4 次第
(1) 開会あいさつ
(2) 出席者紹介
(3) 懇談
(4) 閉会
5 懇談概要
開会あいさつ、出席者紹介及び昼食懇談に引き続き、北海道側出席者より以下の意見が述べられた。
・省庁再編と地方分権とは密接不可分であるが、これらの改革は全国一律でなく、地方固有の事情に配慮した改革であることが重要である。北海道は、日本の食糧基地であるとともに心の豊かさ、ロマンをはぐくむ大地であり、決して日本の47分の1ではない。もともと支庁制度をとっており、道州制のモデル地域となるべき存在であるが、北海道への特段の支援等は当分必要である。北海道開発庁、北海道開発局の在り方も、国と地方との役割を考えつつ検討してほしい。
・地方から見た行財政改革でなければならない。過去、北海道にものを考えさせないシステムの下、北海道産業は国際競争力を失った。今後は、北海道産業にも頭脳産業が重要となる。そのためには、北海道には時間と資金が必要であり、北海道の経済的自立とともに日本全体の発展に北海道が貢献することが重要である。この点で国の資金がなお必要であり、中央がルールを作るという仕組みの変更が必要となる。問題は、省庁縦割りかつ全国一律の行政にある。今後重要なことは、国と地方で一貫した施策が展開できる体制を構築すること、地域ニーズに合わない行政はやめ、非効率な資金の使用をやめ、国の側でも目的化しない予算配分をすること、補助金による誘導行政をやめ、地域政策金融を機能強化することである。国と地方の施策を総合的に企画、立案、実行できる過渡的な行政組織(北海道地方政策庁)が必要と思う。北海道のための特別財源をつくってくれと頼んでいるのでなく、北海道にとって生きた金にしたいということである。国の財政問題で公共事業費が一律削減されることは仕方ないと考えるが、残りの金は北海道の企画に基づき生きた金として使いたい。
・北海道は開道以来120年に過ぎない。日本が北海道に期待したのは、資源(石炭)であり、食糧であった。いわば北海道は本土に資源を収奪される歴史であり、その過程で今の産業構造ができあがった。産業構造の偏りはそこからきている。今後は、資源供給型、公共投資依存型の産業構造から脱却しなければならない。公共投資が悪いのではなく、公共投資の使い方が悪い。道路、港湾等縦割りのため動きがとれない。今後北海道は日本のために何をなしうる地域であるのかを考えて公共投資を行うべきである。歴史が浅いということは、海外の文化を取り入れやすいということであるし、農業でもやり方によっては世界に冠たる農業が確立できるはずである。観光の基地、エネルギーの基地、防衛上の基地、いろいろ考えられる。産業クラスターというフィンランド的考え方もある。不要なものに金を使わず、必要と思われるものに金が使える行政システムにすべきである。北海道開発庁については、経過措置としてどう考えるかという問題がある。
・地域農業は、ガット・ウルグアイラウンド合意以降の環境変化により基盤がぐらついている。北海道を日本の食糧供給基地にしたいが、全国一律の農水省施策では問題がある。地域農業の活性化は地域サイドの計画に基づきやるべきで、国は「金は出す。だから成功しろよ」という姿勢が必要。政治の継続性の重要性を言うなら、6兆100億円というウルグアイラウンド対策も閣議決定であり「そこのけそこのけ行革が通る」ということで政策が変更されるのはいかがなものか。食糧管理制度も新食糧法に基づき、国内で重要食糧を生産し、価格と生産の安定を図るということになっているはず。食糧不足の時代は必ず来ると言われ、日本の自給率は42%になっているというのに、輸入ばかりが増える。これら事実を国民に伝えよ。「国防、教育、食糧」は国が管理することが必要不可欠。食品の安全行政は重要。厚生省がどうの、農水省がどうのでなく重要。輸入食品の安全確保は縄張り争いでなく、きちんとした検査監督体制を希望する。
・まず行革全般について言うと、土光臨調以来、行革は基本的に企業の経営的概念としての「効率」を持ち込もうとしている。これは地方の切捨てになる。過疎は急激に進行しており、離農、離漁、離商が進んでいる。都市以外の地域社会の崩壊が進んでいる。市町村の現在の仕事は、これらの結果の不便、不自由さの克服に追われ、懸命の姿がそこにある。年寄りをバスで病院まで運ぶのに、バス路線一本行政の許可がいる。全国画一基準で却下される。市町村のまじめな職員は苦悩の毎日の連続である。これらの地域では、米と公共事業が産業の中心である。これらも現在力を失いつつあるが、地場産業は公共事業の受皿しかないというところが多い。地方をどうするかという視点がなく、効率ばかりを求め過ぎた。改革を発想するのは大都市の人達ばかりで今回も同じというのは不安。この効率原則で動かすと地方の価値が消失する。北海道開発庁については、今の時代に特別な地域として位置づけ、国が全面的にやるべきではないとの考えは分かるが、これは開発庁というより公共事業の在り方そのものの問題で、その一環として考えるべきである。北海道開発局の問題については、7800人の職員の扱いが問題。開発局の仕事は道庁と重なり合っている。北海道の地方自治をどうするかという問題と密接不可分であり、道庁も含めガラガラポンをやるべきではないか。資金については、地域の力が落ちている中で長期低利の政策金融が必要。北東公庫とかいう固有名詞や独立性の問題ではない。北海道開発庁も北東公庫も今のまま残せとは言わないが、切捨ては困る。
・212の市町村中、180市町村が商工会の地域。北海道は屯田兵時代に開拓者が増加し、機械、農機具等の関係の産業が増えた。戦中疎開して農業を拓いた人、戦後海外引揚者による力で食糧基地化を国は図ってきた。しかし、農業社会から工業社会へと変わり、農業者は減少してきた。自治体の人口も1/2とか1/3になっているところもある。農業者はまだ土地を売るとか貸すとかすることができるが商工会の人はそれができない。180の商工会は、一部観光地を除いてみな大変な状況になっている。大きな原因は大店法の見直し。中小企業保護から消費者保護に変わり、これら商工会のメンバーの中には借金返済のため命と替えている人がいるなど非常に深刻な事態となっている。商圏人口や消費者と店舗の距離等時間で見ると本土とは違った条件であり、全国一律でなく地域の実状も踏まえて、大店法を検討してほしい。
・若者が本土に流出し、北海道には年寄りと女性だけが残る。しかし、女性の地位は低く、これが問題である。また、輸入農産物について、遺伝子組替え食物などが入ってきているが検査はしているのか、安全なのか。北海道は輸入→過疎→医療不在となっており、全国一律施策による不平等となっている。過疎地には銀行はなく、郵便局しかない。これがなくなると金融機関の利用ができなくなる。
・日本は縦割り社会。複合化はなかなかできない。「生活の場」を東京で支配することは無理であり、縦の先端に頭があるだけでは駄目。行政は横型でないといけない。資金も、経済の効率のためと地方における価値の創造のため、生きた形でまとめて地方にほしい。
これに対し委員より次のコメントがあった。
・御意見の中には話としてはよく分かるが具体的に今後どうしたらいいかよく分からないというものもある。農業問題については、農水省のいう自作農主義でうまくやるというのは空想に過ぎない。6兆円の件でも具体的にみると無駄が多い。所得政策でなく米の代金や公共事業で所得再配分を行っているところに問題がある。
・ 皆さんのお話にはもっともな点が多かった。地方分権においても、地方の特殊条件を考慮していきたい。
以上