−速報のため事後修正の可能性あり−

行政改革会議第10回議事概要

1 日時 平成9年4月16日(水) 18:00〜20:25
2 場所 内閣総理大臣官邸 大食堂
3 出席者
(会議)
橋本龍太郎内閣総理大臣(会長)、武藤嘉文行政改革担当大臣・総務庁長官(会長代理)、芦田甚之助、有馬朗人、飯田庸太郎、猪口邦子、川口幹夫、佐藤幸治、塩野谷祐一、豊田章一郎、藤田宙靖、水野清、諸井虔、渡辺恒雄の各委員
(政府)
古川内閣官房副長官、田波内閣内政審議室長
(事務局)
水野事務局長(再掲)、八木事務局次長
4 議題
(1) 委員からの意見開陳(その2)
(2) 委員意見の中間整理に向けた審議
(3) 省庁ヒアリング日程及びヒアリング項目について
(4) その他

5 会議経過

(1) 芦田委員より、別紙1のとおり意見の開陳があった。

(2) 飯田委員より、概要以下のとおり意見の開陳があった。
・ 21世紀に向けて「日本の経営方針」を立て直すのが行政改革の意義である。
・ 行政改革は、将来への新たな展望を与え、国民全体にやる気を起こさせ、同時に行政に関与する者に活力と活気を与えるものでなければならない。
・ 経済活力の維持・拡大と社会の安定という2つの価値を両立させ、国民にとって明るい将来展望が得られる社会を目指すことが重要である。
・ 国民全般が行政依存を解消して、民間が自分の責任で社会を建設していくという強い意識が大切である。
・ 行政の役割を見直すにあたっては、「民間でできるものは民間に委ねる」、「国民本位の効率的な行政」、「国民への説明責任」の3点をポイントとし、簡素・効率化の観点、政治のリーダーシップの発揮の観点、重要政策目標を達成するに最もふさわしい組織体制とする観点を念頭に置くべきである。
・ 行政には国家としての目標の検証と再設定が必要となっており、問題分野の指摘にとどまらず、各分野で何を目指すべきかといった目標を設定し、どのようにして結果を出すのかを考える目標管理が重要である。
・ 中央省庁の編成は、1)日本の安全を守る、2)国際平和や人口問題、環境問題等地球的規模の課題に貢献する、3)国民を危険から守る、4)国民が安心して暮らせる、5)大競争に勝ち残る強靭な経済を造る、6)国民負担を増やさないよう財政を改革する、といった行政目標・課題別を基本とした「目標管理型」を考えるべきである。
・ 中央省庁は、高度化・複雑化する行政需要に対応できるよう、企画・立案・調整に専念すべきである。また、実施部門の切離しにあたっては、まず民営化から検討し、それができない場合でも行政機関でない形態を検討するなど、できるだけ行政関与の度合いが弱くなるよう順次検討すべきである。いわゆるエージェンシーの活用も一案である。
・ 国の重要施策の基本的な方向づけや各省庁に共通する基本的施策についての総合調整は総理に近い組織で行うべきである。
・ 危機管理については、内閣に高い地位の専門家による内閣官房に常設することを検討すべきである。

(3) 猪口委員より、別紙2のとおり意見の開陳があった。

(4) 川口委員より、概要以下のとおり意見の開陳があった。
・ 第二次臨調が掲げた「変化への対応」、「総合性の確保」、「簡素化・効率化」、「信頼性の確保」という行革の理念は、引き続き有効な視点である。特に、第二次臨調の最終答申時から、@財政事情が一段と悪化、A少子化高齢化による人口構成の変化、B高度情報化、ネットワーク化、C政治、経済、社会のあらゆる面でのグローバル化の進展と大競争時代への突入、D民族、宗教間の地域紛争の頻発、E地球環境問題の深刻化、F市場メカニズムに委ねる考え方が前面に出てきたこと、G価値観の多様化など国民の意識の変化等の変化が見られ、これらの変化への対応と未来への展望が、今次行革の最重要の観点である。
・ 簡素化・効率化の観点だけでなく、変化の核心を的確にとらえ、21世紀の日本の国家目標や国家戦略が国民にメッセージとして伝わるような再編成を目指すべきである。国民の理解と支持を得る上で、行革にプラス・イメージを持たせることが重要である。
・ 国家機能の在り方については、「民間にできるものは民間に」、「市場に任せられるものは市場に」という方向性が妥当であるが、同時に、人々の安全、安心、社会の安定の確保、そのための政治や行政に対する信頼の醸成が重要である。
・ 組織改革に当たっては、集中、包括的に取り組むべき課題を基本として組織の再編を考えるべきである。21世紀に向けて日本が抱える重大な課題としては、社会保障(厳しい財政事情の下における負担と給付の在り方)、地球環境問題(「持続可能な未来」が危うくなっている状況における環境問題への取組)、教育文化(日本人の価値観が、利益第一利己第一主義に傾いた状況の中での、教育と文化の役割の新たな位置づけ)、情報通信(高度情報化、ネットワーク化の進展の下における情報通信のありよう)等がある。
・ 企画・立案・調整と実施機能をできるだけ分けるという考え方は十分検討に値する。中央省庁の役割を企画立案に絞る方向は、地方分権にもつながり、望ましい。ただし、エージェンシーについては、既にある現業、公団、事業団などの特殊法人との違い、経費の節減等の効果の有無等詳細な検討が必要である。
・ 今後は限られた資源の配分が大きな課題となるのであり、調整の意味合いが飛躍的に重要となる。「内閣府」等の名称のもとに、調整機能を編成し直すことは検討に値する。内閣総理大臣のリーダーシップに関連する「基本方針発議権」の問題については、内閣法第6条の問題等もあるが、まず現在の法制度で運用によって改善がはかれないか議論をつくす必要がある。

(5) 豊田委員より、別紙3のとおり意見の開陳があった。

(6) 前回及び今回の各委員からの意見開陳に関連して、以下のとおり意見交換があった。
・ 国家の存続などいわゆる4つの国家機能に加え、科学技術の振興を中心とする知的資産の創成を第5の国家機能とすべきとの前回会議で開陳された意見に関して、やはり研究と教育は不可分のものであり、科学技術振興を教育文化と切離すのはいかがなものかとの意見があった。これに対し、第5の機能と位置づけるのは研究と教育の切離し論ではなく、大学で言えば人文社会学系は文化継承の要素が強く、理学も学術的であるが、工学、農学等は産業的であるところから、国立研究所と合わせて第5の機能に分類することを提案したものである。また、これに関連して現在行われているマルチファンディングは縦割り行政の打破にもなるとの発言があった。
・ 前回の会議で開陳された国立大学の民営化提案に関して、すべての国立大学を同列に論じるのは画一的ではないかと考える、ただし従来の国からの独立性を確保する消極的な「大学の自治」から、経営を重視する積極的「自治」に変えていく必要もあろうとの意見があった。これに対し、前回の提案は東京大学の学生の家庭の属する所得階層が私学学生のそれよりも高いことに依拠したものだったが、その後他の国立大学学生の家庭については私学と同等あるいは低い所得階層に属するとの資料を得たので提案にはこだわらないとの回答があった。なお、これに関連して、国立大学が個別に特別会計を持てば自主性も高まろうとの発言があった。
・ 省庁を大括りすると大臣のカバーする範囲が広がるので、その在り方も変わらざるを得ない。副大臣制の提案もあったが、制度的手当ても必要となろうとの意見があった。
・ 業務群に基づいて省庁を分類再編すべきとの提案に基づくと、郵政省の通信・放送3局と現業3局を分割することになる、郵政省の問題は財投を考える際にも重要であるがどうかとの質問があった。これに対し、業務群の提案は全省庁の再編基準の一般論であり、個別論はこれからの問題と考えるとの回答があった。これに関連して、いわゆるエージェンシーに否定的な見解を採ると大規模な改革はできない。エージェンシーは職員の身分は国家公務員としたまま組織の運営に民間の手法を導入し、数値での業績評価と裁量性を与えるものと思うので、現在の公務員の雇用に影響を与えるものではないと考えるの発言があった。他方、エージェンシーについては未だ概念が整理されておらず、委員の間でコンセンサスが必要であるとの意見があった。
・ 郵政省については、現業の在り方以外にも、通信と放送、情報がいつまで分かれていられるのかという問題があるとの発言に対して、通信と放送はハード面のように融合する面と、機能面のように融合しない面とがあるとの意見があった。これに関連して、インターネットが抱える問題は放送に類似しており、両者を統一的に検討する場があってよいとの発言があった。
・ 「内閣総理大臣室」を設けるべしとの提案に関し、名称としての適否についての質問、名称は別として現在の内閣官房よりも総理により近い官房組織が必要ではないかとの意見があった。
・ 今後の会議の進め方として、会議の概要をこれまで以上に公開するとともに、委員同士の議論を充実することとされた。

(7) 前回会議(4月2日)までの委員意見に基づく委員意見の整理案について事務局から説明があり、本日の会議での各委員の意見を盛り込んだ上でさらに案を作成し、引き続き次回会議において審議を行った上、「中間整理」として公表することとした。

(8) 各省庁ヒアリングの日程案(別紙4)及びヒアリング項目案(別紙5)について、事務局から説明があり、了承された。

(9) 次回会議は、5月1日に開催することとされた。

以上

(文責 行政改革会議事務局)


連絡先:行政改革会議事務局   高野(電話03-3581-2641)  根本(電話03-3581-0270)


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