−速報のため事後修正の可能性あり−

行政改革会議第11回議事概要

1 日時 平成9年5月1日(木) 16:00〜18:00
2 場所 内閣総理大臣官邸 大客間
3 出席者
(会議)
橋本龍太郎内閣総理大臣(会長)、武藤嘉文行政改革担当大臣・総務庁長官(会長代理)、芦田甚之助、有馬朗人、飯田庸太郎、猪口邦子、河合隼雄、川口幹夫、佐藤幸治、塩野谷祐一、豊田章一郎、水野清、諸井虔、渡辺恒雄の各委員
(政府)
古川内閣官房副長官、太田首席内閣参事官
(事務局)
水野事務局長(再掲)、八木事務局次長

4 議題
(1) 中間整理について
(2) 今後の進め方について
(3) 委員間の意見交換

  5 会議経過

(1) 中間整理(案)につき、事務局からの説明を受けて、以下の質疑、意見交換がなされた後、中間整理が、同(案)のとおり決定された。また、中間整理中「II 内閣の危機管理機能の強化に関する意見集約」については、これを内閣に対して提言し、政府において早急に具体的な検討を行うよう要望することとされた。
 併せて、各省庁の幹部人事への内閣の関与の在り方について、内閣機能強化に関する検討事項の一つとして、引き続き当会議において議論をする必要があるが、行政改革推進に向けた内閣のリーダーシップ発揮の緊急性にかんがみ、当面、内閣において事務次官、局長等に係る閣議了解人事の運用について十分配慮を行うよう、内閣に口頭で要望してはどうか、との提案があり、了承された。

・内閣の危機管理機能の強化に関する意見集約に「国民の安全・安心」が述べられているが、これは、国籍の帰属にこだわる趣旨ではなく、保護を要する全ての人間という意味で、難民や在日外国人を含む人間の安全・安心という意味で考えてほしいとの意見が述べられた。

・同じく危機管理に関して、「事務体制の強化」については、冷戦後の国際状況における危機の長期化等にもかんがみ、体制の充実が必要であるとの意見が述べられた。

・内閣における情報の収集・集約・分析機能の強化については、これからは情報こそがポリティカル・リソースとなるのであり、機能の強化が不可欠であることを念頭におくべきであるとの意見が述べられた。

・ペルー事件を振り返ると、我が国の首相が平和的解決を強く主張し、時間をかけた結果、犠牲を最小に押さえることができたと考えられ、その意味では、我が国は弱腰といわれるが、そうではなく、知的貢献を果たしたと考えられる。こうした貢献・影響力を連続して行使できるような体制が必要だと感じたとの発言があった。

・情報は危機管理の分野のみならず、教育、文化、科学技術の分野でも重要となっており、政府として充実すべきであるとの意見が述べられた。

・ペルー事件の教訓からも、日本の在外公館の情報収集機能が不十分である。在外公館で情報の収集・把握機能の強化を図ることが必要で、そのための人的配置も重要ではないかとの意見が述べられた。これに関連し、警察庁、防衛庁等から警備官や書記官として在外公館に出向し、情報収集に当たっているが、そういう仕組みが広く必要である、仕組みもさることながら、出向する人の適性の問題が大きいとの意見が述べられた。情報収集に当たっては、官なるがゆえの制約もあり、例えば、半官半民の組織がそれゆえに収集し得る情報等もあるのではないかとの意見が述べられた。

・内閣官房副長官に準ずるクラスの危機管理を専門に担当する職を置くという点につき、本当に国民に安心感を与えるためには、例えば「危機管理局長官」というような名称にすることも重要なのではないかとの指摘があった。

・危機管理の意見集約については、大きく考えるといろいろ難しい問題もあるが、とりあえずこれでスタートするということでよいと思う。内閣で具体的に検討するに当たっては、名人芸に頼らない「情報の組織化」をぜひ実現してほしいとの意見が述べられた。

・情報収集については、限られた数の人間を派遣するのでは収集能力に限界があるのであり、可能な限り様々な手法により情報収集に努めることが有効ではないかとの意見が述べられた。

・意見集約は、内閣官房副長官クラスの専門官が安全保障室や内政審議室を統括するというイメージかとの質問があり、組織の詳細は、今後これを受けた内閣で検討するものであるとの説明がなされた。

・エージェンシーについて、現在でも環境庁、科技庁など英訳がエージェンシーとなっている組織があり、これとの違いを明確にする名称を考える必要があるとの意見が述べられ、これに対し、エージェンシーについては、公務員制度との関係、会計制度との関係等について今後議論していくべき課題が多く、名称も含めて、今後議論すべき問題であるとの意見が述べられた。

(2) 今後のスケジュール等につき、別紙のとおり合意された。

(3) 総理府に対するヒアリング項目として、前回会議で開陳された意見を踏まえ、「総理府本府を改組し、内閣官房及び総理府(外局を含む。)の調整機能及び組織、人事等の管理機能を所掌する内閣府を設置すべきとの意見についてどう考えるか。」との問を追加することとされた。

(4) 以下の討議が行われた。
・他の5つの改革と行政改革の関係は重要な問題であり、他の改革を前提として改革の姿を描くべきであって、それが抜けると単なる数合わせになってしまう。タイムスケジュールとの関係で、他の5つの改革をまとめ上げるのが行政改革会議の役割なのか、単に並行して進むこととなるのかとの問題点の指摘があった。これに対し、6大改革は、全体的な改革である財政構造改革、経済構造改革、行政改革の三つと個別分野の改革である社会保障、教育、金融システムの各改革に大別できる。財政構造改革については、来年度概算要求に向けて6月中には改革の一定の姿が示されることとなっており、当会議の議論の詰めの段階で、財政的な制約条件を踏まえた省庁再編の議論ができると考えられる、また、経済構造改革も随時その議論の結果を素材として議論できるのではないかとの説明があった。また、行革内部の問題としては、地方分権委員会が6月末をメドに第二次勧告を出す予定であり、また、官民分担・規制緩和については、既に行革委から素材をもらっているところであり、今後の審議に役立てることができる旨の説明があった。

・自民党行革本部の活動状況について質問があり、現在政府系金融機関についての検討が行われており、5月上旬にも結論が出る見込みであると承知しているとの紹介があった。これに関連し、政府系金融機関の問題は財投の出口の問題であるが、財投の入口の問題にも関連するのでその結論は重要であるとの認識が示された。

・財政構造改革会議や自由民主党の行政改革本部の動向については、当会議の検討課題とも深く関連していることから、例えば5月28日の会議に関係者をお招きしてお話を聞くことを考えてもよいのではないかとの意見が述べられた。

・地方分権委員会の最近の活動状況、特に同委員会で基礎自治体をどの程度のものにするのか、道州制の導入に踏み込むのかとの質問があり、これに対して、同委員会では機関委任事務を基本的に撤廃すべき旨の勧告を昨年暮れに出し、130〜40の事務を整理し、残りの事務の整理と現在団体委任事務への国の関与について検討している。他方、地方行政体制や財政問題についても鋭意検討しており、6月末までにまとめて勧告したいとの説明があった。また、基礎自治体の規模についての勧告、道州制の導入についての勧告にまでは踏み込むことは難しく、また、合併を強制することはできないが、これを促進する方向性を示すことを目指している旨の説明があった。これに対し、合併を促進するには、「兵糧攻め」のように、強制的要素がなくては難しいのではないかとの意見が述べられた。

・行政改革委員会での官民の役割分担の検討状況についての質問があった。これに対して、同委員会では、官民役割分担については既に意見書もできており、各省に切り込む準備はできているが、行革会議との関係を調整しつつ進めたいとの説明があった。これに対し、エージェンシーの議論を進めるためにも、官民分担の議論を行革委で早急に行って結論を出してほしい旨の要望が述べられた。

・各省ヒアリングの日程に関し、環境や、科学技術のように今後重点を置くべき課題を所掌する省庁のヒアリングの時間が短すぎるのではないか、また、女性問題のように特定の所管庁を持たない分野についてはヒアリングができないが、このような将来重視すべき分野の検討が手薄にならないかとの問題点の指摘があった。これに対して、事務局から、例えば科学技術の問題については科技庁のヒアリングのみならず、文部、通産、農水等の各省のヒアリングでも議論できる、ヒアリング時間自体弾力的に運用することが可能である旨、また、女性問題のように独立した省庁をもたない分野については、労働省など関係する省庁のヒアリングで議論するほか、むしろ、委員間の意見交換において問題点を詰めることが適当な課題ではないかとの説明があった。

・情報収集に関し、情報の収集はかなり行われているが、その分析を行う専門の分析官の充実が課題であり、専門家としての処遇を行うことによって情報分析のプロを育成することが必要であるとの意見が述べられた。これに関連して、現在は専門職の俸給表がなく十分な処遇ができない、年功序列や終身雇用の見直しを含め、専門家を育成するための公務員制度の改革が必要であるとの意見が述べられた。また、大学では最近特に地域研究が盛んになってきており、ここで研究をした地域研究の専門家を情報分析の専門官として登用することがよいのではないかとの意見が述べられた。これに関連して、アメリカでは情報分析官が育っているが、これは、政府の情報分析に学界が刺激を受け、政府と学界が競争、補完の関係に立っていること、公益のために大学を休職する制度があり、研究機関と政府の人の出入りがあることがその原因であることが紹介された。これに関連し、日本では、学界側に、政府や企業に関係することを潔しとしないという意識があるのではないかとの指摘がなされ、これに対しては、最近はそのような意識はなくなってきたが、一旦大学を離れると戻るのが難しいということが根本的な問題であるとの発言があった。

・公務員制度に関連して、定年の延長が必要ではないかとの意見が述べられた。

・政府委員制度は廃止すべきではないかとの発言があり、これに対して、質問が細かくなると必要になるとの意見があった。これに対し、詳細な質問については、書面で回答することとしてはどうかとの意見が述べられた。

・国会答弁に関連して、エージェンシーができた場合に、国会に対する答弁はエージェンシーの長が行うのかとの疑問が提起され、イギリスでは、エージェンシーの長が国会で説明をするが、責任は大臣がとることとなっている旨の発言があった。

(5) 次回会議は、5月7日(水)に開催し、警察庁、法務省、労働省に対するヒアリングが行われる。

以上

(文責 行政改革会議事務局)

連絡先:行政改革会議事務局   高野(電話03-3581-2641)  杉山(電話03-3581-0272)


行政改革会議議事概要は、インターネット(官邸ホームページ(http://www.kantei.go.jp/)の「最近の話題」欄又は「連載」欄中の「審議会等」の項)及びパソコン通信ネットワーク(PC-VAN及びGサーチ)でも御覧になれます。
(別紙) 行政改革会議の当面の審議日程について

第11回(9.5.1)
(臨時)
1)中間整理について審議
2)今後の進め方について審議
3)委員間の意見交換
第12回(9.5. 7)各省庁ヒアリング
第13回(9.5.14)各省庁ヒアリング
第14回(9.5.21)各省庁ヒアリング
第15回(9.5.28)1)委員間の意見交換
第16回(9.6. 4)各省庁ヒアリング
第17回(9.6.11)各省庁ヒアリング
第18回(9.6.18)各省庁ヒアリング
第19回(9.6.25)各省庁ヒアリング

(備考)
1 第12回以降の各省庁ヒアリングは、各省庁に対して、あらかじめ項目を示し、重点的・効率的に行う。
2 第12回以降の各省庁ヒアリングは、1回の会議につき、おおむね3省庁程度を予定する。
3 第12回以降の各省庁ヒアリングについては、総理の出席を原則としない。
(「別紙」の別紙) 7月以降の審議の進め方について

7月    毎週会議を開催(30日を除く)
        1) 委員間の意見交換
        2) 各省庁ヒアリングの結果を踏まえ、主要な検討項目について審議

8月    集中審議
          改革案の全体構想及び主要な改革項目について、検討・審議

9月以降
        以上の審議結果を踏まえ、改革案の検討・作成

省庁ヒアリングの日程(案)

5月7日警察庁(40)法務省(40)労働省(40)
14日外務省(40)大蔵省(50)厚生省(50)
21日環境庁(30)科学技術庁(30)農水省(50)
文部省(50)
6月4日北海道開発庁(30)沖縄開発庁(30)通産省(50)
運輸省(50)
11日 経済企画庁(30)防衛庁(40)郵政省(50)
18日国土庁(30)人事院(30)自治省(40)
建設省(50)
25日 総務庁(30)公正取引委員会(30)総理府、
公調委(50)
(注1) 括弧内はヒアリング時間(分)。
(注2) 5月28日は意見交換を行う。