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行政改革会議第13回議事概要

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1 日時 平成9年5月14日(水)15:00〜18:00
2 場所 内閣総理大臣官邸 大客間
3 出席者
(会議)
武藤嘉文行政改革担当大臣・総務庁長官(会長代理)、有馬朗人、飯田庸太郎、猪口邦子、河合隼雄、川口幹夫、佐藤幸治、豊田章一郎、藤田宙靖、水野清、諸井虔、渡辺恒雄の各委員
(説明者)
(外務省)原口官房長、畠中経済協力局長、野上経済局長
(大蔵省)涌井官房長、伏屋理財局長
(厚生省)近藤官房長、炭谷保健医療局国立病院部長、田中社会保険庁次長
(政府)
田波内閣内政審議室長
(事務局)
水野事務局長(再掲)、八木事務局次長
4 議題
(1) 追加質問項目の了承等
(2) 外務省からのヒアリング
(3) 大蔵省からのヒアリング
(4) 厚生省からのヒアリング
5  会議経過

(1) 前回会議の議論に基づく各省庁共通のヒアリング項目(別紙1)を発出したことが報告されるとともに、猪口委員の提案に基づく厚生省に対する追加ヒアリング項目案(別紙2)が了承された。
 また、今後各省庁からの冒頭説明を原則として省略することとされたことに伴い、各省庁に発出済みの質問項目の◎(口頭でも説明)、○(書面提出のみ)の区別の実益がなくなったことから、この区別を廃止することとされた。
 本日欠席の芦田委員から、外務、大蔵、厚生各省に対する質問事項が書面で提出され、これについては、各省から後日文書での回答を求めることとなった。


(2) 外務省との間で、以下のとおり意見交換が行われた。

・ 外務省から、行政改革に向けての同省の基本的な考え方として、以下の説明があった。
 外交は、国の存続のために不可欠な機能であり、官民分担、地方分権の対象となるものではない。また、外務省は許認可事務も少なく、規制緩和の対象はほとんどない。我が国外交の課題の多様化に伴い、外務省の果たすべき役割が増大し、国民の関心も高いのに対し、職員の不足など外交の実施体制が十分でないことが問題である。
 自己改革の方向性として、具体的には、1)内閣の機能強化には賛成であり、引き続き官邸と一体で外交の処理に取り組みたい。2)外交の一元性の確保が重要であり、政府が統一的に対応する必要がある。3)政府開発援助(ODA)の有効活用が課題となっているが、ODAは外交の重要な手段であり、外務省を離れての一元化は不適当である。4)情報公開については積極的に取り組みたい。5)在外公館の整備、通信の近代化が重要課題である。6)人的強化が必要であり、定員増強とともに、他省や民間の知見の活用、資質向上のための研修の強化を含めて対応していきたい。

・ 経済協力関係行政組織の一元化について、外務省の回答に、「外務省から独立した形で設置されるのであれば、経済協力が我が国の外交政策から遊離する」とあるが、遊離するとは、具体的に何を意味し、どのような弊害があるのかとの質問があった。これに対し、外務省から、経済協力は重要な外交手段であり、どのような協力を行うのかに関して外務省の意見が反映されることが必要であって、外務大臣の指揮命令系統にない別組織では、外務省の意見が反映されない危険がある、外務省を中心とする統合であれば可能と考えるとの回答があった。これに対して、国際開発金融機関については、諸外国でも財務当局が深く関与しており、外務省を中心とする一元化が可能なのかとの質問があり、外務省から、ODAに関する政策決定を一元的、一体的に行うことは必要であるが、実施については、国際協力事業団(JICA)や海外経済協力基金(OECF)など別組織が行っても差し支えない、いずれにせよ、一つの組織で多分野の専門家を集めることは困難と考えるとの発言があった。

・ 現在、外務省を始め、19省庁が技術協力を行っていることに関し、1)各省間に重複があるのではないか、2)各省が競って調査団を送っているが、実際の案件は他の国にとられてしまうというような実態もあるとの苦情がある、との質問があった。これに対し、外務省から、1)JICAは各省が独自に行う調査までは承知していないために重複が生じる等の状況があるが、資金協力の見通しがないまま調査を行うから苦情が来るのではないか、2)技術援助に関する外務省と他省庁の重複や、円借款と無償援助の組合せ等については、従来の縦割りの反省から、政策決定の段階で調整を行うことにより、現在の体制でも適切に行うよう努力している、との発言があった。これに対し、技術協力についての縦割り体制にやはり問題があり、一本化すべきであるとの意見が述べられた。

・ 対外経済政策の一元化に関し、外務省は対外経済全般を見てきたのか、また、各省の調整を十分行い得なかったのではないかとの質問があった。これに対し、外務省から、1)最近の経済問題は、モノの貿易の問題のみでなく、サービス貿易、独禁法、公務員の行動規範、政府調達などを始めとして広範な分野にわたっているが、これらは個々の省庁の所管のみではカバーできず、全体を見られるのは外務省のみである、2)WTOについても外務省で担当している、との回答があった。これに関連し、外務省は、経済交渉において降りることばかり考えているとの批判があるがどうかとの質問があり、これに対して、外務省から、1)関係省庁と調整の上政府方針を立案するものであり、弱腰と言われるのであれば外務省が弱腰なのではなく政府全体の問題である、2)また、国内省庁がその所管の立場から見るのに対し、外務省は相手国との全般的な関係や国際ルールとの整合性の観点から見ており、互いに議論を戦わせた上で政府全体として対応をしているのだから、外務省は降りてばかりいるとの批判があるとすればそれは当たらないとの回答があった。

・ 外務省に対し、1)個人プレーの傾向が強く、知識の組織的な蓄積が十分でないという批判があるがどうか、2)専門的事項についての知識の不足を補うため各省庁からの出向を増やすべきではないか、3)外務公務員の制度は絶対必要なのか、4)自然科学や広い知識を持つ人、修士課程、博士課程を修了した人などをもっと採用すべきではないか、5)女性の登用が他のG7諸国に比べて少なすぎるのではないかとの質問があった。これに対し、外務省から、1)在外公館への各省からの出向者を増やすことは賛成であるが、出向者をサポートする者も含め、まず外務省の定員を増やす必要がある、2)女性については、外務省は、これまでも採用に努力してきており、国内省庁の比較では女性の割合が高い、3)外務公務員を他の国家公務員と別の試験としていることについては、職業生活の半ばを海外任地で過ごす等の特性を有する外交官には、外交に対する情熱を有することやその他外交官としての適性が必要であり、国家公務員試験に比べて、論述試験、幹部による面接、集団討論等口頭による説得能力の試験など手間暇かけて適正な者を人選するための工夫をしているが、試験の内容は今後とも常時改善のため見直したい、また、現在の国家公務員試験は、試験制度は共通でも各省が個別採用する仕組みとなっており、国家公務員の一括採用を行うなら論理的には外務公務員採用試験もそれに統合すべきであろうが、各省が個別に採用を決定している現状が変わらないのであれば、外務公務員採用試験の廃止が縦割り意識の問題の解消につながるものではなく、統合する積極的理由はない、との意見が述べられた。

(3) 大蔵省との間で、以下のとおり意見交換が行われた。

・ 大蔵省より、同省としての行政改革への取組みについて以下のとおり説明があった。
 行政のスリム化と行政そのものの在り方が行政改革の課題と認識しており、21世紀を踏まえて経済社会全体を鳥瞰しつつ財政・金融分野の行政改革に取り組んでいる。まず、財政構造改革だが、効率化・スリム化という点では行革と視点を同じくするが、我が国財政は歴史的に最悪の状況にあり、現状を放置すれば経済が破綻する可能性が高い。財政健全化目標などを定めるべく、財政構造改革会議で検討中である。
金融システム改革については、細心の注意を払いつつ、フリー、フェアー、グローバルの原則に基づいて改革を行っており、来月にはプランを公表する。すでに外為法改正案を提出し、3月の規制緩和計画の再改定でも大幅な規制緩和を盛り込んだ。2001年までには改革を終え、グローバル化に対応する。こうした改革で1,200兆円の貯蓄に対する金融サービスの向上を図りたい。
財政投融資については、有償の政策資金は将来とも必要と考えるが、効率化や重点化が必要である。現在、資金運用審議会の懇談会で、改革を推進する観点から本格的な検討を行っている。
税制については、これまでも抜本改革をしてきたが、今月、総理から諮問があり、新しい税制調査会において幅広くかつ大胆に検討していきたい。
金融行政改革については、批判を率直に受け止め、21世紀の金融グローバル化に対応を図りたい。具体的には、金融制度の企画と金融システムの安定を大蔵省の責務とし、金融機関の監督業務は総理府金融監督庁が行う。この結果、銀行局と証券局を統合して金融局とし、1局削減となり、関係人員も監督庁に移ることとなり、大蔵省は大幅な減員となる。日銀法についても、現在、日本銀行の独立性を強化する法案が現在審議中である。
以上のように、大蔵省は改革を自らのものとして取り組んでいる。

・ 財投改革について、資金運用審議会の懇談会での検討の状況について教示願いたいとの質問があり、これに対し、大蔵省より、各方面からの提言があることを承知しており、2月に懇談会を設けて見直し改革議論を行っており、大蔵大臣の意向も踏まえ、年末までには10年度編成及び将来に向けての議論の中間取りまとめが行なわれるものと考えているとの説明があった。
・ 1)現在の資金運用部制度が入口の郵貯などをのんびりさせており、財投はなるべくやめて自主運用させた方がよいと考える、2)特殊法人等への貸出しが返済されているのか心配である、3)郵貯等から自動的に資金が入って来るので貸さなければならなくなる、4)国鉄清算事業団のように返済不能の法人もある。また、経済成長期に果たした役割は大きかったとしても、思い切った見直しの時期にあるのではないかとの意見が述べられた。これに対し、大蔵省より、1)郵貯の自主運用は大幅に拡充したところであり、年金についても増額している、2)国鉄清算事業団に対する残高15兆5,000億円の財投貸付は、JR民営化の際に本格的債務処理までのつなぎ資金として融資したものであるが、これは国鉄改革法の規定に基づき、昭和63年の閣議決定も踏まえ行なわれたものであり、さらに政府保証もついている。財投としては例外的なものである、3)財投への預託問題や原資調達の在り方については懇談会で議論になろう。なお、財投からの貸出しはすべて返済されている、との回答があった。国鉄清算事業団の件については、なお委員より、政府が土地の売却を制限した経緯があるとの指摘があった。
本件について、なお、委員より、書類上は問題のないものであっても北東公庫など通常の企業であれば不良債権化するものがあるとの指摘があったのに対し、大蔵省より、指摘は財投機関からの貸出しの問題ではないかとの回答があった。
・ 財政審議会での議論は一般会計に限られるが、財投は別途の分かりにくい巨額の資金移動となっているとの指摘に対し、大蔵省より、一昨年から財投リポートを公表し、全銀協の統一開示基準並みの開示を行い、貸出先の情報についてもインターネットで公開しているところであり、今後も情報公開の進んでいるところに貸したいと考えているとの発言があった。
・ 財投資金については繰上返済を認めていないため、国鉄清算事業団や林野庁など貸出先が苦しむ結果となっており、制度自体がおかしいとの意見があった。これに対し、大蔵省より、一部の新規貸出分について繰上償還ルールを導入したところである。財投は、本来長期固定金利であって金利上昇リスクを回避しうるものであり、低金利時においてのみ契約にない繰上償還をせよと主張されても困難であるとの見解が示された。
・ 開銀等のように政策金融を行う機関は存在意義を失っており、かかる観点からすると財投の規模は5兆円程度に縮小すべきであるとの意見があった。これに対し、大蔵省より、1)特殊法人は法律によって政策遂行上必要と認められて設置されているものであり、また民営化されると財投は制度上出せなくなる。2)政策金融は民業の補完に徹するものであり、民間財については財投は提供しない。3)公共財及びそれに準ずるものは財投がやらなければ全部税金でやることになるので、有償資金による政策手段は必要であり、有償資金を活用する制度はどこの国にも存在する。そして有償であるがゆえに財政規律につながる面もある。いずれにしても財投も市場メカニズムとの調和を心がけることとしている。4)資金運用審議会で活発な議論が行われようとの見解が示された。
・ 以上の財投をめぐる論議について、大蔵省から、資金運用審議会懇談会に本日のこの会議での論議を十分に伝え、審議の充実を期待したい旨の発言があり、委員からは、財投改革に本格的に取り組む必要があり、資金運用審議会において、今後十分に検討されたい旨の発言があった。

・ 1)予算編成について、これまで大蔵省はよく頑張ってきたと思うが、累積赤字が400〜500兆円ある状況下ではこれまでの手法には限界があり、これを打開するには政治力が必要ではないか、2)立法及び司法がその機能を果たし、情報公開もなされるという条件の下で予算編成に政治が登場してもよいのではないか、3)大蔵省は予算の枠組みを決めるにあたっても積み上げが無ければならないと主張するが、予算編成は積み上げだけのものと考えるのか、4)また、行革会議としては内閣の調整機能の強化も検討課題としているが、内閣で予算枠の策定が難しいとの大蔵省の主張は、内閣には期待できないという意味であるのかとの質問があった。他方、現状よりも一歩進めて予算の基本方針を内閣で策定し、同方針に基づいて大蔵省が予算編成すべきである。仮に内閣に移すとすれば主計局すべてを移管しなければならないとの意見があった。
これらに対し、大蔵省より、1)予算編成を大蔵省が担当しているとの誤解があるが、編成は内閣で行っている。例えば整備新幹線にしても大蔵省が反対したにもかかわらず予算化された。大蔵省は材料を提供しているのであって、政党政治の下で内閣が決定しており、大蔵省はデータを持っているが、各省庁の大臣の了解があってこそ編成ができる。2)政治の指導力については、例えば昨年の総理指示による国債3兆円の減額、医療改革やODA、防衛費も聖域とせず見直した経緯など、これまで表に出なかった実際の姿を公表することも大事であろう。他方、3)数値の問題については、例えば社会保障の自然増が1兆円ある中で予算を圧縮するために必要な施策を考えなければならず、積み上げが必要である。すなわちこうした組織を必要とするので、内閣で行おうとすれば主計局と同様のものを内閣に置かなければならないとの説明があった。
・ 主計局には予算編成のノウハウもあり、その任を果たしている。具体的な予算折衝を内閣の事務とすべきではないとの意見があった。
・ 予算編成は歳入を扱う組織との一元性を維持すべきであるとの意見があった。
・ 単年度予算主義には弊害があるが、現在以上に予算の自由度を増す方策はないかとの質問に対し、大蔵省より、単年度予算は憲法の要請であり、継続費、国庫債務負担行為など一部措置はしているものの、これ以上の緩和は難しいとの回答があった。
・ 財政と金融との分離は3党合意でもあるが、また、G7諸国でも必ずしも同一の大臣が所掌しているわけではないのではないかとの質問があった。これに対し、大蔵省より、G7は定期・不定期に開催されており、重要な政策協調はこの場で決定されるが、テーマは財政、通貨、金融など幅広い。予算編成権が議会にある米国を除けば、他の諸国は財務省がこれらすべてを所掌しており、一人の大臣が権限を持っているとの回答があった。なお委員より、金融は日銀の問題であって大蔵省が所管すると主張するのはおかしいのではないかとの意見があり、これに対して、大蔵省より、金利政策は日銀の専管事項であるが、金融システムの安定は行政の所掌であるとの見解が示された。
・ 金融監督庁はフィーバーで出来たものであり、現実には地銀の検査・監督は大蔵省の財務局が行う。検査・監督は金融機関が大きな不祥事を起こさないようにするためのものであり、緊急時には役に立たない。金融システムの安定は、アメリカの貯蓄貸付組合(S&L)問題への対応のように財政当局が責任を持つことが必要であり、財政と金融は分離すべきではないとの意見があった。

・ 造幣局及び印刷局のエージェンシー化について大蔵省は条件次第で可能と考えるのかとの質問があった。これに対し、大蔵省より、エージェンシーの概念が不明であるので回答できないが、偽造が困難な通貨を製造している技術が分散するのであれば問題であるし、国庫納付している現状を考えるべきであろう。現在の方式との利害得失を考慮すべきであるとの回答があった。
本件につき、なお委員より、大蔵省の機関であるがゆえに偽造しにくい通貨を製造しているとの主張は民間を軽視したものであり、言い過ぎである。民間においても商品券等の偽造防止で技術は向上している。またコインの偽造などはもともと意味がない。さらに電子マネーの時代に移りつつあることを認識すべきであるとの意見があった。

(4) 厚生省との間で、以下のとおり意見交換が行われた。

・ 厚生省から、行政改革に向けての同省の基本的な考え方として、以下の説明があった。
 厚生省の政策課題としては、急速な少子化・高齢化の中にあって、社会保障構造改革が最重要である。具体的には、1)高齢化のピーク時においても、国民の負担率が50パーセントを超えないこと、2)国民の自立を支援すること、3)地方分権、民間活用の利用を課題とし、皆保険、皆年金を維持しつつも制度横断的な再編成を行いたい。
 組織面としては、1)医療、福祉サービス体制の在り方として、きめ細かいサービスが必要なものについて地方へ権限委譲するが、他方、少子化対策や高齢化により介護への取組みが急がれている状況下で、諸プランの企画立案、補助金によるサービスの底上げを国が行うというように、国が国民の安全に関する企画立案をし、地方公共団体が実施する体制を作る。また、感染症の危機管理、全国を流通する食品・医薬品の管理等については国が行うというように、事務権限を見直し、合理化に努める。2)薬事行政組織については、エイズ問題を踏まえ、薬品の安全性確保のために、治験、審査、安全対策の一体的実施のため、医薬安全局を設置する一方、医薬品の振興対策については医療を所管する健康政策局で所管することとし、効率性・透明性の向上に努める。3)国立病院は、厚生省最大の事業部門であるが、新型インフルエンザ、エボラ熱等の感染症の危機管理、ペルー事件等における医療協力、がん等働き盛りの者の死亡原因となる病気に対する戦略医療等国が自ら行うべき分野を除き、民営化を推進する。臨調答申を受けて、昭和61年から民間等への移譲を進めている。地元の反対でなかなか進展していないが、受皿の拡大につとめ、一層の効率化を図りたい。4)社会保険庁については、企画部門と実施部門を既に分離しているが、一層の効率の向上に努める、というような諸点を考えている。

・ 社会保険庁のエージェンシー化について、問題となる点は何かとの質問があった。これに対し、厚生省から、約1万7000人いる地方事務官は保険者としての事務と指定医療機関の指定等の行政事務を行っているので、これをどうするかという問題があるほか、保険料の徴収について、国税と同様に差押え等の強制処分が認められている(平成7年度の強制徴収ケースは1460件)など権力的側面があるなど、問題点が指摘された。
 また、社会保険庁の業務については企画立案部門との連携が重要であるとの厚生省の説明に対し、社会保険庁が同じ国の機関でなければ連携が保てないのかとの質問があり、これに対し、厚生省から、必ずしも同一の組織内にある必要はないが、最低限人事交流等が必要であるとの見解が示された。
 これらを受けて、社会保険庁は国家機関の中にあればエージェンシー化してもよく、そうすればもっと生き生きと仕事ができるようになるのではないかとの意見が述べられた。

・ 国立病院の民営化に関し、営利企業による病院経営はできないのかとの質問があった。これに対し、厚生省から、1)医は公益という考え方があり、営利では行わないとの伝統的な考え方がある、2)医療費の面から見ると、現在でも既にかなりの数の医療機関があり、自由参入させるとかえって医療費の増加を招くおそれがある旨説明があった。また、民営化、地方委譲の現状について質問があり、厚生省から、国は、国の責任を果たすために必要な病院に限ることを基本として、移譲、統廃合の方針を決めたが、市町村や県の反対が強かった。その後説得を重ね、また、受皿である地方公共団体等が割引譲渡を受けるために引き継ぐべき職員の数について、1/2以上の条件だけであったものを1/3以上の区分も新設するなどの法改正を行った結果、成果が出つつあるとの回答があった。また、関連して、民間の病院は経営が難しく、倒産が多いのかとの質問があり、これに対して、病院経営は厳しい状況にあり、特に特徴のない病院の倒産が増えているが、社会問題化するほどではないとの回答があった。

・ 医薬品の安全対策のための独立行政委員会を設置することについて、厚生省は、1)「医療政策との一元的実施が確保されない」との問題点を指摘しているが、エイズ問題は正に一元的に実施したことに原因の一端があるのではないか、2)また、「諸外国に独立行政委員会が採用されている例はない」とされているが、これに特化した委員会がないというにすぎないのではないか、との質問があった。これに対し、厚生省から、1)医薬品の安全対策のために例えば回収命令を発出するのは医薬品行政だが、その際に、代替的な医療技術が医療現場において定着できるか等については医療政策の問題であり、両部門は密接に関連する。また、2)医薬品の被害は全国に及ぶ甚大なものになることが多いため、大臣が国会で国民に対して責任を負う体制が必要であり、例えば英国でも、エージェンシーである医薬品審査庁の最終責任は大臣にあるとの説明があった。
 関連して、諸外国では、医薬品審査が医療政策に影響を受けない独立したものになっているのではないか、との意見が述べられた。これに対し、厚生省から、医薬品の臨床試験、承認審査、市販後の安全対策は一体として行なわれる必要があり、外国でもこれらは一体として行なわれている。英国の医薬品審査庁の場合でも、内局の企画立案と密接な連携が取られているとの説明があった。

・ 廃棄物行政について、厚生省は、「環境行政が環境汚染の防止を主眼とするのに対して、廃棄物行政は国民の生命・健康の安全の確保を主眼とするもので、主眼が異なる」と回答しているが、両者には共通性があり、一体化した場合に具体的にどのような弊害があるのかとの質問があった。これに対し、厚生省から、回答は、環境庁が現在行っている環境行政を前提とし、廃棄物行政の部分だけを環境行政に統合することは考えられないということを述べたものであるとの説明があった。また、関連して、廃棄物行政は、環境行政系か社会資本整備系(国土系)かと問われれば環境系に属すると考えるとの見解が示された。

・ 委員から、本日の会議で決定した追加質問の趣旨について、特に、先進諸国と対比した場合の福祉レベルの著しい遅れなど、なぜこのような結果となったのか、また、この遅れを取り戻すためにどのような機構面などの改革が必要かなど、的確な回答を求めたい旨の発言があった。

(5) 次回会議は、5月21日(水)午後2時より、環境庁、科学技術庁、農林水産省、文部省からのヒアリングを行う。

以上

(文責 行政改革会議事務局)

連絡先:行政改革会議事務局   高野(電話03-3581-2641)  杉山(電話03-3581-0272)

行政改革会議議事概要は、インターネット(官邸ホームページ(http://www.kantei.go.jp/)の「最近の話題」又は「審議会」の欄)及びパソコン通信ネットワーク(PC-VAN及びGサーチ)でも御覧になれます。


(別紙1)

行革会議における各省庁ヒアリング質問項目の追加
(質 問)
◎行政改革の趣旨に照らし、各省庁において、今後取り組むべきと考える(取り組もうとする)改革方策をご提示願いたい。

(説 明)
官民の役割分担、規制緩和、地方分権、事務・事業の簡素・効率化等の観点から各省庁の業務をどのように見直すか、また今後の組織・人員体制の在り方をどのように改革するか(外局、施設等機関、地方支分部局等を含む)、各省庁行政の将来の在り方に照らし、出来る限り具体的にご提示、ご説明願いたい。


(別紙2)

厚生省追加ヒアリング項目(案)
追加質問1
◎少子化対策としては、男女不平等や育児支援施策の遅れ、全体的に長い職場拘束時間に起因する保守的な家庭観の克服が必要であり、このような観点から、政策的に、男女不平等の是正や、職業と育児を両立させる育児支援、さらには、労働力確保のための女性の社会参画の促進などを進める体勢はどうあるべきと考えるか。

追加質問2
◎近年の薬害エイズ問題に限らず、医薬品の製造・販売に関して、国際的に適切かつ迅速な情報の収集及びそれに基づく安全審査、また薬害に対する迅速的確な対応が不備であるという、厳しい世論がある。
  これに伴い、医薬品開発の振興と安全審査の分離による医薬品審査の透明性の確保の必要性が強く主張され、さらには、医薬品の審査体制について国際的に十分であるかどうかの検証も求められているが、過去の反省に立ち、このような批判に応える体勢はどうあるべきと考えるか。

追加質問3
◎日本において、北欧に見られるような人間優先の充実した高齢者福祉システムを構築できなかった根本的原因はどこにあると考えるか。また、高齢者福祉の水準を、国際的な観点に立って自己評価・点検することを可能にする体勢はどうあるべきと考えるか。