私としては、こういった問題も考慮に入れた上で、検討していきたいと考えている。

6 参考事項
次回の一日行政改革会議は、平成9年3月26日、大阪市内において行われる予定。

以上

(文責 行政改革会議事務局)